阪急7000系電車
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阪急7000系・7300系電車 | |
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阪急7000系電車 | |
起動加速度 | 2.6km/h/s |
営業最高速度 | 115(宝塚線は100、京都線は110)(注1)km/h |
減速度 | 3.7km/h/s(常用最大)
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編成定員 | 744人(立席)+436人(座席)=1,180人(4M4T) 556人(立席)+324人(座席)=880人(4M2T) |
全長 | 7000系:19000mm 7300系:18900mm |
全幅 | 7000系:2750mm 7300系:2800mm |
全高 | 4095mm |
編成重量 | 252.4t (4M4T,7000系普通鋼製) 224.9t(4M4T,7000系アルミ車) |
軌間 | 1435mm |
電気方式 | 直流1500V |
編成出力 | 150kW×16=2400KW(4M4T,4M3T,4M2T) 150kw×8=1200Kw (2M2T) |
駆動装置 | 直流複巻電動機
・形式:SE577(7000系) |
制御装置 | 界磁チョッパ制御
・形式:PE33A,PE33A4(7000系) |
ブレーキ方式 | 回生、電気指令式ブレーキ(HRD) |
保安装置 | ATS |
備考 | 注1:7000系は、京都線内では現状では回送・試運転・臨時運用のみ。7300系は、車体幅の違いから神戸線および宝塚線での走行は現時点では不可とされる。 |
阪急電鉄の7000系電車(7000けいでんしゃ)は、1980年(昭和55年)から1988年(昭和63年)まで製造された阪急電鉄の通勤形電車である。
本稿では神戸線と宝塚線(総称で神宝線という)仕様である7000系のほか、京都線仕様の7300系電車(7300けいでんしゃ)についても記述する。
目次 |
[編集] 7000系
6000系をベースに1980年から1988年までに210両が製造された。現在、阪急での同一系列の製造数が最も多い形式である。車体は6000系とほぼ同一であるが、制御装置は回生ブレーキ付き界磁チョッパ制御(東芝製)に、モータは複巻電動機に変更され、出力も150kwに増強されている。
車番は当初は8両編成が7000~の番号が振られた0番台、6両編成が7020~の20番台、増結用2両編成が7030~の30番台と区別されていたが、現在では様々な編成替えを経て0番台の2両編成、20番台の4両・8両編成が存在するなど区別の意味はなくなっている。また、6000系(旧2200系を含む)を組み込んだ編成や、4・6両編成の一部には8000系と連結して平常は8両編成として運用されている編成が存在する。
神戸線、宝塚線と神戸高速鉄道東西線で運用されている。過去には山陽電気鉄道本線にも乗り入れていた。
[編集] 製造途中の変更点
7003F以降、冷房機の補助送風機としてスイープファンが設置された。
1984年の7011F以降、車体の素材が普通鋼からアルミニウムに変更された。同時に電動車の回生ブレーキで付随車のブレーキも負担する遅れ込めブレーキが採用され、さらに省エネ率が向上している。室内では冷房吹き出し口が連続化され、座席の袖仕切がパイプからモケットを張った板となった。
他にも冷房室外機の形状、前面の連結器の形状、転落防止幌の形状、車椅子スペースの有無、屋根上車端部通風器の有無、座席下の意匠、などによって編成ごとに多くの差異がある。
当初、先頭車の運転室から第1客用扉にかけての空間には側窓が設けられていなかった(2200系を継承した形)が、「室内が暗い」との意見から大半の車両が他の半分程度の大きさの側窓を増設する改造がなされた。
1998年から8000系と同じく屋根肩がアイボリーに塗り分けられた。
[編集] リニューアル
1998年から同社正雀工場で更新工事が施工されている。2006年現在8両編成6本48両が他形式と同じく内装が大幅にリニューアルされている。施行時期の違いから編成によって工事の内容に差が見られ、2000年の7006Fからは車内にLED案内装置が設置され、2002年の7000Fからは5000系リニューアル車と同様に客用扉が展望の向上のために窓の大きなものに、扉、妻部の化粧板が日焼け対策でこげ茶のものに、床板が着席マナーの遵守を促すためのタイル状の模様が入ったものにそれぞれ交換、バリアフリー対策で側扉に開閉ランプの設置、冷房室外機の交換(鉄製→ステンレス製)など、大規模な変更が加えられた。
