太陽にほえろ!
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『太陽にほえろ!』(たいよう-ほえろ)は、東宝テレビ室が制作した刑事ドラマ。1972年7月21日から1986年11月14日まで、全718回。日本テレビ系列で金曜日20時から1時間枠で放送された。続いて『太陽にほえろ!PART2』が1986年11月28日から[1]1987年2月20日まで、全12回放送。 ここではPART1とPART2をまとめて記述する。
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注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 内容
藤堂係長(石原裕次郎)以下全員ニックネームで呼び合う警視庁七曲署(東京・新宿)・捜査一係の刑事たちの活躍を、登場する刑事の若さや青春を前面に押し出して描くドラマ。後に日本の刑事ドラマシリーズに残る金字塔になった。
PART2は係長を篁(奈良岡朋子)に変えて描く。
[編集] 概要
それまでの刑事ドラマはどちらかといえば事件中心のものであり、刑事たちの人間模様を主にした刑事ドラマはこれが初めてであった。また、デカ、ホシ、サツなどといった警察用語を広めた。また「走る」刑事ドラマとしても有名で、勝野洋、宮内淳が走った延距離は地球半周分とも言われる。当初は「青春アクションドラマ、職業は刑事」とされて「刑事ドラマ」としての色は薄かった。
当初の構想では、主人公・マカロニ刑事こと早見淳の成長物語として展開していく予定であった。しかし、早見役の萩原健一が降板を希望したため、「死にたい」という萩原本人の申し出を製作側が受け入れ、殉職という形で姿を消す。これに端を発し、新人や無名に近い俳優を主演の新人刑事として出演させてその人間的に成長する姿を描き、やがて彼らが殉職することで番組を卒業していくというパターンが定着した。その流れの中で松田優作、勝野洋、渡辺徹、といったスターが生み出された。やがて、番組の路線が安定してくると、山下真司、又野誠治など殉職以外の道を歩む新人刑事も登場する一方、沖雅也、世良公則など芸能界で実績のある俳優が起用されるケースも出てきた。また、シリーズを通しての主役とも言える石原裕次郎や、露口茂、下川辰平、竜雷太、小野寺昭ら、ベテランおよび中堅のメンバーも、新人刑事たちを見守りながらそれぞれの魅力あるドラマを生み出していた。
レギュラー出演者のスケジュール調整には大変力が入れられ、14年間に渡るシリーズにおいてレギュラー刑事が一部例外を除いてほぼ毎回全員出演している。
[編集] キャスト
ここではレギュラーのみ追記、セミレギュラーは出演の多い者以外は多数のため省いている。
[編集] 七曲署の刑事たち
- 藤堂俊介(ボス)
-
- 石原裕次郎(1話~458話、489話~699話、最終話)
- 愛用銃 - ハイウェイパトロールマン41マグナム、ルガーP08、コルトローマンMK3
- 捜査一係長。中央で指揮を執るほどの実力がありながら、思うところあって現場に留まる。本庁幹部からの信頼も厚く、一係の部下らを家族のように大事にしている。過去に元恋人が数人登場しているが、なぜか独身。
- 山村精一(山さん)
-
- 露口茂(1話~691話、715話回想)
- 愛用銃 - ハイウェイパトロールマン41マグナム、コルトローマンMK3
- 通称「落としの山さん」。事件への推理力、取調べ時の巧みな技術は警視庁NO.1。妻とは死別し、養子・隆を養育。
- 石塚誠(ゴリさん)
- 豪快な九州男児で、射撃の腕は警視庁の中でも3本の指に入るほどの実力。いよいよの時にはスコープ付きU.S.M1カービンで狙撃まで引き受ける。しかし、通常は拳銃には弾丸を装填していない。
- 野崎太郎(長さん)
-
- 下川辰平(1話~520話、562話、665話、PART2全12話)
- 愛用銃 - ハイウェイパトロールマン41マグナム、コルトローマンMK3
- 巡査部長。たたき上げの苦労人。後に警察学校の教官として転任。
- 島公之(殿下)
-
- 小野寺昭(1話~414話)
- 愛用銃 - ハイウェイパトロールマン41マグナム、ハイウェイパトロールマン41マグナム殿下カスタム、コルトローマンMK3
- 世にも優しい、甘いマスクの刑事。足の不自由な恋人がいる。
- 早見淳(マカロニ)
-
- 萩原健一(1話~52話、65話回想)
- 愛用銃 - 戸井田工業電気着火式オート、ハイウェイパトロールマン41マグナム
- 風貌がマカロニウエスタン風の破天荒な刑事。おおよそ刑事とは思えぬ風貌と言動で、しばしばトラブルとなる。
- 内田伸子(シンコ)
-
- 関根恵子(1話~111話)
- 愛用銃 - 戸井田工業電気着火式オート
- 38話より署長の意向で一係配属。
- 柴田純(ジーパン)
-
- 松田優作(53話~111話)
- 愛用銃 - ハイウェイパトロールマン41マグナム、ハイウェイパトロールマン41マグナムジーパンカスタム(ミリタリーポリス22)
- 初出勤に無銭飲食で捕まり、留置場から出勤。殉職した派出所勤務の制服警察官だった父の影響で、拳銃嫌い。ジーパンを履き得意の空手で暴れまわる。後に伸子と恋仲になるが、婚約した直後に殉職。
- 三上順(テキサス)
-
- 勝野洋(112話~216話、220話声の出演)
- 愛用銃 - ハイウェイパトロールマン41マグナム、ハイウェイパトロールマン41マグナムテキサスカスタム
- テンガロンハットをかぶった九州男児。チームワークの大切さを新人ながら心得ている、優秀な刑事。
- 田口良(ボン)
-
- 宮内淳(168話~363話、364話回想)
- 愛用銃 - ハイウェイパトロールマン41マグナム、ローマン2インチ
- 大阪生まれ。初出勤も祖母に付き添われてやって来た。お人好し、そそっかしい、慌てん坊だが、若者の心を理解する事に長ける、優しい刑事。
- 滝隆一(スコッチ)
- 着る物、煙草、飲む物(紅茶でありコーヒーではないなど)何でも英国製を通すダンディ刑事。射撃の腕は石塚も認めるほどの腕。寡黙、クールな刑事。
- 岩城創(ロッキー)
- ロッキー山脈登頂を夢見る山男。後に交通課の早瀬令子婦警と結婚し双子の父親に。
- 五代潤(スニーカー)
- かつて自暴自棄になっていた頃、良に助けられその際スニーカーを貰う。彼に憧れて刑事に。
- 西條昭(ドック)
- 医大を中退した変り種。父親は医者。
- 竹本淳二(ラガー)
