笑ってる場合ですよ!

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『笑ってる場合ですよ!』（わらってるばあいですよ）は、フジテレビ系列で1980年（昭和55年）10月6日から1982年（昭和57年）10月1日までの間にかけて放送していたお昼のバラエティ番組である。放送時刻は、日本時間の毎週月曜日から金曜日までの12:00～13:00。

[編集] 概要

この番組は前番組『日本全国ひる休み』をリニューアルした新しいフジテレビの平日昼のお笑い番組であった。

それまでフジテレビではこの時間帯に、前半に視聴者参加型のクイズ番組、後半に連続ドラマ枠（一時期NHK 総合の『朝の連続テレビ小説【再放送】』の裏番組だった時期あり）をそれぞれ編成していたが、裏番組としてクイズ番組『ベルトクイズQ&Q』や『スーパーダイスQ』（いずれもTBS）の牙城を崩しきれず、情報番組『お昼のワイドショー』（日本テレビ）、『アフタヌーンショー』（テレビ朝日）とも視聴率で大きく水を開けられていた。

そこでランチタイム番組の大改革を図るべく企画されたのが、当時大ブレークした漫才のタレントを多数出演メンバーに起用したバラエティ番組であった。漫才ブームの仕掛け人・横澤彪（当時フジテレビディレクター）がプロデュースし、新宿駅近くのスタジオアルタからの公開生放送であり、司会のB&B（島田洋七、洋八）、レギュラーのツービート（ビートたけし、ビートきよし）や紳助・竜介（島田紳助、松本竜介）、のりお・よしお（西川のりお、上方よしお）ら（いずれも後に土曜20時の『オレたちひょうきん族』に出演）、当時の若年層に人気のあった漫才・コントタレントが続々と登場し、フジテレビの看板ランチタイム番組に育てた。

また、将来お笑いをリードしようとする若手を育成するためのコーナーとして「お笑い君こそスターだ!」というコーナーがあった。このコーナーでは毎回アマチュア、あるいはプロでもまだブレークしていない無名のお笑いタレントに門戸を開放し、全国の視聴者からの支持が一定量集まれば合格で、これを5日間繰り返して勝ち抜けばグランドチャンピオンとなるというもので、それを決めた芸人はスタジオ天井から吊るされたくす玉や紙吹雪、そして観客からの拍手・歓声で新たなスターの門出を祝福した。

このコーナーからは山田邦子、ダウンタウンや、ザ・ホープ、ハイヒール・モモコ、そのまんま東、大川興業といった人材を輩出した。

ちなみに現在、フジテレビ編成制作局バラエティ制作センター部長の水口昌彦が京都大学工学部電子工学科時代の1981年に漫才コンビ「にっちもさっちも」で5日連続で勝ち抜き、11代目チャンピオンになっている。他にもフジテレビアナウンサー・牧原俊幸も素人として番組に参加している。また、島田洋七曰く自分の祖母（佐賀のがばいばあちゃん）も番組に出演した。

しかし、中高生が学校を無断で欠席してスタジオ見学に来たことや、番組のマンネリもあったことから1982年10月1日でこの番組を打ち切られて終了^[1]。同年10月4日からの後番組、タモリが司会の人気長寿バラエティ、『笑っていいとも!』が同じスタジオアルタを舞台にスタートを切ったのである（この『笑っていいとも!』では18歳未満、及び現在は18歳以上であっても高校生のスタジオ見学応募は原則として禁止されている）。

なお、タイトルの由来は、上司が「今、フジテレビは笑っている場合じゃないだろ!!（当時視聴率が全般的に低迷していた）」と言ったことにヒントを得たという。

[編集] スタッフ

プロデューサー：横澤彪
ディレクター：ひょうきんディレクターズ（三宅恵介、佐藤義和、荻野繁、山懸慎司、永峰明）

[編集] ネットしていた局

※太字は同時ネット局

フジテレビ（制作局）
北海道文化放送
秋田テレビ
山形テレビ（現:テレビ朝日系）
仙台放送
長野放送
山梨放送
富山テレビ
石川テレビ
福井テレビ
テレビ静岡
東海テレビ
関西テレビ
テレビ岡山（現:岡山放送）
山陰中央テレビ
テレビ新広島
テレビ山口（当時TBS系とフジテレビ系のクロスネット）
愛媛放送（現:テレビ愛媛）
高知放送
テレビ西日本
サガテレビ
テレビ長崎
テレビ熊本
大分放送
テレビ宮崎
鹿児島テレビ
沖縄テレビ

[編集] 備考

福島テレビはTBS系とフジテレビ系のクロスネットでJNN協定の絡みから、新潟総合テレビはフジテレビ系と日本テレビ系とテレビ朝日系のトリプルネット（1981年 4月1日からはフジ系とテレ朝系のクロスネット）で平日正午に『アフタヌーンショー』をネットしていた関係でどちらの局とも放送されなかった。また、秋田テレビは1981年4月1日からは新潟総合テレビと同様、フジテレビ系とテレビ朝日系のクロスネットとなる。

[編集] 番組フォーマット

オープニング、司会のB&Bの即席漫才
日替りコーナー
- 月曜日：ザ・ぼんちの物まねグランプリ - 井手らっきょがこのコーナーで芸能界入りした。
- 火曜日：ツービートのロック&ブス - ビートたけしが足立区バンドをバックにロックナンバーを歌った後、勝ち抜きブス合戦（素人が登場しどちらがブスか競いあう）に突入。
- 水曜日：紳竜の料理好きやねん - 島田紳助が毎回玄人はだしの料理の腕前を披露。できあがった料理をB&Bと共に会食。
- 木曜日：春風亭小朝のちょっと教えて（雑学コーナー）→明石家さんまの「減点マネージャー」（NHKテレビ三波伸介の「減点パパ」のマネージャーとタレント版）
- 金曜日：のりお・よしおのウグイスのど自慢道場
日刊乾電池ニュース
- 劇団東京乾電池の主力メンバー（ベンガル、綾田俊樹、高田純次、小形雄二）とアイドルタレントだった大橋恵里子が演じる時事コント。劇団主宰者の柄本明やその夫人・角替和枝も時折出演した。
お笑い君こそスターだ!
- 日本テレビ系列の『お笑いスター誕生!!』を向こうに回した企画（『君こそスターだ!』自体、『スター誕生!』の対抗番組としてフジテレビで放送されていたもの。）。
演芸コーナー
- 日替りで当時最も売れていたお笑い芸人が持ちネタを披露。
あの人に聞け!
- 洋七の「人は見かけによらぬもの!聞いてみなけりゃ分からない!ワカマッチャ～!」のフレーズで始まるクイズコーナー。洋八がアルタ前に出向き、通行人を掴まえて洋七がその人にいろいろと質問。それがそのままクイズとなったもの。回答者は曜日別レギュラー・東京乾電池メンバー・ゲストが務めた。
エンディング

[編集] 脚注

^ 景山民夫『極楽TV』（新潮文庫）に収録されている、景山と横澤の対談によると、この番組が限界になったのは以下の理由による。
- 出演するアマチュアが底をつき、質が悪化したこと
- 観覧に来る視聴者のレベルが低下したこと
- 番組の主な出演者であった漫才師の姿勢がイージーであったこと
特に三点目の「長期的ビジョンのないままに出演していた」漫才師の多くは、『オレたちひょうきん族』で咀嚼されたのち、次第にテレビからフェードアウトしていく。