駅レンタカー
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駅レンタカー(えきれんたかー)とはJRグループが展開するレンタカーのチェーン店である。鉄道利用客が主な客層であり専用の割引切符があるが、レンタカー単独の利用も可能である。また一部の営業所ではカーリースやレンタサイクルも行っている。
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[編集] 経営・営業所
- 経営はJR各社の子会社が行っており、営業所は直営営業所、他社(JRバスが多い)への委託営業所、及び他レンタカー会社への委託営業所に分けられる。
- 営業所の所在は当然ながらJRの駅前や至近が多いが、中には天橋立駅(京都府:北近畿タンゴ鉄道)の駅前に立地したり、佐渡両津(新潟県:両津港)、つくばターミナル(茨城県:つくばエクスプレス線つくば駅/JRバス・関東鉄道バスつくばセンターバスターミナル)、草津温泉(群馬県:JRバス草津温泉駅)、日光(東武日光)(栃木県:東武鉄道)や鬼怒川温泉(栃木県:東武鉄道)など、JR駅のない場所に立地することもある。
- 交通新聞社、JTBパブリッシング発行の時刻表の索引地図には、駅レンタカーのある駅に自動車のマークが付けられている。また営業案内のページに一覧表がある。
- 一部の営業所(横浜駅など)は保有車両が1台も無く、窓口業務だけを行っている。この場合、駅レンタカーのカウンターで書類記入と料金支払を行った後、近隣の他レンタカー会社営業所へ行き、車を借りる。返却時は車を借りた他レンタカー会社営業所へ返却するだけでよい。但し追加支払が発生した場合は、再度駅レンタカーカウンターに赴き、支払う必要がある。
[編集] 料金体系
- レンタカーの料金体系は車種のランク別で同業他社と類似しているが、特筆すべきは1,000~1,400ccが同じクラスであることで、1,000~1,200ccと1,300~1,400ccとを別クラスにしている会社に較べると1,300~1,400ccクラスが安く乗れることになる。
- 免責補償料、ノンオペレーションチャージ(NOC)については他社と同じ制度がある。乗り捨て料金は、中長距離の移動は鉄道を使ってもらいたい趣旨からか、他社よりもかなり高く設定されている。
- 鉄道を利用せずレンタカーのみ利用したり(マイドライブという)、鉄道駅で借りて空港等で乗り捨てすることもできる(仙台空港に営業所がある)。
[編集] 主な車名
これはあくまで例示であり、これ以外を貸し出すこともある。
- SK・K(軽自動車)…ワゴンR、モコ、AZワゴン、オッティ
- SS・S(1,000~1,400cc)…フィット、ヴィッツ、マーチ、ノート、キューブ、デミオ、コルト、パッソ
- SD・A(1,500cc)…カローラ、ティーダ、ラティオ、アクセラ、ウィングロード、ファミリア
- SB・B(1,800cc)…シルフィ、プリメーラ、アベニール、アリオン
- SM・MV(ミニバン)…ウィッシュ、プレマシー、ストリーム、ラフェスタ
- HB(ハイグレード)…アテンザ
- HC(ハイグレード)…マークII、ティアナ
- HD(ハイグレード)…クラウン、セドリック
- HP(ハイグレード)…フーガ
- SW・WA(ワンボックスワゴン)…ステップワゴン、ノア、MPV、セレナ
- SW・WB(ワンボックスワゴン)…エスティマ、キャラバン
- SW・WC(ワンボックスワゴン)…ハイエースGキャビン、エルグランド
[編集] 鉄道との連携
- トクトクきっぷの一つとしてレール&レンタカーきっぷというのがある(愛称「トレン太くん」)。JR線を通算して201km以上利用する場合で、最初にJR線を利用し、発駅から駅レンタカーのある駅まで最短距離で51km以上離れていること、JR券とレンタカー券を同時に購入することが条件であり、JR運賃が2割引・特急料金等が1割引となる。
- 単純な例だと、発駅と営業所最寄り駅との単純往復では片道100km以上で割引運賃・料金が受けられる。
[編集] 民鉄のレンタカー事業
- 大手民鉄の幾つかはニッポンレンタカーのフランチャイズとしてレンタカー事業に参入している。
- 例えば、東武鉄道は子会社の(株)ニッポンレンタカー東武が沿線に営業所を展開し、「日光・鬼怒川レンタカークーポン」という鉄道運賃とレンタカー料金を割り引いた旅行商品を発売しているのは、レール&レンタカーの民鉄版と言えよう。
- 他には、東急、名鉄、阪急、近鉄、南海の各子会社がニッポンレンタカーのフランチャイジーとなっている。