山崎まさよし
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山崎まさよし(やまざき まさよし、本名:山崎将義、1971年12月23日 - )は、滋賀県草津市生まれ山口県防府市育ちのシンガーソングライター、俳優である。山口県立防府西高等学校卒業。
オフィスオーガスタ所属。所属レコード会社はユニバーサルミュージック(2001年まではポリドール)。愛称は「まさやん」。アコースティックギターやブルースハープの名手としても知られる。天然パーマがトレードマーク。
デビューのきっかけは歌手のオーディションと間違えて役者のオーディションを受けてしまうというハプニングによる。このオーディションは応募者1000人以上という規模の大きいもので、山崎がこのオーディションが歌手ではなく役者のオーディションだと気がついたのは東京での最終審査の直前であったという。山崎は仕方なくこの場で自作の歌(本人曰く、その時歌ったのは『中華料理』、『Rough Rock'n Roll Boogie』)を披露している。この時、偶然にもオーディションに審査員として参加していた音楽プロデューサー(現在、山崎まさよしのチーフマネージャー)の目に留まり1995年にシングル「月明かりに照らされて」でデビューに至っている。なお、このオーディションではグランプリは逃しているものの審査員特別賞を受賞している。
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[編集] 来歴、概要
- 1971年に滋賀県草津市に生まれ、小学2年のときに山口県に転校し防府市で育った。防府市立牟礼小学校・牟礼中学校出身。中学生のころからバンドを組んでドラムを叩いていたが、先輩たちが高校を卒業したあとは歌とギターを覚え、周南市にある周南BoogieHouseで腕を磨く。店のマスターに影響を受けブルースを積極的に取り入れたのもこのころである。
- 1992年にRCサクセションの『トランジスタ・ラジオ』を独特のセンスでアレンジしたシングルでインディーズ・デビューした。
- 1993年に横浜桜木町に移り、マネキン運びのアルバイトをする傍ら、ライブハウス出演など音楽活動にも従事する。
- 1995年にシングル『月明かりに照らされて』でメジャーデビュー。デビュー時のキャッチコピーは「天才より凄いヤツ」。
- 1996年には早くもセカンドシングル『中華料理』をリリース。そして主演にも起用された映画「月とキャベツ」(監督・篠原哲雄)のテーマ曲『One more time, One more chance』にて有名になり、同年9月に、後にSMAPがカバーすることになる『セロリ』をリリースした。
- 2002年、5月にリリースした『心拍数』(各地域編合わせ10タイトルを同時リリース)が同一曲同時10曲TOP50入りのチャート寡占記録を達成。また、日本テレビの番組企画でワールドライブツアー中のポール・マッカートニーの楽屋にて、本人の前でアコースティック・ギターで弾き語りをする。また同年の「Dream Power ジョン・レノン スーパー・ライヴ2002」」にも出演。
- 2005年には、「8月のクリスマス」(監督・長崎俊一)に主演。作中の音楽も手がけた。前月には同作の主題歌『8月のクリスマス』をリリース。さらに、第56回NHK紅白歌合戦に初出場した。
- 2006年には映画「酒井家のしあわせ」(監督・呉美保)の音楽と主題歌を担当した。
- 2007年公開の短編アニメーション映画「秒速5センチメートル」(新海誠監督)の主題歌に『One more time, One more chance』が使用されることが決定した。同曲が映画の主題歌に使われるのはこれで二回目。
- 杏子(元BARBEE BOYS)、スガシカオの3人で福耳というユニットを結成。何曲かCDもリリース。
- アルバム『ステレオ』シリーズ以降、『SHEEP』や『アトリエ』では作詞、作曲や編曲の他に全ての楽器の演奏を自分ひとりで行っている。
- 現在まで3枚もの(しかもいずれも2枚組の)ライブアルバムを出してることからも分かるように大のライブ好きで、ほぼ毎年ライブを行っている。
- ギター(アコースティック・エレキの両方)の他にピアノ、ドラムなど数多くの楽器をこなせる。(元々最初に憶えた楽器はドラムだったという)
- 斉藤和義、中村一義らと合わせて「さんよしくん」と称されることがある。
- 奥田民生、Charと合わせて「三人の侍」と称される事があり、この三人で何度かライブもやっている。
- アルバム『アトリエ』のジャケットにある自画像は、山崎本人が描いたものである。また、シングル『未完成』のジャケットにその絵を描いている姿が使われている。
- 大の酒好きで、酔っ払い方が事務所(オフィスオーガスタ)の後輩の大橋卓弥(スキマスイッチ)とそっくりだという。(事務所のメンバー談)
[編集] 曲にまつわる話
- ツバメ
- この曲は山崎自身がピアノで弾き語りをし、コンサートではギターを一切弾かず、ピアノを使って弾く。イントロの音は自身の住んでいたアパートで録音したもの。
- One more time, One more chance
- 前述の映画「月とキャベツ」の主題歌として使われてからヒットした曲。今でもファンの間では名曲として人気が高い。
