ジャパネットたかた
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種類 | 株式会社 |
市場情報 | 非上場 |
本社所在地 | 長崎県佐世保市日宇町2781番地 |
設立 | 1986年1月16日 |
業種 | 小売業 |
事業内容 | 通信販売 |
代表者 | 高田明(代表取締役社長) |
資本金 | 1億円 |
売上高 | 1080億円(2006年12月期) |
外部リンク | http://www.japanet.co.jp/ |
ジャパネットたかた(ジャパネットたかた)は、長崎県佐世保市に本社のある通信販売業最大手企業である。
目次 |
[編集] 概歴
1986年1月に現社長で創業者の高田明が、1971年に大阪経済大学経済学部を卒業後、別の民間企業への就職を経て、1974年に入社した実父の経営するカメラ販売店「有限会社たかたカメラ」から、独立し設立した「株式会社たかた」が前身。そして、1999年現社名に変更。この現社名は「日本全国ネット」という「ジャパンネット」ではインパクトがなく、「ジャパネット」で社長が納得したことからつけられた(社長が出演したテレビ番組、カンブリア宮殿にて)。会社の建物は、佐世保市三川内町に現存している。
1990年代に入り通信販売事業を展開(1990年ラジオ通販開始。1994年テレビ通販開始)。テレビ、ラジオ、新聞の折込広告などのメディア戦略で通信販売業のトップに君臨する企業に成長していった。特にテレビ通販の場合、タレントとともに社長自らも出演し商品を独特の口調で判りやすく解説することで購買意欲を高めた。
社員の平均年齢は27~28歳。長年、地元の高校生を中心に雇用してきたが、規模の拡大に社内組織が追いつかず、最近では全国規模での採用を始めている。
なお、ジャパンネット銀行とは関係がない。
[編集] テレビショッピング
現在、テレビショッピングのMCは高田社長のほか、ジャパネットたかた社員の塚本慎太郎と中島一成が務めている。民放の地上波・BS各局で放送されるテレビショッピングではこの3人を中心に、月に数回、取扱商品を変えて放送する。CS放送のSKY PerfecTV!では自社テレビ局「ジャパネットスタジオ242」を開設。塚本、中島をメインに1人の女性MC(平田奈緒美)を加えて放送を行っており、CS放送に高田社長が登場するのは年数回程度。
当初テレビショッピングの収録には福岡市にあるスタジオを使用していた。しかし制作会社に頼むと1ヶ月かかるため、 髙田社長のコメントによると「スピードの速い今の世の中で1ヶ月は時間がかかりすぎる」ため、迅速に放送ができるように佐世保市の本社敷地内にテレビスタジオを設置した。通販番組を全国の各放送局に配信するためのテレビ番組制作用スタジオが3つとラジオ番組制作用スタジオがある。高田社長をイメージして作ったキャラクターミスターJは、同社のテレビショッピング番組のオープニングにCG化された“ミスターJ”がダンスをするシーンで有名。同社キャンペーン用の携帯ストラップとして商品化されている。
髙田社長の真骨頂は、「曲内蔵マイク型カラオケ」デモで、自ら熱唱することである。愛唱歌は沖縄民謡「十九の春」。ちなみに同商品には採点機能がついており、2005年11月22日の長崎国際テレビほかネット放送回において、初の百点満点を記録した。社長は得点表示の瞬間、画面を見たまましばらく固まったが、その後は喜びを爆発させている。この曲は、歌詞も短く、 音程の上がり下がりも少ないので高得点が出やすいため選ばれたと思われる。
[編集] 特徴
同社のテレショップの特徴としては、分割払い(ショッピングクレジット)で発生する金利手数料を同社が全面負担し、ユーザーの負担を極力抑えて買い物を楽しんでもらえるようにすることが挙げられる(業界では異例)。また、毎年年末(11月~12月)には1年間の利用に感謝するための企画として「利益還元祭」と題したイベントが行われ、購入者にはもれなく応募用紙が同封され、それに必要項目を記入して送付すると旅行やギフト券などが贈呈される(内容は年度ごとに異なり、2006年はハワイ旅行)。
