マイカル
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種類 | 株式会社 |
市場情報 | 非上場 |
略称 | マイカル, MYCAL |
本社所在地 | 541-0056 大阪府大阪市中央区久太郎町3-1-30 みずほ銀行船場ビル |
電話番号 | 06-6245-4548 |
設立 | 1963年(昭和38年)11月8日 |
業種 | 小売業 |
事業内容 | 総合小売業 |
代表者 | 代表取締役社長 川本敏雄 |
資本金 | 200億円(2006年10月20日現在) |
従業員数 | 3万5589人(2006年10月20日現在) |
主要株主 | イオン株式会社 100% |
主要子会社 | 株式会社ワーナー・マイカル |
外部リンク | http://www.mycal.co.jp/ |
株式会社マイカルとは、関西地方を中心に北海道を除く全国各地に総合スーパーなどを展開する総合小売業者である。本社は大阪市。社名のマイカル(MYCAL)は、Young & Young Mind Casual Amenity Lifeの略称、YM-CALを組み合わせたものを語源としている。
2001年9月に経営破綻し、会社更生法の適用を受け、イオン株式会社の支援により再建されることになる。2003年にイオンの完全子会社となり、2005年12月31日に更生手続きの終結決定がなされ、再建が完了した。
コーポレートアイデンティティは、その次の、「もっと」へ。
旧社名は株式会社ニチイだが、ニチイ学館、日神不動産(前社名:日医信販→日医神和)とは何の関係もない。
目次 |
[編集] 略歴
[編集] 年表
- 1963年11月8日:セルフハトヤ、岡本商店、ヤマト小林商店、エルピスの4社が合併し株式会社ニチイを設立。社長に西端行雄が就任。
- 1973年:スポーツクラブのピープル1号店を西宮市に開業。
- 1974年:大阪証券取引所第2部上場。
- 1976年:東京、大阪証券取引所1部に上場。
- 1978年:数社の百貨店とともに百貨店連合ダックシティ(現在のさくら野百貨店)を設立。
- 1982年:ビブレ1号店天神ビブレを福岡市に開業。
- 1982年:初代社長の西端行雄死去、小林敏峯が社長就任。
- 1983年:ユニーとの合併計画を白紙撤回。
- 1984年:サティ1号店学園前サティを奈良市に開業。
- 1988年:マイカル宣言。
- 1989年:横浜市に「マイカル本牧」を開業。
- 1990年:総合スーパー(GMS)のニチイをサティ、ビブレへと転換開始。
- 1993年:日本初と称するシネマコンプレックス、ワーナーマイカルシネマズ1号店を海老名市に開業。
- 1996年:社名をマイカルに変更。小林敏峯が会長に、宇都宮浩太郎が社長に就任。
- 1997年:兵庫県明石市に「マイカル明石」がオープンした。
- 1998年:初の海外店舗「マイカル大連」を中国・大連市にオープン。
- 1999年:「マイカル小樽(現ウイングベイ小樽)」オープン。
- 小林敏峯が死去。
- 宇都宮浩太郎が社長を退任。四方修が社長に就任と発表。
- 2001年2月:子会社のスポーツクラブのピープル(現・コナミスポーツ&ライフ)をコナミへ売却。
- 2001年4月:子会社のマイカルカード(現・ポケットカード)を三洋信販へ売却。
- 2001年8月:子会社のマイカル北海道(現・ポスフール)がマイカルの連結対象から離脱し独立。
- 2001年9月14日:民事再生法を申請。四方修が社長を解任され、山下幸三が社長に就任。
- 2001年9月28日:山下幸三が社長を辞任。浦野一雄が社長に就任。
- 2001年11月16日:ポロロッカをマルエツに売却。
- 2001年11月22日:イオン株式会社をスポンサーとして決定。民事再生手続きの中止と会社更生法の適用を申請。
- 2002年4月26日:直営124店舗で「トップバリュ」の発売開始。
- 2002年4月26日:イオンクレジットサービスによる「サティ・ビブレカード」の発行受付開始。
- 2003年11月29日:イオン株式会社の完全子会社化。
- 2005年12月31日:会社更生手続きが終結。
- 2006年1月:マイカル茨木(大阪府茨木市)の店舗内において顧客情報167名分を含む修理品預り票控えを紛失。初の個人情報漏洩事件か?
