筑波山口
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筑波山口(つくばさんぐち)は、茨城県つくば市沼田に所在する関東鉄道などの路線バスのバスターミナルであり、筑波山南麓に位置する筑波山の玄関口の一つである。1987年に廃止された筑波鉄道筑波線の筑波駅(つくばえき)と同じ地点であり、施設としては筑波鉄道当時の駅舎と駅構内バスターミナルを引き続き使用したものである。
当バスターミナルの名称は従前「筑波駅」であったが、筑波研究学園都市センター地区に設けられた首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス線(2005年8月24日開業)の駅が「つくば」駅となったため、以前から高速バス停留所名として使用していた「筑波山」に名称が統一され、更に同年12月10日の関東鉄道ダイヤ改正より「筑波山口」に改称された(後述)。
当バスターミナルには関東鉄道つくば中央営業所つくば北車庫(つくばちゅうおうえいぎょうしょつくばきたしゃこ)を併設している。本稿では関東鉄道つくば北車庫及び鉄道駅時代についても記述する。
目次 |
[編集] 概要
鉄道駅の時代は、土浦・岩瀬方面からの鉄道と筑波山方面へのバスの結節点であった。
また、1991年(平成3年)4月~2006年(平成18年)9月にかけては、東京駅からの高速バス「ニューつくばね号」の筑波山側の終点であり、高速バスと筑波山方面のバス乗り換え拠点としても機能していた。高速バスの停留所名は一貫して「筑波山」を名乗っていた。
現在も地域路線バスのバスターミナルとして機能しており、つくば駅(つくばセンター)方面、土浦方面、桜川市(真壁・岩瀬)方面と、筑波山ケーブルカー宮脇駅がある筑波山神社と筑波山ロープウェイの駅があるつつじヶ丘方面のバス乗り換え拠点となっている。
路線バスを利用する場合、筑波山観光の玄関口としての交通拠点であり、筑波山口~筑波山神社入口間の路線バスには、シーズン中の休日は多くの客が乗降する。
筑波鉄道廃止後~つくばエクスプレス線開業前は公共交通機関より自家用車を利用する人が増えたため、以前ほどの賑わいはなく、自家用車での乗りつけが容易なつつじヶ丘の方が比較的賑わっていた。
つくばエクスプレス開業で筑波山への観光客は増加したのに伴い、2005年10月につくばエクスプレスつくば駅に隣接するつくばセンターバスターミナルから筑波山神社入口(筑波山ケーブルカー宮脇駅入口)・筑波山ロープウェイつつじヶ丘駅へ向かう直行のシャトルバス(筑波山シャトルバス)が登場した。
しかし、筑波山シャトルバスは本バスターミナルを経由しないことから、利用状況には大きな変化は起きていない。
また、つくば駅からのシャトルバスも「筑波山行」と案内されていることから、東京駅からの高速バスニューつくばね号で本バスターミナルに到着する観光客などの混乱を招いたため、「筑波山」への改称から僅か3ヶ月余りで「筑波山口」への改称が行われることとなった。
[編集] ターミナル構造
駅舎および駅構内バス乗り場の部分は、鉄道駅時代のものを引き続き使用し、近年一部改修が成されている。この改修の際に、バスレーンまで伸びていた屋根が短くなり、駅舎前のタクシー乗り場付近までとなった。同時に屋根から吊るすタイプの案内サインは、各バス乗り場のものはなくなった。
駅舎は、そのまま関東鉄道のバス営業所事務所(定期券・回数券売場)になり、屋外型の構内バス乗り場は、バス乗り場及びバス留置場所として使用されている。このように事務所は元駅舎であったため待合所としてベンチもあるが、バスレーンから若干離れていることもあってあまり利用されず、バス乗り場など屋外で待つ客の方が多い。
鉄道駅時代から構内タクシーのりばがあり、目的地までの凡その運賃がわかる表を掲示している。
[編集] バス路線
2006年10月1日現在(2007年4月1日にダイヤ改定実施予定)
- 関東鉄道
- 関鉄グリーンバス
- 【急行】 つくばセンター行 ※途中無停車
- 【急行】 真壁駅行 (上大島経由)
- 【急行】 岩瀬中央公民館行 (上大島・真壁第一体育館・東飯田・岩瀬駅経由)
- 急行便は、一般路線バスと同じ車両を使用し座席定員制ではないため、予約は不要である。※2007年3月31日をもって廃止
- つくバス(つくば市コミュニティバス)
[編集] ターミナル周辺
当バスターミナルが位置する沼田集落は、筑波鉄道筑波駅が開業したことで筑波山の玄関口となり、観光客向けの商店などが並ぶようになった。1987年の廃線を経て現在に至るが、かつて観光客で賑わった駅前としての名残は、その町並みの建物に偲ばれる。現在、観光客向けに営業している店は少なく、商店街に観光地としての賑わいは見られず、周辺は静かな環境である。特筆できるものとしては、名物の和菓子店2店が現在でも営業しているが、それは筑波山神社拝殿方面に伸びる道路沿い、丁度旧駅前通りを直進した方向にあり、当バスターミナルに背を向けている立地である。このことからも当集落の観光客向けの商業が自家用車来訪客向けに事実上シフトしている現状が伺える。