コールセンターは大半が佐世保市の本社に集約されている(福岡市の支店でも一部行っている)。自社の社員が顧客からの電話を受けるなど、業務のアウトソーシングをせずに自社で業務を完結させることをモットーとしている。
未だ東京から放送されていると勘違いしている視聴者は多く、あとで佐世保から放送していると知り驚く視聴者はかなりいる。
配送センターも佐世保市の本社に集約し、原則としてすべての商品は佐世保市から発送している(これも異例)。地理的に西に寄りすぎているため配送コストはかかるが、トレンドを先読みして約1ヶ月サイクルで取り扱い商品を変えるという手法から、各地に配送拠点を設置してバラバラに集約するよりも管理効率が良い。時代のスピードに合わせた手法といえる。
2006年12月1日にスタジオの送信設備をハイビジョンマスターに更新。地上波での生放送を中心にハイビジョン放送を行っている。 最近は地デジ対応の薄型テレビやワンセグ対応のカーナビに力を入れているが、本社所在地である佐世保地区での地上デジタル放送はNHKを皮切りに2007年4月1日に開始される。
近々、中継車を導入予定で全国各地から中継したいとのこと(高田が番組内で語っていた)。
[編集] 主な販売商品
「コジマショッピングTV」や「ヤマダ電機TVショッピング」などの家電量販店系を除いたテレビショッピングではなかなか取り上げられない、前身の家業(ソニー特約店)だった大手メーカー各社製の音響機器・映像機器や生活家電と、パソコン・デジタルカメラなどの情報機器の商品を得意とし、同社の売上主力品目となっている。
このほか、先の「曲内蔵マイク型カラオケ」をはじめ、他社のテレビショッピングにありがちな鍋などの日用品、カーナビ(三洋電機の「GORILLA」・松下電器のストラーダ)やメンテナンス用具などのカー用品、キーボード・ジッポ・時計・高圧洗浄機・剪定ハサミなどの趣味・実用品、ローヤルゼリーやフィットネス器具など、多岐にわたって登場する。
また「ジャパネットスタジオ242」では、ラジコンカーや仮面ライダーベルト、更には「12分の1スケールガンダム」(約35万円)などの大人向ホビー商品も、実演をまじえ紹介している。また季節ごとの長時間の生ライブ放送などの企画があるのも特徴。6周年記念を迎えた2007年には、3月24日21時より、翌25日の21時までテレビショッピングでは異例の「24時間生ライブ放送」を行なった(25日の21時以降はリピート放送として3月いっぱいまでおこなわれた)。このときは通常のMC陣に加えて、普段は企画・営業・番組制作などに携わっている各部署の社員からも数名、MCとして特別参加した。
- 他社では大手メーカーの取扱が有ってもビデオカメラなどでは品目が少なく、それ以外は日立リビングサプライ・三洋ハイアールなど海外生産が主な日系メーカーの家電製品の取扱がほとんど。
- 大手家電量販店と販売が競合する薄型テレビやパソコンなど、商品によっては送料とポイント還元など加味すると量販店の方が安い。最近では下取りによって値引きしたり、セットをつけたり、分割金利手数料無料など頑張ってはいるものの、やはり他のネットショップにはかなわず価格は総じて高い。
- パソコンに関しては、通常のメーカーカタログ掲載モデルではなくメモリやハードディスクを変更した独自モデルを扱うことが多く、それらは通称「ジャパネット仕様」と呼ばれている。
[編集] 出演者
かつては高田社長とタレント(特にダチョウ倶楽部が多く、出演者は佐世保の自社スタジオに呼んでいた)が共演して商品を紹介していたが、現在ではCS・地上波放送とも前記の通り塚本がメインで、しかもフル回転で喋っている。そのためか、2004年前半から1年以上、声が枯れたままで風邪が治っていない。また、番組でも時折咳き込む姿が見られる。近年は「主婦のアイドル」とも言われているが、使いすぎとの声もある。元々塚本はジャパネット社内で企画関係、中島はカメラマンの仕事をしていたが、高田社長が抜擢した。
[編集] ゲスト
通販番組に出ているタレントは、仕事が少ない人という印象が多いが、この番組はそういう印象を受けないキャスティングをしていた。
- ダチョウ倶楽部 商品説明に逐一大袈裟なリアクションをとり、場を盛り上げた。
- モト冬樹
- 岡部玲子
- 定岡正二
