品川駅
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品川駅(しながわえき)は、東京都港区高輪三丁目および港南二丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・東海旅客鉄道(JR東海)・京浜急行電鉄(京急)の駅である。また日本貨物鉄道(JR貨物)の貨物駅でもあるが、1994年から貨物列車の発着は無くなっている。
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[編集] 利用可能な鉄道路線
[編集] 駅名の詳細
名称は品川駅ではあるが、所在地は東京都品川区ではなく東京都港区で、古来からある宿場町としての品川よりは北に位置し、当駅の南にある京急線の駅が「北品川」となっているのは、このためである。
[編集] 駅構造
品川駅は大きく分けて3つの部分で構成される。
[編集] 京浜急行電鉄
所在地:東京都港区高輪3丁目26-26
京急線は品川駅の西側に位置し、2面3線ホームの高架構造である。駅北側に折り返し用の引込み線が2線設けてある。横浜・羽田空港方面のホームはJRのコンコースに直結しており、中間改札がある。ただし、この中間改札はSuica・Pasmoの利用が可能であるが、ICOCAの利用ができないため注意が必要である。
- 当駅は京急本線の起点駅である(泉岳寺駅も京急の駅であるが支線の扱い)。
- 当駅と泉岳寺駅の間も京急本線であるが、当駅から京成の種別(もしくは普通)に変更されるため、「快速」「通勤特急」などの表示を目にすることがある。
- のりば
1 | ■京急線 ■空港線 |
横浜・横須賀中央・京急久里浜・浦賀方面 羽田空港方面 |
2 | ■京急線(都営浅草線直通) | 日本橋・浅草・印旛日本医大・成田空港方面 |
3 | ■京急線(ウイング号平日のみ) ■京急線(下り普通・朝のみ) |
京急久里浜・三浦海岸・三崎口方面 新馬場・鮫洲・大森海岸方面 |
[編集] JR東日本
- 品川駅の中央に位置し、山手線、京浜東北線、東海道本線(以下本稿では「東海道線」と表記)、横須賀線のホームがある。島式7面14線ある。西から1番線~14番線と並ぶ。南側コンコースの西側には京急の窓口や京急との乗り換え改札があり、京急線の下りホームに直結している。また構内にはecute(エキュート)品川がある。
- 7~10番線は臨時ホームである。東海道線・横須賀線の早朝・深夜にある品川始発・品川終着の列車・電車は臨時ホームを使用している。また、品川行き湘南ライナーも臨時ホームに到着する。たまに行われるジョイフルトレインなどの鉄道車両の展示イベントのほか、東海道線や横須賀線のダイヤが乱れたりしたときに使うことがあり、湘南新宿ラインが大崎駅ではなく、当駅臨時ホーム発着になることもある。また、「ムーンライトながら」91号や団体列車などの始発臨時列車の発着にも使われる。
- のりば
1 | ■山手線(内回り) | 東京・秋葉原・上野方面 |
2 | ■山手線(外回り) | 渋谷・新宿・池袋方面 |
3 | ■京浜東北線(北行き) | 東京・上野・赤羽・浦和・大宮方面 |
4 | ■京浜東北線(南行き) | 蒲田・鶴見・東神奈川・(根岸線)磯子方面 |
5・6 | ■東海道線(上り) | 東京方面 |
7~10 | ■臨時ホーム | |
11・12 | ■東海道線(下り) | 川崎・横浜・大船・小田原・熱海・(伊東線)伊東・伊豆急下田方面 |
7~12 | ■「快速アクティー」「湘南ライナー」 | 藤沢・茅ヶ崎・小田原・熱海方面 |
■特急「踊り子」「スーパービュー踊り子」 | 熱海・伊東・伊豆急下田・三島・修善寺方面 | |
■東海道本線 (夜行快速「ムーンライトながら」)(寝台急行「銀河」) |
名古屋・大垣・大阪方面 | |
13 | ■総武快速・横須賀線 | 錦糸町・船橋・千葉・成田空港・君津・上総一ノ宮方面 |
■特急「成田エクスプレス」 | 成田空港方面 | |
14 | ■横須賀線 | 新川崎・横浜・大船・逗子・横須賀・久里浜方面 |
[編集] JR東海
駅の東側に位置する、東海道新幹線の島式2面4線のホームである。ホームはS字状にゆるくカーブし、本線側に可動柵、副本線側に固定柵が設置されている。東京寄りに引き上げ線3線があり、折り返し可能である。1990年代半ばまで、現在の新幹線ホーム及び、その東側は、品川機関区(東京機関区とは別)や貨物取り扱い施設、新幹線の車両基地があった。
東海道新幹線品川駅の構想自体は旧・日本国有鉄道(国鉄)時代にはあり、その後国鉄分割民営化を機にその構想はJR東海へと受け継がれた。JR東海が新幹線ホームの土地買収をする際、JR東日本と一悶着あった。
駅舎等の設備は1997年5月26日に着工、6年半かけて2003年9月15日完成した。
