空耳アワー
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空耳アワー(そらみみアワー)とは、テレビ朝日系列の深夜番組『タモリ倶楽部』において、長年に渡り放送されているコーナーの一つ。
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[編集] 概要
視聴者から「日本語以外で歌われているが、あたかも日本語のように聞こえる歌詞」の投稿を募り、スタッフがつけたイメージ映像を交えて紹介する、というタモリ倶楽部を代表するコーナーのひとつである。司会者のタモリと「ソラミミスト」と呼ばれるイラストレーターの安斎肇が司会進行を行う。安斎が本編にも出演する場合、移動中のバスの中や作業場で空耳を紹介する。また、本編に出演したゲストと共に紹介する場合もある。
- 元々は1992年に始まった「あなたにも音楽を」というコーナーであったが、内容がコーナーの趣旨から外れてきたということで、現在の「空耳アワー」というコーナー名に変更になったという経緯がある。
コーナーは番組後半に設定され、タモリの「誰が言ったか知らないが、言われてみれば確かに聞こえる空耳アワーのお時間がやってまいりました。お相手はこちらの方でございます」の挨拶から始まり、安斎を紹介。前半では安斎の近況やタモリ倶楽部のその回の企画に関することなどを話し、そのあと視聴者から投稿された1~3作品を紹介する。最初に安斎がはがきを紹介し(画面下にテロップで曲名・アーティスト名・投稿者の都道府県と市町村名・投稿者名(原則本名でペンネーム禁止)を表示)、作品VTRを見た後でその空耳の部分が本当は何と歌われているのかを確かめ、最後にタモリが投稿者に送る賞品(詳細は賞品を参照)を決める。曲とともに放映されるイメージ映像のクオリティは秀逸であり、笑いを増幅させる。VTRの出演者はそのほとんどがスタッフ(頻繁に出演しているディレクター(通称:ビギン)は空耳アワードでも取り上げられたことがある)やスタッフの身内や小規模プロダクションの所属俳優が多く、中には作品に頻繁に登場する「空耳俳優」もいるものの、低予算の深夜番組であるため、世間で広く知られているような人は希にしか登場しない(空耳アワー作品に出演した事のある著名人も参照)。「昔はプロデューサーの行きつけの高級クラブのお姉ちゃんとかもよく出てた」(以前のスペシャル内でのタモリの発言)そうである。
[編集] 空耳アワード
半年から数年に一度、番組全体をまるごと使って過去の空耳アワーの作品を紹介しグランプリを決める「空耳アワード」という拡大版も放送されている。通常は「タモリ倶楽部」のなかで放送されるが、2001年末にはネオプライムタイム(23:00~24:54)に進出した経験もある(その際には途中まで当時「モーニング娘。」の矢口真里と石川梨華が参加した)。クリス・ペプラーが進行役、音楽評論家の萩原健太や近田春夫らがゲスト出演することが多い。2007年は近田のほかにマーティ・フリードマン(元メガデスのギタリスト、2006年から2年連続)、木村カエラをそれぞれゲストに迎えた。ちなみに、この企画はスタッフがネタに困ったときの切り札にしているらしく、2005年以降は毎年2週にわたり放送されている。
2005年空耳アワード後編では、安斎が初めてネタ作りに挑戦。作品は3本で、イメージ映像のコンテも手がけたが、どれも滑ってしまい、結局「三枚投稿して一枚の手ぬぐい」と言う評価に。さらに萩原健太から「音楽評論家が良い音楽作れる訳ではない。そういう人は作る方には回らないほうがいい」と釘を刺された。ちなみに、その後の通常回で再びネタを作り「一枚投稿して一枚の手ぬぐい」と言う結果となり一応リベンジを果たしている。
[編集] 賞品
投稿者にはタモリの選択により、評価の低い順に手ぬぐい、耳掻き(ソラミミかき)、Tシャツ(フリーサイズ)、ジャンパーのいずれかの賞品がもらえる。しかし、そのほとんどが手ぬぐいである。Tシャツはたまに進呈される程度である。手ぬぐいとTシャツの両方、ジャンパー、その他の商品(はがき、吸盤など)がもらえることもごく稀にある。ジャンパーは余程の優秀作・傑作でもない限り、プレゼントされない。2007年4月現在4年間ジャンパーが出ていないことが空耳アワード2007内の空耳10大ニュースで紹介された。ただ、賞品の中では手ぬぐいの人気が高く、ジャンパー・Tシャツ相当の優秀作であったにも関わらず投稿者が「手ぬぐい希望」と添え書きしたばかりに手ぬぐいに変えられることも多い。