- 父親(殉職)も刑事でかつて野崎の同僚だった。ラグビーをやっていたということでラガーに。
- 原昌之(ジプシー)
- 警視庁の所轄を渡り歩くことからジプシーに。右胸心という特異体質の持主。
- 春日部一(ボギー)
-
- 世良公則(521話~597話、598話回想)
- ハンフリー・ボガードに心酔する広島県出身の広島カープの大ファン刑事。巨人ファンのドックとはよく対立する。一係の皆はゴルフのボギーと思っている。広島に飲食店で働く姉がいる。
- 井川利三(トシさん)
-
- 地井武男(526話~最終話、PART2全12話)
- 愛用銃 - ローマン2in、Newローマン2in
- 石塚の後任。喰らいついたら離さない「すっぽんのトシ」。妻と長女・長男がいるが、ある事件に長男を巻き込んだことが原因で家族と別居状態になる(後に離婚)。山村殉職後はナンバーツーとして取り仕切り、藤堂を支える。藤堂が病気休暇~橘警部着任までは事実上係長代理として捜査を指揮。
- 岩城(旧姓:早瀬)令子(マミー)
-
- 長谷直美(交通課としてセミレギュラー275話~)(546話~最終話、PART2全12話)
- 創と結婚するが、二年で未亡人に。半年後、彼の遺志を継いで刑事として一係に着任する。
- 澤村誠(ブルース)
-
- 又野誠治(562話~最終話、PART2全12話)
- 愛用銃 - S&W M29 8 1/3インチ
- ブルースをこよなく愛する刑事。妻と息子がいる。
- 水木悠(マイコン)
-
- 石原良純(618話、623話~最終話、PART2全12話)
- 一係にコンピュータ(愛称“ホームズ”)を導入、その知識を生かす。
- 島津公一(デューク)
-
- 金田賢一(660話~715話)
- 愛用銃 - コルトパイソン357マグナム2.5インチ
- 幼い頃の体験により、“人は概ね己の利益の為に生きる、その為に起こる凶悪事件も当然在る”というポリシーの、孤高かつ優秀な刑事。
- 太宰準 (DJ)
-
- 西山浩司(706話~最終話、PART2全12話)
- 香川県出身。着任前に独断で潜入捜査をする。
- 橘兵庫(警部)
-
- 渡哲也(706話~最終話)
- 病気休暇中の藤堂が復帰するまでの間、係長代行として本庁から臨時に着任。最終話で藤堂が復帰したため、本庁に復帰。藤堂にはかわいがられた。
- 篁朝子(係長)
-
- 奈良岡朋子(PART2全12話)
- 藤堂の後任係長。
- 喜多収(オサム)
- 個人主義者で誠と対立するが、後に良きパートナーとなる。
[編集] 一係の事務員
- 永井久美(クミ):青木英美(53話~114話)
- 長山久子(チャコ):浅野ゆう子(118話~130話)
- 矢島明子(アッコ):木村理恵(173話~322話)
- 松原直子(ナーコ):友直子(325話~527話、561話)
[編集] その他
[編集] スタッフ
- 制作:日本テレビ、東宝株式会社
- プロデューサー:津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫(以上、日本テレビ)、梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟(以上、東宝)
- 企画・原作:魔久平(魔久平は共同ペンネーム)
- 企画協力:ジャックプロダクション
- 脚本:小川英、長野洋、永原秀一、田波靖男、鴨井達比古、市川森一、峯尾基三、四十物光男、鎌田敏夫、杉村のぼる、桃井章、中村勝行、畑嶺明、塩田千種、柏原寛司、尾西兼一、古内一成、奥村俊雄、大川俊道、金子裕、蔵元三四郎、渡邊由自、大山のぶ代・他
- 監督:竹林進、山本迪夫、高瀬昌弘、児玉進、木下亮、澤田幸弘、小沢啓一、斉藤光正、手銭弘喜、土屋統吾郎、鈴木一平、櫻井一孝・他
-
- 演出部
- 東宝テレビ部の竹林進、金谷稔を筆頭に、日活出身の澤田幸弘、小澤啓一、手銭弘喜らで開始。その後、東宝テレビ部の山本迪夫、児玉進、高瀬昌弘らに加え、東宝出身の木下亮(『俺たちは天使だ!』のメイン監督)、新東宝出身の土屋統吾郎(その後『傷だらけの天使』『俺たちは天使だ!』などを担当)、日活出身の斉藤光正(映画『戦国自衛隊』監督)らも参加。
- 日活出身の監督も参加したが、東宝の製作であるため、大半を東宝テレビ部の監督が務めた。竹林、山本両監督は岡本喜八監督の助監督出身で、児玉監督は山本嘉次郎・谷口千吉監督、高瀬監督は稲垣浩監督の助監督出身。映画斜陽期に映画監督として活躍の場が与えられず、テレビ監督に転じた人がほとんどだったが、本作以外にも多くのテレビドラマを担当した。後期活躍した鈴木一平監督も映画部門からテレビ部へと移り、本作の助監督から監督に昇進した。
- 斉藤監督は特異な演出が特色である。署内で乱闘した「蒸発」や島を銃撃する「島刑事よ安らかに」がその典型。
- 竹林監督は本作と並行して『GOGOチアガール』の監督も務める多忙ぶりだった。猛スピードで撮影を消化することから、現場に欠かせない存在だったことが伺える。1983年に病気で倒れてから現場を外れた。体力が回復し、さよならパーティに参加していた。竹本淳二の役名は竹林・山本両監督からの由来である。
- 手銭監督は国際放映制作の『私鉄沿線97分署』のメイン監督や各種刑事ドラマを製作。
- 「誇りの報酬」でデビューした村田忍監督はB班の助監督だった。他にも助監督OBに『あぶない刑事』の成田祐介・原隆仁監督も。
-
- 撮影部
- メインの撮影監督には青春シリーズの安本英と、「東京バイパス指令」の田端金重が担当。動きの速い演出には田端技師が選ばれ、「ジーパン刑事登場」や「蒸発」を撮った。初期の撮影部チーフ助手だった内田清美は技師に昇進。『西部警察』など刑事ドラマ、Vシネマを撮影。
[編集] スポンサー
三菱電機、資生堂、スズキ自動車、SK&F、サッポロビール、久保田鉄工、江崎グリコ他数社。
[編集] シリーズの展開
時代区分は便宜上の仮称。キャストの項と重複するが、便宜上各キャラクターのニックネームを付す。
[編集] 黎明期('72~'74年)
七曲署捜査一係に早見淳(マカロニ)が着任するところからこのドラマは始まった。一係は藤堂係長(ボス)以下、山村(山さん)・野崎(長さん)・石塚(ゴリさん)・島(殿下)らのメンバーで、38話より少年課から内田(シンコ)も加入する。第1話の犯人役には、当時新進俳優として頭角を現してきた水谷豊(後に萩原とは『傷だらけの天使』で共演)が登場。山東昭子も新聞記者役としてセミレギュラーだった。その後も浜美枝、沖雅也(久保刑事役)、藤竜也、近藤正臣、宍戸錠などゲストが多数出演していった。特に沢田研二がゲスト出演したエピソードはGS時代のスターの共演で話題となり、当時のスタッフの証言によれば撮影所にファンが殺到したと伝えられる。
