B'z The Best "Pleasure"
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B'z The Best "Pleasure" | ||
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B'z の アルバム | ||
リリース | 1998年5月20日 | |
ジャンル | J-POP ロック |
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時間 | 63分22秒 | |
レーベル | Rooms RECORDS | |
プロデュース | 松本孝弘 | |
チャート順位 | ||
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ゴールド等認定 | ||
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売上枚数 | ||
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B'z 年表 | ||
SURVIVE (1997年) |
B'z The Best "Pleasure" (1998年) |
B'z The Best "Treasure" (1998年) |
『B'z The Best "Pleasure"』(ビーズ・ザ・ベスト・プレジャー)は、日本のロックグループ、B'zがデビュー10周年となる1998年5月20日にRooms RECORDSからリリースした、初の公認ベストアルバムである。
目次 |
[編集] 内容
ファンから「金盤」と呼ばれ、ジャケットが金一色に彩られている。
このアルバムは主にアルバム未収録のシングル曲を中心に収録されており、2nd beatやアルバム収録曲は「BAD COMMUNICATION」の英語バージョンの1曲のみ。初めて買う初心者にもかなり分かりやすい内容になっていて、あまりB'zに触れていないリスナーからの評判も高い。
このアルバムのラストトラックである「さまよえる蒼い弾丸」は当初、収録予定曲ではなかったが、売り上げが好調であった上、収録の要望が殺到したために急遽追加され、全14曲となったエピソードがある。
ただ、ベストアルバム発売決定の最初の発表があった頃は、収録曲が「ZERO」から「Liar! Liar!」までのシングルのみで構成されていたためファンから批判的な意見が多かった(おそらく権利問題が絡んでいたからと思われる)。また一部では「ミエナイチカラ ~INVISIBLE ONE~」が収録されるといった誤報も流れ、収録曲の決定までにはやや混乱があった(結果的には『B'z The Best "Treasure"』に「ミエナイチカラ」は収録された)。しかし、そういうファンの意見を踏まえ、「BE THERE」「太陽のKomachi Angel」「Easy Come, Easy Go!」などの初期の楽曲も収録されるよう変更された。ただやはりシングル曲中心であり、なおかつ、「BLOWIN'」や「ねがい」が入っていないなど、これでもまだ満足できないという声に答え、投票によるベストアルバム第2弾の企画がされた。
初回生産特典としてこのアルバムのジャケットを使ったB4版204ピースジグソーパズルが付属していた。第2生産特典では6枚綴りポストカードセットが付属し、さらに第3生産特典では300ピースジグソーパズルが付属した。なお、初回盤、通常盤関係なくB'z特製トランプが1枚付属し、スリーブケース仕様である。当時、B'zは仙台のCDプレス工場を見学し、そこで生産されたCD100枚にサインをして、ランダムに全国へ発送したという逸話がある。そのため、サイン入りのものは非常に稀少価値が高い。
このアルバムの宣伝のために各地の路線で、全車両B'zのポスターで彩られたB'zゴールド・トレインが運行された。まだ車体広告が始まっていなかった当時としては、画期的な宣伝方法であった。
ジャケットデザインは稲葉、松本のみで構成されたワンシーンであり、ストーリー性を持っている。このアルバムのものは何人もの稲葉と松本が変装して、ライブハウス前に並ぶシーンである。(その後『B'z The Best "Treasure"』→『B'z The Best "Pleasure II"』とストーリーが続く)。この衣裳はこれまでのライブやジャケットなどの撮影で使用されたものも含まれている。チケットには「B'z corslet of TAk MATSUMOTO KOSHI INABA」と書いてある。(これはPleasureでは確認しづらいが、TreasureのCDケース裏にて微かに読み取れる)。
オフィシャルバンドスコアには全14曲の後に、「さまよえる蒼い弾丸」の2nd beat「Hi」のスコアが掲載されている。
