道の駅
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道の駅(みちのえき)は、国土交通省(制度開始時は旧建設省)により登録された、休憩施設と地域振興施設が一体となった道路施設。一般道路の休憩施設の整備を、省庁の壁を超えた地域振興施設の整備促進を併せて行うことでより充実させる趣旨の制度である。したがって、自動車専用道路のサービスエリア・パーキングエリアを休憩施設として登録したケース(旭川紋別自動車道(上越白滝道路)・しらたき、能登有料道路・高松、播但連絡道路・フレッシュあさご、山陰自動車道(青谷羽合道路)・はわいなど)であっても、一部(山陰自動車道(青谷羽合道路)・はわいなど)を除き別途一般道からの連絡・利用が可能になっている。
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[編集] 概要
モータリゼーションの進展で長距離ドライブをすることが増え、高速道路のサービスエリア・パーキングエリアのように、一般道路においても誰もが24時間自由に立ち寄れ利用できる休憩施設が求められるようになった。
またこれらの休憩施設では、道路利用者に対してその地域の文化・名所・特産物などを活用したサービスを提供することが望まれている。さらにこれらの施設が鉄道の駅のようになり、それぞれの地域の核として道路を介した地域連携が促進されるなどの効果も期待される。このような背景の下に「道の駅」の制度が創設された。
[編集] 機能
道の駅は、道路利用者のための「休憩機能」、道路利用者や地域の人々のための「情報発信機能」、道の駅を核としてその地域の町同士が連携する「地域の連携機能」の3つの機能を併せ持つ。
[編集] 施設
道の駅は、24時間利用可能な一定数の駐車スペース、トイレ、情報提供施設を備えた施設であることが登録の条件となっている。また、多くの場合、道路や地域の情報を提供する案内人が置かれ、その他、その地域の自主的工夫のなされた施設が設置され、その地域の文化・名所・特産物などを活用したサービスが提供されている。
道の駅は、国や県が基本的な施設である駐車場やトイレを整備し、市町村、またはそれに代わり得る公的な団体(ほとんどは第三セクター)が地域側施設を設置する形が取られる。
[編集] 発祥に関する議論
ここでは構想と施設の両面から道の駅の発祥について述べることとする。しかしながら以下に挙げるものは、いずれも仮説の領域を出ないものである。以下に4つの仮説を列挙するが、これらはそれぞれが独立した事象というよりは、むしろ道の駅という概念の生成の過程上にある連続的なものと考えるほうがより的確であろう。
- 豊栄発祥説
- 1988年11月に、国道7号新新バイパス・豊栄道路情報ターミナル(現道の駅豊栄)が旧建設省(現国土交通省)によって設置された。現在では道の駅発祥の地という石碑が建立されていることもあり、ここを発祥とする説がある。
- 坂本発言発祥説
- 1990年1月に開かれた中国・地域づくり交流会の会合において、船方農場グループ代表の坂本多旦(さかもと かずあき)氏から「鉄道に駅があるように、道路にも駅があってもいいのでは」という発言があり、これから道の駅というものが生まれたという説が存在する。
- 掛合の里発祥説
- 1990年3月に供用が開始された島根県雲南市(旧掛合町)にある掛合の里(設置当初はドライブインとして運用)へ、先述の中国・地域づくり交流会が見学会を実施し、現在の道の駅の模範としたためこれが発祥であるという説がある。
- 道の駅実験発祥説
- 1991年年10月から翌年4月にかけて、山口県(例:道の駅阿武町)、岐阜県(例:花街道付知)、栃木県において道の駅実験が行われ、この実験施設がそのまま後の道の駅に登録された事から、これらを発祥とする説が存在する。
[編集] 道の駅第1号
