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スバル・レオーネ - Wikipedia

スバル・レオーネ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

[他項目を統合] 項目統合の提案スバル・レオーネ1400クーペRXスバル・レオーネ4WDRXレオーネ1400エステートバン4WDは、この項目への統合が提案されています。統合に関する議論はノート:スバル・レオーネを参照してください。

スバル・レオーネSUBARU LEONE)は富士重工業で過去に生産されていた自動車である。セダンステーションワゴンの他、多くのボディバリエーションを持つ、かつての基幹車種。

目次

[編集] 初代 (1971年-1979年)

1971年10月7日スバルは スバル・レオーネ クーペ を発売した。「レオーネ LEONE」とはイタリア語で雄ライオンの意味で転じて「勇者」を表す。当初はクーペモデル 4タイプのみの展開で、スバルff-1 1300G シリーズとの併売だった。徐々にバリエーションを拡大しながら、1970年代の排気ガス規制、オイルショック など、自動車にとって逆風の時代にスバルのエンジニアリングの独自性と屋台骨を支え、本格的な海外進出の礎を築いた。

スバル1000」は、当時、自動車のFF方式量産化の障害となっていた伸縮可能な「等速ジョイント」を、「東洋ベアリング」(現NTN)と、 イギリス 「ハーディ・スパイサー社」のバーフィールド方式を改良した D.O.J(ダブル・オフセット・ジョイント) の開発により解決。1970年代からの世界的な小型車のFF化の潮流に欠かすことのできない、画期的な技術革新を成し遂げたマイルストーンである。また、総アルミ合金製水平対向エンジンAWDなど、現在の富士重工業のコア・エンジニアリングとなる技術の礎を築いた。さらにセンターピボット方式ステアリング、インボードブレーキ、デュアルラジエターなど、ユニークなメカニズムを合理的なパッケージングで構築し、エンジニアリングの良心と理想主義を感じさせる「傑作」として、国内のみならず、アルファロメオ・スッド、シトロエン・GSなどの開発の際に参考にされるなど、海外からも非常に高い評価を得た。

しかし「スバル1000」独自のエンジニアリングには、特にアフターサービスの現場からは戸惑いや批判の声も多かった。

また1968年のアメリカ現地法人、S.O.A(スバル・オブ・アメリカ)の設立以来、スバル360スバルff-1を投入し本格的なアメリカ市場への進出も始められていたが、ドメスティックな商品コンセプトは、アメリカ市場で受け入れられたとは言い難かった。当時、日本車の対米輸出は、1970年には年間50万台にまで拡大しており、スバル としても特にアメリカ市場への本格進出を見据え、「スバル1000」の基本メカニズムを踏襲しながら、より分かりやすい商品性とメンテナンス性の容易性を考慮した乗用車、「レオーネ」が誕生した。

また、1972年9月1日には、日本初の乗用車ベースAWD(4WD)である「レオーネ1400エステートバン4WD」を発売。さらに1975年1月には、量産型乗用車としては日本初のAWD「レオーネ14004ドアセダン4WD」を発売。それまで「AWD」=「ジープタイプ」という常識しかなかった世界に、乗用車の快適性と高速性能、そして乗用車では考えられない悪路踏破性を併せ持った新しいカテゴリーを提案。スバルAWD技術の礎を築き、世界中がスバル ・エンジニアリングの独自性を認めることになった。

一方、「マスキー法」に端を発する、1970年代の「排気ガス規制」の波の中で、水平対向エンジンの特性を生かした「SEEC-T」システムを開発。独自の技術を生かしリードしていたことも初代レオーネのトピック。

[編集] 変遷

前期型
  • 1971年10月7日 _ スバル・レオーネ クーペ シリーズ発売(GSR、GS、GL、DL)
1400GSR:71万9,000円、GS:69万4,000円、GL:64万9,000円、DL:59万7,000円
  • 1972年2月19日 _ 4ドアセダン1400シリーズ 発売(カスタム、GL、DL)
カスタム:64万7,000円、GL:62万9,000円、DL:58万4,000円
  • 1972年4月22日 _ 2ドアセダン(GL、DL、スタンダード)、1100シリーズ(4ドアDL、2ドアDL、2ドアスタンダード)、4ドアエステートバン(1400DL、1100スタンダード)、スーパーツーリング発売。
  • 1972年9月1日 _ レオーネ1400エステートバン4WD 発売  79万8,000円
  • 1972年12月1日 _ 1400クーペRX 発売 73万4,000円
  • 1973年6月9日 _ ハードトップ シリーズ 発売(GFT、GF、FL)。48年度排気ガス規制適合 全車8000円値上げ
  • 1973年10月13日 _ マイナーチェンジ、新型レオーネ シリーズ 発売。ツインキャブ車の指定燃料が無鉛レギュラー化されるとともに、5速クロスレシオミッションをツインキャブ全車に設定拡大。内装デザインを一新。エステートバン1400GLを追加。
  • 1973年11月1日 _ 1100シリーズを廃止し、1200シリーズ発売。
  • 1974年9月22日 _ 「第16回 日本アルペンラリー」で 平林武 レオーネRX が総合優勝。
中期型
  • 1975年1月20日 _ ニューレオーネ シリーズ発売。セダン1400の上級モデルは4灯式ヘッドライトを採用。スタンダードを除く全車にブレーキモニターを装備。4WDセダン、オートマチック(カスタム、GF)、4ドアセダン1200GLを追加。    
  • 1975年10月18日 _ 51年度排気ガス規制適合(SEEC-Tシステム)レオーネSEEC-Tシリーズ 発売。
  • 1976年1月19日 _ レオーネSEEC-T 4WDセダン、オートマチックシリーズ発売。
後期型
  • 1977年4月1日 _ 53年度排気ガス規制適合 NEWレオーネ シリーズ 発売。
  • 1977年9月28日 _ レオーネ4WDセダン ロンドン~シドニー3万キロラリー完走 総合19位、4WDクラス4位 (小関典幸・高岡祥郎・岡崎宏司 組)
  • 1977年10月 _ 「スバル・ブラット」アメリカ向け輸出開始。
  • 1977年11月1日 _ グランダム・シリーズ発売
  • 1978年3月1日 _ レオーネRX-A、4ドアセダン・グランダム・シリーズ発売。
  • 1978年7月7日 _ 新型レオーネシリーズ発売。
  • 1979年6月1日 _ ザ・ニュー・レオーネ シリーズ 発売(フルモデルチェンジ)

[編集] エクステリア

前期型

スバル1000/スバルff-1のシンプルなエクステリア・デザインから、ロングノーズ・ショートデッキ(メーカー呼称 『ロングノーズ・ホットテール』)の躍動的キャラクターライン、彫りの深いフロントグリルなど当時のトレンドを取り入れたダイナミックなデザインへと一気に趣を変えた。全長:3995mm、全幅:1500mm、全高:1385mm 、ホイールベース:2455mm(1972年4ドアセダンGL)という寸法は、スバルff-1 1300Gと比較して全長で95mm、全幅で20mm、ホイールベースで35mmのサイズアップ。トレッドは(F)1260mm/(R)1205mmとされ、同じくスバルff-1 1300Gと比較するとフロントが25mm拡げられた。車両重量は775kg(GSR)と35kgの重量増加となっている。

先にデビューした2ドアクーペは、セダンに比べ全高を40mm低められており、よくスバルff-1 1300Gとの比較で、全高が低められた事による居住性の悪化がよく指摘されるレオーネだが、4ドアセダン同士で比較した場合、据え置かれた全高と延長されたホイールベースにより居住スペースは拡大されており、クーペデビュー当時の雑誌記事を引用した、こうした指摘は誤りである。

