ウメ
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?ウメ | |||||||||||||||||||||
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梅の花(白梅) |
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Prunus mume | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
ウメ(梅) | |||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||
Ume |
ウメ(梅)は、バラ科サクラ属の落葉高木、またはその果実のこと。学名はPrunus mume。中国原産で日本には古代に渡来した。日本の気候に馴染んでいないため、2月頃という花粉を媒介してくれる虫の少ない時期に花を咲かす。アンズの近縁種であり、容易に交雑する。野梅系の果実は小型であり、果実を利用する豊後系ではアンズとの交雑により大型化している。ただし、完熟しても果肉に甘味を生じることはない。
花芽はモモと異なり、一節につき1個となるため、モモに比べ、開花時の華やかな印象は薄い。1~3月に5枚の花弁のある1~3cmほどの花を葉に先立って咲かせる。花の色は白、またはピンク~赤。葉は互生で先がとがった卵形で、周囲が鋸歯状。果実は2~3cmのほぼ球形の核果でみの片側に浅い溝がある。6月ごろに黄色く熟す。七十二候の芒種末候には梅子黄(梅の実が黄ばんで熟す)、とある。梅には300種以上の品種があり、野梅系、紅梅系、豊後系の3系統に分類される。梅の実を採るのは主に豊後系である。
江戸時代以降、花見といえばサクラということになっている。平安時代以前は「花」といえば梅を指すことが多かったが、平安時代からの和歌などで単に「花」とあった場合、多くは桜のことである。
ウメの語源は中国語の「梅」(マイあるいはメイ)といわれる。伝来当時の日本人は、鼻音の前に軽い鼻音を重ねていた(現在も東北方言などにその名残りがある)ため、meを/mme/(ンメ)のように発音していた。これが「ムメ」のように表記され、さらに読まれることで/mume/となり/ume/へと転訛する。一方で、今も「ンメ」のように発音する方言もまた残っている。
ただし/ume/が先にあって、唇音の/u/が次にくる唇音の/m/に同化する音韻過程により/mme/へと変化したとする説も存在する。他にも幾つかの異説があり、現在のところ、どれもまだ定説となるに至っていない。
目次 |
[編集] 収穫量
平成17年度
[編集] 薬効と毒性
花を観賞するほか、果実を梅干しや梅酒にする。クエン酸をはじめとする有機酸などを多く含み、健康食品として人気が高い。
漢方薬では薫蒸して真っ黒になった実を烏梅(うばい)といい健胃、整腸、駆虫、止血、強心作用があるとされる。中国では話梅(広東語: ワームイ)と呼ばれる干して甘味を付けた梅が菓子としてよく売られている。
バラ科の葉や未成熟の青い果実、核の中の種子には青酸配糖体が含まれ、未熟な種子や腸内細菌の酵素により、シアンを生成する。これが胃酸により有毒性を発揮すると、ケイレンや呼吸困難、さらには麻痺状態になって死亡するといわれている。
シアンの生成は胃酸や胃の消化酵素によるものではないので、大量の種子をかみ砕いた場合を除いて誤摂取による中毒の危険は限られる。アンズの種子による重症例がある一方、幼児が青梅の果肉を囓った程度では心配ないとされる。また、梅酒の青い実や梅干しの種の中身などは、アルコールや熱により酵素が失活し、毒性は低下している。
[編集] 梅をシンボルとする国・地域
[編集] 梅を国花とする国