- 桑野信義 カラオケの紹介をする時は、ラッツ&スターの曲や鈴木雅之の曲を歌っている。
- 森川由加里
- トミーズ雅 スタジオが暗くなった瞬間、ゲストで共演していた大東めぐみを抱きしめた。
- セイン・カミュ
- 大東めぐみ
- 宮前真樹
- 宇梶剛士
- ぜんじろう
ほか多数
なお、後述の個人情報漏洩事件以降、タレントのキャスティングは原則としてなくなった(商品に関するゲストタレントが年に何人か(中村泰士など)出る程度)。
[編集] 個人情報漏洩事件
2004年3月9日、利用者の顧客リストが流出する事件が発覚、最終的に51万人分の顧客リストが外部に流出していた。持ち出したのは元社員で、ほかにも長年にわたってパソコンやビデオカメラなど約130万円相当の商品が盗み出されていた。
この事件により、一連の広報活動や商品の販売を同年4月24日までの間自粛せざるを得ない事態に陥った(CS放送でも同期間テレビショッピングの放送を休止し、終日環境映像を流していた)。この時髙田社長は会社清算も考えていたという。その1か月半の間でおよそ150億円の減収になったと報じられた。
一方、事件発覚後の同社の被害者への対応は非常に素早く、事件が発覚した3月9日より同月12日まで毎日、またその後は事業再開まで1週間毎に謝罪と報告を繰り返した。これは、2005年4月1日より個人情報保護法が事業者にも適用されるのに伴い、漏洩後の事業者の模範対応例と言われており、この事件で同社または髙田社長に対しては非難されるどころか、逆に高く評価されるに至った。危機管理のよい例といえる。
また、この事件が発覚するまで社員が大量の商品を盗んでいたことに気付かないなど、同社が家族経営時代から抜け切れないままのずさんな管理体制も明らかになった。優秀な中間管理職不足を痛感した高田社長は、それまでの「地元」「生え抜き」へのこだわりを転換。中途入社や全国採用を始めることになった。
[編集] ワンナイR&R・王シュレット事件
2003年8月、フジテレビ「水10!ワンナイR&R」で、ジャパネットたかたをもじった通販コント「ジャパネットはかた」でTOTOの看板商品である「ウォシュレット」を、福岡ダイエーホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)監督の王貞治をモチーフにした「王シュレット」にして放送されたため、ジャパネットたかたは球団(福岡ダイエーホークス)やTOTOとともにフジテレビに対して抗議。その結果、FNS系列で同年の日本シリーズ放映権(ホークス対阪神タイガース)を失ったとされる。なお、詳細は「水10!ワンナイR&R」を参照。
[編集] 関連項目
[編集] 取扱商品関係
- パソコン
- デジタルカメラ
- BIGLOBE
- カーナビ
- 薄型テレビ
- ローヤルゼリー
- ブルーベリー
- 高圧洗浄機
- デジタルオーディオプレーヤー
- 洗濯機
- DVDレコーダー
- 電気シェーバー
- スチームオーブンレンジ
- カウチソファ
- 電動自転車(よく髙田社長がスタジオ内を乗って走る)
- Eneloop(三洋電機のニッケル・水素蓄電池)
[編集] 番組関係
- ダチョウ倶楽部
- リーダー肥後克広が髙田社長の物まねをよくしていた関係で、もっとも長くゲスト出演していた。
- ラジオショッピング
- JFNC製作。月~金13:08からラジオショッピングを放送。
- 月~金13:30頃からラジオショッピングを放送。
- 日テレ
- NNNきょうの出来事
- NEWS ZERO
- ポシュレ・サンデー
- 爽快情報バラエティースッキリ!!(2006年10月から9時台前半に提供。高田明社長が出演。)
- スーパーテレビ情報最前線(2003年6月2日、「潜入!通販ワールド巨大市場の秘密公開」内で業界の風雲児・高田明社長に密着!として放送された)
- 「きょうの出来事」と「NEWS ZERO」ではスポンサーとして30秒CMを放送。
- TBSテレビ「ぜひモノ」(月1回・30分枠化)
- フジテレビ
- 「ワンナイR&R」(パロディーコントをやってクレームがついた番組。上記「王シュレット事件」を参照)
- 「FNNスーパーニュース」(時々番組スポンサー。通常の30秒CMを放送)
