名古屋市営地下鉄
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
名古屋市営地下鉄（なごやしえいちかてつ）とは、愛知県名古屋市の名古屋市交通局が運営している地下鉄で、現在は6路線で営業を行っている。名古屋市におけるこれらの公式名は、名古屋市高速度鉄道としている。
トランパス対応で、同局の地下鉄・バス路線や名古屋鉄道などの提携他社において使用できるプリペイドカード式乗車券を「ユリカ」の名称で発売している。このカードが1998年に導入される前は1988年からリリーカードが発行されていたが、2003年3月27日に利用停止、2006年3月31日で交換終了となり、現在は払い戻しを含めて完全に無効となっている。
目次 |
[編集] 路線
| 色 | 記号 | 路線番号 | 路線名 | 区間 |
|---|---|---|---|---|
| H | 1号線 | 東山線 | 高畑駅 - 藤が丘駅 | |
| M | 2号線・4号線 | 名城線 | 大曽根駅 - 栄駅 - 金山駅 - 名古屋大学駅 - 大曽根駅*1 | |
| E | 2号線 | 名港線 | 金山駅 - 名古屋港駅*1 | |
| T | 3号線 | 鶴舞線 | （名鉄犬山線）- 上小田井駅 - 赤池駅 -（名鉄豊田線）*2 | |
| S | 6号線 | 桜通線 | 中村区役所駅 - 野並駅 | |
| K | 7号線 | 上飯田線 | （名鉄小牧線）- 上飯田駅 - 平安通駅*3 |
- 正式には大曽根駅～栄駅～金山駅～名古屋港駅間が2号線、大曽根駅～名古屋大学駅～金山駅間が4号線。名城線と名港線を直通運転する列車がある（車両横には「名城線・名港線」の表示がある）。
- 鶴舞線は、上小田井駅より名鉄犬山線と、赤池駅より名鉄豊田線と相互直通運転を行っている。
- 上飯田線は、上飯田駅より名鉄小牧線と相互直通運転を行っている。
なお、「5号線」は欠番となっているが、近鉄名古屋線戸田駅から金山駅・鶴舞駅・高岳駅・黒川駅を経て、東海交通事業城北線の比良駅ないしは県営名古屋空港に至る「金山線（仮称、後述）」として、計画上は存在する。しかし、緊急性を要さないとして建設には至っていないことから、現在の所は未成線である。
[編集] 建設中
*印の駅名は仮称。
[編集] 計画中もしくは計画が凍結された路線
- 上飯田線（延伸）：平安通駅 - 高岳駅 - 新栄町駅- *丸田町駅
- 東部線：*笹島駅 - *丸田町駅 - 吹上駅 - 名古屋大学駅 - *岩崎駅
- 桜通線（延伸）：*七宝駅 - 中村区役所駅
- 金山線：*戸田駅 - 高畑駅 - 金山駅 - 鶴舞駅 - *丸田町駅 - 黒川駅 - *楠町駅 - *名古屋空港駅
- 桜通線（延伸）：*徳重駅 - *豊明北 - *豊田市南部方面
- 南部線：桜本町駅 - *大江駅 - *東名古屋港駅
[編集] 料金
大人片道普通料金。小児は半額（10円未満切り上げ。2007年現在）。
| 区数（営業キロ数） | 料金（円） |
| 1区（3km以内） | 200 |
| 2区（4～7km） | 230 |
| 3区（8～11km） | 260 |
| 4区（12～15km） | 290 |
| 5区（15km超） | 320 |
名古屋鉄道の犬山線・小牧線・豊田線を跨ぐ場合は別に定める料金が適用される。
- バス・地下鉄全線一日乗車券（大人850円・小児430円）
- 地下鉄全線一日乗車券（大人740円・小児370円）
- ドニチエコきっぷ（大人600円・小児300円） - 土・日曜日・祝日と毎月8日のみ有効。地下鉄駅改札窓口、駅長室、市バス営業所、市バス車内、交通局サービスセンター定期券売り場、一部の乗車券委託販売所で発売。
- 1区特別きっぷ（大人3,800円） - 地下鉄1区間を22回利用可能。
[編集] 車両
[編集] 現役車両
[編集] 引退車両
[編集] 今後