- 中華民国(台湾):1964年制定。梅(Prunus mume)の花は牡丹と並び、伝統的に中国を象徴する花である。1964年6月21日、中華民国政府は梅の花を公式に国花に定めた。その3本のおしべ(1本は長く、他の2本が短い)は三民主義を表し、5枚の花弁は五権憲法を象徴する。この決定は1929年の中華民国政府の発表を繰り返したものである。台湾では、国民党の旗である12本の光芒をもつ太陽と並んで、梅が中華民国の国の紋章として使われるようになった(中華民国・外交部による解説中国語英語)。
- この関係で、チャイナエアライン(中華航空)の尾翼も梅を意匠としている。
[編集] 梅を県木とする日本の県
[編集] 梅をシンボルとする日本の市区町村
- 北海道:豊浦町
- 青森県:岩木町・百石町
- 秋田県:横手市・琴丘町・羽後町
- 山形県:最上町・真室川町
- 福島県:白河市・会津高田町
- 茨城県:水戸市・五霞町・常陸大宮市
- 栃木県:西方町
- 群馬県:安中市
- 埼玉県:児玉町・美里町・北川辺町・嵐山町・越生町
- 千葉県:成田市
- 東京都:大田区・府中市・国立市・青梅市
- 神奈川県:横浜市港北区・同磯子区・同都筑区・川崎市高津区・小田原市
- 山梨県:都留市
- 長野県:小諸市・宮田村
- 新潟県:糸魚川市・見附市・三川村
- 富山県:小矢部市(紅梅)
- 石川県:金沢市・小松市
- 静岡県:熱海市・岡部町
- 岐阜県:関ヶ原町・美濃市・輪之内町
- 三重県:御薗村
- 京都府:城陽市・綾部市・大江町
- 奈良県:天理市・王寺町
- 和歌山県:田辺市・みなべ町・上富田町
- 大阪府:大阪市中央区・東大阪市・泉南市・熊取町
- 兵庫県:たつの市・神戸市東灘区
- 島根県:益田市
- 岡山県:佐伯町・奈義町
- 広島県:三原市・竹原市・坂町
- 山口県:防府市
- 徳島県:阿南市
- 福岡県:太宰府市・香春町
- 長崎県:島原市
- 宮崎県:新富町
- 鹿児島県:日置市
[編集] 梅をシンボルとする日本国外の自治体
[編集] 日本の梅の名所
- 各地の天満宮 - 梅がシンボルとされている。北野天満宮、道明寺天満宮、太宰府天満宮、湯島天神など
- みかさ梅林邦梅園(北海道三笠市) - 北海道最大の梅園であり、約1万本が植栽されている
- 偕楽園(茨城県水戸市) - 約3千本の梅がある、日本三名園の一つ
- 筑波山梅林(茨城県つくば市) - 約3千本の梅がある、日本百名山の一つ
- 吉野梅郷(東京都青梅市)- 約2万5千本の梅がある、首都圏でも有数の梅の名所
- 越生梅林(埼玉県越生町)- 関東三大梅林のひとつ
- 青谷梅林(京都府城陽市) - 約1万本の梅がある。広さ20ha、鎌倉時代からの歴史
- 月ヶ瀬梅林(奈良県奈良市月ヶ瀬)
- 綾部山梅林・室津(兵庫県たつの市) - 瀬戸内海を「ひとめ2万本」と称される梅林の背景とする景勝地
- 南部梅林(和歌山県みなべ町) - 「一目100万本、香り十里」と称される日本最大の梅林
- 岩代大梅林(和歌山県みなべ町) - 広さ30ha、梅木2万本の大梅林
- 千里梅林(和歌山県みなべ町) - 熊野古道の千里の浜を見おろす丘にある約6千本の梅林
- 賀名生梅林(奈良県五條市) - 南北朝時代の和歌にも詠まれる、約2万本の梅林
- 紀州田辺梅林(和歌山県田辺市) - 大蛇峰山麓にあり、30万本の梅木が水平線を遠景に広がる
[編集] ウメにまつわる言葉等
- 「梅栗植えてハワイへ行こう」
- 九州の大山町(現・大分県日田市)における落葉果樹振興の有名なスローガン、昭和38年開始。
- 桜伐(き)るバカ、梅伐らぬバカ
- 春に咲く代表的な花である桜と梅の二つを対比しつつ、栽培上の注意を示したもの。桜はむやみに伐ると切り口から腐敗しがちであり、剪定には注意が必要。一方、梅の樹は剪定に強く、むしろかなり切り詰めないと徒枝が伸びて樹形が台無しになるばかりでなく、実の付き方も悪くなる。
- 東風(こち)吹かば にほひおこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ
- 菅原道真が大宰府に左遷されるとき、道真の愛した庭の梅の花に別れを惜しんで詠んだ歌。