- この曲にまつわる噂として「阪神・淡路大震災で死んだ自分の恋人を歌っている」というものがあるが、この曲は阪神・淡路大震災が起きる前の1994年頃に作られたもので、全くのデマである。
- アドレナリン
- 2回目のサビの後のMCは正露丸の能書きから取ったという。
- 僕と不良と校庭で
- タイトルはポール・サイモンの『僕とフリオと校庭で』をもじっている。
- 夏をイメージした歌ではあるが、歌詞に「夏」という単語は一度も使われていない。
- mud skiffle track
- この曲は各シングルに収録されているスキッフル(1950年代にイギリスで流行したフォーク要素の強いジャズ)を基調としたインストゥルメンタルである。デビュー当時の山崎はギターと歌を同時に録音しなければいけなかったためにカラオケバージョンを録音できなかった。その代わりとして即興の器楽曲を収録したのが始まりである。が、この曲のためにシングルを買う人が出るなど好評だっため、シングルを出すごとに収録されるようになった。また、殆どが即興やデモ音源だったのもわざわざ曲を書き下ろすようになっていったという。どの曲も大抵1~2分程度の短いものだが、『僕らは静かに消えていく』に収録されたものは実に23分弱にも及ぶ。
- 僕らは静かに消えてゆく
- 童話「泣いた赤鬼」をモチーフに詞を書いたらしい。彼曰く「春の引越しの歌」。
[編集] ディスコグラフィ
[編集] シングル
- 『トランジスタ・ラジオ』(インディーズ・1992年)
- 『月明かりに照らされて』(1995年9月25日)
- 『中華料理』(1996年2月25日)
- 『セロリ』(1996年9月1日)
- 『One more time, One more chance』(1997年1月22日)
- 『アドレナリン』(1997年5月8日)
- 『振り向かない/ガムシャラ バタフライ』(1997年10月22日)
- 『水のない水槽』(1998年5月13日)
- 『僕はここにいる』(1998年11月11日)
- 『Passage』(1999年10月14日)
- 『やわらかい月』(2000年2月16日)
- 『明日の風』(2000年7月5日)
- 『Plastic Soul(single mix)』(2001年5月23日)
- 『心拍数(通常版)』(2002年5月29日) - この他に北海道編から九州・沖縄編まで9つのライブテイクがリリースされている。
- 『全部、君だった。』(2003年3月19日)
- 『未完成』(2003年5月21日)
- 『僕と不良と校庭で』(2003年10月22日)
- 『僕らは静かに消えていく』(2004年5月19日)
- 『ビー玉望遠鏡』(2004年8月18日)
- 『メヌエット』(2005年4月13日)
- 『8月のクリスマス』(2005年8月24日)
- 『アンジェラ』(2006年5月17日)
- 『One more time, One more chance(『秒速5センチメートル』スペシャルエディション)』(2007年3月3日)
[編集] アルバム
- 『アレルギーの特効薬』(1996年4月1日)
- 『HOME』(1997年5月21日)
- 『ドミノ』(1998年12月23日)
- 『SHEEP』(1999年11月26日)
- 『transition』(2001年6月27日)
- 『アトリエ』(2003年6月25日)
- 『ADDRESS』(2006年6月28日)
[編集] プライベート・アルバム
[編集] ベストアルバム
- Disc1
- Disc2
- Passage
- やわらかい月
- 明日の風
- Plastic Soul
- 心拍数
- 全部、君だった。
- 未完成
- 僕と不良と校庭で
- 8月のクリスマス
- 『OUT OF THE BLUE』(B Side集&レアトラック集):2枚組(2005年9月21日)
- Disc1
- Rough Rock'n Roll Boogie
- 週末には食事をしよう(single version)
- ××しようよ
- レイン ソング
- ドレッシング
- お家へ帰ろう
- 江古田
- ヌイチャイナ シンドローム
- カタログ
- 愛のしくみ(single mix)
- Good Morning(express mix)
- OVER THE RAINBOW
- Security
- どこまでも行こう
- Stand By Me
- 風の伝言(メッセージ)
- Disc2
- mud skiffle track I
- mud skiffle track II
- mud skiffle track III
- mud skiffle track IV
- mud skiffle track V
- mud skiffle track VI
- mud skiffle track VII
- mud skiffle track VIII
- mud skiffle track IX
- mud skiffle track X
- mud skiffle track XI
[編集] ライブアルバム
- 『ONE KNIGHT STANDS』(2000年9月25日)
- 『Transit Time』(2002年5月29日)