ただ、メンバーはベストアルバムの発売に関しては消極的で、松本はこのアルバムとこの後に発売される「B'z The Best "Treasure"」について、「僕たちにとっては過去の音源だし、ベストアルバムって終わった人たちの出すものでしょ」と当時は稲葉と共に発売に乗り気ではなく、「それよりこの後のニューアルバムにこれくらいの力を入れて欲しい。」と語った。またこの二枚のアルバムの爆発的な売り上げを受け、「そんなにみんな欲しかったんだ」とも語っている。[1]実際、B'z自身によるテレビ出演などのプロモーションは一切行われず、CMも過去のライブ映像やPVを繋げたものを放映していた。
なお、2人が出会ったのは1988年の5月と言われており、発売日の5月20日がその日なのではないか、という説がある。また1988年5月21日、松本のソロデビューアルバム『Thousand Wave』が発売されてから丸10年目の日でもある。
[編集] 売り上げ
- 数々のミリオンヒットを飛ばしていたB'zが、デビュー10周年を記念して発売したベスト盤であり、またGLAYから始まったベストアルバムブームの渦中にリリースされ発売されたため、発売時は大きな話題となり、現時点でシングル・アルバム含め自身最高のセールスとなっている。
- オリコンアルバムチャートでの推定初動は2,709,530枚を記録し週間チャートでも1位を獲得。この初動記録は日本歴代3位(当時は1位)、B'z歴代1位の初動となった。累計では513万5922枚(Rooms RECORDS発表によると590万枚)を売り上げ、当時1位だったGLAYのベストアルバム『REVIEW-BEST OF GLAY』の記録をわずか2ヶ月で更新し、当時の日本記録を樹立した。現在は宇多田ヒカルの「First Love」に継ぐ歴代第2位。ベストアルバムの中では歴代1位の記録。これは9年たった今も破られていない。なお新規ファンなどによって、現在も売れ続けている作品である。
- このアルバムと同年9月発売の『B'z The Best "Treasure"』と合わせて約1000万枚売り上げ、1998年間アルバムチャートで1位・2位を独占した。これは1975年の井上陽水以来の記録。
- このアルバムと「B'z The Best "Treasure"」の2つのベストアルバムの影響もあってか、1998年のシングル・アルバムの年間売り上げ枚数が1270万枚と歴代1位の記録を獲得。(1000万枚を越えたのはこの年のB'zと1999年の宇多田ヒカルの2人のみ)。また年間アーティスト・トータルセールスが365億円と歴代1位の記録を獲得。(200億を越えたのはこの年のB'zと1999年の宇多田ヒカルの281億と2000年の浜崎あゆみの243億の3人のみ)
- 全収録曲14曲のうち9曲がミリオンセラー作品である。松本は「シングルってヒットさせておくといいよなあ」と語っていた。
- この一つの「現象」とまで言われた2枚のベストアルバムについて朝日新聞が、「見えない姿 奇妙な存在感」と特集を組んだ。それまで大きなセールスを記録しながらも、あまりメディアに露出しないB'zのこのセールスの驚愕を述べていた。
[編集] 記録
- 歴代アルバム売上チャート2位。
- 歴代ベストアルバム売上チャート1位。
- 歴代アルバム初動売上チャート3位。
- 1998年オリコン年間アルバムチャート1位。
- 第13回ゴールドディスク大賞ロック・アルバム・オブ・ザ・イヤー受賞。
売上はいずれも(株)オリコン調べ。
[編集] 収録曲
曲の解説やタイアップ等はB'zで解説しているため一部簡潔に解説する。
- LOVE PHANTOM (4:39) ※○
- 18th Single。初動95万枚という当時歴代1位の記録を打ち立てた、B'zの代表曲の一つ。
- love me, I love you (3:20) ※○
- Easy Come, Easy Go! (4:40) ※
- 6th Single。ライブの定番曲。オリコンで3週連続1位を獲得し、B'zのブレイクの基礎を築いた楽曲の一つ。シングルバージョンとしてはアルバム初収録。かなり古い楽曲のため、リマスタリングにより当時の音源と違った印象を受ける。
- ZERO (4:50) ※○
- 11th Single。現在のB'zの路線を確立したナンバー。こちらもリマスタリングにより、当時の音源と違った印象を受ける。
- ALONE (6:00) ※○
- 9th Single。B'zの代表的なバラードナンバー。当時の彼らの、ダンスビートのイメージとの大きなギャップに話題が集まった。シングルバージョンとしてはアルバム初収録。
- 裸足の女神 (4:26) ※○▼
- 13th Single。野外ライブの定番曲。強力なCM効果もあり、今回のアルバム初収録で再び話題となった。
- 愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない (3:56) ※◎▼
- 12th Single。ビーイングブームの真っ只中に発売され、このアルバムリリースから5年後にダブルミリオンヒットとなった。最大のヒット曲でありながらこれまでアルバム未収録であり、現在でも収録されているのはこのアルバムのみ。
- LADY NAVIGATION (4:20) ※○
- 8th Single。自身初のミリオンセラーシングル。PVでは今ではほとんど見られないような激しい踊りと開脚が見られる。シングルバージョンは、今回初収録となった。