- 2006年9月:企業アイデンティティ(その次の、「もっと」へ。)を採用。
- 2006年9月15日:盛岡南サティオープン。(5年9ヶ月ぶりの「サティ」新規出店)
- 2006年9月23日:福岡東ビブレオープン。
- 2006年10月:マイバッグキャンペーン(お買物袋ご持参運動)に、イオンのマイバッグの販売とWスタンプデーを追加。
- 2007年3月1日:サティ・ビブレカードを「イオンカード」に統合(新規募集は2月27日からイオンカードで行われた)。
- 2007年3月:サティ・ビブレカード感謝デー(毎月月末2日間)を「お客さま感謝デー」(毎月20日と30日)に変更。イオンカード会員も当社のサティ・ビブレで5%引特典が受けられるようになった(※2006年にイオンショッピングセンターおよびイオンモール内に開業した盛岡南サティ・高崎サティについては、先行して開業時より実施されていた)。
- 2007年3月:毎月11日の「イオンデー」に参入。サティ・ビブレ各店舗で「幸せの黄色いレシートキャンペーン」を開始。
[編集] マイカル破綻への顛末
マイカルは2001年から資金繰りに窮するようになったが、2001年9月14日にメインバンクであった第一勧業銀行(当時)から金融支援の打ち切りを宣告され、経営破綻が確実となった。
そこで第一勧業銀行と当時の四方修社長は、同じく第一勧業銀行をメインバンクとするイオンを支援先として会社更生法による再建を画策した(四方社長はマイカル終焉の時期にまかされただけで、実質の経営を行ってきたわけではない)。
ところが、これに対して旧来からの取締役たちが反発。経営陣が残り、比較的早く再建が果たせる民事再生法による再建を主張し、四方社長と第一勧業銀行出身の取締役を取締役会にて解任し、山下幸三が社長に就任し、同日民事再生法の適用を申請した。
メインバンクの支援を受けられないままの再建は苦しく、また支援企業選びも難航した。その後にイオンが会社更生法下での支援を表明。2001年11月22日に発表され、民事再生手続きの中止と会社更生法の申請がなされた。
- この顛末は民事再生法と会社更生法が併存することのデメリットと会社更生法の使い勝手の悪さを示すこととなり、会社更生法の改正作業に影響を与えた。
また、マイカルは経営破綻前に約3000億円の社債を発行していたが、これらが債務不履行(デフォルト)となり、多くの投資家が被害を受けた。さらには安全とうたわれていたMMFが元本割れを起こすなど、大きな社会問題となった。
当時はマルク建て社債や店舗資産の流動という手法で資金調達を行い、巨大施設の展開をおこなっていったが、自社物件でないことからの運営コストの増大など、店舗の赤字が目立ちはじめ財政を圧迫した。バブル経済が破綻してもなおの巨額の投資は負債を増大させ、マイカル大連やマイカルタウン小樽などは致命的であったと言われる。マイカルタウンと呼ばれる店舗はすべて赤字であった。破綻時でも、ワーナーマイカル、スポーツクラブエグザス(コナミスポーツへ売却)、ジャパンメンテナンスなどの子会社の業績は優良であったり、デザイン性に非常に優れた山梨のリゾートホテルなどが惜しまれた。
ちなみに四方修は、元大阪府警本部長(在任中にグリコ・森永事件が発生)で、退官後にマイカル系列の警備会社であるジャパンメンテナンスの社長に就任、その後マイカル本社の社長に就いていた。
[編集] 業態
[編集] 現在運営されている業態
- 30代以上をメインターゲットとした総合スーパー(GMS)。輸入ブランド品店を設置するなど従来の総合スーパーに比べて高級感を持たせ、生活百貨店と称した。なお、北海道地域のサティを運営していたマイカル北海道(現:ポスフール)はマイカルから独立して店名を社名同様「ポスフール」に改めたため、現在は同地域には存在しない。
- サティという店名は、インド神話のサティーや作曲家のエリック・サティではなく、"Select Any Time for Yourself"の略が由来。
- 大多数が総合スーパーである。一部「サティ食品館」の名称で食品スーパーも運営されている。
