ダンロップフェニックストーナメント
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ダンロップフェニックストーナメント(DUNLOP PHOENIX TOURNAMENT)は、日本ゴルフツアー機構(JGTO)公認による男子プロゴルフトーナメントの一つである。
フェニックスリゾート(旧・フェニックス国際観光)・住友ゴム工業・毎日放送主催で、宮崎市のシーガイア内「フェニックスカントリークラブ」にて毎年11月第3週に開催されている。1974年の第1回以来現在30年以上続く伝統ある国際的ゴルフトーナメントであり、国内はもちろん、世界のトッププレーヤーが国内男子プロゴルフ最高額となる賞金総額2億円、優勝賞金4000万円を賭けて争う。優勝者には副賞としてドイツ製高級車メルセデス・ベンツ(注1)が贈られる。過去30年間には帝王ジャック・ニクラスをはじめ、ジョニー・ミラー、トム・ワトソン、セベ・バレステロス、クレイグ・スタドラー、ラリー・ネルソン、フレッド・カプルス、アーニー・エルス、グレグ・ノーマン、ビジェイ・シン、フィル・ミケルソン、レティーフ・グーセン、セルヒオ・ガルシア、デビッド・デュバル、タイガー・ウッズなど数々の世界のトッププレーヤーが参戦したトーナメントである(アメリカPGAツアーは11月初旬にシーズンオフに入るため、他の日本国内大会に比べて有名選手を招待しやすい時期でもある)。
これまでの30年間、歴代優勝者には海外の数々の有名プレーヤーが名を連ねてきた。中でもセベ・バレステロス、ボビー・ワドキンス、トム・ワトソン、ラリー・マイズ、トーマス・ビヨン、タイガー・ウッズが2度優勝を決めている。1993年の優勝者であるアーニー・エルスは、当時無名と言ってよい存在であったが、翌年全米オープンで優勝し、一躍世界的な選手となった。日本人選手の優勝は比較的少ない大会だが、尾崎将司が大会史上唯一の3連覇を達成しており、他には中嶋常幸、片山晋呉、横尾要が優勝している。
- (注1)過去、優勝副賞の車は日産(1991年まで)やホンダ(1992年)から贈呈されていた。メルセデス・ベンツが副賞になったのは1993年からである。なお、副賞の車が置かれているのは17番ホールのティーグラウンドである。
目次 |
[編集] 歴代優勝者
- 2006年:パドレイグ・ハリントン(アイルランド)
- 2004年&2005年:タイガー・ウッズ(アメリカ)[大会2連覇]
- 2003年:トーマス・ビヨン(デンマーク) [4年ぶり2度目]
- 2002年:横尾要
- 2001年:デビッド・デュバル(アメリカ)
- 2000年:片山晋呉
- 1999年:トーマス・ビヨン(デンマーク)
- 1998年:リー・ウエストウッド(イングランド)
- 1997年:トム・ワトソン(アメリカ) [17年ぶり2度目]
- 1994年~1996年:尾崎将司 [大会3連覇]
- 1993年:アーニー・エルス(南アフリカ)
- 1992年:デビッド・フロスト(南アフリカ)
- 1991年:ラリー・ネルソン(アメリカ)
- 1989年&1990年:ラリー・マイズ(アメリカ) [大会2連覇]
- 1988年:ケン・グリーン(アメリカ)
- 1987年:クレイグ・スタドラー(アメリカ)
- 1986年:ボビー・ワドキンス(アメリカ) [7年ぶり2度目]
- 1985年:中嶋常幸 [日本人選手として初制覇]
- 1984年:スコット・シンプソン(アメリカ)
- 1983年:陳志明(台湾)
- 1982年:カルビン・ピート(アメリカ)
- 1981年:セベ・バレステロス(スペイン) [4年ぶり2度目]
- 1980年:トム・ワトソン
- 1979年:ボビー・ワドキンス(アメリカ)
- 1978年:アンディ・ビーン(アメリカ)
- 1977年:セベ・バレステロス
- 1976年:グラハム・マーシュ(オーストラリア)
- 1975年:ヒューバート・グリーン(アメリカ)
- 1974年:ジョニー・ミラー(アメリカ)
[編集] 歴代実況アナウンサー
- 初代:井上光央[1974年~1984年]
- 2代目:水谷勝海[1985年~1998年]
- 3代目:平松邦夫[1999年・2000年]
- 4代目:馬野雅行[2001年~]