- 太陽のKomachi Angel (4:10) ※▼
- 5th Single。初のオリコン1位を獲得。シングルヴァージョンとしてはアルバム初収録。
- BE THERE (4:13) ▼
- 4th Single。初のトップ10入りを記録し、スマッシュヒットとなった。実に8年越しのアルバム初収録となる。このアルバムの中で一番古い曲であり、リマスタリングにより当時の音源よりかなりクリアになっている。
- Don't Leave Me (4:24) ※○
- 14th Single。B'z初のブルース色の強いシングル。このアルバムの中でもとりわけハードなナンバー。
- Bad Communication E.Style (4:19) ▼
- 収録されているのは未発表テイクのショ-トバージョンである。これはラジオや有線などで使用されていたバージョンであり、当時のアナログ盤のみに収録されていた。曲名が先頭以外は小文字になっている。CDの収録時間の関係か、ミニアルバム『WICKED BEAT』に収録されているオリジナルバージョンは収録されなかった(ちなみにオリジナル音源の時間は7分近くある)。オフィシャルサイトで視聴可能。
- Calling (5:56) ※○
- 22nd Single。1年前に発売された「SURVIVE」の反響も大きかった。ライブで歌われてシングル化された、サビが2つ存在する大作バラード。
- さまよえる蒼い弾丸 (4:05) ※▼
- 24th Single。ファンの人気も高く、急遽収録になった楽曲。このアルバムでは先行シングル扱い。そのためかこのシングル自体の売り上げは、アルバム発売後は伸び悩んでしまった。ライブでの定番曲。アルバム初収録。現在でもこのアルバムのみの収録。このアルバムではボーナストラックのような扱いになっている。
※:オリコン1位獲得シングル |
○:ミリオン突破シングル |
◎:ダブルミリオン突破シングル |
▼:オリジナルアルバム未収録曲(バージョン違いは除く) |
[編集] 参加ミュージシャン
- 松本孝弘:ギター・全曲作曲・編曲
- 稲葉浩志:ボーカル・全曲作詞・編曲(#2.7.11.13.14)
- 明石昌夫:ベース(#6.7.11.13.14)・マニピュレーター(#4-6.11)・プログラミング(#12)・編曲(#3-5.7-12)
- 青山純:ドラム (#2.6.11.13)
- B+U+M(#3.4.6.7-11)
- 田中一光:ドラム(#4.5.7)
- 山木秀夫:ドラム (#13.14)
- 徳永暁人:ベース(#13)・編曲(#13)
- 小野塚晃:キーボード(#5)・ピアノ (#11.13)
- 池田大介:マニピュレーター(#1)・編曲 (#1)
- 勝田かず樹:サックス (#2)
- 佐々木史郎:トランペット(#2)
- 小林太:トランペット(#2)
- 澤野博敬:トランペット(#4.7)
- SKA-PARA HORNS・名古屋君義(現・NARGO):トランペット(#11)
- 中路英明:トロンボーン (#2)
- 野村裕幸:トロンボーン (#4.7)
- 北原雅彦:トロンボーン(#11)
- 勝田一樹:サックス (#4)
- やまもとこうじ(表記不明):サックス(#7)
- 冷牟田竜之:アルトサックス(#11)
- GAMOU(現・GAMO):テナーサックス(#11)
- 谷中敦:バリトンサックス(#11)
- 篠崎Strings:ストリングス (#1.2.13)
- HIIRO Strings:ストリングス(#7)
- 森朱美:オペラ(#1)
- 宇徳敬子:Female Voice(#1)
- 西田昌史:コーラス(#6)
- 大黒摩季:コーラス(#6.#7)
- 生沢佑一:コーラス(#7.#11)
- 高嶋りん(現・浦嶋りんこ):コーラス(#11)
- IKKIES:コーラス(#12)
- エイミー:ボイス(#12)
[編集] 参考
前作 | B'zのベストアルバム | 次作 |
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Flash Back-B'z Early Special Titles- | B'z The Best "Treasure" |
オリコン週間アルバムチャート第1位 1998年6月1日付~1998年6月22日付(4週連続) |
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前作: Cocco 『クムイウタ』 |
B'z 『B'z The Best "Pleasure"』 |
次作: SMAP 『SMAP 012 VIVA AMIGOS!』 |
オリコン年間アルバムチャート第1位 1998年度 |
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前年: GLAY 『REVIEW-BEST OF GLAY』 |
B'z 『B'z The Best "Pleasure"』 |
次年: 宇多田ヒカル 『First Love』 |