アルミ車体の編成については制御器のVVVFインバータ制御への更新も計画されている。
[編集] 在籍数
2007年1月現在。
- 神戸線は7000~7004F・7006~7009F・7012F・7013F・7019~7022F・7027Fの8両編成16本126両(7021Fの編成中には6000系が2両混結されている)、8000系8031Fと連結して8両編成を組成する7017Fおよび8000系8035Fと連結して8両編成を組成する7023Fの6両編成2本12両、8000系8032F・8033Fと連結して8両編成を組成する7024Fの4両編成1本、7005F・7016F・7025F・7030F・7034F~7037Fの2両編成8本16両、6050Fの編成中の中間車6両、の計164両が在籍している。
- 宝塚線は7010F・7011F・7015F・7018Fの8両編成4本32両、7026F・7031F・7032F・7033Fの2両編成4本8両、8000系8030Fと連結して8両編成を組成する7014Fの6両編成1本、の計46両が在籍している。
- 7013F・7018Fは神戸・宝塚両線の表示幕を装備しており、相手の線の車両が不足した際の予備車となっている。
[編集] 7300系
[編集] 概要
7300系は、7000系の京都線仕様で、性能は7000系と同等。1982年(昭和57年)から1989年(平成元年)までに83両が製造された。
京都線用で初の界磁チョッパ制御を採用した形式。7000系同様、製造時期の違いから車両によって仕様に差が見られる。
- 初期車12両は普通鋼製車体であるが、1982年6月以降に製造された車両はアルミ車体となっている。
- 1985年に製造された7320Fからは冷房吹き出し口の連続化、車内放送装置の改良、座席袖仕切の形状の変更などが見られる。
- 1986年に製造された7310は東洋電機製造GTO-VVVFインバータ制御の試験車であり、現在7324Fの梅田側から3両目に入っている。
- 8000系列の投入より後に製造された、本系列の最終増備車である7327F(2両)+7307F(6両)の8両編成には、車内化粧板の色調が若干濃くなり、窓にパワーウィンドウが装備され、車椅子スペースが設置されるなど、8000系列とほぼ同様の車内設備が採用されている。
- 1990年代に大阪市営地下鉄堺筋線用の自動放送装置を搭載する改造がなされた。
京都線、千里線と堺筋線の特急以下の種別で運用されている。嵐山線は多客時や車両の検査時のみ運用されることがある。
7300系が堺筋線への直通を開始したのは1989年11月からである。堺筋線でのMT比規定により、MT比1:1の7300系は堺筋線に乗り入れができない状態が続いていたためである。なお、この時期に規定が見直されたのは、堺筋線側で66系が導入されることになったのが直接の要因である。
[編集] 在籍数
2007年1月現在、7320F・7322F・7303F~7306Fの8両編成6本48両、7323F+7321F・7324F+7310F・7327F+7307Fの2+6両編成3本24両、7300F~7302F・7325Fの2両編成4本8両、8300系8304Fと連結して8両編成を組成する7326Fの2両編成1本、C#7851の休車1両の計83両が在籍している。
[編集] 関連商品
グリーンマックスから、7000系・7300系の旧塗装仕様(マルーン単色)と新塗装仕様(マルーン+屋根部アイボリー)が塗装済みNゲージキットとして製品化された。
阪急電鉄の車両 |
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現用車両 |
神戸線・宝塚線:9000系・8200系・8000系・7000系・6000系・5100系・5000系・3000系・3100系・2000系 京都線:9300系・8300系・7300系・6300系・5300系・3300系・2300系 |
過去の車両 |
神戸線・宝塚線:5200系・2200系・2100系・2021系・1200系・1100系・1010系・1000形・810系・800系・610系 550形・920系・900形・600形・500形・380形・320形・300形・98形・96形・90形・51形・34形・1形 京都線:2800系・1300系・1600系・710系・210系・700系・200形・100形(P-6)・10形(P-4・P-5) |
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