GE・アビエーション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
種類 | 部門(ゼネラル・エレクトリック - GE・インフラストラクチャー |
本社所在地 | アメリカ合衆国オハイオ州 Evendale [1] |
設立 | 1917年 [2] |
業種 | 航空宇宙産業 |
事業内容 | 航空機用エンジン、アビオニクス(スミス・エアロスペースによる) |
代表者 | スコット・ドネリー (Scott C. Donnelley 、 社長、CEO) |
売上高 | 132億ドル(2006年)[3] |
従業員数 | 単独:26,800人[3] 連結:37,800人(スミス含)[3] |
主要子会社 | GE・ホンダ・エアロ・エンジン(50%) CFMインターナショナル(50%) エンジン・アライアンス(50%) スミス・エアロスペース(買収進行中) |
外部リンク | geaviation.com |
GE・アビエーション (GE-Aviation) は、アメリカ合衆国の航空機エンジンメーカー。複合企業であるゼネラル・エレクトリック (GE) の一部門で、GE・インフラストラクチャー (GE-Infrastructure) の傘下である。本社はオハイオ州Evendaleにある。世界最大の航空機エンジンメーカーで、商用の航空機エンジンシェアの大部分を占めている。ゼネラル・エレクトリックの主要部門であり、世界で最も大きい企業の一つである。2005年9月にゼネラル・エレクトリック・エアクラフト・エンジンズ (GEAE) から変更された。
1942年、ゼネラル・エレクトリックは、マサチューセッツ州リンでアメリカ初のジェットエンジンを開発した。その後、アメリカ国防総省のために製造が続けられた。この工場ではF404、F414、T700、CFE738が製造された。また商用のターボプロップ発電機やT700が製造された。
Evendale工場では、CFMインターナショナルのエンジン、CFM56や、LM6000、LM2500などのガスタービンの組み立てを行っている。
ノースカロライナ州のダーラムの施設ではGE90、CF6、CF34などの組み立てが行われている。これらエンジンのブレードなど主要なパーツはカナダのケベック州ブロモン(Bromont)、アメリカのニューハンプシャー州フックセット、ケンタッキー州マディソンヴィル、バーモント州ラトランドで製造される。
GE・アビエーションのエンジン市場における主な競合会社は、ロールス・ロイス・PLCとプラット・アンド・ホイットニーである。フランスの航空エンジンメーカー・スネクマ(Snecma)とは、1974年にCFMインターナショナルを設立しており、民生用エンジン分野で大きな関係を持っている。プラット・アンド・ホイットニーとはエンジン・アライアンスを設立した。また本田技研工業と合弁会社、GE・ホンダ・エアロ・エンジンを設立した。
GE・アビエーションがGEAEだった当時、アメリカの航空機メーカー・ボーイングの新型機であるボーイング787のエンジン供給会社にロールス・ロイス・PLCと共に選ばれた。GE・アビエーションは、 GE90 の技術を元に開発された GEnx を提供した。また、ボーイング787の競合機として開発されたヨーロッパの航空機メーカー・エアバスのA350へも GE90 および GEnx の優先的な供給権を確保している。さらに、ボーイング747-400 の後継機として開発されているボーイング747-8 への、2年間のエンジン独占供給権も確保している。
2007年1月15日、ゼネラル・エレクトリックは、イギリスの大手エンジニアリング会社スミス・グループ (Smith Group PLC) の一部門であるスミス・エアロスペースを48億ドルで買収することを発表した[3][4]。ウォールストリート・ジャーナルの報道によると、これにより、航空部品大手のスミス・エアロスペースはGE・アビエーションの子会社となると伝えられた。[4]また、この合併は、最大の顧客であるボーイングおよびエアバスによる価格への圧力に抵抗するためであると言及した。[4]さらに報道の中でアナリストは、2001年に失敗した航空電子部品等を製造する企業のハネウェルの買収と同等の資産を取得することが可能であると断言した。[4]
目次 |
[編集] エンジン
[編集] ターボジェット
- J35 アリソンと共同開発 (1946年)
- ベル X-5
- ボーイング XB-47 ストラトジェッ
- コンベア XB-46
- ダグラス XB-43 ジェットマスター
- マーチン XB-48
- ノースアメリカン XB-45 トーネード
- ノースロップ B-49
- ノースロップ F-89 スコーピオン
- リパブリック F-84 サンダージェット
- J47 (1948年)
- J79/CJ805 (1955年)
- J85/CJ610 (1960年?)