- 井上はあるラジオ番組で、「この大会でどうしても日本人選手が優勝出来ないので水谷さんにバトンタッチしたら、途端に中島選手が優勝した」と語っていたことがある。
[編集] 2006年度放送スタッフ
- 解説:青木功
- オンコースコメンテーター:沼沢聖一
- プレスサイドリポーター:岩田禎夫
- 実況:馬野雅行(毎日放送アナウンサー)
- インタビュアー:結城哲郎(毎日放送アナウンサー)
- リポーター:井上雅雄(毎日放送アナウンサー)
- 制作:葛原淳
- プロデューサー:竹原一志
- チーフディレクター:藤島淳史
- ETP(エグゼグティブテクニカルプロデューサー):上野修嗣
- TP(テクニカルプロデューサー)・SW(スイッチャー):高木久之
- TD(テクニカルディレクター):坂元宏聡
- 音声:中西進二
- VE(ビデオエンジニア):上原英昭
- CG:京橋範彦
- 制作協力:TBS、CBC、HBC、東通、サウンドエースプロダクション、アスカプロ、エキスプレス、放送映画製作所、タイトルラボ
- 製作著作:毎日放送人、宮崎放送(MRT)
[編集] 中継形態および過去の放送時間による問題点
- 毎日放送(制作著作)と宮崎放送(制作協力)の共同制作でTBS系列(注2)でのテレビ放送の解説は2001年まで大西久光(但し1991年のみプロゴルファーの入江勉が担当)が、2002年からは青木功が担当している。また、2000年からはラウンド解説としてプロゴルファーの沼沢聖一が、更にプレスリポーターとしてTBS系列のゴルフ中継ではお馴染みの岩田禎夫が担当している(岩田は以前ラウンドリポーターを務めていたことがあった)。番組中での選手テロップ表示については、米国・英国等の選手(普段はカタカナ表記になっている選手)については英語(女子ゴルフの「ミズノクラシック」も同様)で、日本・台湾・韓国の選手については日本語でそれぞれ表記している。
- (注2)TBS系列のうち、青森テレビ・テレビ山梨・テレビ山口・テレビ高知の以上4局では放送されない。これらの地域(TBS系列のない秋田県や福井県なども含む)でトーナメントを視聴するには、BSデジタル放送のBS-i、CS放送のGAORA、CSゴルフ専門チャンネルの「ゴルフネットワーク」(後日放送)で視聴するしかない。また、近隣局を受信する方法もあるが、クリアな画質・音声は望めないと考えた方が良いだろう。(※視聴出来ない地域でもケーブルテレビで他地域の系列局を再送信している場合は視聴可能。なお地上デジタル放送が開始された場合は他地域の放送局は再送信出来ないことになっているため、2011年以降はケーブルテレビでの視聴が困難になる可能性がある。)
- 1996年から1999年まで、日曜日の最終日の模様を13時から14時54分(日本時間)まで生中継していたことがあった。毎日放送は1992年9月まで13時台に自社制作の全国ネット枠を持っていたため、その名残を生かしてのものだった。1996年と1998年は優勝決定まで中継出来た(1998年は表彰式の模様はなし)が、1997年及び1999年は優勝決定まで全国ネットでの中継が出来なかった(なお関西・宮崎両地区は最大60分の延長があった)。特に1999年は優勝したトーマス・ビヨンとセルヒオ・ガルシアとの4ホールに及ぶプレーオフの途中で全国ネットの放送が終了してしまい、ゴルフファンの不評を買った。(このトーナメント中継の裏では、シドニー五輪の代表選手選考会を兼ねた東京国際女子マラソンが行われていた。)毎日放送もさすがにこれはまずいと思ったのか、2000年以降はVTR放送に切り替えの上、放送時間も15時から16時54分までとなり現在に至る。(土曜日の3日目は14時から15時54分まで生中継する。また、最終日は全国放送とは別に関西地区では10時から11時24分まで生中継する)
- 関西地区での放送は2004年には毎日放送専属パーソナリティの角淳一が実況を担当し、2005年11月20日(日)10:00~11:30には『やしきたかじんが宮崎でタイガーに密着!たかじんINダンロップフェニックス』というタイトルでやしきたかじんが特別ゲストとして出演していた。