東山線に最新型車両が導入されることがわかった。 また、鶴舞線に3000形を置き換えるための新型車両が登場する予定である。
[編集] 経営状況
経営状況は悪く、2005年度は約82億円の赤字となっている（日本の地下鉄を参照のこと）。
[編集] 路線別収支状況
- 東山線（1号線）…純損益 約96億2,900万円の黒字：累積欠損金 約994億6,900万円の黒字
- 名港線（2号線）…純損益 約1億8,900万円の赤字：累積欠損金 約871億4,800万円の赤字
- 鶴舞線（3号線）…純損益 約10億4,900万円の黒字：累積欠損金 約1,296億8,000万円の赤字
- 名城線（4号線）…純損益 約44億700万円の赤字：累積欠損金 約688億9,600万円の赤字
- 桜通線（6号線）…純損益 約181億800万円の赤字：累積欠損金 約2,473億7,800万円の赤字
- 上飯田線（7号線）…純損益 約10億6,600万円の赤字 : 累積欠損金 約10億7,900万円の赤字
以上のように、東山線と鶴舞線が黒字で、他は赤字である（全て2003年度決算）。平成16年度 包括外部監査の結果報告書の9ページ目を参照のこと。
[編集] その他
- 名古屋市交通局は、「とことん地下鉄!!大名古屋」という名古屋市営地下鉄版トレインシミュレータゲームをレトロ電車館などで販売している。
- 2007年3月19日より、上飯田線を除く全線で接近チャイムに代わり列車到着時のアナウンス前にメロディサインが導入された。これに先立って試験的に2005年より、名城線・名港線において接近メロディが流れるようになったが、東日本旅客鉄道（JR東日本）で採用されている発車メロディと同じ物を採用していたため、出張などで首都圏から来る人の中には列車が発車するものだと勘違いする人もいた。現在、各路線で使われているものは、全て名古屋市立大学芸術工学部助教授の水野みか子氏が作曲したもので、各路線別、方面別にメロディーが異なる。
- 2004年12月より、東山線の栄駅と伏見駅のホームにて、液晶モニタを使った広告表示システムを開始している。内容はテレビコマーシャルのほか、オリジナルのアニメーション広告、ニュースなど。公営の地下鉄駅としては珍しく音声も流している。
- 名古屋市内で守山区と緑区には地下鉄の駅がない。2010年に徳重駅が開業すると、緑区内で初めての駅となる。
- 列車が駅を発車する前のドア閉めの際、車載の乗降促進ブザー（東山線、名城・名港線、鶴舞線、桜通線）、乗降促進メロディー（上飯田線）が鳴る。
- 地下鉄車両などに掲出されているシンボルマークは、画家の杉本健吉がデザインしたものである。
- 2004年9月頃から名古屋市営地下鉄では、W-CDMA方式のものを除き、携帯電話各社についてプラットホームでは圏外になるような対策が行われた（改札口付近では利用可。また、PHSについては設置事業者においても元より改札口付近のみ圏内）。名古屋市交通局は、総務省の「電波の医用機器等への影響に関する調査結果」（2002年7月2日）に基づく処置であるとしている。
- 2006年5月頃、名古屋市交通局が地下鉄車両内に掲示した広告に使用した画像に関し、PHS事業者のウィルコムより抗議を受けて謝罪をした。[1][2]
- 2011年を目標に全駅でバリアフリーのための整備を行っている。
[編集] 関連項目
- 地下鉄
- 日本の地下鉄
- 名古屋地下鉄道
- SUPER BELL"Z - 走行音やアナウンスをモチーフにした楽曲がCDアルバムに収録されている。
[編集] 外部リンク
| 日本の地下鉄 | |
|---|---|
| 公営: | 札幌市 | 仙台市 | 東京都 | 川崎市（計画中） | 横浜市 | 名古屋市 | 京都市 | 大阪市 | 神戸市 | 福岡市 |
| 民営: | 埼玉高速鉄道 | 東京メトロ | 東京臨海高速鉄道 | 横浜高速鉄道MM21線 | 神戸高速鉄道 |