- 『WITH STRINGS』(「山崎まさよしmeets服部隆之とラッシュストリングス」名義・2006年3月29日)
[編集] その他
- 『Jam Films オリジナルサウンドラック』(オムニバス・2002年12月21日)
- 『8月のクリスマス オリジナルサウンドトラック』(2005年)
- 『ONE MORE TIME, ONE MORE TRACK』(トリビュートアルバム・2005年)
[編集] カバー曲
- 「OVER THE RAINBOW」(三菱・コルトCMソング)
- 「All My Loving」(ビートルズ)
- 「FAITH」(ジョージ・マイケル)
- 「Sweet Memories」(松田聖子)
- 「はじめてのチュウ」(あんしんパパ キテレツ大百科)
- 「月」(桑田佳祐)
- 「襟裳岬」(森進一)
- 「Stand by me」(ベン・E・キング キリンラガービールCMソング)
- 「Every breath you take(邦題:見つめていたい)」(ポリス)
- 「どこまでも行こう」(小林亜星 ブリヂストンCMソング)
- 「Englishman in New York」(スティング)
- 「勝手にしやがれ」(沢田研二)
- 「モンキー・マジック」(ゴダイゴ)
- 「Strawberry Fields Forever」(ビートルズ)
- 「時代おくれ」(河島英五)
- 「First Love」(宇多田ヒカル)
[編集] ビデオ・DVD
[編集] 書籍
- 「山崎まさよし」(幻冬舎刊) ISBN 4-87728-276-9
- 「対談上手」(ソニー・マガジンズ刊) ISBN 4-7897-2007-1
- 「このまま 山崎まさよし」(角川書店刊) ISBN 4-04-651979-7
- 「山崎まさよし in 8月のクリスマス」(宝島社刊) ISBN 4-7966-4824-0
[編集] 出演作品
[編集] 映画
- 「月とキャベツ」(篠原哲雄監督・1996年)
- 「Jam Films」(オムニバス映画・2002年) - 篠原哲雄監督の「けん玉」に出演している。
- 「僕らは静かに消えていく」-(高木聡監督・2004年) - 同名のシングル(初回盤のみ)に収録された短編。
- 「8月のクリスマス」(長崎俊一監督・2005年)
- 「ザ・ロング・シーズン・レヴュー」(川村ケンスケ監督・2006年) - 日本のロックバンド、フィッシュマンズのドキュメント映画。
[編集] ドラマ
[編集] ラジオ
- 「山崎まさよしのアタックヤング」(STVラジオ) - 全国区になる前に出演していたラジオ番組。
[編集] CM
- 「PRIME TIME」(アサヒビール)
[編集] タイアップ曲
- 月明かりに照らされて(セゾンカードインターナショナルTV-CFイメージソング/テレビ朝日「サンデージャングル」オープニングテーマ)
- セロリ(CX「気らくに行こう」エンディングテーマ)
- One more time,One more chance(主演映画「月とキャベツ」主題歌/TX系全国6局ネット「タワーカウントダウン」オープニングテーマ/新海誠監督映画「秒速5センチメートル」主題歌)
- アドレナリン(株式会社イシダCMソング/読売テレビ・日本テレビ系「どっちの料理ショー」エンディングテーマ)
- 振り向かない(TBS・MBS系「世界ウルルン滞在記」エンディングテーマ)
- ガムシャラ バタフライ(日産「パルサー」CMソング)
- 水のない水槽(TBS「CDTV」オープニングテーマ)
- 僕はここにいる(YTV・NTV系ドラマ「奇跡の人」主題歌)
- お家へ帰ろう(ハウス食品「シチューミクス」CMソング)
- やわらかい月(single version)(NHK水曜ドラマの花束「ただいま」主題歌)
- 六月の手紙、カタログ、愛のしくみ(カゴメ「野菜生活100」CMソング)
- 明日の風、アイデンティティー クライシス(Maxell 「ONE DISC,ONE HEART,」キャンペーン・ソング)
- Good morning(express mix)(TBS系「エクスプレス」テーマソング)
- 僕と不良と校庭で(日本テレコム「超える」キャンペーン・ソング)
- 僕らは静かに消えていく(花王「ハミング1/3」CMソング)
- 十六夜(Super!drama TV海外ドラマ「サード・ウォッチ」エンディング・テーマ)
- メヌエット(プレイステーション2用ゲーム「ロマンシング サガ -ミンストレルソング-」イメージソング)
- 8月のクリスマス(主演映画「8月のクリスマス」主題歌)
- アンジェラ(リュック・ベッソン監督映画「アンジェラ」オマージュ・ソング)
- long yesterday(テレビ朝日系「生きる×2」テーマソング)
- mud skiffle track XV(酒井家の音楽)(映画「酒井家のしあわせ」テーマソング)
- NAVEL(グ・スーヨン監督映画「プルコギ」テーマソング)
- ADDRESS(アサヒビール「PRIME TIME」CMソング)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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