神戸高速鉄道
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種類 | 株式会社 |
略称 | 神戸高速 |
本社所在地 | 650-0015 兵庫県神戸市中央区多聞通三丁目3番9号 |
電話番号 | 078-351-0881 |
設立 | 1958年10月2日 |
業種 | 陸運業 |
事業内容 | 旅客鉄道事業 他 |
代表者 | 代表取締役社長 梶本日出夫 |
資本金 | 20億円(2005年7月現在) |
従業員数 | 147人(2005年7月現在) |
主要株主 | 神戸市 40% 阪急阪神ホールディングス 10.7% 阪神電気鉄道 10.7% 山陽電気鉄道 10.7% 神戸電鉄 7.9% |
主要子会社 | 神戸高速興業株式会社 株式会社神戸高速サービス |
神戸高速鉄道株式会社(こうべこうそくてつどう)は、神戸市内にターミナルを持つ阪急電鉄、阪神電気鉄道、山陽電気鉄道、神戸電鉄の路線を接続するための線路と駅のみを所有する第三セクターの鉄道会社。準大手私鉄に分類される。
スルッとKANSAIでカードに印字される符号はKKである。
目次 |
[編集] 概要
神戸市が40%、乗り入れ4社(阪急・阪神・山陽・神鉄)が合計40%出資する第三セクターの鉄道会社である。
乗り入れ4社の中で優劣が生じないよう、特に東西線に乗り入れる3社については10.7%保有でそろえられている。ただし、スルッとKANSAI導入時に阪急の「ラガールカード」が採用されるなど、まったく優劣が生じていないとも言えない。加えて、2006年10月1日付の阪急阪神の経営統合で阪急阪神ホールディングスが実質21.4%を握るようになり乗り入れ4社の中では優位になること、またこれ以前から阪神電気鉄道が山陽電気鉄道の筆頭株主であること、阪急電鉄(現:阪急阪神ホールディングス)が神戸電鉄の筆頭株主であることも考慮すれば、乗り入れ4社はすべて、阪急阪神ホールディングスの影響を受けていることになる。2006年10月1日から阪急阪神東宝グループの企業として位置づけされるようになった(これは、阪急阪神ホールディングスが、自らが保有する10.7%と完全子会社である阪神電気鉄道が保有する10.7%を合計すると20%を超え、持分法が適用されることになったためである)が、乗り入れ4社が持つ神戸高速鉄道の株式数を合計しても、神戸市が持つ神戸高速鉄道の株式数と同数であり、決して神戸高速鉄道自体が阪急阪神ホールディングスの傘下にあるわけではない。
車籍をもった自社保有車両はなく、また乗務員もいないため、阪急・阪神・山陽・神鉄各社の車両を乗務員共々そのまま乗り入れさせている。線路や駅だけを保有するという鉄道会社は、当時としては珍しいスタイルであった上、ほぼ全線がトンネルであることから「トンネル会社」と冷やかされることもある。また「神戸高額鉄道」(理由は#運賃を参照のこと)や「神戸低速鉄道」という蔑称も付けられている。ただし、「高速」の意味はそもそも、神戸市電と比較しこれを代替するものとしての高速であり(これも、神戸高速鉄道が神戸市の第三セクター会社となったゆえんである)、今日神戸高速鉄道と比較される神戸市営地下鉄山手線は当時は計画すらなく、また、当時の国鉄山陽本線(現・JR神戸線の神戸駅以西)は長距離輸送の色が強い路線であった。
阪神・淡路大震災以降は、経営的な観点から、北神急行電鉄から鉄道施設を譲り受けたり、大規模な改良工事を行う関連鉄道会社の鉄道駅を譲り受けたりしている。特に後者の場合は、国土交通省から改良工事費用の補助(鉄道駅総合改善事業費補助や幹線鉄道等活性化事業費補助)を受けられるようにするねらいがある。
自治体である神戸市が神戸高速鉄道の株式の4割を握っているうえ、その神戸市が神戸高速鉄道の全区間において競合する神戸市営地下鉄を経営している現状では、神戸高速鉄道自体が大きく変化することは考えにくいが、乗り入れ4社の提供するダイヤによる収益拡大や、バリアフリー化にあわせて駅の改良工事を行うことで補助金を有効活用したサービス改善(具体的には、オストメイト対応トイレの設置にあわせてトイレ全体のリニューアルを行うことができた高速神戸駅)など、工夫ある取り組みがうかがえる。
[編集] 歴史
- 1958年(昭和33年)10月2日 設立。
- 1968年(昭和43年)4月7日 東西線・南北線が開業。阪急電鉄・阪神電鉄・山陽電鉄が東西線への乗り入れを通じて相互直通運転開始。神戸電鉄が南北線に乗り入れ開始。
- 1987年(昭和62年)4月1日 鉄道事業法施行。同法附則第3条第6~10項の経過規定に基づき「従前の例」のまま営業を継続。
- 1988年(昭和63年)4月1日 第三種鉄道事業営業開始。阪急電鉄・阪神電鉄・山陽電鉄・神戸電鉄が第二種鉄道事業営業開始。ただし阪急電鉄・阪神電鉄・山陽電鉄・神戸電鉄が駅業務を神戸高速鉄道に委託する手続きを取ったため、実質的には営業形態の変化はなし。