また、富士重工業としては始めての窓枠のない、サッシュレスドアを採用、4ドアセダンでの採用は国産初で、現在に至るまで、レオーネ、アルシオーネレガシィインプレッサフォレスターなど、富士重工業の主要な小型車に採用され続けている。

1972年2月19日には4ドアセダン、同年4月22日に2ドアセダン、4ドアエステートバンを追加。1973年6月9日には2ドアハードトップを追加。2ドアハードトップはシリーズ唯一の4灯式フロントグリルが与えられ、リヤガーニッシュ、フロント、リヤバンパーなども専用部品となっている。1973年10月にマイナーチェンジ。2ドアクーペとエステートバン4WDにハニカムグリルを、それ以外の車種も縦桟から横桟を基調としたフロントグリルを与え、2ドアクーペのリヤガーニッシュを廃止。テールランプとフルホイールキャップのデザインも変更された。

中期型

1975年1月20日には、50年度排気ガス規制適合に備えてマイナーチェンジを実施。セダン1400のカスタムとGL、スーパーツーリングにハードトップと同じ4灯式フロントグリルを採用。ホイールキャップをスタンダードを除き、ハードトップと同一のハーフキャップに変更(カスタムとスーパーツーリングは色挿しタイプ)。クーペRX、4WD系はキャップレスとなった。また、ハードトップGFTに砲弾型、エステートバン4WDに樹脂製フェンダーミラーを標準としている。

1975年10月には、51年度排気ガス規制適合に伴い再度マイナーチェンジして、「レオーネSEEC-T」シリーズへ移行。外装の変更点が前後「SEEC-T」オーナメントの追加程度と軽微に留まるが、金属ミラーを廃止して全車樹脂製ミラー採用となった。

後期型

1977年4月1日には、53年度排気ガス規制適合とともに、フルモデルチェンジといえるほどの大掛かりなマイナーチェンジを行った。全長:4015mm、全幅:1550mm、全高:1390mm、ホイールベース:2450mm(1977年レオーネ4ドアセダンスーパーカスタム)と、全幅を50mm拡幅した。これは同セグメントに属するライバルの大型化に対抗するもの。トレッドは、フロントが1,260mm、リヤが1,255mm(1977年16004ドアセダン4WD)と据え置かれたフロントトレッドに対し、リヤは実に50mmのサイズアップが図られた。

これに伴い型式も「A2」系から「A3」系へ変更された。全体的にプレスラインが整理され、直線を基調とした基本デザインで、ウィンドウガラス、ドアノブ、エンブレムなどを除き、外装における共通部品はない。これを機に、2ドアクーペ系もピラーアンテナに改められた。

1977年11月には、2ドアハードトップに「グランダム(Grand am)」を追加。前後大型衝撃吸収バンパーと専用カラー、ストライプ、「グランダム/T」には、専用13インチ5Jアルミホイール、ベロア生地シートを採用。

1978年7月のマイナーチェンジでは、4ドアセダンにも「グランダム」シリーズを設定。4ドアセダン・グランダム・シリーズ、4WDシリーズ(エステートバンLを除く)、クーペRX-Aに大型衝撃吸収バンパーを採用した。

[編集] シャシー・サスペンション

前期型

ボディモノコックは新開発。AWD化を見越して、フロアトンネルが設けられた。フロントサスペンションストラット/コイル・スプリング方式となり、スバル1000スバルff-1 1300Gの特徴だった、ウィッシュボーン/トーションバーという構成を、主にメンテナンスの煩わしさに対する声に配慮して改められた。

一方、リヤサスペンションスバルff-1 1300Gと同じトーションバースプリング(ねじり棒ばね)を用いたセミトレーリングアームだが、トレーリングアームもより大断面の強固なものとなり、クロスメンバーは左右で独立したものとなり、リヤ・サスペンション・システムをトーイン方向に狭める形でマウントして剛性を高めた。1972年12月発売の1400クーペRXでは、量産車では日本初の4輪ディスクブレーキが採用されている。また、1973年10月に追加されたエステートバン1400GLでは、商用車としては珍しいディスクブレーキ(マスターバック付)を採用した。

中期型

1975年1月のマイナーチェンジでフロントサスペンションのロワーアームにリーディングロッドを追加。このため、エンジンマウンティングやサブフレーム等が一新された。また、1200スタンダードを除く全車にブレーキモニターを装備。モニタリング内容は、

  1. パーキングブレーキ使用警告
  2. ブレーキオイル残量警告
  3. ストップランプ断線警告
  4. ディスクブレーキパッド摩耗警告(DLを除く)。

1975年10月のマイナーチェンジでは、それまでツインキャブ車とバンGLのみに採用していたマスターバックをシングルキャブ車のディスクブレーキ仕様にも拡大設定した。

後期型

1977年3月にはボディを拡幅する大規模なマイナーチェンジを実施した。セダンスーパーツーリングにも4輪ディスクブレーキを採用。

[編集] エンジン

前期型

スバルff-1 1300Gの水冷水平対向4気筒「EA62型」(1267cc)エンジンのボアを3mm拡げ、1,361ccとした「EA63型」を搭載。シングルキャブ80psとツインキャブ93psの2種を用意した。出力を抑え、中低速のフレキシビリティと重量増加に配慮している。 1972年4月22日には2ドアセダン/エステートバンの追加に伴い、スバルff-1からのキャリーオーバーで、ブローバイガス還元装置等若干の改良を加えた「EA61型」(1,088cc)を搭載した1100シリーズを設定。

1973年10月、48年度排気ガス規制適合にあわせ、全車を無鉛レギュラーガソリン対応に変更。1,100ccの「EA61型」は1,200ccの「EA64型」に拡大された。

中期型

1975年1月、「50年度排気ガス規制」への準備のため、主力である「EA63型」(1,400cc)、「EA64型」(1,200cc)のそれまで片バンクの両端にあった排気バルブを中央側に移設した「1ポート」シリンダーヘッドの採用、さらに、カムシャフト、冷却系、キャブレターなど、ほとんど新設計といえるほどの大幅な変更を実施。但し、排気ガス規制に対しては48年度規制適合のままである。また、フロントサスペンションの改良に伴い、エンジンマウントも変更された。

このマイナーチェンジに先立ってスバルは「SEEC-T(SubaruExhaustEmissionControl.Thermal&ThermodynamicControl)=空気導入式燃焼制御システム)」システムを発表。翌年に控えたさらに厳しい「51年度排気ガス規制」に備えた。

1975年10月、51年度排気ガス規制適合により、「レオーネSEEC-Tシリーズ」へ移行。新開発の「EA71型」(ボア×ストローク:92×60mm、1,595cc)と1,400ccの「EA63型」のラインナップとなる。セダンの「EA64型」1,200ccは廃止。1600にはツインキャブ仕様も存続。排気ガス規制でスポーツ・モデルの廃止・縮小、大幅なパワーダウンを余儀なくされていた他メーカーに対し、一線級以上の動力性能を維持した。

  • 「EA71型」(標準型)82ps/5,600rpm・12.0kg-m/3,600rpm、(スポーツ系)95ps/6,400rpm・12.3kg-m/4,000rpm
  • 「EA63型」(標準型のみ)72ps/6,000rpm・10.2kg-m/3,600rpm

1976年1月、レオーネSEEC-T4WDセダンとオートマチックシリーズを発売。エステートバンの4WDは1,600ccに移行。商用車のため排気ガス規制の緩いエステートバンには、SEEC-T導入は見送られ、エステートバンSTDには「EA64型」1,200ccを継続して設定。

後期型

1977年4月、53年度排気ガス規制適合。EGR(排気ガス還流装置)を装着。

[編集] レオーネRX

1972年12月1日に追加された、レオーネのスポーティ・グレード。量産車では日本初となる4輪ディスクブレーキをライン装着。「RX」というグレード名は、「Rally - X」=「ラリー競技での可能性、ポテンシャル」の意。 1989年1月のレガシィRSの登場まで、国内・海外ラリーへの積極的な参戦を通じてスバルのスポーツラインを代表するグレードだった。