東海道新幹線品川駅が建設された理由として、品川折り返し列車の設定による東海道新幹線の輸送力増強(東京駅から東京第一車両所・東京第二車両所に出入する回送列車との競合を回避することで、毎時4本の増発が可能であるとされた)が大きな目的とされているが、2003年10月1日の開業以降2006年現在まで、品川折り返し定期列車は設定されていない。しかし2007年7月1日のダイヤ改正において、当駅6:00始発の「のぞみ99号」博多行きが新設される(JR西日本12月22日プレスリリース)。使用車両は、この改正から運転を開始するN700系である。
ホーム上には売店等の店舗はない。ホーム上のコンコースおよび改札内にいくつかの店がある。また、改札内の待合室を兼ねるコーナーには一部に無線LANコーナー(電源付き)がある。新幹線ホームは駅舎の内側にあるため、地下駅のようになっている(似たような例は京王電鉄井の頭線の神泉駅)。上下線とも外側が本線(通過線)となっており、転落防止の為にホームドアが設置されている。
新幹線は「のぞみ」の約6割、新大阪発着の「ひかり」が停車する。広島(または岡山)発着の「のぞみ」は原則通過し、博多発着の「のぞみ」は全停車する。
- のりば
21・22 | ■新幹線 | 東京行き |
23・24 | ■新幹線 | 名古屋・新大阪方面 |
[編集] 利用状況
品川駅の2004年度(JR東日本は2005年度)1日平均乗降客数は、乗り入れている鉄道会社をあわせて約88万人(全国9位、関東7位)。
- JR東日本 30万2,862人(乗降客数は約60万人)
- JR東海 約4万人
- 東海道新幹線の利用者数としては6位。なお、東海道新幹線の駅利用者数は1位~6位まで「のぞみ」の停車駅。
- 京急 約24万人
- 京急の駅としては、横浜に次ぐ2位。
東京南部のターミナル駅であるため、以前から乗り換え客で混雑する駅であった。さらに近年では1998年の京急羽田空港乗り入れ、2003年の東海道新幹線駅開業、また駅周辺での大規模な再開発の進行などにより、終日に渡って多くの乗客で賑わうようになっている。
2003年10月1日に東海道新幹線の駅が開業し、新幹線に乗るのに今までは東京駅を使っていた人の約3万人が当駅を利用するようになった。港区、品川区、目黒区、渋谷区、大田区、世田谷区、川崎市南部、あるいは渋谷駅、目黒駅などで接続する私鉄・地下鉄沿線など、東京南西部地域における利便性が大幅に向上した。東京駅との距離が僅差(約6分)にも関わらず、開業の影響は絶大である。これらの地域は東京駅よりも羽田空港の方が近かったため、これまで航空機を利用していた乗客を新幹線に移行させる効果も期待されている。
また横須賀線および総武快速線は、東京駅での発着ホームが新幹線ホームから遠く離れた地下に位置しているが、品川駅では新幹線ホームに隣接した地上にあるため、乗り換えには当駅の利用が便利である。但し、新幹線は通過する列車もあるため、当駅からの乗車には留意が必要である(特に日中時間帯の下りは、毎時30分発の「こだま」名古屋行きの次に停車する列車は、58分発の「のぞみ」博多行きとなっていて、その間30分近く空白となっている)。
[編集] 駅周辺
[編集] 西側(高輪口)
大規模なシティホテルが多く、エリアあたりの客室数では日本一を誇っている。これは、東海道の最初の宿場であった品川宿のあった地域であることが理由と考えられる。
駅ビルと呼べるほどの施設はないが、京急グループの複合商業施設「ウィング高輪EAST」が併設されている。また、長距離バスの始発点である品川バスターミナルにもほど近い。第一京浜沿いのビジネス街に並んでいるほか、高輪、白金、池田山などの高級住宅街を後背に控えている。
1977年1月4日の青酸コーラ無差別殺人事件は、現在の品川プリンスホテル本館前(同ホテルの開業は1978年。当時は品川スポーツランド)にあった電話ボックスで起こった。
- 麺達七人衆 品達ラーメン(フードテーマパーク)
- 品達どんぶり五人衆(フードテーマパーク)
- ウィング高輪EAST・WEST
- ホテルパシフィック東京
- 高輪京急ホテル
- 品川バスターミナル
- 東横イン品川駅高輪口
- 高輪東武ホテル
- グランドプリンスホテル高輪
- グランドプリンスホテル新高輪
- ザ・プリンスさくらタワー東京
- 品川プリンスホテル
- エプソン品川アクアスタジアム
- ユニ・チャーム本社
- 国道15号
[編集] 東側(港南口)
従来、工場や倉庫などが広がる地帯で、駅からこの側に出るには駅から離れた場所にある非常に長い地下通路を通らなければならなかったが、貨物ターミナルや新幹線車両基地(旧東京第一車両所、1992年移転)の跡地再開発がはじまってからは品川インターシティ、2003年に品川グランドコモンズがオープンし、オフィスビルや商業施設が建ち並び、都下でも有数の商業地域となった。また新幹線品川駅が開業したことにより名古屋・関西地区とのアクセスが向上したこともあって、企業が次々と本社を移転し、都内でも有数のビジネス街となった。