萩原の降板の申し出から岡田チーフプロデューサーは、文学座研究生・松田優作に目をつけてテスト出演させ、彼を次期新人刑事に採用した。淳の殉職という衝撃的な展開が話題をまいた後、柴田純(ジーパン)が着任しドラマは新たなスタートを切った。松田優作の恵まれた体格をフルに使ったアクションと、ジーンズ姿に象徴される破天荒なキャラクターは話題となり、この時期に番組は30%を超える視聴率を取るようになる。
[編集] 絶頂期('74~'79年)
純の死後、三代目新人として三上順(テキサス)が配属。順からは1年目の殉職が中止され、交代劇がないまま田口良(ボン)が欠員補充という形で配属された。この時代は高視聴率が安定し、新人刑事の成長物語から刑事らの群像劇へと番組の姿勢がシフトしていった。
順の殉職後、滝隆一(スコッチ)が配属された。滝は先輩刑事を目の前で殺された事から、姑息な手段を使う犯人には独断発砲も辞さない非情な刑事になった設定で、チームワークのある藤堂班に波紋を起こすキャラクタとして投入された。良も性格の異なる滝との対比で存在感を増すことにもなった。
滝は半年後に転属し、短期の「ボン単独編」となった。この時期は麻薬Gメン房江のゲスト編や誤って容疑者を死亡させて辞表を出すなど良の成長に重点が置かれる。初の海外ロケを控えて岩城創(ロッキー)が欠員補充として配属された。以降は「ボン・ロッキー時代」としてタイトルバックも二年間不動のロングラン・シリーズとなった。宮内淳の人気急上昇で良の殉職劇が延期に延期され、次期新人候補の山下真司は半年以上浪人させられ、北海道ロケにカメオ出演した。
[編集] 激動期('79~'82年)
良が殉職し、待機していた山下真司が五代潤(スニーカー)として登場。同時に主題曲も新バージョンに変更され、ドラマの方向性も変化した。番組を新人刑事中心から群像劇へとシフトさせ、地味なエピソードも増えて幅広い作劇が模索された。その結果として主役的立場である潤のイメージが弱まり、番組の魅力であったアクション面が後退してしまった。また、地味な作品が主流になったことも視聴者離れにつながり、TBSの裏番組である『3年B組金八先生』に世間の注目が集まって視聴率と人気は急激に低下していった。様々なテコ入れ策が検討され、その1つとして山田署に転勤していた滝を七曲署に復帰させた。
初期から出演していた島刑事役の小野寺昭が降板を表明。島の後任として西條昭(ドック)が登場する。西條役の神田正輝自らの提案で、今までの濃厚刑事ドラマにカジュアルな要素を注入した。彼のシリアスからコミカルまで幅広く演じるイメージとも相まって、作品のバリエーションは拡大。娯楽性も増して人気を取り戻すことに成功する。
'81年は、滝役の沖雅也が交通事故で入院し一時欠場、さらに藤堂役の石原裕次郎が病魔に倒れ、長期欠席してしまう。その間に潤は辞職して故郷に帰るという形で降板(藤堂不在時の殉職を避ける形をとり、復帰の際に山下はゲスト出演)。後任として最年少の新人刑事竹本淳二(ラガー)が登場する。ところが、直後に沖雅也が再び番組を欠場。藤堂は全快して復帰するが、滝は古傷が悪化した設定で病死という形で降板。
[編集] 第二の絶頂期('82~'84年)
原昌之(ジプシー)が登場する。原役の三田村は『必殺シリーズ』との掛け持ちで出番があまり多くできなかったが、神田・徹らと「ミワカントリオ」と呼ばれて番組の人気向上に貢献した。10周年記念のカナダロケで創は殉職し、野崎は警察学校への栄転で姿を消す。さらに石塚も殉職で降板が決定していた。制作サイドは急激なメンバーチェンジによるファン離れを恐れ、テーマ曲を元の音源に戻して「原点回帰」を行った。後任として春日部一(ボギー)が登場。一は初代・早見淳を意識したキャラクターで、登場編も1話のリメイク的な作りとなった。世良の加入から「カワセミ時代」と呼ばれる黄金期を迎え、テレビ情報誌・芸能誌のグラビアを飾った。
石塚殉職後、井川利三(トシさん)が着任し、その後は中堅としてチームを支えた。三田村はNHK大阪制作のドラマ主演と『必殺シリーズ』(ABC)の続投から番組を降板。後任として女性刑事が赴任するが、彼女はすぐに辞職し、代わって亡き創の未亡人・岩城令子(マミー)が配属される。
一の殉職後の後任として澤村誠(ブルース)役・又野誠治が用意されたが、一の延命で交代劇がないまま誠が登場する。後のVシネマでの共演のきっかけとなった。
[編集] 終盤~PART2('84~'87年)
一の殉職後は欠員補充はなかったが、約半年後石原良純の水木悠(マイコン)が七曲署に赴任することになる。悠は本庁のIT担当(もちろん、当時は「IT」という言葉はなかったが)刑事という設定で登場後、レギュラー入りした。
淳二の殉職後、後任として島津公一(デューク)が配属された(最終回を前に海外研修という形で姿を消した)。
番組終了半年前には、第1話から14年間出演し続けていた山村も殉職で姿を消す。石原裕次郎も再入院から番組を降板。新人刑事太宰準 (DJ) と橘兵庫(警部)が係長代理として着任するが、番組の打ち切りが決定する。
最終回に藤堂は復帰し、有終の美を飾った[2]。
翌々週からはPART2が開始し、係長・篁朝子と喜多収(オサム)が登場し、野崎が現場復帰した。人気が及ばず12話で終了したと思われているが、実際は本シリーズの終盤よりも視聴率は高く、継続も考えられたが新番組へ仕切り直しする方向で終了した。
[編集] ネット局
時差ネット局、週遅れ放送局、一部ロケで制作協力に参加した局あり。☆印を付した局は、PART2も放送。
- 関東広域圏:NTV 日本テレビ☆
- 北海道:STV 札幌テレビ☆
- 青森県:RAB 青森放送☆
- 岩手県:TVI テレビ岩手☆
- 宮城県:MTB⇒mm34⇒MMT ミヤギテレビ☆
- 秋田県:ABS 秋田放送☆
- 山形県:YBC 山形放送☆
- 福島県:FCT 福島中央テレビ☆
- 新潟県:NST 新潟総合テレビ(~1981年3月)→TNN(現:TeNY) テレビ新潟(1981年4月~)☆
- 長野県:SBC 信越放送(~1984年3月)→TSB テレビ信州(1984年4月~)☆
- 山梨県:YBS 山梨放送☆
- 富山県:KNB 北日本放送☆
- 石川県:MRO 北陸放送☆
- 福井県:FBC 福井放送☆
- 静岡県:SBS 静岡放送(~1979年6月)→SDT 静岡第一テレビ(1979年7月~)☆