スバル1000スポーツセダン登場以降、スバルff-1スバルff-1 1300Gにも用意された「スポーツセダン]グレードは、FF方式のトラクションと、軽量な車重を生かし、1000~1300ccクラスでは文字通り「無敵」で、しばしば2ℓクラスを食うほどの圧倒的な強さを発揮。日本アルペンラリーなどの国内ラリーでは常に上位争いに絡み、数々のクラス優勝を果たしていた。レオーネRXは、このスバルff-1 1300Gスポーツセダンの後継である。搭載されるエンジンは、「レオーネ1400GSR」と共通の「EA63S」型エンジン(1361cc、最高出力:93ps/6800rpm、最大トルク:11.0kg-m/4800rpm)を搭載。1975年10月には、51年度排気ガス規制に合わせて、「SEEC-T」システム採用の「EA71」型(1,595cc、95ps/6,400rpm、12.3kg-m/4,000rpm)に換装。

1977年4月のマイナーチェンジでは、53年度排気ガス規制適合に合わせ、「EGR」(排気ガス還流装置)を装着。スペックに変更はなく、年々厳しくなる排気ガス規制の中で、スポーティ・グレードの廃止・縮小、著しいパワーダウンを強いられていた他メーカーを尻目に、常に一線級以上の動力性能を維持し続けた。専用ハードサスペンション、スバルでは初の専用クロスレシオ5速マニュアル・トランスミッションを装備。外観上の特徴は、RX専用ボディカラー「サリーブルー」、サイドストライプと「RX」切文字ボンネット・ステッカー、マットブラック塗装のキャップレス・ホイール、リヤパネルの「RX」オーナメントを追加。1975年1月のマイナーチェンジでフロントグリルをハニカムグリルに変更。1975年10月のマイナーチェンジでホイールを5Jに拡幅。1977年4月のレオーネシリーズの大掛かりなマイナーチェンジに際して、エクステリアを大幅に変更。50mmのボディ拡幅に伴い、リヤトレッドを40mm拡大。1978年3月のマイナーチェンジで、「グランダム」シリーズと共通の衝撃吸収バンパーを採用し「RX-A」と名称を変更。

1974年の「第16回日本アルペンラリー」では、平林武のドライブで総合優勝を飾った。レオーネ1400RXでは、1973年からオーストラリアで行われていた国際ラリー「サザンクロス・ラリー」に、1973年から3年連続で出場。足回り、タイヤ、ロールバー等の変更しか認められない「グループ1」で、1973年:J.L・ピーチ/B・レイク組:総合14位、クラス優勝。1975年がJ.L・ピーチ/B・レイク組が総合6位、平林武/中原彰男組が総合7位(グループ1)で完走。スバルの海外ラリー挑戦の礎を築いた。

[編集] レオーネ1400エステートバン4WD

日本初の量産型乗用車ベースAWD1908年アメリカフォード社が乗用車の大量生産に成功して以来、戦前・戦後を通じて、世界で乗用車のAWDは存在したが、いずれも「量産」といえるほどの生産規模を持ち得ず、ごく少量の生産に終わっていた。それは2度の世界大戦を経て、1941年の「ウィリスMB」型ジープの完成によって、まさに「AWDは軍用、特殊用途に限られた自動車である」という固定概念が出来上がってしまったためかも知れない。

戦後、1964年フランスルノー 4」のAWD版である「ルノー 4 サンパー」が登場。ルノーでは1969年登場の「ルノー6」、「ルノー12」にも、そのAWD版である「サンパー」を設定し、販売はごく少量に留まったものの、天候を問わない使い勝手の良さで好評を得ていた。また、1966年イギリスのバックヤードビルダー、ジェンセンが発表した「ジェンセン・インターセプター」のAWD版である「ジェンセンFF」は、330psの最高出力を37:63の前後不均等トルク配分で伝達する「ファーガスン4WDシステム」を採用。4輪ディスクブレーキABSと相まって、「一般公道において最も安全なクルマ」と絶賛された。

レオーネ4WDの登場は、一般の生産ラインで「量産」される意味で、乗用車型AWDの普及にとっては、まさに革命的な出来事で、アメリカで大きな支持を得てからは、ヨーロッパ、そして日本国内でも、AWDの悪路踏破性と乗用車のクローズドボディによる快適性を併せ持った新しいコンセプトは次第に認知されるようになった。

また、1981年アウディ・クワトロの登場以来、あらゆる路面で駆動力に余裕のあるAWDが自動車の性能向上に有効であることが証明されて以来、WRCでは「グループB」を経て、年間5,000台以上の量産を義務付けられる「グループA」カテゴリーへの移行、日本では「ファミリア4WD」、「ブルーバード・アテーサ(U12型)」、「セリカGT-FOUR(ST165型)」、「三菱・ギャランVR-4」、「スバル・レガシィRS」などの国内・海外ラリー参戦用ベース車両が続々とAWDへ移行し、1990年ツーリンカーレース用ベース車両である「日産スカイラインGT-R(R32型)」の登場によってAWDのオンロード化は決定的になった。量産型乗用車AWDに先鞭をつけたという意味で、レオーネ4WDの登場は、自動車の歴史を語る上で非常に大きな意味を持っているといえるだろう。

もともと、スバル では、スバル1000開発の過程ですでにAWD化が話題に上っていたという。しかしスバル1000登場当時、日本ではようやく「マイカー時代」を迎えたところであり、市場性が全く見込めなかった。 スバル の乗用車ベースAWDの開発の発端になったのは、東北電力から1スバルディーラーである宮城スバルに対する、「ジープより快適で、通年使用可能な現場巡回用車輌」という開発要請だった。宮城スバルはスバル1000バンをベースに、日産・ブルーバード(510型)のプロペラシャフトリヤアクスルを追加してAWD化。関係者の間で非常に好評だったため、1971年3月以降 富士重工業・群馬製作所で製品化へのテストに入った。

ベースとなったスバルff-1 1300G はスバル・レオーネへのモデルチェンジを控えており、スバルff-1 1300Gバン 4WD はパイロット・モデルとしてごく少数が生産・販売されたにとどまり、正式な市販は1972年9月1日にレオーネ1400エステートバン4WDからである。当初は山間地・積雪地のにおけるニーズから、徐々にレジャー用その他のニーズに販路が拡がり、1975年の対米輸出開始後は「スバル・ステーションワゴン4WD」として、アメリカ、ヨーロッパ、中東を中心に、着実に生産を増やしスバルAWDのイメージを高めていった。