- マクドネル ADM-20 クウェイル
- エアロ・コマンダー 1121 ジェットコマンダー
- HFB-320 ハンザ
- リアジェット 23
- リアジェット 25
- リアジェット 28/29
- ノースロップ T-38 タロン
- ノースロップ F-5 フリーダムファイター/タイガー II
- スケールド・コンポジッツ ホワイトナイト
[編集] 低バイパス ターボファンエンジン
- F101 (1970年)
- ゼネラル・エレクトリック TF34/CF34 (1972年)
- F404 (1978年)
- ボーイング F/A-18A/B/C/D ホーネット
- ボーイング X-45C
- ダッソー ラファール (開発時)
- グラマン YA-6F イントルーダー
- グラマン X-29
- HAL テジャス
- クフィル (戦闘機)lイスラエル・エアクラフト・インダストリー クフィルC2 ネイマー
- ロッキード F-117 ナイトホーク
- マクドネル・ダグラス TA-4SU スカイホーク (シンガポール空軍)
- ノースロップ F-20 タイガーシャーク
- ロックウェル-メッサーシュミット X-31
- サーブ JAS-39 グリペン
- F110 (1984年)
- グラマン F-14 トムキャット
- ボーイング F-15K/F-15SG
- ロッキード・マーチン F-16C/D ファイティングファルコン
- F118 (1989)
- YF120(開発中止、F136の元となる、1989年)
- ロッキード・マーチン/ボーイング F-22 ラプター
- ノースロップ YF-23 ブラックウィドウII
- CFE738 ハネウェルと共同開発
- ダッソー ファルコン2000
- F412 (開発中止)
- F414 (1995年)
- ボーイング F/A-18E/F スーパーホーネット
- EADS Mako/HEAT
- F136 ロールス・ロイス・PLCと共同開発
- HF120 本田技研と共同開発 (2003年?)
[編集] 高バイパス ターボファン
- TF39/CF6/F103ファミリー
- TF39 (1968年)
- CF6-6 (1970年)
- CF6-50
- CF6-80 (1981年)
- CFM56/F108(スネクマと共同開発、1982年)
- エアバス A320 ファミリー
- エアバス A340-200/-300
- ボーイング KC-135R ストラトタンカー (KC-135のエンジンを変更したもの)
- ボーイング E-6 マーキュリー
- ボーイング 737
- ボーイング P-8 ポセイドン
- ボーイング 737 AEW&C ウェッジテイル
- ボーイング E-3 セントリー (イギリス、フランス、サウジアラビア向け)
- ダグラス DC-8 スーパー70
- GP7200、プラット・アンド・ホイットニーとの合弁会社エンジン・アライアンス製 (2006年)
- GEnx (2007年)
[編集] ターボプロップエンジン/プロップファンエンジン
- CT7
- CASA/IPTN CN-235
- サーブ 340
- スホーイ Su-80
- GE-36
- ボーイング7J7 (開発中止)
- T407
- ロッキード P-7
[編集] ターボシャフトエンジン
- T700/CT7
- アグスタウエストランド EH101 マーリン/CH-149
- ベル 214ST
- ベル AH-1W/Z スーパーコブラ
- ベル YAH-63
- ベル UH-1Y ツインヒューイ
- ボーイング AH-64 アパッチ
- ボーイング YUH-61
- カマン SH-2G スーパー・シースプライト
- ロッキード/アグスタウエストランド/ベル VH-71 ケストレル
- NHインダストリーズ NH90
- シコルスキー S-70C/UH-60 ブラックホーク/SH-60 シーホーク
- シコルスキー S-92/H-92 スーパーホーク
- T64
- シコルスキー H-53 シースタリオン/H-53E スーパースタリオン
- シコルスキー MH-53 ペイブロウ
- GE38 (2011年)
[編集] 車両用ガスタービンエンジン
[編集] 派生品、船舶用
- LM500 - TF34から派生
- LM1600 - F404から派生
- LM2500 - GE TF39とCF6-50から派生
- アーレイバーク級ミサイル駆逐艦 - イージスシステム搭載駆逐艦
- スプルーアンス級駆逐艦および巡洋艦:
- オリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲート
- LM6000 - CF6-80から派生
- LMS100 - GE LM600から派生
[編集] 出典
- ^ "GE-Aviation: Facilities." GE・アビエーションウェブサイト
- ^ "GE-Aviation: History." GE・アビエーションウェブサイト.
- ^ a b c d "GE To Acquire Smiths Aerospace, Extending Aviation Offerings; Plans JV with Smiths Group To Build Global Detection Business." GE・アビエーション 公式プレスリリース 2007年1月15日.
- ^ a b c d "Smiths To Sell Aerospace Ops To GE For $4.8B." McGrath, S.; Stone, R. ウォールストリート・ジャーナル. 2007年1月15日.
- ^ "LV100" 製品紹介ウェブページ