西武有楽町線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
西武有楽町線(せいぶゆうらくちょうせん)は、東京都練馬区内の練馬駅~小竹向原駅間を結ぶ西武鉄道が運営する鉄道路線である。池袋線と東京地下鉄(東京メトロ)有楽町線を繋ぐ路線でもある。そのため、「西武有楽町線」となった。西武線内で唯一地下に駅がある路線である。
東京地下鉄有楽町線と区別するために、頭に「西武」が付くが、「西武」を含めた「西武有楽町線」が正式路線名であって、西武の「有楽町線」ではない。西武が付く路線名は他に「西武秩父線」「西武園線」がある。
目次 |
[編集] 路線データ
[編集] 歴史
- 1983年(昭和58年)10月1日 - 新桜台~小竹向原間(1.2km)開業。営団地下鉄有楽町線(当時)から直通運転開始(注1)
- 1994年(平成6年)12月7日 - 練馬~新桜台間(1.4km)開業(全線開通)(注2)
- 1998年(平成10年)3月26日 - 練馬~新桜台間複線化(全線複線化)、池袋線との直通運転開始。
- 2004年(平成16年)4月1日 - 営団地下鉄の民営化により、直通先が東京地下鉄となる。
- (注1)この時点では、当路線は西武鉄道の他路線と接続しておらず、全線開通までの間に営団の車両のみが運行された(車両使用料の精算の関係で営団車が毎日1本西武に貸し出されていた。その車両のみが西武運用で使用されたが、貸し出される車両は毎日異なる車両であった)。
- (注2)練馬駅付近の高架化工事の関係で、暫定的に下り線のみの単線で開業した。有楽町線・西武有楽町線と池袋線の直通は練馬駅高架化工事完成後とされ、営団地下鉄有楽町線方面からの列車は練馬駅折り返しとされた。ただし、線路自体は池袋線とつながったことから、西武有楽町線と有楽町線の直通運転に西武の車両の使用を開始した。
[編集] 運転
当路線は、運輸政策審議会第11号答申にある8号線(有楽町線)の一部で、西武鉄道に属する区間であり、同社と東京地下鉄(東京メトロ)の2社が相互直通運転を実施している。
相互直通運転区間は、新木場駅(東京地下鉄有楽町線)・新線池袋駅(副都心線・有楽町線新線)~飯能駅(西武池袋線)で、当路線を経由したほとんどの列車が飯能方面、新木場方面へ直通する。
運転される列車種別は、快速(日中)、準急(朝・夕)、各駅停車(終日)であるが、当路線内は全列車が各駅に停車する。以前は行き先によっては終電が早く、午後2時台なのに「最終快速小手指行き」などの案内が営団(当時)有楽町線内でもなされていたが、現在ではそのような案内はされなくなった。
[編集] 車両
[編集] 自社車両
[編集] 乗り入れ車両
[編集] 駅一覧
西武池袋線停車駅も参照。普通列車は各駅に停車するため省略。
駅名 | 駅間キロ | 累積キロ | 準急 | 快速 | 接続路線 | 所在市区町村名 |
---|---|---|---|---|---|---|
西武池袋線飯能駅まで直通運転 | ||||||
練馬駅 | - | 0.0 | ● | ● | 西武池袋線直通運転 豊島線、都営地下鉄大江戸線 |
東京都練馬区 |
新桜台駅 | 1.4 | 1.4 | ● | ● | ||
小竹向原駅 | 1.2 | 2.6 | ● | ● | 東京地下鉄有楽町線・有楽町新線 | |
東京地下鉄有楽町線新木場駅・有楽町新線池袋駅まで直通運転 |
[編集] 名称について
顧客を増やしたい不動産業者の思惑や、運転系統などの都合で乗客から東武伊勢崎線の各駅停車(主に北千住~北越谷間の複々線区間を指す場合が多い)が「日比谷線」と呼ばれたり、JR東日本の常磐線各駅停車が「千代田線」、中央線各駅停車が「総武線」「東西線」などと呼ばれたりするのとは異なり、西武有楽町線はれっきとした正式名称である。
西武有楽町線は、新桜台~練馬間の開業前は他の西武の路線とは切り離されていた上、営団(現・東京メトロ)管理の小竹向原駅は別としても、西武鉄道管理の新桜台駅の駅構内が営団有楽町線の駅と同じようなフォーマットであるため、営団地下鉄有楽町線と同一視され、両方を合わせて俗に「有楽町線」と呼ばれていたが、池袋線練馬までの全線が開業した事によって「西武有楽町線」という名称が再認識された。
しかし東京メトロ副都心線が渋谷まで開通する2008年(平成20年)6月以後は有楽町方面へ行かない列車も通ることになり、現在の名称のままでは混乱は避けられない(ただ、東京メトロ側にも有楽町方面に行かない有楽町新線=副都心線先行開業区間が存在するが、これはあくまで現時点では東京メトロ有楽町線の複々線区間という扱いである)。