- 植松タクシー
- 商店街 - 鉄道駅時代からの商店街だが、規模は小さい
- 竹内養蜂場 - 蜂蜜・ローヤルゼリー製造
- 稲葉酒造場 - 徒歩7分。地酒(1867年~)清酒「男女川」(みなのがわ)製造元。蔵見学は要事前連絡
- つくば市働く婦人の家
- つくば市筑波文化センター
- つくば市教育委員会教育相談センター
- セーブオン
- つくばわんわんランド - 徒歩約10分、またはバス「郡道橋南」「つくばわんわんランド」下車
[編集] 関東鉄道つくば中央営業所つくば北車庫
つくば中央営業所つくば北車庫は、「筑波営業所」から後に改称した「つくば北営業所」が格下げされたものである。これは、新設された関鉄パープルバスに近隣の一部路線が移管されたことによる。この「車庫」とは日本の他の多くのバス事業者と同様に営業所の支所・駐在所のようなものと見てよい。所属車両の略号は「筑波」および「つくば北」からTKと車体に表記される。バスターミナルに併設されるのは旧駅舎を利用した事務所で、車庫そのものは少し離れた場所にある。
[編集] 現行路線
- 真壁駅~上大島~筑波山口~北条~小田~高岡~土浦一高~土浦駅
- 岩瀬中央公民館~岩瀬駅~真壁駅~上大島~筑波山口
- 筑波山口~筑波山神社入口~風返峠~つつじヶ丘
- 筑波山口~北条~小田~筑波大学西~つくばセンター~学園並木
- つくばセンター⇔筑波山神社入口~つつじヶ丘 (筑波山シャトルバス)
[編集] 廃止路線
[編集] 車両
一般路線車はいすゞ車が多く在籍する。また、以前乗り入れていた筑波神社前バス停(現在は廃止)付近が狭隘であり、バス停そのものが土産物店・食堂「はつね」に造られた狭いガレージにあるので入れる車両が限られるため、中型車の比率が高い。
2001年に関鉄パープルバスへの一部路線移管に伴い、在籍両数が減少したが、近年は「つくバス」の運行開始等に伴い、増加傾向である。
他事業者からの移籍車は西武バスからの1両導入を嚆矢として、2002年に経年の高い中型車・日野RJの置き換えを目的にに京成電鉄(現・京成バス)からの移籍車が配置されるようになり、2006年時点では3両が在籍する。
2006年春には大阪市交通局(大阪市営バス)からの移籍車であるワンステップバスが導入された。
関東鉄道と関鉄グループのバス営業所 |
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土浦(TC) | 水戸(MT) | つくば中央(YT) | つくば北車庫(TK) | 水海道(MK) | 取手(TR) |竜ヶ崎(RG) | 江戸崎車庫(ED) | (旧鹿島)潮来(KS) | 波崎車庫(HS) | 関鉄グリーンバス(G) | 関鉄パープルバス(P) | 関鉄観光バス本社(TC) |関鉄観光バス田伏(TB) | 関鉄観光バス潮来(IT) | 関鉄観光バス水戸(MT) | 関鉄観光バス石岡(IS) | 関鉄観光バス水海道(MK) | 関鉄観光バス竜ヶ崎(RG) | 関鉄観光バス下館(SD) | 関鉄観光バス佐原(SW) | 編集 |
[編集] 筑波鉄道筑波駅
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茨城県土浦市と岩瀬町(現・桜川市)を結ぶ非電化鉄道・筑波鉄道筑波線の主要駅の一つであった。筑波山の玄関口として観光客で賑わったが、1987年(昭和62年)の同鉄道廃止と同時に廃駅。
構内配線は、駅舎側の片面ホームの1番線と、島式ホームの2、3番線。旅客は駅舎側から構内踏切で島式ホームへ渡る。
廃止後、長い間ホームと上屋はそのまま残された。ホーム跡は、筑波鉄道廃線跡を利用したサイクリングロード「つくばりんりんロード」(茨城県道501号桜川土浦自転車道線)の休憩所として整備されており、ベンチ、公衆便所、駐輪場、駐車場がある。
[編集] 歴史
- 開業
- 1987年 - 鉄道「筑波」駅廃止、バスのみ乗り入れ
- 1991年4月 - 東京を結ぶ高速バス「ニューつくばね号」運行開始。停留所名は「筑波山」とした。
- 2001年 - 関東鉄道、一部バス路線を関鉄パープルバスに移管
- 2005年8月24日 - 一般路線バスの停留所名を「筑波山」に改称。当バスターミナル経由で真壁・岩瀬とつくば駅を結ぶ急行バス運行開始。
- 2005年12月10日 - 一般路線バスのバス停留所名を「筑波山口」に改称
- 2006年4月1日 - 「のりのりバス」を廃して「つくバス」運行開始、停留所名「筑波山口」に改称。
- 2006年9月 - 「ニューつくばね号」運行終了。
- 2006年11月 - 紅葉渋滞対策で同月の休日に自治体によりパーク&バスライド事業実施、駐車場を無料で貸す。臨時レンタサイクル実施。
- 2007年4月1日 - 真壁・岩瀬とつくば駅を結ぶ急行バス廃止。レンタサイクル定期営業開始(4月1日~11月30日)。
[編集] 隣の駅
[編集] 他の廃駅バスターミナル
- 下川バスターミナル(旧下川駅)
- 本丸岡バスターミナル(旧本丸岡駅)
- 加世田バスセンター(旧加世田駅)
- 那覇バスターミナル(旧那覇駅)