「第1号」を名乗る道の駅は、各行政区域や地方内(例えば近畿地方、県内といった表現)における道の駅設置が第1号という理由のものが多い。しかし道の駅の沿革を重視し、1993年4月22日に全国103箇所の施設が道の駅として正式に登録されたことに鑑み、これらすべてを公式の「第1号」と考えるのが適切であるという意見が有力である。
なお一方では、1992年4月に鳥取県北栄町(旧大栄町)に設置された道の駅大栄が、その供用開始にあたって当時の旧建設省関係者が式典に参加したという事実を挙げ、こちらを道の駅第1号とすべきであるという意見もある。
[編集] 日本国外の道の駅
世界銀行は道の駅を模範に、「MICHINOEKI(Road to Station)」設置の際の手引書を2004年7月に作成。国内の道の駅同様の機能のほか、防災機能も兼備、病院も併設。中国安微省宏村鎮では竹細工などの加工施設も設置して観光型の経営が成立するか調査、タイでは日本同様一村一品運動も行っている。
[編集] イベントとしての道の駅
2003年に大和高田バイパスが延長開通した折に「まほろば道の駅ランド」と称して一日だけの道の駅が完成したばかりの高架上で開催された。幻の道の駅と言われている。
[編集] 「道の駅」スタンプラリー
道の駅に設置してあるスタンプを収集する。
[編集] 北海道地区
道内に92(2006/5/5現在収集可能なのは90)ある道の駅全てに設置されたスタンプを、専用のスタンプ帳(有料、100円)に収集する。毎年スタンプラリーを行っていて、収集したスタンプ数に応じて道の駅特産品等が抽選で当たる(応募期間は凡そ毎年4月中旬~11/3頃までで、11月に抽選を行う)。また、期間内(約2年間)に全駅収集すると全駅完全制覇認定証と全駅完全制覇ステッカーがもらえる(こちらは期間内であればいつでももらえる)。
- かつては全駅制覇の期間が約1年間であったが、道の駅の数が増え現在の期間になった。
- 完全制覇を狙うとほとんどその目的の為の旅行になる。
- 道の駅は広い道内にくまなく設置されており、ルートを正確に計画しないと膨大な距離を行き来する事になる。
- 2003年までは道の駅の開館時間外でもスタンプを押せたが、2004年からはスタンプを押せるのは開館時間内のみとなった。
[編集] 東北地区
東北6県の道の駅(2006年度は117駅)に設置されているスタンプを、専用スタンプ帳(1999年から2003年まで無料。2004年から有料、100円)に収集。駅員にスタンプ数を確認してもらい、個数、または完走したエリアに応じて東北道の駅共通商品券が当たる懸賞に応募できる。2004年までスタンプの数で対応。2005年度から、完走賞のほかに「朝日ライン」(岩手、宮城、福島)、「夕日ライン」(青森、秋田、山形)の完走賞も設けられた。期間は1年のうち、概ね4月から12月初旬まで。これは冬季に閉鎖される道の駅(青森県の一部の駅)があるためである。以前は、営業時間外などの理由で設置場所に入れない場合、駅が用意している「スタンプが押された紙」で代用することが出来たが、数人で組んで担当を回り歩き他の人から紙をもらうなどの不正行為を防ぐため、現在は行われていない。 完全走破した参加者には、「完全走破賞」の賞状とシールが全員に渡される。
[編集] 関東地区
関東と長野県、山梨県各地に設置されている道の駅115駅から専用のスタンプ帳(有料、100円)を購入し、参加する。
[編集] 北陸地区
新潟・富山・石川・福井の各県にある設置されたスタンプを専用スタンプ帳(有料、100円)に収集。
- 横に長く、「半年にすべての駅を回るのは困難」との指摘により、2006年から1年半というロングラン開催に。
[編集] 東海地区
[編集] 近畿地区
期間中、有料スタンプブックにスタンプを押していく。全駅制覇すると、1万円相当の商品を得ることができる。
[編集] 中国地区
[編集] 四国地区
[編集] 九州地区
[編集] 日本の道の駅の数
