東京地下鉄副都心線
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副都心線(ふくとしんせん)は、埼玉県和光市の和光市駅から東京都渋谷区の渋谷駅を結ぶ東京地下鉄(東京メトロ)の鉄道路線。正式名称は13号線副都心線である。2008年(平成20年)6月に開業する予定である。 現在、小竹向原駅~新線池袋駅が有楽町新線として営業している。なお、副都心線の開業に合わせて新線池袋駅は池袋駅となる予定。
路線名は、池袋・新宿・渋谷の三大副都心を縦断する路線の特色をイメージした。路線図や乗り換え案内で使用されるラインカラーは「ブラウン」(茶):○。
- 東京地下鉄有楽町線新線も参照
目次 |
[編集] 概要
当初、副都心線は東京圏の鉄道網整備計画において東京13号線として構想されたもので、1972年(昭和47年)の都市交通審議会答申第15号により、埼玉県の志木から和光市、成増、向原、池袋、東池袋、目白東、諏訪町、西大久保を経由して新宿へ至る路線として初めて提示された。同時に志木~和光市間は東武鉄道東上線を複々線化する旨ならびに新宿より渋谷、品川を経て羽田方面への延伸を検討する旨も併せて示された。その後、1985年(昭和60年)の運輸政策審議会答申第7号では、池袋以南の南下について終点を渋谷とすることが示された。
このうち、志木駅~和光市駅間は東武東上線の複々線化を実施し、また和光市駅~小竹向原駅間は有楽町線として、小竹向原駅~池袋駅(新線池袋駅)間は有楽町新線としてそれぞれ開通している(但し千川駅と要町駅の2駅は未開業)。2007年(平成19年)現在は未開通区間の池袋駅~渋谷駅間の建設工事が進められており、翌2008年(平成20年)6月に開業する予定である。なお、小竹向原~池袋間は事実上有楽町線の一部になっている(「有楽町新線」または単に「新線」と案内される)。
全通後は和光市駅~小竹向原駅間を有楽町線と共有し、有楽町線新線を組み入れ、和光市駅~渋谷駅間を副都心線と称するとともに、東武東上線、西武鉄道西武有楽町線・池袋線と相互直通運転されるが、西武ライオンズの本拠地であるグッドウィルドームでのプロ野球試合などの開催時には狭山線経由で西武球場前駅にも“延長運転”という形で乗り入れる可能性がある。なお、有楽町線もグッドウィルドームでもプロ野球などの催し物が開催される場合、稀に西武球場前行が運転されている。
また、東京13号線計画とは別に2012年度より渋谷駅から東京急行電鉄東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線への相互直通運転も決定している。
なお、東京メトロでは「現段階では副都心線池袋~渋谷をもって地下鉄建設を終了する」としており、副都心線は東京メトロ発足後最初で最後の新規地下鉄路線となる可能性が高い。
[編集] 現況
現在、以下の状況になっている。
- 営業路線
- 和光市駅~地下鉄成増駅(旧・営団成増駅)間:東京地下鉄有楽町線と共有 - 1987年(昭和62年)8月25日開業。
- 地下鉄成増駅(旧・営団成増駅)~小竹向原駅間:同上 - 1983年(昭和58年)6月24日開業。
- 小竹向原駅~池袋駅(新線池袋駅)間:現・東京地下鉄有楽町線新線(地下鉄新規開業部分) - 1983年(昭和58年)完成、1994年(平成6年)12月7日開業。但し途中駅の千川・要町は通過。両駅の副都心線ホームは2008年6月使用開始予定(駅の土台のみ完成済み)。
- 工事区間
[編集] 運転(計画)
- 和光市駅から東武東上線と、小竹向原駅から西武有楽町線経由で池袋線とそれぞれ相互直通運転が行われる。現況は、東京地下鉄有楽町線新線を参照のこと。