[編集] 変遷

  • 1972年9月1日 _ レオーネ1400エステートバン4WD発売。
  • 1973年10月13日 _ フロントグリルをレオーネRXと同じハニカム・グリルに変更、ホイールのハーフ・キャップは廃止となり、マットブラック塗装、メッキ・センターキャップを採用。ダッシュボードなど内装にも変更が加えられる。
  • 1975年1月20日 _ レオーネシリーズのマイナーチェンジに伴い、エンジンマウント等を変更。
  • 1975年 _ アメリカイギリス向け輸出開始。現地名「スーパースター(Superstar)」。アメリカ向けは他のアメリカ向けレオーネシリーズと違い、大型衝撃吸収バンパーが装着されず、アメリカ向け2ドアハードトップと同じフロントグリルが与えられ、他のシリーズと区別されている。
  • 1975年10月18日 _ 51年度排気ガス規制対応に伴うレオーネシリーズのマイナーチェンジに際し、エンジンを「EA71」型1,600ccに換装。エステートバンは商用車登録のため、排気ガス規制値が48年規制値に据え置かれたため、「SEEC-T」導入は見送りとなり、最高出力:85ps/5,600rpm、最大トルク:12.2kg-m/3,600rpmと、同じエンジンながら異なるチューニングとなっている。外装色に「RX」専用色「サリーブルー」追加。
  • 1976年 _ アメリカ現地名を「スバル4WDワゴン(Subaru 4Wheel Drive Wagon)」に変更。アメリカ・スキー・チーム・オフィシャルカーに採用。
  • 1977年4月1日 _ 53年度排気ガス規制対応に伴うレオーネシリーズの大規模なマイナーチェンジに際し、フォグランプがビルトインされたフロントグリル、アンダーガードの採用、および内外装の大幅な変更が行われた。同時にエンジンにも改良が加えられ、最高出力:87ps/5,600rpm、最大トルク:12.3kg-m/3,600rpmとスペックが若干向上した。ただし、セダン系が「SEEC-T」システム+EGR(排気ガス還流装置)装着により53年度排気ガス規制適合となったのに対し、エステートバン用「EA71」型は排気ガス規制には相変わらず未対応のままである。型式を「A67」型に変更。
  • 1978年7月7日 _ マイナーチェンジ。タータンチェック生地シート、大型衝撃吸収バンパー採用の「エステートバン4WDLG」が登場。従来型エステートバン4WDは「L」と呼ばれ区別される。
  • 1979年 _ アメリカイギリス向け「A67」型輸出開始。現地名「スバル4WDステーション・ワゴン(Subaru 4WD Station Wagon)」。アメリカ向けは国内向けのFFセダン「カスタム」系の4灯フロントグリルを装着。イギリス向けは2灯フロントグリル。
  • 1979年10月6日 _ 国内向けは「ザ・ニュー・レオーネ」4WDシリーズ発売に伴い、AL型に移行。
  • 1980年 _ アメリカイギリス向けともに2灯フロントグリルに統一。

[編集] 主要諸元

1972年 レオーネ1400エステートバン4WD
全長:4,040mm 全幅:1,500mm 全高:1,450mm ホイールベース:2,445mm 
トレッド:(前)1,230mm(後)1,200mm 最低地上高:210mm 
車両重量:905kg 最高速度:140km/h 登坂能力:0.38(tan/θ) 
最小回転半径:5.5m 燃料タンク容量:32ℓ
エンジン:「EA63型」水冷4サイクル水平対向4気筒OHV ボア×ストローク:85×60mm
総排気量:1361cc 圧縮比:9.0 最高出力:77ps/6400rpm 最大トルク:10.5kg-m/3,600rpm
サスペンション:(前)ストラット(後)セミトレーリングアーム
ブレーキ:(前)(後)ドラム タイヤ:155SR13(RD301)マッド&スノー・タイヤ
1978年 スバル・レオーネ1600エステートバン4WDLG
全長:4,190mm 全幅:1,550mm 全高:1,460mm ホイールベース:2,440mm 
トレッド:(前)1,255mm(後)1,205mm 最低地上高:210mm 
車両重量:985kg 最高速度:140km/h 登坂能力:0.45(tan/θ) 
最小回転半径:4.8m 燃料タンク容量:45ℓ
エンジン:「EA71型」水冷4サイクル水平対向4気筒OHV ボア×ストローク:92×60mm
総排気量:1,595cc 圧縮比:8.5 最高出力:87ps/5600rpm 最大トルク:12.3kg-m/3,600rpm
サスペンション:(前)ストラット(後)セミトレーリングアーム
ブレーキ:(前)(後)ドラム タイヤ:155SR13(RD701)マッド&スノー・タイヤ


[編集] レオーネ4ドアセダン4WD

世界初の4ドアセダン型量産乗用車AWD1975年1月20日、レオーネシリーズのマイナーチェンジに伴い追加。1972年9月発売のレオーネ1400エステートバン4WDは、日本の自動車法制度上では「商用車登録」となるため、厳密に言えば「乗用車」ではない。

搭載されるエンジンは、レオーネ1400エステートバン4WD]] と同じ「EA63型」で、最高出力:77ps/6400rpm、最大トルク:10.5kg-m/3600rpmを発生。これは FF用「EA63型」(80ps/6400rpm、10.5kg-m/4000rpm)と比較すると、最高出力を3ps抑え、最大トルク発生回転数を400rpm落とした専用エンジン。 ホイールベースはFFシリーズに比べ5mm短い。

装備は当時のレオーネシリーズ中の最上級グレードだった「カスタム」に準じたもので、「スーパーツーリング」と同じく、タコメーター付角型3連メーターが標準となる。ただし、トランスファー・レバーが追加されたために、センターコンソールは付かない。エクステリアはフロントとリヤに「4 WHEEL DRIVE」オーナメントが追加された他、リヤに「4WD」ロゴの入ったマッドガードを装備。さらに、リヤガラス下端には「4輪駆動」のステッカーが貼られる。最低地上高がFFの170mmから25mmアップされた195mmに設定され、悪路・積雪踏破性を高めている。エステートバンのマッド&スノー・タイヤに対して、155SR13オールシーズンラジアルタイヤが標準装備となっている。

1975年10月、レオーネSEEC-Tシリーズへの移行の際に一時的にラインナップから脱落。1976年1月、51年度排気ガス規制適合の「SEEC-T」「EA71型」(1595cc)に換装されて再登場した。1977年4月には53年度排気ガス規制クリアに合わせてレオーネ・シリーズの大規模なマイナーチェンジで、型式も「A24」から「A34」に変更して登場。 EGR(排気ガス還流装置)を装着。リヤトレッドを50mm拡大。拡幅に伴い、最小回転半径は5.5mから4.8mへ小さくなった。 外観は大型フォグライトを持つ4WD系専用のフロントグリル、アンダーガードが与えられ、最高出力:82ps/5,600rpm、最大トルク:12.0kg-m/3,600rpmへパワー、トルクとも向上した。また、トランスミッションギヤ比も変更された。

1978年7月のマイナーチェンジで「グランダム」シリーズと共通の大型衝撃吸収バンパーが装着された。1977年、「チーム・スバル」から小関典幸/高岡祥郎/岡崎宏司のドライブにより「SIAロンドン~シドニー・マラソンラリー」に参戦。総合19位、4WD部門4位で完走を果たしている。

1975年 スバル・レオーネ14004ドアセダン4WD(E-A24)
全長:3,995mm 全幅:1,500mm 全高:1,435mm ホイールベース:2,450mm トレッド:(前)1,260mm(後)1,205mm 最低地上高:195mm 車両重量:955kg 登坂能力:tanΘ0.51 最小回転半径:5.5m
エンジン:水冷4サイクル水平対向4気筒OHV「EA63」ボア×ストローク:85×60mm 1,361cc 圧縮比:9.0最高出力:77ps/6,400rpm 最大トルク:10.5kg-m/3,600rpm
サスペンション:(前)ストラット(後)セミトレーリングアーム<ブレーキ>(前)ディスク(後)ドラム
1978年 スバル・レオーネ16004ドアセダン4WD(E-A34)
全長:4,170mm 全幅:1,550mm 全高:1,415mm ホイールベース:2,450mm トレッド:(前)1,260mm(後)1,255mm 最低地上高:185mm 車両重量:995kg 登坂能力:tanΘ0.48 最小回転半径:4.8m
エンジン:水冷4サイクル水平対向4気筒OHV「EA71」ボア×ストローク:92×60mm 1,595cc 圧縮比:8.5 最高出力:82ps/5,600rpm 最大トルク:12.0kg-m/3,600rpm
サスペンション:(前)ストラット(後)セミトレーリングアーム<ブレーキ>(前)ディスク(後)ドラム