- 当初は若者をメインターゲットとしたファッションビルとしてスタートした。その後、高感度専門百貨店と銘打って衣食住フルライン型で郊外にも出店。東北地方では、子会社のダックビブレが百貨店を運営していた。破綻後は、マイカルが運営していた食品を扱う店舗の大半をサティへと転換。また、子会社のダックビブレが運営していた東北地方の店舗はマイカルから離れ、さくら野百貨店として再出発している。
- マイカルが提唱した時間消費型商業施設。広大な敷地にサティ、ビブレ、シネマコンプレックス、スポーツクラブなどを設置。横浜市のマイカル本牧に始まり、マイカル桑名、マイカル明石、マイカル小樽、マイカル茨木を展開した。
- ワーナー・ブラザーズとの合弁会社によって運営されているシネマコンプレックス。サティ、ビブレなどの店舗、敷地内に併設されており、全国に展開されている。近年はイオンモール、ダイヤモンドシティなどイオングループの展開する大型商業施設や、イオングループ以外の商業施設にも展開されている。
[編集] 過去運営されていた業態
- ニチイ
- 株式会社ニチイ時代に展開されていたスーパー。大阪市の天神橋筋商店街に1号店を出し、その後全国に展開した。扱っている衣料品に定評があった。1990年代をピークに、ニチイをすべてサティあるいはビブレへと転換し、2002年5月31日のニチイ釜石店(マイカル東北<当時>が運営していた)の閉店を最後にニチイ業態は消滅した。
- 総合スーパーのほか、衣料品のみを扱う店舗も多くあった。
- 小型の食品スーパー。コンビニエンスストアと食品スーパーを融合した店舗というコンセプトで、関東、関西に展開された。経営破綻後全店舗がマルエツへと売却された。
- マルエツに経営権が移った後もポロロッカの商号は引き続き使われたが、その後関西の店舗は音通に売却され、「F MART」と商号が変更されている。
- もともとコンビニエンスストア展開をもっていなかったマイカルであったが、当時の小林社長は、コンビニエンスストアの食文化が貧しいと否定し、食品の充実をうたったスーパー業態にこだわって対抗を計った。(すでに多店舗で市場を席巻しつつあった同業他社のコンビニエンスストア市場には、同じ業態では割り込む余地もなかったと見るむきもある。)
[編集] イオンお客さま感謝デー
- 毎月20日と30日(2月は27日)に、イオンカード(イオンカードに統合された旧カードも含む)、イオンSuicaカード、イオンゴールドカード、イオンコーポレートカード(これらをまとめて以下「AEONカード」)、イオンオーナーズカード、イオンシニアクラブカードのいずれかを店頭レジにて提示し、支払いを現金・イオン商品券・マイカル商品券・クレジットカード(AEONカード)のいずれかで行った場合には、商品ごとに5%引となる。
- 2007年2月までは、月末2日間(盛岡南サティと高崎サティについては20日と30日)に感謝デー(サティ・ビブレカード感謝デー)が行われていた。サティ・ビブレカードは2007年3月にイオンカードに統合された。なお、類似名称の「サティカード」はマイカル九州のカードであり当社での特典は一切ない。
[編集] Wスタンプ
サティ・ビブレの食品レジでの精算にてレジ袋が不要の場合、1回の精算ごとに通常1個のスタンプが「買物袋持参スタンプカード」に捺印される。ただし、下記においては、1回の精算ごとに2個のスタンプが捺印される。
- 毎月5日(ノー・レジ袋の日)
- 毎月11日(イオン・デー)
- 毎月20日(イオンお客さま感謝デー)
- 毎年2月27日および毎月30日(イオンお客さま感謝デー)
- 毎年10月1日から10月31日まで(3R推進月間)
マイカルにおけるWスタンプは、2006年10月から開始された。なお、盛岡南サティ・高崎サティを除くマイカルのサティ・ビブレでは、2007年2月までは、イオンお客さま感謝デーではなく「サティ・ビブレカード感謝デー」(毎月月末2日間)であった。また、イオン・デーがWスタンプ実施日となったのは2007年3月からである。
マイカルの「買物袋持参スタンプカード」とイオン(マイカル九州を含む)の「お買物袋スタンプカード」とは互いに共通利用はできない。
[編集] 関連項目
- ポスフール - 旧社名マイカル北海道。北海道に総合スーパーを展開。イオングループ。東京証券取引所1部上場。
- マイカル九州 - 福岡県内の一部を除く九州のサティを運営。イオングループ。
- さくら野百貨店 - 旧社名ダックビブレ。東北のビブレを引き継いだ。高島屋ハイランドグループ。