- 東急東横線渋谷駅の地下移設時の2012年度には、同駅から東急東横線経由で横浜高速鉄道みなとみらい線と相互直通運転を行うことが決定している。このため、同駅は東急東横線との共用駅(東急の管理)となる他、新宿三丁目駅の池袋寄りには東急線からの列車用の折り返し線が設置される予定である。また、2019年度の相鉄・東急連絡線 (神奈川東部方面線) 完成後は相模鉄道とも相互直通運転を開始する計画もある(但し相鉄の直通に関して西武鉄道広報によると、西武線内から副都心線、東急線を介して相鉄との直通は行わないことを明らかにしている。恐らく乗り入れ対応機器の増設の面やダイヤ乱れの対応の面、また運行経路の煩雑さの問題であると思われる。
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)山手線・埼京線・湘南新宿ライン並走区間(池袋駅~渋谷駅間)には急行列車が設定される計画となっている。このため、東新宿駅には通過待避線が設けられる予定。同区間の所要時間は急行が埼京線・湘南新宿ラインと同等に、普通が山手線と同等に設定され、それぞれ11分、16分と予定している。これが実現すると、東京メトロでは東西線の快速に続く優等列車が設定されることになる。なお、千代田線・有楽町線・半蔵門線・南北線にも他社線直通の優等列車は存在するが、地下鉄線内はすべて各駅停車である。
- 相互直通運転に対応して東急東横線の特急・通勤特急・急行は一部を除き10両編成になる予定である(各駅停車は相互直通運転後も従来通り8両編成)。
- ホームドアを設置する予定(有楽町線共用区間は不明)、東京メトロにおけるホームドア採用例は南北線、千代田線(綾瀬~北綾瀬)、丸ノ内線に次ぐ4路線目である。
[編集] 車両
[編集] 自社車両
- 10000系(有楽町線・副都心線向け車両)…池袋~渋谷間の開業に合わせて製造された、東京地下鉄発足後初の新系列車両である。2006年(平成18年)9月1日から有楽町線で営業運転を開始し、翌2007年度までに10両編成20編成(200両)を配備する予定である。副都心線用ドア位置・有楽町線と共用。なお、有楽町線新線はラインカラーが茶色であることから、帯色が茶色になっている。
- 7000系(有楽町線用に製造された車両) …有楽町線用車両だが対応予定。ただし東急東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線との相互直通運転開始時の扱いは未定である。
- ※有楽町線用07系(07-101F~106F) は、扉間隔が異なりホームドアに対応しないため、副都心線では使用されない予定である。なお、このうち07-103F~106Fは東西線に5000系置き換えのため転用された。残りの07-101F及び07-102Fについては未定。
[編集] 乗り入れ車両
[編集] 開業と同時に乗り入れる予定の車両
- 東武鉄道
- 50070系…2007年3月末までに10両編成2本を導入。50000系第2編成 (51002F) の直通については未定だが、運行番号表示器設置準備なども施されていて、列車無線は東武本線・東上線の他に、地下鉄有楽町線と東急東横線に対応するものが搭載されているため、副都心線や有楽町線に直通対応となる可能性が高い。
- 9000系・9050系…9000系の第1編成 (9101F) を除く乗り入れ対応改造済車のみ。2007年時点では乗り入れ改造と思われるものが施工されており、第2編成 (9102F) は改造済みとされている。改造された車両は、東武初のフルカラーLED式行先表示器が搭載され、内装は50000系に準じたものとされ、また先頭車前面には排障器(スカート)も取り付けられた。
- 西武鉄道
[編集] 駅一覧
駅番号 | 駅名 | 接続路線 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|
Y-01[1] | 和光市駅 | 東京地下鉄:東武鉄道:東上線(直通運転) | 埼玉県和光市 | |