- 中京広域圏:NBN 名古屋テレビ(~1973年3月)→CTV 中京テレビ(1973年4月~)☆
- 近畿広域圏:YTV よみうりテレビ☆
- 鳥取県・島根県:NKT 日本海テレビ☆
- 岡山県・香川県:RNC 西日本放送☆
- 徳島県:JR⇒JRT 四国放送☆
- 愛媛県:RNB 南海放送☆
- 高知県:RKC 高知放送☆
- 広島県:HTV 広島テレビ☆
- 山口県:KRY 山口放送☆
- 福岡県・佐賀県:FBS 福岡放送☆
- 長崎県:NBC 長崎放送(~1984年3月)→KTN テレビ長崎(1984年4月~)☆
- 熊本県:RKK 熊本放送(~1982年3月)→KKT くまもと県民テレビ(1982年4月~)☆
- 大分県:TOS テレビ大分☆
- 宮崎県:MRT 宮崎放送(~1981年3月)→UMK テレビ宮崎(1981年4月~)☆
- 鹿児島県:MBC 南日本放送(~1981年3月)→KTS 鹿児島テレビ(1981年4月~)☆
- 沖縄県:RBC 琉球放送(~1981年3月)→OTV 沖縄テレビ(1981年4月~)☆
番組終了後も、ネット局やそのネット局の地域内の他系列局(ネットしたことがない局)、衛星放送や日テレ プラス&サイエンス、ファミリー劇場などでも再放送が度々行われている。
一部地域のネット局では、時差ネット若しくは週遅れ放送だったため、基本的にはスポンサードネットながら、CMは最新のものに差し替えて放送していた。
[編集] 『太陽にほえろ!』までの時代背景と功罪
[編集] 太陽にほえろ! 誕生まで
『太陽にほえろ!』の企画は、打ち切られたプロレス中継の代替案として立案された。かねてから編成の核となる看板番組の制作を目指していた岡田プロデューサーは、刑事を主役とした「青春アクションドラマ」の構想を抱いていた。
それまでの日本の刑事ドラマは『七人の刑事』 (TBS) や『特別機動捜査隊』(NETテレビ(現・テレビ朝日))等が主流で、大人向きで暗いイメージがあった。他にも『キイハンター』や『ザ・ガードマン』があったが、これらの舞台は片や警察とは言えど特殊なチーム、こなた民間企業たる警備会社で、若年層向けとしては桜木健一主演『刑事くん』ぐらいしかなかった。それまでの「刑事物」は「事件物」と呼ばれて、親が子供に見せたくないドラマのひとつだった。
初期企画書の題名は「明日に燃えろ」で、NYPDで研修を受けたばかりのキャリア・藤堂英介を筆頭に、初めて刑事になった風間健の活躍を描くドラマとして72年2月企画が開始した。前身『東京バイパス指令』では主役級が二名(陽介・雷太)だったことから、撮影の遅れを出さないために主演俳優を増員。撮影隊をA・B二班体制にし、同時に進行させていくシステムを採用。主人公は潜入捜査官では目立った活動もできず、拳銃携帯もできなかったことから、拳銃を携帯できる私服刑事と設定した。
当時、流行していたアメリカ映画(『ダーティハリー』『ブリット』など)をヒントに、刑事のキャラクタを全面に押し出すことを主にし、犯罪者側の描写を控えた。初期段階から新人刑事の成長物語を主軸に描くことは決まっていたが、主人公の性格設定は生真面目な規則一辺倒な若者だったので、メインライターの小川英はもっと今風な若者にしようと提案する。
当時の世相として高度成長・公害・蒸発が新聞紙面を賑わし、学生運動で学内は荒れ、内ゲバ(暴行事件)が頻発。街ではアングラやヒッピーが流行り、新しい価値観や文化が話題となった。海外ではベトナム戦争が交戦中で、少年誌で『あしたのジョー』が大ヒットしていた時節だった。これらの社会現象や風俗を作品の要素に取り入れた。2月にあさま山荘事件で連合赤軍と機動隊の死闘がテレビ中継され、実際に隊員が殉職するなど、警察がヒーローとして注目される風潮が出てきた。
主人公は、当時、刑事役としては異例の長髪で[3]、ファッショナブルな衣装の「NOWな若者」を主人公とするよう変更した。警察という組織にありながらも、反体制的で自己主張するキャラクターに変更。
10月の開始予定が7月に前倒しされ、急ピッチで製作が進められる。主役は、映画『約束』で注目された萩原健一に決定した。萩原はGS解散後、俳優への転向を摸索していた時期でもある。野崎役は藤木悠(東京バイパス指令のレギュラー)の予定だったが、別の予定が入っていたことから代役として下川辰平に決まった。
銀幕のスター・石原裕次郎はテレビ出演に懐疑的だったが、石原プロの台所事情もあり、1クール契約で出演を承諾。他にも大映倒産後、東宝入りした関根恵子と子飼いの竜雷太などキャストが集められた。
以上の経緯により本企画は『太陽にほえろ!』のタイトルで制作が決定された[4]。当初は主人公・早見淳は皆から「坊や」と呼ばれる予定だったが、萩原が猛反発。衣装のイメージから「マカロニ・ウェスタンのような」からニックネームが決まる。
新人刑事の活躍を斬新に描いた番組は当時の小中学生から一般視聴者層に受け入れられ、『水戸黄門』と並んで国民的人気番組と称せられるようになった。以降は刑事ドラマが各局で次々と制作される勢いをつけた。
1クールで契約切れになった石原の続投を強く推したのは竜雷太だと伝えられる。
[編集] その後のムーブメント
- BGMも話題となり、その後のゴダイゴやトランザムなどにも影響し、趣向を凝らしたBGMがテレビから流れるようになった。レコード店にTVサントラコーナーが作られるなど、テレビのBGMというジャンルを確立した。
- 本作における警察組織や階級などについての描写は現実のものとはかなり異なり、さりとて架空の設定と割り切って解釈できるほどの一貫性もなく、明らかに整合性を欠いていた。これは、当時のTVドラマにおいてはリアリティを追求する風潮が稀薄であったことや、元々本作がアクションや青春ドラマに重点が置かれた作品であったために、現実性のある設定作りが追求されなかったことの現れと思われる。このアバウトさが本作の独特なカラーになっていることは事実であるが、多くの矛盾や間違いを刑事ドラマジャンル全体に浸透させる原因ともなった。本来は異色刑事ドラマであった本作が、番組の大ヒットにより刑事ドラマのスタンダードになってしまったからである。この弊害は番組が終了するまで変わることがなかったが、『踊る大捜査線』のヒットでようやく修正されつつある。
- 番組のヒットから数々の人気作品を産み出す相乗効果も生んだ。『傷だらけの天使』を筆頭に『われら青春!』、『俺たちの勲章』、『俺たちの旅』、『俺たちは天使だ』など多数のシリーズが制作された。他にも『大都会』シリーズを成功させる土壌を生み、『あぶない刑事』『ジャングル』へと継承された。番組からスターや監督・脚本家も巣立っていったことから放送業界に対する貢献は甚だ大きい。現役の俳優や演出家にも少なからず本作は影響を与え、今後もオマージュを込めたCMや作品が作られていくだろう。