- 2002年(平成14年)4月1日 北神急行電鉄から北神線の鉄道施設を譲り受け、同線の第三種鉄道事業者となる。
- 2006年(平成18年)7月1日 山陽電鉄、神戸新交通と共にPiTaPaを導入(KOBE PiTaPaカードを共同で発行)。
[編集] 路線
[編集] 運賃
大人普通旅客運賃(小児は半額・10円未満切り上げ)。2004年12月1日現在。
(阪急)三宮 | |||||||||
120 | 花隈 | ||||||||
150 | 120 | (阪神)元町 | |||||||
120 | 120 | 120 | 西元町 | ||||||
120 | 120 | 120 | 120 | 高速神戸 | |||||
120 | 120 | 120 | 120 | 120 | 新開地 | ||||
150 | 120 | 120 | 120 | 120 | 120 | (神鉄)湊川 | |||
150 | 120 | 150 | 120 | 120 | 120 | 120 | 大開 | ||
150 | 150 | 150 | 150 | 120 | 120 | 120 | 120 | 高速長田 | |
150 | 150 | 150 | 150 | 150 | 150 | 120 | 120 | 120 | (山陽)西代 |
※北神線は北神急行電鉄を参照のこと。
運賃の特例として、西元町以西の駅から阪神三宮駅までの区間を利用する場合は阪神三宮駅=阪急三宮駅として運賃を計算する(阪神春日野道駅以東を利用する場合や、花隈駅および阪急線から高速神戸を経由した場合は普通に元町駅で区切って計算する)。
神戸高速線内のみの利用であれば安価(並行して走る市営地下鉄よりも80円安い)であるが、他線から連続して利用することを考えれば割高になってしまう欠点がある(乗り継ぎ割引がないに等しいため)。特に山陽電鉄沿線から神戸市中心部に行くには必ず神戸高速の運賃が加算されるため、JRとの競争で足かせとなっているという指摘も多い。
2006年6月の阪急ホールディングスと阪神電鉄との経営統合により、乗り入れ4社がいずれも関連会社となったことから、これら4社の乗り入れにより営業できている神戸高速鉄道についても、運賃割引の拡大などの効率的な運用が期待されているところである。
[編集] その他
高速鉄道の名に由来する店舗が2つある。いずれも、子会社の神戸高速興業の経営である。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
大手私鉄 | ※☆阪急電鉄・☆※阪神電気鉄道・☆京阪電気鉄道・☆南海電気鉄道・近畿日本鉄道 |
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中小私鉄・第三セクター等 | ☆※能勢電鉄・☆※北大阪急行電鉄・☆大阪府都市開発(泉北高速鉄道)・☆※神戸電鉄・☆神戸高速鉄道・☆北神急行電鉄・☆山陽電気鉄道・☆神戸新交通・☆大阪高速鉄道(大阪モノレール)・京福電気鉄道・比叡山鉄道・叡山電鉄 |
公営地下鉄 | ☆大阪市交通局・☆神戸市交通局・☆京都市交通局 |
公営バス(外郭団体を含む) | ☆大阪市交通局・大阪運輸振興・高槻市交通部・尼崎市交通局・尼崎交通事業振興・伊丹市交通局・神戸市交通局・神戸交通振興・京都市交通局 |
民営バス | ☆※阪急バス・※阪急田園バス・近鉄バス・南海バス・南海りんかんバス・南海ウイングバス金岡・南海ウイングバス南部・☆大阪空港交通・京都バス・☆京阪バス・京阪シティバス・京阪宇治バス・山陽電気鉄道・※阪神電気鉄道・※阪神バス・神鉄バス・★神姫バス・★神姫ゾーンバス・和歌山バス・和歌山バス那賀 |
関西圏での参入予定社局 | ☆京阪京都交通・★奈良交通・★エヌシーバス |
関西圏外の事業者 | ★岡山電気軌道・★両備ホールディングス(両備バス)・★下津井電鉄 |
関西圏外での参入予定社局 | ★静岡鉄道・★しずてつジャストライン |
相互利用 | ★JR西日本(ICOCA) |
- 記号の意味
- ☆印の社局はPiTaPa加盟社局。
- ★印はPiTaPaのみの加盟社局・相互利用対応(スルッとKANSAIは非対応)。
- ※印の社局は阪急阪神東宝グループ。
- 無印の社局はスルッとKANSAIのみ対応。
日本の地下鉄 | |
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公営: | 札幌市 | 仙台市 | 東京都 | 川崎市(計画中) | 横浜市 | 名古屋市 | 京都市 | 大阪市 | 神戸市 | 福岡市 |
民営: | 埼玉高速鉄道 | 東京メトロ | 東京臨海高速鉄道 | 横浜高速鉄道MM21線 | 神戸高速鉄道 |
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