1993年4月22日に旧建設省と地方自治体の協力で全国で103箇所が登録されたのを皮切りに、以後その登録数は伸び続け、2007年3月1日現在では全国に858箇所設置されている。なお、現在までに登録抹消となった事例は道の駅茶処 和束(京都府)の1箇所のみである。
[編集] 登録及び登録抹消の状況
第1回登録 | 1993年4月22日 | 103箇所 |
第2回登録 | 1993年8月10日 | 1箇所 |
第3回登録 | 1993年11月24日 | 11箇所 |
第4回登録 | 1994年3月31日 | 7箇所 |
第5回登録 | 1994年4月26日 | 33箇所 |
第6回登録 | 1994年8月4日 | 20箇所 |
第7回登録 | 1995年1月30日 | 6箇所 |
第8回登録 | 1995年4月11日 | 34箇所 |
第9回登録 | 1995年8月3日 | 18箇所 |
第10回登録 | 1996年4月16日 | 52箇所 |
第11回登録 | 1996年8月5日 | 28箇所 |
第12回登録 | 1997年4月11日 | 53箇所 |
第13回登録 | 1997年10月22日 | 24箇所 |
第14回登録 | 1998年4月17日 | 80箇所 |
第15回登録 | 1999年8月27日 | 81箇所 |
第16回登録 | 2000年8月18日 | 59箇所 |
第17回登録 | 2001年8月21日 | 39箇所 |
第18回登録 | 2002年8月13日 | 52箇所 |
第19回登録 | 2003年8月8日 | 42箇所 |
登録抹消 | 2004年3月31日 | -1箇所 |
第20回登録 | 2004年8月9日 | 43箇所 |
第21回登録 | 2005年8月10日 | 45箇所 |
第22回登録 | 2006年8月10日 | 15箇所 |
第23回登録 | 2007年3月1日 | 13箇所 |
[編集] 同一市町村域内に複数の道の駅がある自治体
- 8箇所
- 7箇所
- 6箇所
- 5箇所
- 4箇所
[編集] 鉄道駅と併設している道の駅
- いまべつ(JR東日本津軽線津軽二股駅・青森県)
- のだ(三陸鉄道北リアス線陸中野田駅・岩手県)
- おおうち(JR東日本羽越本線羽後岩谷駅・秋田県)
- 道の駅大谷海岸(JR東日本気仙沼線大谷海岸駅・宮城県)
- 湯西川(野岩鉄道会津鬼怒川線湯西川温泉駅・栃木県)
- 笹川流れ(JR東日本羽越本線桑川駅・新潟県)
- まつだいふるさと会館(北越急行ほくほく線まつだい駅・新潟県)
- 日和佐(JR四国牟岐線日和佐駅・徳島県)
- 田野駅屋(土佐くろしお鉄道阿佐線(ごめん・なはり線)田野駅・高知県)
- やす(土佐くろしお鉄道阿佐線(ごめん・なはり線)夜須駅・高知県)
[編集] ハイウェイオアシスと併設している道の駅
- ふじおか(上信越自動車道藤岡PA・群馬県)
- オアシスおぶせ(上信越自動車道小布施PA・長野県)
- あらい(上信越自動車道新井PA・新潟県)
- 日本昭和村(東海環状自動車道美濃加茂SA・岐阜県)
- 富士川楽座(東名高速道路富士川SA・静岡県)
[編集] その他特徴のある道の駅
- 能登空港(能登空港内に併設・石川県)
- 伊良湖クリスタルポルト(フェリーターミナルを併設・愛知県)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 道の駅((財)道路保全技術センター)
- 道の駅利用案内(国土交通省道路局)
- 北海道地区「道の駅」連絡会の公式サイト「北の道の駅」
- 東北の道の駅
- 関東「道の駅」
- 北陸地方整備局 道路情報サイト
- 中部の「道の駅」
- 道の駅 近畿
- 行ってみませんか?中国地方の「道の駅」
- 四国の「道の駅」
- 九州の道の駅へようこそ
- 沖縄ITS 道の駅情報
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