[編集] 脚本に観る『太陽にほえろ!』
- メインライターは小川英。初期は脚本の監修(シリーズ構成)というシステムがなく、個別に確認するだけで、厳密さがなかった。独創性のある秀作・異色作が世に出たが、作品全体では辻褄が合わない短所もあった。
- 大映ドラマで有名な長野洋も主力として参加。銃器類をテーマとした展開が得意で、「そして拳銃に弾を込めた」「最後の標的」「一発で射殺せよ!」「射殺」「ドクター刑事登場」「3人の未亡人」等を執筆。他にも石塚の代表作「すべてを賭けて」「再会」「石塚刑事殉職」、追悼作「ゴリさん、見ていてください」、他にも重要エピソード(交代劇・記念作)も多数執筆[5]。さらに初期ドック編や昭の父親像を作り上げたのも長野脚本である[6]。
- 市川森一は秀作「そして愛が終わった」「愛が終わった朝」を執筆。「行き当たりばったりな、破天荒な性格」の鮫島刑事(後述)と言うキャラクターを産み出し、後々まで継承された。
- 青春シリーズで活躍していた鎌田敏夫はマカロニ編後期から参加。ジーパン編の代表作を執筆し、純のキャラクタを決定つけた[7]。
- 長野・鎌田はジーパン・テキサス時代のメインライターとして傑作・秀作を連発。番組の人気底上げの牽引力となった。
- 初期から参加していた鴨井達比古はニヒルで独特な作風で、裕次郎・ショーケン・優作らの魅力を引き出す名作脚本を執筆[8]。
- テキサス編から後に『スケバン刑事』を手掛ける新人杉村のぼるが参加。良のキャラクタ造型を担う[9]。
- '70年代後期、尾西兼一・古内一成ら第二世代の新人作家が参加。硬派・峯尾基三・柏原寛司らのゲスト作も増えていく。
- '81年、後に『スケバン刑事II 少女鉄仮面伝説』で活躍する土屋斗紀雄がデビューし、意欲作「引き金に指はかけない」を執筆。同年大川俊道もデビューし、後のカワセミ時代に繋がっていく。
- 「陽あたり良好!」の終了から金子裕が参加。井川のキャラクタ造型を担う[10]。
- 後に『踊る大捜査線』『恋人はスナイパー』を執筆する君塚良一も参加。
- 小川英が監修するようになって設定ミスが減り、全体の構成はまとまったが際立った作品や独創性が乏しくなり、平凡な脚本が並ぶ。さらに小川規則に反発し、多くの作家が番組から離れてしまう弊害もあった。一方、小川英は私塾「英(はなぶさ)塾」を主催し、若手の育成に努め、本番組が新人作家の登竜門として位置付けされていった。後期に活躍した蔵元三四郎(「殉やす」など執筆)も塾生の一人。
- 淳二・一の登場から若手作家の力量が発揮され、「ラッサ熱」(土屋)、「ボギーのいちばん長い日」「すご腕ボギー」(大川・小川)を執筆。古内はジプシー編・ボギー編の多くや、ドック編三部作「サギ師入門」「スリ学入門」「潜入泥棒株式会社」を共同執筆し、若手刑事の活躍を描いた。
- ブルース(澤村誠)登場から大川節が炸裂し、「正義に拳銃を向けた男」「走れブルース」「ブルースの賞金稼ぎ」等のアクション作を執筆。古内も「一係皆殺し」「鳩の舞う街」「空白0.5秒」など硬派な秀作を執筆。
- 女流作家も後期に多く参加して新風を吹き込んだ(亜搶文代・塩田千種など)。古くは女優大山のぶ代も参加し、「人形の部屋」など5本を執筆。「山さんがボスを撃つ」は当時18歳女性による作品である。
- 80年代は大川・尾西・古内ラインがメイン脚本陣として番組を支え、最終回はベテラン峯尾の執筆で幕を閉じた。
- 「鶴が飛んだ日」は投稿脚本が認められ採用となったもので、原案者は不明。月刊「ドラマ」誌でもプロット募集が行われた。
[編集] 階級の設定に関する疑問点
本作の劇中において、レギュラーメンバーは全員「刑事」として表現されており、警察官としての階級については具体的な描写がほとんどない。そのため、階級についての設定は書籍等に掲載されているが、その設定は充分な統一が取れておらずファンに対して論争の種を提供している。
- 藤堂俊介(ボス)
- 近年の資料には警部補と記されているが、これは誤りで警部ではないかと思われる理由がいくつか存在し、事実、放映当時の学習雑誌では「藤堂警部」と紹介されている。以下に警部説の根拠となる点を列記する。
- 警部であった山村が降格処分を受けて警部補となっており、藤堂にとって階級が上である部下の存在は警察組織上ありえない。
- 665話「殉職刑事たちよやすらかに」で「藤堂警部」と階級付きで呼ばれていること、署長以外の上司が登場せず刑事課長も兼任していた節があること(ただ兼任であれば上位の職名を優先して名乗るのが筋だが)。
- 準備稿を元にした小説版で「藤堂警部」の記述があること(77話のエピソード)。
- 藤堂は元々国家公務員上級職試験(当時)採用のいわゆる「キャリア」で、警察官僚のあり方に反発を覚えて係長に留まっているという設定からキャリアが藤堂の年齢で警部補はありえず、続編たる七曲署捜査一係シリーズで舘ひろし扮する山岡係長の設定にまた同様のものがある事。
- 警部補説の根拠としては以下のとおりである。
- そもそも実際の警察組織において所轄署係長の階級が基本的に警部補。
- 岡田プロデューサーがDVDの解説書で「藤堂は警部補」と答えている。しかし、その理由は上記の現実に則したものではなく「警部だと署長になるので」と述べている(実際に署長に就けるのは警視または警視正)。岡田は、警察組織を熟知していないと自身の著書『青春ドラマ夢伝説』で述べており、警部補説はそのための誤解から生じた可能性が高い。
- 石塚誠(ゴリさん)
- 石塚は昇進試験を申請するエピソード(「午前十時爆破予定」「パズル」)があるが、捜査のために止むを得ず棄権、「万年ヒラ巡査」として描かれていた。劇中で「巡査部長」に昇進したエピソードが存在せず、これも謎である。ただし、巡査長を拝命していた可能性はある。巡査長であれば、巡査部長より階級は下であり、正式な階級は巡査とほぼ同一の階級的職位だからである。また、彼の実家は脚本毎に変っていることから、しっかりとした設定書がなかった証と思われる。
- 滝隆一(スコッチ)