近年、再開発によるタワーマンションの建設ラッシュが進んでいて、湾岸戦争とまで言われるようになった。 これは昨今の不景気により企業が負債圧縮のため、数多く所有していた倉庫などの敷地を手放し、不動産業者などに売却したためであると言われている。
また、朝ラッシュ時は駅から港南口方面の企業へと出社する大量の会社員で駅通路や歩道が埋まり、港南口側から駅を利用する場合、日中に比べると改札口に到達するだけで数分ほど余計に時間が掛かることがある。
- アトレ品川
- 品川グランドコモンズ
- 品川イーストワンタワー(大東建託本社・ストリングスホテル東京)
- 太陽生命品川ビル(太陽生命本社・他にもバンダイナムコホールディングス等が入居)
- 品川グランドセントラルタワー(旧・品川三菱ビル、三菱商事品川本社等))
- 三菱重工ビル(三菱重工本社)
- キヤノンSタワー(キヤノンマーケティングジャパン本社)
- 品川インターシティ(A棟・B棟・C棟)
- 大林組東京本社(本店は大阪だが、ここが実質の本社である)
- 他にもソニーの一部本社機能、及び関連会社も入居
- 品川インターシティパーキング収容台数678台
- アレア品川
- 東京新聞品川分室
- 東京都下水道局港南水再生センター
- 東京都中央卸売市場食肉市場
[編集] バス路線
[編集] 西口(高輪口)
- 品川駅前
- ホテルパシフィック東京、品川プリンスホテル、グランドプリンスホテル高輪 他
- [ 空港バス ] 成田空港 (東京空港交通)
- 品川バスターミナル
- 詳細は品川バスターミナルのページ参照
[編集] 東口(港南口)
- 品川駅東口
[編集] 歴史
同駅の西口側は三田~高輪台にまたがる台地(月の岬)の裾野に位置し、港南側の大部分は明治時代埋め立てられた場所に位置している。
[編集] JR品川駅
- 1872年(明治5年)1月20日 - 西洋建築平屋建の品川駅(当時は「品川ステーション」)駅舎が完成。
- 1885年(明治18年)3月1日 - 日本鉄道品川線(現在の山手線)が乗り入れ。
- 1898年(明治31年)4月1日 - 貨物取扱を開始。
- 1906年(明治39年)11月1日 - 日本鉄道が国有化。
- 1945年(昭和20年)5月24日 - 太平洋戦争による空襲で被災。
- 1964年(昭和39年)10月1日 - コンテナ貨物の取扱を開始。
- 1976年(昭和51年)10月1日 - 総武快速線が当駅まで乗り入れ。
- 1980年(昭和55年)10月1日 - 総武快速線と横須賀線の運転系統が統一され、直通運転を開始(SM分離)。一般向けコンテナ・車扱貨物の取扱を全廃。駅南東に広がっていた貨物ホーム撤去。
- 1986年(昭和61年)11月1日 - 荷物取扱を廃止。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化。国鉄の駅はJR東日本・JR貨物の駅となる。
- 1994年(平成6年)12月3日 - 貨物列車の設定が無くなる。
- 1998年(平成10年)11月 - 東西連絡通路が完成して駅舎が橋上化。
- これ以前に、品川駅には線路を越えるための通路が設置されていなかった。そのため、歩いて東口方面と西口方面を行き来する(歩いて線路の向こう側に行く)には、入場券を購入して改札内駅を抜けなければならかったが、これが解消されることとなった。なお、その関係で当駅には入場券の定期券が存在した。
- かつての品川駅には、西口改札を入って左にある階段を降りると、JR線の各ホームへ向かう連絡通路が設置されていた。品川駅の線路やホームは高架式ではないため、この通路は線路や周囲の地面よりも低いところにあり、短時間に集中して雨が降ると冠水してしまうことがあった。これが原因で列車の運行に支障を来したこともあったが、駅の橋上化により解消された。
- 2003年(平成15年)10月1日 - JR東海品川駅が開業し東海道新幹線が停車開始。開業記念セレモニーの一環で、ソニーのQRIOが同駅から静岡駅まで「ロボットの乗客としては、初めて」新幹線に乗り込んだ。
- 2005年(平成17年)10月1日 - 大宮駅に続き、品川駅にも、ecute品川が開業。
[編集] 京急品川駅
- 1924年(大正13年)3月11日 - 京浜電気鉄道の高輪駅が開業。
- 1933年(昭和8年)4月1日 - 高輪駅が現在地に移転、品川駅に改称。
- 1942年(昭和17年)5月1日 - 東京急行電鉄の駅となる。
- 1948年(昭和24年)6月1日 - 京浜急行電鉄の駅となる。
- 1968年(昭和43年)6月21日 - 当駅から泉岳寺駅までが開通。
[編集] 隣の駅
- 京浜急行電鉄
- ■本線