Y-02[1] | 地下鉄成増駅 | 東京都 | 板橋区 | |
Y-03[1] | 地下鉄赤塚駅 | 練馬区 | ||
Y-04[1] | 平和台駅 | |||
Y-05[1] | 氷川台駅 | |||
Y-06[1] | 小竹向原駅 | 東京地下鉄:○有楽町線(Y-06)(直通運転) 西武鉄道:西武有楽町線(直通運転) |
||
Y-07[1] | 千川駅[2] | 東京地下鉄:○有楽町線(Y-07) | 豊島区 | |
Y-08[1] | 要町駅[2] | 東京地下鉄:○有楽町線(Y-08) | ||
Y-09[1] | 新線池袋駅 (池袋駅) |
東京地下鉄:○丸ノ内線(M-25)、○有楽町線(Y-09) 東日本旅客鉄道:山手線、埼京線、湘南新宿ライン、宇都宮線、高崎線 東武鉄道:東上線 西武鉄道:池袋線 |
||
雑司が谷駅[2] | 東京都交通局:都電荒川線(鬼子母神前駅) | |||
西早稲田駅[2] | 新宿区 | |||
東新宿駅[2] | 都営地下鉄:○大江戸線(E-02) | |||
新宿三丁目駅[2] | 東京地下鉄:○丸ノ内線(M-09) 都営地下鉄:○新宿線(S-02) |
|||
北参道駅[2] | 渋谷区 | |||
明治神宮前駅[2] | 東京地下鉄:○千代田線(C-03) 東日本旅客鉄道:山手線(原宿駅)[3] |
|||
渋谷駅[2] | 東京地下鉄:○銀座線(G-01)、○半蔵門線(Z-01) 東日本旅客鉄道:山手線、埼京線、湘南新宿ライン 東京急行電鉄:東横線、田園都市線 京王電鉄:井の頭線 |
- 和光市~小竹向原間は、有楽町線と線路・ホームを共有している。
- 和光市~小竹向原間の副都心線としての駅ナンバリング方式は未定である。東京メトロ南北線と東京都交通局(都営地下鉄)三田線が共有している目黒~白金高輪間は、駅ナンバリングも共通の数字を使っている。
- 渋谷駅のホームは半蔵門線(東京メトロの管理)のさらに下方に建設され、東急の管理となる予定であり、東横線との相互直通運転開始まで同線ホームとともに東急が管理を行う。
- 千川駅と要町駅は、有楽町線ホームのさらに下方(地下3階)に新線ホームがあり、ともに池袋~渋谷間が開業する2008年6月に営業を開始する予定である。
- 池袋~雑司が谷間(東池袋駅付近)に駅をもう1つ設置する計画があり、そのための準備工事もなされる予定である。
[編集] その他
- 東京メトロ丸ノ内線・都営新宿線の新宿三丁目駅B3出口から北へ徒歩3分、新宿六丁目交差点の近くに「東京メトロ展示室」がある。入口にはトンネルを掘削するためのセグメントとレールの模型が、内部には副都心線のジオラマや建設機械の模型などが展示されている。
- 東京メトロでは、帝都高速度交通営団(営団地下鉄)時代の2003年(平成15年)から「ちかみち13(サーティーン)」という広報紙を随時発行しており、副都心線連絡駅とその周辺の駅で配布している。
- 副都心線の計画にはないが、大田区では蒲蒲線という東急多摩川線を経て羽田空港方面への延伸構想もある。
- 東新宿~新宿三丁目間の工事で使われたシールド掘進機は、現在江戸川区の地下鉄博物館に展示している。
- 副都心線の「雑司が谷駅」と、既に営業している都電荒川線「雑司ヶ谷駅(電停)」とは直接の乗換駅・最寄り駅ではない。
- 東京メトロでは、2005年(平成17年)度から順次各駅に新しい案内サインシステムを展開しているが、副都心線と連絡・共用する各駅は開業と同時に展開する予定である。
- JR東日本にとっては、池袋~新宿~渋谷間においての利用者が減り、収益が減ることが問題となっている一方で、利用者にとっては、ラッシュ時の埼京線・湘南新宿ライン・山手線の混雑が緩和するという点で期待されている。
[編集] 関連項目
- 日本の鉄道路線一覧
- 東京地下鉄有楽町線新線
- 池86(副都心線に並行する都バスの系統)
- 東京横浜電鉄新宿延伸計画
- 蒲蒲線