- 「刑事失格」の中で警部補と書かれている書類が画面に登場している。実際、堂々たる態度で藤堂や山村と対等に問答し、警察幹部に直談判に赴くなど平刑事には見えない言動で視聴者を惑わせた。しかし、彼が警部補であるとすれば矛盾する演出も多々存在する。まず、滝が着任早々、藤堂は石塚に「面倒見てやってくれ」と頼む場面がある。また、石塚による滝への鉄拳制裁や胸倉を掴む行動からも滝が警部補であるならば絶対に許されない行為である。他にも島や野崎との態度でも同様で、彼らを滝の先輩・上司として描かれている。従って先任者たちとの関係を考えた場合は、滝の階級は巡査が適当であり、警部補の設定とは矛盾が生じる。これは、チームの中堅である石塚や島が本来ならば巡査部長か警部補にあたるポジションで描かれながら、この時期の本作においてはベテラン刑事以外がほとんど巡査に設定されていたために生じた矛盾である。滝の階級もその経歴からは警部補がふさわしいが、そのキャラクター設定上石塚達より上の階級にするわけにはいかず、一律巡査とされてしまったと思われる。後に加入した西條昭も本庁捜査一課からの転属で巡査部長以上が適当であったが、同様の理由で巡査だと類推される。
上記のような作品世界内の矛盾および現実の警察組織との不整合から、後番組『ジャングル』では中堅刑事を警部補に設定して調整した。なお『太陽にほえろ!』の作品世界内での警察組織がどこまで現実に準じているかは不明確であり、上記のさまざまな論争は今後もファンにとっての話題になり続けていくと思われる。
[編集] 刑事達のその後
[編集] 殉職した刑事
本来殉職とは勤務時間中などに職務上の理由で死亡したものを指す。判断が分かれるであろう件もあるが本作では一括して殉職と扱われている。
- 早見 - 刺殺。場所は三井ビルの建築現場。
- 柴田 - 射殺。
- 三上 - 射殺。立川市倉庫。
- 田口 - 射殺。厚木市中津工業団地。
- 島 - 交通事故死。場所は小田原市国道。
- 滝 - 病死。砧公園で吐血後、病院で。
- 岩城 - 射殺。場所はロッキー山脈ウイスラー山。
- 石塚 - 射殺。
- 春日部 - 刺殺。場所は花園神社。
- 竹本 - 射殺。
- 山村 - 射殺。場所は西新宿。
殉職した場所は一部現存するが、なくなった場所もある。
[編集] 最後まで生存していた刑事
- 藤堂 - 病気により不在であったが澤村の危機で復帰。その後、警視庁に栄転。『七曲署捜査一係'97』内の会話から、既に故人である事が判明。
- 野崎 - 岩城創殉職を期に「ロッキーの様な刑事を育てたい」という希望で警察学校に。その後、澤村誠を七曲署に推薦。562話、665話でゲスト出演。PART2より現場復帰した。定年後保護司となり『七曲署捜査一係'97』と『同・'99』にもゲスト出演した。
- 伸子 - 『太陽にほえろ!2001』で久々に鑑識係として登場。
- 五代 - 妹の遺志を継いで海の牧場を開くため退職し、帰郷(489話ゲスト出演)。
- 原 - 西多摩署に栄転(593話ゲスト出演)。
- 島津 - 山村のやり残した事件の真相を解決させ、海外研修に。
- 橘 - 藤堂の復帰と共に警視庁に帰った。
[編集] 続編
1997年から2001年(2000年はなし)に4本の2時間ドラマスペシャルが制作・放映された。舘ひろしがボスを演じた。監督は村田忍。
番組プロデューサーの岡田晋吉が当時中京テレビの取締役であったことから中京テレビと日本テレビの共同制作となっている。
- 1997年『七曲署捜査一係'97』、1998年『七曲署捜査一係'98』、1999年『七曲署捜査一係'99』
- 2001年『太陽にほえろ!2001』 ※詳細は七曲署捜査一係の項目を参照。
[編集] 備考
- BGM
- テーマ音楽は元スパイダースの大野克夫の作曲。演奏はPYGで、後の井上堯之バンドに発展した。井上バンドは後にフリーウエイズを経て、大野克夫バンドとしてBGM制作を続けた。大野を起用するように進言したのは萩原健一。初期は音源が少ないため、青春シリーズや『東京バイパス指令』から流用していた。他にも国際放映制作の他局のドラマからも相互にBGMやブリッジを流用していた。'72年6月23日に行われた第1回録音分のセッションでは、その後俳優として活動した岸部一徳(当時・岸部修三)がベースギターを担当した。レコード用のステレオ音源には、新アレンジで録音されたもののほか本篇用のマルチトラック音源をステレオにミックスした音源が用意された。視聴者プレゼントとしてテーマ曲集を制作したことがきっかけで、百回放映記念盤を発売した。当初は東宝レコードとポリドールが併売し、東宝盤は独自のカバー音源が多かった。以降はポリドールのみの発売となる。83年にベスト盤LP3枚組が計画されていた。偶然、その事を知った高島幹雄氏はポリドール側にモノラル音源のレコード化を提言。初の劇伴集が実現した。後のミュージックファイルの原型となった。この『太陽にほえろ!』の劇伴の成功に伴い日本テレビではこの後、ティン・パン・アレー、トランザム、ゴダイゴ、SHOGUN、マライア・プロジェクトといった若手の起用を積極的に行う系譜ができた。これらの事柄からも「太陽にほえろ!」での大野克夫、井上堯之バンドの起用は大きな意味を持っている。
- 命名
- 「七曲署」の命名は番組スタッフ大曲暎一氏から由来したと岡田Pは述べている。他に乙女署・花園署の案があった。矢追町は日テレの矢追純一ディレクタから命名したという説と新宿区に実在する「矢来町」(やらいちょう)という地名を「来る」←→「追う」に掛けたのではないかという説もある。共同ペンネーム・魔久平(まくべい)はエド・マクベインが由来[11]。
- 協力会社
- 衣装 - 一色、TAKA-Q、ベストハウス、イトーヨーカ堂などが協力していたが、俳優が自分の好みで選んでくる場合も多かった。一貫して京都衣装(現・東宝コスチューム)の檜山勇が担当。ステージガン協力は放映開始直後からMGC(モデルガンコーポレーション)でスポンサードはMGCボンドショップ、一部コクサイ(国際産業)の製品をステージガンにした物を使用。
- 電気製品 - 初回から番組スポンサーである三菱電機の商品を使用していた。劇中に登場するテレビやステレオ(ダイヤトーン)、カーラジオなどでスリーダイヤのマークが確認できる。マイコンこと、水木悠は同社のパソコン「MULTI16」を使用。
- 登場車両
- マカロニ編ではスズキがスポンサーだった。しかし、捜査車両に適したセダンを当時生産していなかったため外車やかなり古い国産車が使われており、マカロニこと早見淳はスズキ・ジムニーを愛車にしている設定にしていた。スズキが降りてからは覆面車はトヨタ車になり歴代のクラウン、セリカ、ソアラ3台を中心になった。3台以外に覆面車で不定期に登場したのはおもに以下のとおり。