[編集] トピック

1977年10月から、輸出専用モデルとして、ピックアップ・ボディの「スバル・ブラット」が登場。1978年からは「スバル・MV(Multi-purpose Vehicle)」という輸出名でヨーロッパ輸出も開始された。

コマーシャル戦略もレオーネになり様変わりした。初代レオーネの発売期間に製作・配布された楽しいノベルティは数多い。1971年10月発売から2年間、CMキャラクターに尾崎紀世彦を起用。1973年のレオーネ2ドア・ハードトップの発売の際には、レオーネのイメージソングが2曲制作され、ソノシートとして発表会場などでノベルティーで配布された。

1975年のマイナーチェンジからは1979年のモデルチェンジまで、富士重工業の前身である中島飛行機や、FA200エアロスバルFA-300など、当時の富士重工業の航空機部門との繋がりを強調する「SPIRIT OF SUBARU」キャンペーンを展開。当時、アメリカTVドラマ「刑事コロンボ」の吹き替えを担当し、FA200エアロスバルのユーザーであった小池朝雄が、中島飛行機の航空機を間近で見た記憶と愛車スバル・レオーネとの血統のつながりを、お馴染みの口調で訥々と語る 「飛行機野郎の追憶」 というカセットテープが配布された。このテープには陸軍一式戦闘機「隼」二式戦闘機「鍾馗」四式戦闘機「疾風」、またその機体の多くが中島飛行機で生産された零式艦上戦闘機、いわゆる零戦などの戦前の戦闘機の貴重なエキゾーストノートが収録され、資料としてもマニア垂涎のアイテムとなっている。さらにメディア向けに江戸川乱歩原作のミステリーシリーズに登場する「怪人二十面相」をCMキャラクターに起用するという、前代未聞の奇想天外なコマーシャルを展開。「信じられるかね、明智君!」のコピーは世間の話題をさらった。

1977年「SIAロンドン~シドニー・マラソンラリー」に出場、見事完走した、レオーネ4ドアセダン4WD(A34型)には、排気ガス対策以前の1,400cc「EA63S」が搭載されていた。標準の1600cc「EA71型」はエミッション・コントロール優先の設計となっており、3万キロという長丁場、3,000m以上の高地など過酷な状況での信頼性が未知数だったためで、また使用されるラリールートの国々では、日本ほどの厳しい規制が必要とされなかったことがある。

[編集] 2代目

スバル・レオーネ4ドアセダン1.8ℓ4WD後期型
スバル・レオーネ4ドアセダン1.8ℓ4WD後期型

1979年6月1日、富士重工業は「ザ・ニュー・レオーネ」シリーズを発売した。同じセグメントに属するトヨタ・コロナ日産・ブルーバードの排気量拡大に対応して、排気量を1800ccに拡大した「EA81」が登場。しかし、 バルブ作動機構、吸気機構はOHVキャブレターのままで、OHC化、ターボ化、あるいは、電子制御化、多気筒化、高出力化が進みつつあった国産他車の流れからはすでにこの時期から遅れを取り始めていたといえるだろう。しかし、長く熟成が進められてきた「EA型」エンジンは、シンプルなメカニズムであることと相まって、「サファリラリー」などのサバイバル・コンディションのラリーでは侮りがたい信頼性を発揮し好成績を収めた。

1981年11月発売の、日本初のAWDオートマティック「レオーネ1.8ℓ4WDオートマチック」では、後輪駆動用のトランスファーに、世界初となる流体式「電磁式油圧多板クラッチ」を採用。日本における乗用AWDメーカーのパイオニアとしての新たなマイルストーンを打ち立て、現在に続くスバルAWDのコア技術を確立した。ボディタイプのマルチバリエーション化はさらに進められ、4ドアセダン、2ドアハードトップ、エステートバンに加え、「スイングバック」と呼ばれる、 スバル としては初の3ドアハッチバックボディが用意された。また、1981年からは輸出専用モデルのピックアップボディを持つ「スバル・ブラット」もモデルチェンジされた(輸出専用)。

時代を反映して、女性ユーザーをターゲットにした「LG(Ladies & Gals)」グレードや、スイングバック「シティカウボーイ」、エステートバン「スキーヤーズ・スペシャル」など、特別仕様車・限定車の投入も多くなっていく。1982年10月には世界初のAWDターボATである「レオーネ4WDターボオートマチック」を発売。またモータースポーツ用ベース車両として「レオーネ4WDRX」を追加し、ラリーに留まらず、国内耐久レースにも出場。この頃から「高速4WD」という記載が見られるようになり、舗装路におけるAWDの可能性を模索し始めている。

[編集] 変遷

  • 1979年6月1日 _ ザ・ニュー・レオーネ シリーズ 発売(4ドアセダン、エステートバン)
  • 1979年7月2日 _ ザ・ニュー・レオーネ 2ドアハードトップ 発売
  • 1979年10月6日 _ ザ・ニュー・レオーネ スイングバックシリーズ、4WDシリーズ発売
  • 1980年4月7日 _ 「第28回サファリラリー」で 平林武/A.カーン 組 レオーネ1.6ℓ SRX(FF) が総合18位 グループ1クラス優勝
  • 1980年10月10日 _ レオーネ1.8ℓ4WD4ドアセダン 特別仕様車「トラッド・ニューヨーカー」発売
  • 1980年11月15日 _ レオーネ1.8ℓ4WDエステートバン 特別仕様車「スキーヤーズ・スペシャル」、1.8ℓ4WDスイングバック特別仕様車「シティカウボーイ」発売
  • 1981年6月2日 _ 新型レオーネ シリーズ 発売(マイナーチェンジ)
  • 1981年7月1日 _ レオーネ 1.8ℓ 4WD ツーリングワゴン 発売
  • 1981年11月1日 _ レオーネ1.8ℓ 4WD オートマチック 発売
  • 1982年9月10日 _ レオーネ1.6ℓ スイングバック LG 発売
  • 1982年10月14日 _ レオーネ1.8ℓ 4ドアセダンツーリングワゴン 4WDターボオートマチックレオーネ4WDRX 発売
  • 1982年4月1日 _ 「第31回サファリラリー」で 高岡祥郎/砂原茂雄 組 レオーネ4WDRX が 総合5位入賞、グループA優勝
  • 1983年7月1日 _ レオーネ1.8ℓターボオートマチック(FF)発売
  • 1983年11月1日 _ レオーネ1.8ℓ4ドアセダンツーリングワゴン4WDターボAT に「ハイトコントロール」機構追加
  • 1984年7月16日 _ オール・ニュー・レオーネ シリーズ 発売(フルモデルチェンジ


[編集] エクステリア

4ドアセダンの基本デザインは、シンプルで直線基調の6ライトのウィンドウ・グラフィックを持ったものになった。全長:4,265mm 全幅:1,620mm 全高:1,410mm ホイールベース:2,450mm(1979年4ドアセダン1.8ℓ4WD)という各寸法は、据え置かれた全長とホイールベースに対し、70mmもの拡幅が目立つ。2ドアハードトップは、4ドアセダンと各ディメンションは共通ながら、前後ウィンドウの傾斜を強め、クォーターピーラーに独立したオペラウィンドウが設けられている。フロント・エプロン、フロント、リヤの樹脂製のオーバーライダー、リヤマッドガード、オーナメントの装着など、、FF4WDモデルの差別化が一層図られたのも特徴。

スバル初の3ドアハッチバック・ボディの「スイングバック」は、1978年3月登場の「三菱・ミラージュ」のヒットに刺激されたもので、4ドアセダンに比べ、全長で270㎜、ホイールベースで80㎜短縮され、車重も50㎏軽くなっている(いずれも1.8ℓ4WD比)。前期型唯一のスポーティモデル「1.6ℓSRX」や新開発の「EA65型」(1,300㏄)搭載の「LG(Ladis&Galsの略、女性仕様車)」グレードをスイングバックに設定し、新しいユーザー層の開拓を狙った。