- テレビ東京
- 「快適!ショッピングスタジオ」(毎週月曜~金曜9:28頃「朝はビタミン!」内で生放送。ハイビジョン放送。)
- かつてゲストで出演していた肥後が司会なので、スタジオ切り替えの時、昔のような掛け合いが見られる。
- 「日経スペシャル カンブリア宮殿」(2006年10月30日放送。「テレビ通販の話術師」として高田明社長が出演。セールストークの極意を語った)
- 「快適!ショッピングスタジオ」(毎週月曜~金曜9:28頃「朝はビタミン!」内で生放送。ハイビジョン放送。)
- 関西テレビ「ムハハnoたかじんスペシャル」(2006年8月27日放送。全国265万人の中で一番有名な社長として高田明社長がVTRで出演。長崎の本社を自ら紹介した。)
- 札幌テレビ放送(毎週火曜日・水曜日に生放送、木曜日はテレビショッピング(1回)で放送。)
- 青森放送(テレビでは毎週火曜日と一部土曜日に生放送〔STV経由のネット〕。ラジオでも平日午前に放送)
- 秋田放送(毎週火曜日と土曜日の生放送。一部深夜にも放送)
- テレビ岩手(ほぼ毎日深夜に放送。年に数回土曜か日曜または祝日などに生放送される)
- IBC岩手放送(ラジオ番組の1コーナーとして月曜~土曜に放送、年に数回テレビで生放送される)
- 山形放送
- チバテレビ・tvk・テレ玉
- TOKYO MX(毎週金曜日の深夜に放送)
- 信越放送(テレビ:日曜~木曜・深夜に放送、ラジオ:月曜~金曜・12:25より「わくわくワイド!!あっぱれ大通り」内で放送)
- 福井放送(2006年6月10日、FBCラジオ「土曜スペシャル」で佐世保本社から3時間にわたって生放送。ジャパネットたかたのテーマソングを作った恒見コウヘイも生出演)
- 毎日放送
- ラジオ「こんちはコンちゃんお昼ですよ!」の中で14時台・15時台の2回に放送されている。また不定期で番組自体を縮小して14:45から特別枠を設けて放送する場合もある。この時は高田社長もMBSのスタジオに出向く。司会者(近藤光史)との言葉のキャッチボールもあり、賑やかな展開が繰り広げられる。
- その前に、「ありがとう浜村淳です」でも放送されている。但し、ジャパネット担当者がセールストークとして繰り出す製品関連の専門用語に対し、司会者もアシスタントも相槌を打つ程度で盛り上がりに欠ける印象がある。そのため最近では、担当者が司会者・アシスタントに直接話を振って反応をうかがうことが多くなったが、それでも「こんちはコンちゃんお昼ですよ!」に比べると盛り上がりに欠ける。
- テレビでは毎週土曜日朝5時からの30分放送は毎日放送特定の放送である。
- 朝日放送
- 「パネルクイズアタック25」(2002年10月から2003年3月までと2005年10月から2007年3月まで)で提供。高田明社長が出演し、番組名にちなんで、「○○の商品にアタックします!」と言う)
- 「にっぽん菜発見 そうだ、自然に帰ろう」(2006年10月からスポンサーに加わっている)
- よみうりテレビでは特定放送が多い(毎週日曜日朝5時からの30分放送や、ほぼ毎日深夜に放送されている分など)。
- KBS京都
- 日曜日の午後3時からの1時間と土曜日の午後7時からの2時間(いずれも生放送)を月1回ペースで行っている。
- 広島テレビ放送(毎週土曜10:30~11:25に生放送。また毎週土曜早朝5:00~5:30に放送)
- 山口放送(札幌テレビ・日本海テレビと同時に毎週火曜日・水曜日に生放送、また深夜にも30分番組を放送)
- テレビ西日本
- 以前は単発で生放送テレビショッピングを放送していた。現在は「情報レシピ ニジ☆ゴジ」の中で番組向け特別仕様による生放送テレビショッピングを放送している。
- RKB毎日放送・福岡放送・TVQ九州放送
- 不定期で生放送テレビショッピングを放送する。ちなみに、ジャパネットたかたは福岡市にもコールセンターを開設して、受注電話に係る負荷の分散を図っている。
- 長崎国際テレビ(地元テレビ局としてNNS系送信のキー局にあたる)
[編集] 分割払い
ジャパネットたかたの「分割払い」の申し出を行うと、次の信販会社のショッピングクレジット契約となる。