- 一方で白黒パトカーや犯人車・エキストラ車は日産が多く使われた(例・330セドリックやスカイライン、ブルーバード)。以降の金曜20時枠の刑事ドラマでも継承される「刑事トヨタ・犯人日産」の構図ができることとなる[12]。
- 他にもホンダ(シビック、アクティなど)や三菱(ギャランシグマや三菱・ランサーセレステなど)・マツダ(ファミリアなど)の車両も使われていた。
- 運転はマエダオートクラブ(現カースタントTAKA)・セキトラ(関虎)カーアクションなどが担当。
[編集] 撮影秘話
- 藤堂俊介の出番の一部を渡辺徹が代役していたことが後に紹介されている。「スタンドイン」と呼ばれる手法で、石原裕次郎の負担を軽減させるための策として活用された。
- 番組の収録は世田谷区砧にある国際放映撮影所で行われた。旧新東宝のスタジオでもある。ここの7番ステージにパーマネントセットが組まれ、月に二回(隔週金曜日)レギュラーキャストが集まって刑事部屋などのシーンが収録された。基本的に同じ監督で二本同時収録し、実撮影日数は約14日。
- 撮影の遅れを取り戻すため、B班と呼ばれる別班が応援に入る。2班同時進行で、俳優らは多忙を極めた。A班主要スタッフ(撮影技師・助監督等)を混ぜて作品のできが均一になるようにしていた。A班は主に竹林・山本監督など東宝出身または鈴木監督が、B班は澤田・小澤・斉藤監督など外部出身監督があたる場合が多い。B班制作は年に10本程度。
- 初期のステージガンは日活コルト等を使用。後にMGCハイウエイパトロールマン41(通称MGCハイパト41)が刑事ドラマ全般で使われ始めた。藤堂は電気発火式ルガーP08を愛用していた時期もある。76年、滝の登場から銃身の短いMGCMGCローマンMkIIIが刑事ドラマ全般の主流となる。昭は神田正輝本人の強い希望(本人の出自も含めて変り種刑事に)で小道具係が自動式拳銃MGCM59を準備して使用、澤村誠は44口径としてM29を使用。
- ハイパトは各刑事専用に改造され、「テキサスマグナム」も作られた。原昌之は登場直後はローマンだが、以降はパイソン2.5インチに。パイソンは後に島津、喜多らに継承された。以上は全てモデルガンメーカーのMGC社製。各ステージガンは国際放映の小道具(番組後期まで)で、他番組でも流用される。また、一部役者が持ち込む場合もあった。小道具担当は春木弘(中途降板)で製作はグットビレッジやTMG(東京メイクガン)、JAC。神田正輝の登場時はトビー門口がガン・アドバイザーとして参加していたため神田が使用するバック・サイド・ホルスターもトビー氏のスタッフが考案、後に劇中仕様と全く同じものが一般市販された。この後、2タイプのホルスターは様々なGunショップで複製され発売された事もあった。この神田正輝登場前から劇中でもトビー氏が他の映画作品等で製作していたステージ・ガンが登場することもあった。
- 七曲署庁舎は世田谷区内の海上自衛隊(上用賀基地)を借用。ただし、屋上のない二階建なので屋根が写らないように撮影していた。現在は建替えられ外観は変わった。屋上は北新宿で撮影。
- 予告編は助監督に制作が任され、未使用カット等で編集される。しかし、新撮カットや予告のために撮られた演出違いのカットが挿入される場合もあった(例・「島刑事よ永遠に」「スコッチ刑事登場」など)。また、初期ではナレーション(音声)違いの別バージョンが販売された予告編集(七曲署ヒストリー)で確認されている。反対に「マカロニ死す」の放映予告編は黒バックに字幕だが、ヒストリー版では青バックとなっている編集違いも存在する。13話や「デューク刑事登場」予告編は放映版とヒストリー版では内容が全く異なる。基本的に30秒枠だが、新刑事登場等では45秒に拡大する場合もある。「島刑事よ永遠に」ではさらに15秒スポットが投入された。他にも新刑事登場を節目に番組宣伝 (CM) も数種類流された。
[編集] 番組へのオマージュ
- 東映Vシネマ第一作として大川俊道脚本・監督で『クライム・ハンター』シリーズが製作された。世良公則、又野誠治、竹内力らが出演したガン・アクションの秀作。又野は「ブルース澤村」という殺し屋役で、番組では実現しなかった「殉職シーン?」を披露している。
- とんねるずのバラエティ番組『みなさんのおかげです』(フジテレビ)のコーナーで「太陽にほえるな!」が放映された。木梨の山さんと石橋のジーパン役に地井武男が「利さん」本人役として出演した。
- 番組放映中にはフジテレビドラマ『翔んだカップル』のパロディシーン「太陽にまねろ!」があった。柳沢慎吾が山さんに扮し、長身なADスタッフをジーパン役にして演じていた。柳沢本人に確かめたところ、ジーパンのコスプレ衣装は彼のコレクションを利用していたそうである。純の衣装バリエーションを克明に再現していた。
- 金曜ドラマ『ケイゾク』(TBS)で野々村係長(竜雷太)には“これでも昔はゴリ押しのゴリさんなんて呼ばれた事もある”という台詞がある。さらに劇場版では「殿下やマカロニと後楽園に犯人を追い詰めて…」という台詞も。主人公「柴田純」(中谷美紀)の役名は優作と同じでそのまま拝借した。
- 『NEWジャングル』で55話「どぶねずみ」が「浩平が泣いた」に、102話「愛が終わった朝」が「婦警の恋」に、『刑事貴族』では「危険な約束」と「島刑事よ安らかに」がそれぞれリメイクされた。
- 『はみだし刑事/情熱系』(テレビ朝日)では「山さんがボスを撃つ」が、『特警ウインスペクター』では「対決6対6」が「大人をやっつけろ」(杉村升脚本)としてリメイクされた。
- 山下真司は『ケータイ刑事銭形愛』に当時の役と同じ役名「五代潤」で出演、以後も銭形舞、銭形泪、銭形零とケータイ刑事シリーズにも登場、本作とは違う役柄ながら彼女たちとコンビを組む刑事という同シリーズの重要人物だった。さらに、銭形愛の第1話では下川辰平も「野崎太郎」で出演、最後の「長さん」役であった。また、ケータイ刑事シリーズ内ではところどころで本作に関連する小ネタが登場する。
- 『あいつがトラブル』で萩原健一が演じた役名は「沖田淳一」で、早見淳から由来した。
- '05年には給湯システムのコマーシャルで小野寺昭が「電化」と「殿下」をかけ、「ボス、殿下(電化)だ! 殿下(電化)だよ!」という台詞を披露している。
- テレビアニメ『名探偵コナン』のテーマ曲はメインテーマのイントロ部分を再現してほしいと制作側から依頼があり、セルフカバーのようなできになった。
- 『鳥人戦隊ジェットマン』の最終回で主人公の一人・結城凱が引ったくり犯に刺殺された。これは「マカロニの殉職をイメージして執筆した」と脚本家・井上敏樹が誌上で答えている。
[編集] その他