なお、アメリカでは2ボックスタイプの3ドア・ハッチバックの需要が非常に高く、AA型レオーネ登場後も継続生産され、後継と見られていた1988年の「3ドアクーペ」登場後も、S.O.Aからの強い要望により生産を継続。1990年までカタログ・オンされていた。フロントグリルは4ドアセダンに角型2灯、それ以外の車種に丸型2灯のフロントグリルが与えられる。また、4ドアセダンGTSのみに衝撃吸収バンパーが装備されている。

1981年6月にはマイナーチェンジが行われ、4ドアセダン上級車種が角型4灯のフロントグリルに、また全車種のテールライトの形状が変更された。1981年7月に、「ツーリングワゴン」を追加。「ツーリングワゴン」はエステートバンのBピラー直前からルーフを30㎜嵩上げした2段ルーフを採用し、装備を1.8ℓ4ドアセダン4WD準じたものにし、乗用車登録とし、従来の山間・積雪地需要に加えて、当時のアウトドアブームなどのレジャーブームの一般需要を強く意識した。翌年にはトヨタ・スプリンター・カリブも登場するなど、自動車のレジャー需要は大きくなり始めていたものの、1972年の「レオーネ1400エステートバン4WD」登場以来、すでにアウトドアの分野では、日本唯一の4WD乗用車として幅広い支持を得ていた事や、結局、一過性のブームで終息してしまった事で、本格的な追随者が現れなかった。この日本唯一の「乗用車型4WDステーションワゴン」は、やがて「レガシィ」に引き継がれ、倒産の瀬戸際に立たされた富士重工業の救世主となる。

1982年10月に再度マイナーチェンジ。前後バンパーをウレタン製一体成型のものに変更した。1983年10月のマイナーチェンジで、全車ドアミラー標準装備となった。

[編集] シャシー・サスペンション

シャシーは先代A34型のキャリーオーバーだが、ボディ全幅が70mm拡幅されたことに合わせて、トレッドがフロントが1,315mm、リヤが1,345mm(1979年4ドアセダン1.8ℓ4WD)と、それぞれ55mm、90mmと、特にリヤトレッドの拡大が目立つ。またリヤ・サスペンションはトーションバースプリングを内蔵したクロスメンバーをセンターアームで支え、前後方向に伸びたトレーリングアームとクロスメンバーから伸びた閉断面の強固なビームで構成される高剛性のフルフローティングタイプになったことで、意図的なリヤの挙動変化を抑え、グリップを確保するチューニングに躾けられている。フロントは、スプリング径の拡大、キングピンの中心線とタイヤ中心線を地上面で一致させる「ゼロスクラブ・ジオメトリー」を採用。1983年11月には、4ドアセダンとツーリングワゴン4WDターボ車に「ハイトコントロール」機構を追加。フロント・ストラットにはコイル・スプリングに代えて、それぞれ油圧ジャッキ2本を、またリヤには、クロスメンバーのセンターアーム部に設けられた油圧ジャッキによって、30mmの車高調整を可能にした。このハイトコントロールシステムは、AA型レオーネでは油圧ジャッキをエアスプリングにした「E-PS」(Electro-Pneu matic)サスペンションに進化。荷物積載時も車高を一定に保つ「セルフ・オートレベリング」機能を追加して、BG型レガシィまで「エアサスペンション車」として設定された。

[編集] エンジン

搭載されたエンジンは次の通り

1979年
  • 「EA81型」(水冷4サイクル水平対向4気筒OHV)
ボア×ストローク:92×67mm 1,781cc 圧縮比:8.7
最高出力:100ps/5,600rpm(95ps/5,200rpm※註1)
最大トルク:15.0kg-m/3,600rpm(12.0kg-m/3,200rpm※註1)
  • 「EA71型」(水冷4サイクル水平対向4気筒OHV)
ボア×ストローク:92×60mm 1,595cc 圧縮比:9.0(9.5※註2)
最高出力:87ps/5,600rpm(100ps/6,000rpm※註2)
最大トルク:12.3kg-m/3,600rpm(12.5kg-m/4,400rpm※註2)
  • 「EA65型」(水冷4サイクル水平対向4気筒OHV)
ボア×ストローク:83×60mm 1,294cc 圧縮比:9.0
最高出力:72ps/5,600rpm
最大トルク:10.0kg-m/3,200rpm
  • (※註1→エステートバン)
  • (※註2→スイングバックSRX)
1982年10月追加
  • 「EA81ターボ」(水冷4サイクル水平対向4気筒OHVターボ・電子制御燃料噴射)
ボア×ストローク:92×67mm 1,781cc 圧縮比:7.7
最高出力:120ps/5,200rpm
最大トルク:19.0kg-m/2,400rpm
  • 「EA81ツインキャブ」(水冷4サイクル水平対向4気筒OHV)
ボア×ストローク:92×67mm 1,781cc 圧縮比:9.5
最高出力:110ps/6,000rpm
最大トルク:15.0kg-m/4,000rpm

今回から、エミッション・コントロールには、スバル独自の空気導入式燃焼制御システム=SEEC-Tに代えて、三元触媒EGR(排気ガス還流装置)の組み合わせとなった。排気ガス規制初期には、経年劣化による性能低下が問題だった触媒も、耐久性・信頼性が格段に向上し、こうした後付装置によって規制値をクリアできる見通しが立ったことは、エンジン設計の自由度を拡げ、エンジンの電子制御燃料噴射化とあわせ、ターボ化、DOHC化など、再び日本車の高性能化に拍車をかけた。

新登場の「EA81型」は、「EA71型」のストロークを7mm伸ばしたもの。スバル1000」以来、ひたすら内径(ボア)の拡大によって排気量を拡大してきた「EA」エンジンが、ストローク・アップによる排気量拡大を行ったのは初めてのことである。エステートバンも排気ガス規制に対応。最高出力、最大トルク発生回転数を抑えた専用セッティングとなった。この「ボア92mm」という数字は、全くの新開発となった「EJ」型エンジンでも黄金律のように受け継がれており、興味深いところである。

「EA71」型にも三元触媒EGRが装着され、パワーで5ps、トルクで0.3kg-m向上した(エステートバンは従来と同一)。 「EA65」型は、51年度排気ガス規制クリアの際に、カタログから落とされた「EA64」型(1,200cc)の排気量を拡大したもので、かつてのスバルff-1 1300Gに搭載された「EA62」型(1,267cc)よりボアが1mm大きい。

「EA81ターボ」は、「EA81」型にIHI(石川島播磨重工)製のタービン径50mmの小径ターボを装着したもの。圧縮比を7.7に下げ、スバル量産車初の電子制御燃料噴射を採用。350mmHgの最大過給圧から、ターボ装着により15.0kg-mから19.0kg-mに増強された最大トルクをわずか2,400rpmで発生するセッティングになっている。また、新たにバルブ開閉機構に「ハイドロリック・バルブ・リフター」が採用され、次のAA型レオーネを経て、「レガシィ」では「ハイドロリック・ラッシュ・アジャスター」(H.L.A)に発展。動弁系の確実な作動と静粛性、さらにメンテナンスフリー化に特に留意されているのも、OHVを長く手がけてきたスバルらしい。

「EA81ツインキャブ」は、レオーネ4WDRX用に開発された専用エンジン。ゼニストロンバーグキャブレター2連装に加え、シリンダーヘッド、カムシャフト、エキゾースト・マニフォールド、動弁系配置は標準の「EA81」とは全く違う専用エンジンとなっている。1000rpm上げられたレブリミットと専用レシオが与えられた副変速機によって、前進8段の超クロスミッションとして使用することが可能で、アンダーパワーを補う大きな武器となった。