安齋が言うには「タモリが聞こえるといったら高確率で手ぬぐい」だそうである。それでも2006年の空耳アワードでは手ぬぐい作品が大賞を受賞した。タモリは「手ぬぐいでもチャンスがあるということだ」とますます開き直っている。
- ちなみに、以前窪塚洋介が某会見場で空耳Tシャツを着ていた(実は偽物で胸の英語の部分が違う)。そのため急遽Tシャツを獲得した投稿者を集めた「Tシャツ同窓会」が行われた事もある。ちなみにこの企画に出演した浅草キッド曰く「窪塚本人が来たら2H(=2時間特番)」にするつもりだったと言う。
- また、2002年2月のタモリが司会を勤めるミュージックステーションに出演したSOPHIAの曲が「英語詞なのに日本語に聞こえる」という仕掛けを持っていたため、トークで松岡充が「ジャンパーが欲しい」という旨の発言をした。タモリは「(曲は)なかなか良く出来ている」としながらもジャンパー進呈か否かには悩む様子を見せ、番組はそのまま終了したが、後に松岡がラジオ等で「番組の後でタモリさん直々に下さった」と結局入手した事を明かしている。空耳アワー以外の場で賞品が進呈された珍しい例である。
賞品の評価基準としては、「ややウケ=手ぬぐい、バカウケ=Tシャツ、大爆笑=ジャンパー」 (旧基準)だったが、2005年の空耳アワードの中で「1位=ジャンパー、2~4位=Tシャツ、5位以下=手ぬぐい」 (新基準)にすることを発表した。なおランキングは40位まであるといわれている(しかし、空耳アワード2005の後数回で話されなくなった)。また、一度だけ見せしめとして何ももらえなかった作品(日本語を元にした歌詞だった為)がある。
2006年の空耳アワード後編で、常連投稿者の「手ぬぐいがたまっているので、他の賞品を考えて欲しい」との意見(しかしその常連投稿者は「そのようなことは書いていない」という)を基に新賞品を考案。コースター、栞、ポケットティッシュの3品が候補に挙がり、コースターが有力視されたが、結局スタッフの無気力や予算面の都合からボツとなり、追加・変更は見送られた。その後、2007年に「ソラミミかき」なる耳掻きが登場した(安斎デザインの右耳とタモリデザインの左耳の2種類があり、どちらがもらえるかはタモリがどちらを手に取るか次第)。
空耳アワードのグランプリにも賞品(湯飲みなど)が贈られる。
[編集] 投稿者
過去にはローリー寺西、清水圭、大相撲の大関・武双山(現・藤島親方)、安斎と仲の良い錦島親方(元幕内・敷島)から投稿もあった。また、一時期ウルフルズのサンコンJr.が毎週のように「手ぬぐい希望」と書いて投稿していたが、採用されたのはたった一回(2001年末の空耳アワードで事実上の特集として取り上げられ、ウルフルズが3人(当時)揃ってコメント出演し、一度に3本も紹介された)。
その他、ネタが無い、もしくは送られたネタに秀逸なものが無い場合、スタッフが作ったネタが紹介されるケースが稀にある(コーナー内では一切触れないものの、横浜市・加藤トモヒサなどの投稿者のネタがある)。さらに稀なケースとしては、空耳の元詞が不明だった時もあったり(主にアフリカ系言語を使った歌詞に多い)、ローリー寺西は歌詞ではなくギターのノイズ音を空耳として投稿した事もあった。また、メインの特集ではがきを募集したとき()「手ぬぐい希望」と書いた者もいた(コーナーが違うのでもらえなかった可能性大)。
※空耳アワー作品に投稿した事のある著名人も参照のこと。
[編集] 空耳アワー外国編
『空耳アワード2001』内で放送。「海外で空耳アワーの類似企画が放送されている」との触れ込みの後、海外のテレビ局が製作した映像を独自に入手したとの設定で放送された。英語版、ロシア語版、中国語版、ドイツ語版が流されたが、それはすべてタモリと安斎がその土地の人間に扮して(例えば、ドイツ版ではバイエルン・ミュンヘンのユニフォームを着て付け鼻をし、テーブルにはビールが置かれている)、その土地の言語のような適当な言葉を喋っているだけだった。安斎に至っては結局その国を代表する固有名詞に頼っていた(例:ドイツ語版で「ベッケンバウアー」に引っ掛けて「ベッケンばんわ」、ロシア語版で「フルシチョフ」)。タモリにとっては、駆け出し時代からの持ちネタ「インチキ外国語」を久々に披露する場となった。
内容は、「邦楽の歌詞がその土地の言語ではこんな風に聞こえる」というもの。流れは通常の空耳アワーと同じではあるが、空耳部分のテロップが外国語となること、曲が邦楽であることと、紹介後にナレーターによる解説が入るところが違っている。最後の空耳募集の告知も外国語で表記される(テレビ局などの表記は実在のものではない)。また「賞品」も微妙に変わっている(ロシア語版ではロシア帽など)。