- ジャスコ
- YAWARA! - 浦沢直樹原作の漫画。マイカル子会社により1989年に実写映画化される。主演は浅香唯。当時社長だった小林敏峯が製作総指揮をとっている。
- 千日デパート火災
- マイカルハミングバード - かつて存在したレコード会社。のちにワーナーミュージック・ジャパンに事実上吸収された。
- イオンクレジットサービス - マイカルの再建にイオンの支援を受けたこともあり、イオンクレジットサービスが「サティ・ビブレカード」を発行(2007年3月以後はイオンカードに統合)。なおマイカル九州の「サティカード」もイオンクレジットサービスが発行しているが、特定日の割引特典が異なる。
- 葛西紀明 - かつてマイカルスキー部に所属していた。
- ポケットカード - 旧社名はマイカルカードで、マイカルのハウスカードとして「マイカルカード」を発行していた。マイカル倒産直前に消費者金融大手の三洋信販が買収。マイカルカードは、全国のサティとビブレにて特定日の割引特典が受けられたが、マイカルとは2005年12月31日、マイカル九州とは2006年4月30日を以て提携を解消し、同カードは順次P-oneカードへ切替となった。なおポスフール(旧社名マイカル北海道)は、マイカルやマイカル九州と同じイオンの傘下となったが、イオンクレジットサービスとは提携せず、引き続き「ポスフールカード」としてポケットカードとの提携を継続している。また、さくら野百貨店(旧社名ダックビブレ、現在は高島屋の傘下)も、引き続き「さくら野カード」として、ポケットカードとの提携を継続している。同様にホープタウン(旧マイカルサンイン ホープタウンサティ)も「ホープタウンカード」として、ポケットカードとの提携を継続している。
- クラブベアーズ - 旧マイカルベアーズ。2000年3月からクラブチームに移行。一時活動休止を経て2003年2月から現体制へ。現X2リーグ(Xリーグ2部)。サティ西宮店(閉店、兵庫県立芸術文化センター南側の敷地)の南側にあった専用グラウンドで練習していた。
[編集] 外部リンク
- 特定日(毎月末2日間)の割引特典がマイカル九州以外のサティとビブレに限定されている。(なお、マイカル九州のサティカードは、特定日(毎月15・25日)の割引特典がマイカル九州のサティに限定されている。)
- ポケットカード - 旧マイカルカード
- 「マイカルカード」から「P-oneカード」へ - マイカルとの提携終了を受けた、カードの自動切換の案内。
総合スーパー(GMS): | ジャスコ(イオン、イオン九州、琉球ジャスコ) | サティ(マイカル、マイカル九州) | ポスフール |
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スーパーマーケット(SM): | マックスバリュ(運営会社:北海道 | 東北 | 東海 | 中部 | 名古屋 | 西日本 | 九州) | ヤオハン(MV東海) | カスミ | ウエルマート | ジョイ|いなげや |
大型ショッピングセンター: | イオンモール | ダイヤモンドシティ | カルフール(イオンマルシェ) | マイカルタウン | ロックタウン・ロックシティ(ロック開発) |
百貨店・専門店: | ボンベルタ百貨店(ボンベルタ、橘百貨店) | ビブレ(マイカル) | フォーラス(イオン) | やまや | オリジン東秀 | タカキュー | ニューステップ |
ドラッグストア: | イオン・ウエルシア・ストアーズ | ツルハHD (ツルハ) | 寺島薬局 | ウエルシア関東 | ウェルパーク | クスリのアオキ | メディカル一光 | タキヤ |
その他小売業: | ホームセンター : ホームワイド(イオン九州) | サンデー | スーパーセンター : イオンスーパーセンター | CVS : ミニストップ | 書店 : 未来屋書店 |
その他: | イオンクレジットサービス | イオン銀行 | WAON | アイク | チェルト | イオンディライト | イオンファンタジー | イオンシネマ | ワーナー・マイカル・シネマズ |
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