- 2006年については、11月19日(日)10:00~11:30に『せやねん!スポーツ・ゴルフSP 「トミーズ雅&さくらパパ良郎が見たこれぞ世界一!」』として関西ローカルで放送、15:00~17:00にJNN全国ネットで放送する態勢をとった。よって、MBS(関西ローカル)では、実質3時間30分の関連番組を放送した。
※2002年よりTBS『サンデージャポン』をネットしてからは、このトーナメントが放送される場合には放送休止される。
- BSデジタル放送のBS-i、CS放送のGAORAは4日間すべて中継、地上波の中継も関西・宮崎両地区では1日目と2日目は深夜に録画中継する。また、CSゴルフ専門チャンネルのゴルフネットワークでも、3日目と最終日の模様をTBS系列での放映から1週間以内に後日放映される。
[編集] ジンクス
- このトーナメントでは「ダブルボギーを叩いた選手は優勝できない」というジンクスがあった(以前テレビ解説を担当した大西久光も指摘していた)。しかし、2005年のタイガー・ウッズは最終日の3番ホールでダブルボギーを叩き、横尾要とのプレーオフまでもつれ込んだが結局優勝。このジンクスも“幻”になりつつある。
[編集] スポンサーについて
- DUNLOPが冠スポンサー(30秒×8本)を務め、優勝副賞車のメルセデス・ベンツが準冠スポンサー(30秒×4本)を務めている。また2002年以降、SUNTORY、積水樹脂、Daiwa House、三井住友VISAカードが通常スポンサー(30秒×2本)を務めている。
- 2000年まではDaiwa HouseとともにFUJI XEROXも30秒×3本のスポンサーを務めていた(2001年以降はスポンサーを務めていない)。
- 2001年及び2003年の全国ネットの中継では提供スポンサーの一社にコンピュータ会社のNEC(30秒×2本 注)が入っていたが、番組開始前のカウキャッチャーに2001年はCompaq(2002年、ヒューレット・パッカードに吸収合併)が、2003年はIBM(いずれも15秒×2本)と同じコンピュータ会社のCMが流れた。なおCompaqは1999年、IBMは2001年の中継では提供スポンサーの一社(いずれも30秒×2本)に入っていた。
- 2001年の大会は前後2部制に分けて提供。通しスポンサーにダンロップ(筆頭スポンサー)・メルセデス・ベンツ(前後1分扱い)・サントリー・積水樹脂・三井住友VISAカード(前後各社扱い)の5社。さらにAパターンにNECほか各社、Bパターンに日本IBM・勘定奉行(オービックビジネスコンサルタント)ほか各社の提供分けをした。
- 2005年は提供スポンサーの一社に2004年も務めた航空貨物会社のDHL(30秒×2本)が入っていたが、番組終了後のヒッチハイクに同じ航空貨物会社のFedexのCM(30秒)が流れた。
注 2001年のNECのCMは1本がNTTドコモ対応の携帯電話のCM(音楽:久保田利伸)、もう1本はインターネット・ソリューションのCMであり、パソコンそのもののCMではなかった。
[編集] 関連番組
- フェニックスチャレンジ
- フェニックスカントリークラブに隣接するトム・ワトソン・ゴルフコースを舞台にして行われるゴルフゲーム。元々は2001年まで行われた「ゴルフバトルロイヤル」で日本の名ゴルフプレーヤーの青木功を相手に国内のトッププレーヤー5名の選手がサドンデス方式のゲームで先にホールアウトした選手が勝ち抜けし、ビリになった選手は敗者となり次々と脱落するルールで最後まで残った選手が勝者となる。2002年からスタートの第1回はタイガー・ウッズをはじめ、デビッド・デュバル、セルヒオ・ガルシア、崔京周、片山晋呉が参戦し、6ホールでのポイントターニー方式でポイントの多い選手が勝者ちなるゲームで、タイガー・ウッズが優勝をおさめた。2003年からはプロとアマの8選手が1対1のマッチプレーによるトーナメントで戦い、1回戦2ホールの成績で勝敗を決定し、準決勝、決勝はサドンデス形式で行われる。1打1打勝負を左右する一瞬も気を抜けない真剣勝負である。
解説を青木プロ、司会進行を馬野雅行(MBSアナウンサー)が務める。なおこの試合の模様をキー局の毎日放送をはじめ、TBS、中部日本放送、北海道放送、RKB毎日放送、宮崎放送にて毎年12月中旬~下旬ごろにテレビ放送される。
[編集] 外部リンク
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