[編集] レオーネ1.8ℓ4WDオートマチック

日本初のAWDオートマチック車。1981年11月1日発売。一般に国産車初のフルタイムAWDは、1985年マツダ・ファミリア4WDの発売ということになっているが、フルタイムAWDの定義である「センターデフ」の機能をより広義に取れば、この1981年11月の「レオーネ4WDオートマチック」の発売こそ、国産車初のフルタイムAWD機構を備えたクルマであり、実に4年も先駆けていたということになる。シフトレバーのセレクターボタン下に設けられた切替スイッチによって、FFAWDを切り替えるパートタイム方式で、トランスミッション自体も従来のレオーネ用のスバル内製のキャリーオーバーだが、後輪駆動用トランスファーに「MP-T(Multi Plate Transfer)」と呼ばれる電磁式油圧多板クラッチを用いて、タイトコーナーにおける前後内外輪の回転差によって生じるブレーキング現象を吸収する。これは現在もスバルAWDを支える非常に重要な技術で、1986年には、トルクコンバーターのスリップから、専用のコントロール・ユニットで制御する油圧多版クラッチを介し、前後に配分するトルクを予測制御する「ACT-4」に発展し、AA型レオーネGT-II、アルシオーネ2.7VXに搭載。さらにこの油圧多版クラッチを遊星歯車と組み合わせ、通常35:65の前後トルク配分を、走行条件によって50:50までに変化させる、現在のVTD-AWDへ発展した。また、日産の「アテーサET-S」など、国産他社の油圧多板クラッチを用いた4WDシステムはすべて、この「MP-T」からの派生技術である。

[編集] レオーネ1.8ℓ4WDターボオートマチック

世界初のAWDターボオートマチック車。1982年10月発売。すでに1980年登場のアウディ・クワトロで「AWD」+「ターボ」が組み合わされているが、「AWD」+「ターボ」+「オートマチック・トランスミッション」の組み合わせは、 スバル が「世界初」である。また、スバル初の電子制御燃料噴射採用の乗用車でもある。 1983年7月には、FFにも「EA81ターボ」搭載車を設定。

1983年からは、アメリカ仕様にも「ターボ・トラクション(Turbo-Traction)」として、ツーリングワゴン(ステーションワゴン)、ブラットに、1984年には2ドアハードトップにもAWDターボオートマティックが設定され、1984年一杯まで販売された。

[編集] レオーネ1.6ℓSRX

1979年10月、「ザ・ニュー・レオーネ」シリーズに追加されたFFのスポーティ・グレード。先代A3型レオーネRXから引き継がれた、ゼニストロンバーグ・キャブレター2連装の「EA71型」エンジンを搭載。エミッション・コントロールに、触媒・EGRを採用し、最高出力:100ps/6000rpm、最大トルク:12.5kg-m/4400rpmと、先代A3型レオーネRXから5ps、0.2kg-m向上した。レブリミットも500rpm引き上げられている。

870kgという車両重量は先代A3型RXからは25kgの重量増ながら、ホイールベースが75mm短縮されたことや、リヤトレッドの拡大は当時のモータースポーツ関係者の間では歓迎する声が多かった。前期シリーズ中唯一の5速マニュアルトランスミッションと、専用ハードサスペンション、4輪ディスクブレーキを装着。エクステリアは、専用サイドストライプと、ブラックアウトされた前後バンパーが他シリーズとの相違点。1980年からは、ヨーロッパでの販売も開始され、フォルクスワーゲン・ゴルフGTI、フィアット・リトモルノー 5アルピーヌなどの属していたスポーツ・ハッチバック・セグメントで好評をもって迎えられ、日本でよりヨーロッパでの評価が高かった。

1982年9月のマイナーチェンジで、ごく短期間ウレタンバンパー仕様が生産された後、1982年10月のレオーネ4WDRXの登場に伴い廃止された。スバルのサファリラリー初挑戦となった、1980年の「第28回サファリラリー」で平林武/A.カーン組が総合18位で完走。グループ1クラス優勝を果たした。

1982年 レオーネ1.6ℓスイングバックSRX(E-AF2)
全長:3,880mm 全幅:1,610mm 全高:1,365mm ホイールベース:2,380mm
トレッド(前)1,330mm (後)1,345mm 最低地上高:175mm
車両重量:870kg
  • <エンジン>
「EA71」(水冷4サイクル水平対向4気筒・OHV・1595cc)
ゼニストロンバーグ・キャブレター2連装
ボア×ストローク:92×60mm 
最高出力:100ps/6,000rpm
最大トルク:12.5kg-m/4,400rpm
燃料タンク容量:50ℓ
専用5速マニュアルトランスミッション
4輪ディスクブレーキ

[編集] レオーネ4WDRX

1982年10月14日に追加された、スバル・レオーネシリーズのコンペティション・ベース車。「RX」の名を冠したグレードとしては、初のAWD化。開発では、当時のS.M.S.G(スバル・モータースポーツ・グループ)のエースドライバー、高岡祥郎を中心に、実戦で培われたノウハウが多数投入されている。ほぼ受注生産に近い状態で生産され、総生産台数は1000台に満たないといわれている。外観上は、レオーネ4WDシリーズ中唯一の2ドアハードトップ・ボディと、サイドストライプ、前後オーバーライダーの省略、及びFFシリーズと共用のフロント・エプロンで他の4WDシリーズと区別される。

エンジン
水冷4サイクル水平対向4気筒OHV「EA81型」
最高出力:110ps/6000rpm、最大トルク:15.0kg-m/4000rpm
ゼニストロンバーグ・キャブレター2連装
専用カムシャフト、専用シリンダーヘッドシリンダーヘッド(圧縮比8.7→9.5)
専用エキゾーストマニホールド
3,4速をローギヤード化した専用クロスミッション
Loレンジ1.203の専用「デュアルレンジ」(副変速機)レシオ
専用強化サスペンション
フロント:スプリング30%強化、ダンパー減衰力、伸び側70%・縮み側100%強化。、22mmスタビライザー装着
リヤ:伸び側・縮み側50%強化、10mmスタビライザー装着
17.5のクイックレシオステアリング
機械式リヤLSD
強化フロント・ロアアーム
フロント・ベンチレーテッド・ディスク・ブレーキ
13インチ5J 4スポークアルミホイール
175/70HR13 ブリヂストン「ホテンザRE86」装着

「4WDRX」登場による戦闘力の向上は、まず、国内ラリーで清水和夫、遠藤俊明、加藤順一郎ら、S.M.S.Gドライバーによるウィンターラリーにおける好成績で確認された。そして、1983年4月「第31回 サファリラリー」。グループ2規定に従い、ダウンドラフトウェーバーキャブレター2基、足回り、安全装備など最低限の改造を施されたレオーネ4WDRXが、S.M.S.G(スバル・モータースポーツ・グループ)から、高岡祥郎/砂原茂雄 組、高橋嘉信/P.プリングル 組のドライブにより出場。出場85台中、わずか22台完走という、激しいサバイバル・ラリーで、アウディ・クワトロオペル・アスコナ日産240RSなどグループBワークスカーと一歩も引かない戦いを展開して2台とも生還。高岡/砂原組が総合5位、高橋/プリングル組が総合7位に入賞。グループA優勝を飾り、WRCの歴史に「スバル」の名を刻んだ。

なお、グループBの廃止により、初のグループAによる開催となった1987年「第35回サファリラリー」で、カーNo、「1」のレオーネ3ドアクーペ4WDターボRXをドライブしたアリ・バタネンは、この「第31回サファリラリー」のウィナーで、後にこのラリーでの「レオーネ4WDRX」に強烈な印象を受けたと語っている。このサファリスペックのエンジンは、すぐにダウンドラフト・ウェーバー・キャブレター4連装に改められ、最高出力は160ps、1984年の最終スペックでは実に170psを発生していたといわれる。