- ドン・ジョンソン主演『刑事ナッシュ・ブリッジス』ではナッシュ自身が金庫破りに扮して盗賊団に潜入して犯罪を食い止める62話「プロフェッショナル」と酷似した作品と、白骨死体から復顔した顔と瓜二つの人物を真犯人に突きつけて自白させる66話「生き返った白骨美人」と似たエピソードがある。
- 84話「人質」と『刑事コジャック』TVシリーズ!話は酷似しているが、どちらもアムステルダムで起きた篭城事件を元に作られたので盗用されたものではない。
- 犯人を逮捕する際、正当防衛や緊急避難以外で暴行を加えることは違法行為だが、当局は劇中の演出を黙認していた。「犯人を射殺する」ことだけはしないよう制作サイドに要請したという(毎回、お断りのクレジットを入れて「実在するものと関係ない」と明示していた)。
- '05年11月よりニューギンから登場したパチンコのキャラクターに採用された。権利などの関係から、実写映像は使われていない。
- 創と令子の間にできた双子の名前は裕太と陽子であり、石原裕次郎が命名した。
- 下川辰平への談話によると、野崎は犯人を護送中に襲撃され、殉職する話が企画されていたが、没になったという。下川は生前、初期メンバーの中で自分だけ殉職しなかったことが、今でも心残りだと発言していた[13]。他にも孫が産まれる話も予定されたが、実現されずに終わった。
- 西條昭は独自のニックネームをつけていた。ラガー→ラッキョ、ジプシー→カルメン、ボギー→イチ、ブルース→ブル又はパイナップル。初回では周囲からヤブと呼ばれ、ゴリさん→ゴロウさん、スコッチ→ブランデー、ロッキー→アルプス、スニーカー→スパイクと呼んでいた。昭が殉職しなかった事について、神田正輝本人は「次は俺と思ってても次から次と後輩が死んでいく。いつ死ぬんだろう? と思ってたら、先に番組の方が死んでしまった」とワイドショー番組の中「さよならパーティ」のインタビューでコメントしていた。
- 地井武男はレギュラー入りの会見の席で、19話(現在は欠番)ゲストの時にロケ先で石原裕次郎からカツカレーを馳走になったと『テレビジェネレーション』 (TBS) で語っていた。
- 藤岡琢也は、城北署の鮫島刑事役(愛称:ゴロンボの鮫、鮫やん、ジョーズ刑事)として初期作品からセミ・レギュラー的に出演。警察退職後は様々な職業を経て、「ジョーズ刑事の華麗なる復活」にて太宰刑事と共演を果たす。
- 本放送の放映中に、ファンクラブ (FC) が作られ、情報誌が少ない時代に貴重なパイプ役を務めた。代表的なサークルは「SUNRISE」、研究会「七曲署」などで、「10周年記念号」にFC主要メンバーがファン代表として掲載された。現在は活動休止し、会員の残党がネット上やコミックマーケットで活動している。
- 竹本刑事(ラガー)殉職の放映の翌日、渡辺徹主演の『気になるあいつ』(日本テレビ)がスタートしたが、その冒頭は青年医師役の渡辺がテレビの中の竹本刑事に向かって「死ぬな!」と泣き叫ぶものだった。
- 又野誠治演じる澤村誠(ブルース)は実は“12人目の殉職刑事”になる予定であった。しかし病欠していた石原裕次郎の体調が思わしくなくレギュラー復帰を断念し(最終回の718話に一度だけ登場)同時に番組終了も余儀なくなれ、予定されていたブルース殉職編もお蔵入りとなってしまった。ちなみに番組が続行していれば誠の後任として京本政樹の登場が予定されていて、番組15周年に当たる'87年7月17日[14]にアフリカロケ(未制作)が放送される予定であった。
[編集] 参考文献
放映当時は本作について、日本テレビより写真集やノベライズが数多く出版されていたが、放映終了後に出版された関連書籍は以下のものがある。
- 『金曜夜8時君は太陽にほえろ!を見たか』(七曲署熱血探偵団・編 スターツ出版)
- 全刑事の紹介や、第1話のシナリオ再録、放映リストなど、本作のまとまった形での資料集としては唯一のものである。しかしながら、キャラクターのプロフィール(階級、年齢、家族の性別)や、使用拳銃のスペック等について、映像作品と明らかに異なった記述も多く、注意が必要である。
- 『太陽にほえろ!伝説-疾走15年 私が愛した七曲署』(岡田晋吉・著 日本テレビ)
- 本作を担当した岡田プロデューサーが語る制作秘話。
- 『太陽にほえろ! 極彩の記憶 - 終了10周年記念写真集』(日本テレビ)
- 終了10周年を記念した公式写真集で、メンバー紹介、岡田プロデューサーのコメント、未公開を含めたスチール集等が掲載され、付録にCD-ROMが添付されている。各種データは前述の「金曜夜8時~」に準拠しているが、一部データの訂正もなされている。
[編集] 脚注
- ^ PART2放送開始予定だった日は、伊豆大島三原山噴火関連の報道特別番組のため1週延期されてスタートした。
- ^ 藤堂が取調室で犯人の妹に対し、部下への思いを語る台詞の全てが石原のアドリブであったことは有名であり、石原のこの番組に対する思い入れをあらわした言葉として今も語られている。
- ^ 60年代まではNHKに長髪のタレントが出演できないほど長髪は害悪と思われていた。
- ^ メインライター・スタッフやゲスト出演者は『東京バイパス指令』や青春シリーズから多数、スピンオフしてきた。
- ^ 「鶴飛」、ボン殉職、ラガー登場、スコッチ復帰と殉職、ボギー登場、500回記念、山村左遷命令等。
- ^ 「禁じられた怒り」「父親」「ドック刑事のシアワセな日」「落とし穴」、雪山ロケ前後編。
- ^ ジーパン登場、「どぶねずみ」「海を撃て! ジーパン」「おふくろ」「恐怖の瞬間」など。後に「俺たちシリーズ」のメイン作家として活躍。
- ^ 「想い出だけが残った」「殺し屋の詩」「新宿に朝は来るけれど」等。
- ^ ボン登場、「偶像」「あせり」「辞表」等。
- ^ 「離婚」「父と子の写真」「妻への疑惑」。
- ^ ちなみに、571話の90分SP「誘拐」は、マクベインの「キングの身代金」を基にした唯一の原作ものである。
- ^ 「もっとあぶない刑事」は正反対で「刑事日産・犯人トヨタ」。
- ^ テレビ朝日系「徹子の部屋」においても、贖罪の意に似た感情を交えつつ同趣旨の内容を語っていた。
- ^ くしくも'87年7月17日は石原裕次郎が亡くなった日でもある。
[編集] 外部リンク
[編集] 番組の入れ替わり
日本テレビ系列 金曜夜8時の枠 | ||
---|---|---|
前番組 | 太陽にほえろ! 太陽にほえろ! PART2 |
次番組 |
日本プロレス中継 | ジャングル |
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