その後、空耳アワード2006でも外国語の文章に聞こえる邦楽の歌詞を紹介した『逆空耳アワー』(コーナー名のバックの耳は反転した)が行われた。紹介された作品は2つで、いずれも浜崎あゆみの曲からマーティ・フリードマンが見つけた。
[編集] 安斎遅刻時の対応
本業でも筆が遅く、時間にルーズであることで有名な安斎はこの収録によく遅刻をし、間に合った時はタモリから小言を言われ、間に合わなかった時はタモリが一人で進行するか、その回の収録で出たゲストが同席する(最近は渡辺祐の場合が多い。一人進行の時、安斎に対する小言や説教だけで終わり、投稿作品を紹介しなかった回もある)。代々木での収録では、間違えて代々木上原に行ってしまい遅刻したこともある。なお、2004年は無遅刻無欠勤の偉業を成し遂げた(ただし、これは安斎が遅刻することを前提に、彼にのみ集合時間を早く伝えただけであり、実際は遅刻している/2005年空耳アワード前編より)。また、2006年も無遅刻を達成したが2007年初収録でいきなり遅刻した(「笑っていいとも!」に安斎が出演した際タモリが暴露)。その回は翌週の「空耳アワード2007」にも出演したマーティ・フリードマンが代役として同席し(安斎はコーナー途中から出演)タモリがコーナーの最後の宛先紹介で司会はどちらがいいか投稿者から意見を募ろうとした。
[編集] 類似企画
『笑福亭鶴光のオールナイトニッポン』の人気コーナーであった「この歌はこんな風に聞こえる」が元ネタであると思われる。因みにタモリは同じくオールナイトニッポン担当時代に、人気コーナー「ナンチャッテおじさん」の権利を巡って鶴光と闘争を繰り広げた事がある。
また、STVラジオ『KANさんのアタックヤング』でも類似のコーナーとして「すきっ腹にダンゴ」というコーナーが放送されていた。MBSラジオの『MBSヤングタウン』でも、谷村新司がパーソナリティの時代に「聞きコンダラ」というコーナーがあったほど、類似企画も全国津々浦々に存在する。
[編集] その他
ミュージックステーションでのドタキャン事件以来、タモリはt.A.T.uのことが大嫌いになってしまい、t.A.T.uの空耳ネタは投稿禁止になっている。ドタキャン騒動後にt.A.T.uネタが投稿されたが、はがきが紹介された瞬間、タモリの顔色が一気に変わってしまい、不機嫌そうに「聞こえるかぁ?フン!大失礼だ」などと言いながらVTRを見ていた。
他局のスタッフの中にもこのコーナーに採用される事に憧れる者がいる。かつて安斎がNHKに出演した際、スタッフから「今度、ビデオ版にして送るから。とにかくTシャツが欲しい」と言われたと語っており、タモリが「NHKが民放に『完パケ』のビデオを送るわけか。官民一体となってお送りして…」と感心したという逸話がある。
ちなみに、コーナータイトルでは「そらみみーアーワー」という男女二重唱の歌が流れ「HIROSHI & MIDORI」というクレジットが表示される。男声「HIROSHI」は番組ナレーターの武田広(ヒロシと言う名のディレクターという異説あり)、女声「MIDORI」はシンガーソングライターの辛島美登里である。 実はこの歌のメロディを階名で表記すると「ソラミミーレードー」となり、「そらみみ」の部分が洒落になっている。
[編集] 空耳アワー作品に出演した事のある著名人
- アリtoキリギリス
- 安斎肇
- 井手らっきょ
- 大仁田厚
- 奥田民生(空耳アワード2001で3作品に出演。ちなみに当日PUFFYがゲストの中にいた)
- キラー・カーン
- 桑野信義
- ザ・たっち
- 清水圭
- せんだみつお
- 中野浩一
- なぎら健壱
- ノッチ
- 濱田マリ
- 林家パー子
- 林家ペー
- ビビる大木
- 深沢邦之(Take2、妻の田中美佐子も写真で共演)
- 松村邦洋
- みうらじゅん
- 山田五郎(ジャンパー作品になりそうだったが、投稿者が「空聞アワー」と書いていたのでTシャツ作品に)
- 吉田照美
[編集] 空耳アワー作品に投稿した事のある著名人
- 安斎肇
- 伊集院光
- 内村光良(27時間チャレンジテレビで放送)
- サンコンJr.(ウルフルズ)
- 敷島勝盛
- 清水圭
- 近田春夫
- 野村義男
- パラダイス山元
- 眞鍋かをり
- 武双山正士
- ルーク篁
- ROLLY(当時はローリー寺西)