1983年7月には、スバルAWD初となるサーキットにおける耐久レース「富士1000km耐久レース」に出場。このグループ5レース用車両のベースとなったのは、サファリラリー用スペアカーで、フロントおよびリヤのスポイラー、9.0/20.0-13というスリック・タイヤを収めるために、オーバーフェンダーが追加され、車両重量800kg、140馬力と発表された。ドライバーは清水和夫/板橋徹の2名で、総合26位・Bクラス2,500cc以下TS・GTS・G5・GTX・G5S部門6位に入賞。 また8月の「鈴鹿1000km耐久レース」にも高岡祥郎/清水和夫/中谷明彦ら3名のドライブで出場し、総合14位、Bクラス4位に入賞。ヘアピン区間などのスプリットタイムでは、パワーで実に4倍以上のポルシェ 956に肉薄する区間も確認され、舗装路面におけるAWDの可能性を拡げた。

[編集] トピック

1981年10月からは、輸出専用モデルである「スバル・ブラット」もAB型レオーネボディにモデルチェンジ。このモデルからオセアニア、中東各国にも輸出地域が拡大され、レガシィ登場後の1991年まで生産が続けられた。

発売当時のCMキャラクターは、アメリカのファッションデザイナー、ドン・セヤーズ。1981年のマイナーチェンジに際して、日本人に馴染みの深い原辰徳岩崎宏美を起用した。2人ともスバル360が誕生した1958年生まれである。

香港・米国合作映画『キャノンボール』では、コンピューターシステムを満載し荷台にはジェットエンジンを搭載したスイングバックが登場、ジャッキー・チェンマイケル・ホイが日本人役で登場しジャッキーが運転、マイケルが機器操作を担当した。

北海道小樽市タクシー会社「こだま交通」で、1983年に急坂・大雪対策として初めて同モデルのタクシーが投入された(当然のことながら、全車ガソリンである)。

[編集] 3代目

3代目レオーネ
3代目レオーネ
3代目レオーネバン
3代目レオーネバン

1970年代の「マスキー法」の下での大幅な排気ガス規制の強化、そして中東情勢の緊迫化による2度のオイルショックを経て、廉価で経済性に優れた日本車は世界における地位を一気に確立した。しかし、特にアメリカにおける日本車の台頭は、アメリカの自動車業界に深刻な打撃を与え、相次ぐ工場閉鎖や人員解雇などにより、いわゆる「ジャパン・バッシング」の激化は1980年代初めには最高潮に達し、やがて「日米貿易摩擦」として輸入関税の引き上げなどの対抗措置が講じられる。そして1985年9月の「プラザ合意」以降、円=ドルの為替レートは1年足らずでそれまでの240円から120円台に急騰。日本車は一転して深刻な販売不振に陥り、日本メーカーは深刻な「構造不況」の中で、更なる製造コストの低減と、アメリカ現地への工場進出によるアメリカ社会との共存の道を模索し始める。

富士重工業もいすゞ自動車との共同出資により、1987年、アメリカ・インディアナ州でS.I.Aスバルいすゞ・オートモーティブ)工場を稼動する。しかし深刻な販売不振から工場の稼働率は低迷。巨額の工場建設費と稼動コストは、アメリカにおける深刻な販売不振と併せて富士重工業の経営に深刻な影響を与え、1980年代末、倒産の懸念が公然と報道されるほどの極めて厳しい経営状況へと追い込まれていく。


1984年7月16日、富士重工業は「オール・ニュー・レオーネ」4ドアセダン・シリーズを、また10月25日に「オール・ニュー・レオーネ」ツーリングワゴン、エステートバン・シリーズを発売した。ツーリングワゴン / エステートバンの発売が3ヶ月遅れたのは、運輸省(現:国土交通省)の新型車型式認定の際、発売の遅れた2車種について、事前に提出していた書類上の車両重量より、実際の型式認定検査車両の車両重量が軽量だったため、前後バンパーに重量調整用の鉛を詰め、再検査を故意に逃れようとした事が発覚したためといわれている。

ボディサイズはさらに一回り大型化。カタログには徹底したフラッシュサーフェス化が謳われ、「Cd値=0.35」を大きくアピールしている。先代に設定された「スイングバック」は一代限りで消滅となったが、1985年11月には2ドアボディのリヤに大きなガラス製ハッチを持つ「3ドアクーペ」が追加された。今回もキャリーオーバーとなった「EA型」エンジンは、バルブ作動方式を「スバル1000」以来のOHVからOHCに改めた「EA82型」に進化。特にラリーなどコンペティションの現場では、わずかながらも高出力化、高回転化が可能となったことにより、戦闘力は向上した。

また、すでに1981年11月に事実上「フルタイムAWD」化が完了していたオートマティックに対し、パートタイムAWDに固執してきた「RX」系を、1986年4月の「3ドアクーペRX-II」の発売から、遊星歯車とバキューム・サーボ式のデフロックを用いた「フルタイムAWD」化。

1987年10月には、AWDオートマティック車に4速AT「E-4AT」採用とあわせ、「ACT-4(Active Torque split-4WD」)と呼ばれる、「M-PT」による前後トルク配分を路面状況などに応じて、バリアブルに変化させるシステムへと進化。改めて「フルタイムAWD」と銘打つとともに、現在の「VTD-4WD」への足がかりを築いた。

1980年以来続いてきたWRC「サファリラリー」挑戦も、「グループA」クラス優勝はもはや「レオーネ」の指定席となり、連勝を続けた。特に、1986年限りで「グループB」規定が廃止され、1987年以降は、年間5,000台以上の生産を義務付ける「グループA」に移行してからは、大きく「サファリラリー」における「レオーネ」の功績がクローズアップされるようになった。そして、1988年4月の「STI(スバル・テクニカ・インターナショナル)」設立以降、富士重工業は苦境を打開するため、モータースポーツへの積極的な参加を決定。WRCトップ・コンテンダーの道を歩み始める。

[編集] 変遷

  • 1984年7月16日_「オール・ニュー・レオーネ」4ドアセダン・シリーズ発売
  • 1984年10月25日_「オール・ニュー・レオーネ」ツーリングワゴン、エステートバン・シリーズ発売
  • 1985年11月1日_「レオーネ3ドアクーペ」シリーズ発売。レオーネ・シリーズ一部改良
  • 1985年11月21日_「レオーネ」シリーズ一部改良、車種追加
  • 1986年4月21日_「レオーネ3ドアクーペRX-II」発売
  • 1986年10月4日_「レオーネ」シリーズ一部改良
  • 1987年7月1日_乗用4WD発売15周年記念特別仕様車「レオーネ・ツーリングワゴン・クインディッチII」発売
  • 1987年10月17日_「レオーネ」シリーズ一部改良
  • 1988年2月1日_スバル発売30周年記念車「レオーネ・マイア」発売
  • 1991年3月1日_「レオーネ・マイア」、「マイアII」発売

[編集] エクステリア

全長:4,370mm、全幅:1,660mm、全高:1,425mm、ホイールベース:2,465mm(1984年レオーネ4WDターボRX)、という外寸は、全長で+85mm、全幅で+40mm、全高で+15mm、ホイールベースで+15mmの拡大で、当時のライバルのサイズ拡大に対応した標準的なサイズで、平面と直線を基調としたものになった。

ウィンドウ類のモールは段差が平滑化され、ボンネット後端を跳ね上げて、フロントウィンドウから車両後方へスムースに空気を流す、いわゆるセミ・コンシールドタイプのワイパーが採用されるなど、空力には特に注意が払われ、Cd値=0.35が大きく謳われている。ボディ裏面のウレタン塗装、閉断面部への防錆ワックスの封入など、ボディのロングライフ化が進められた。

1985年11月のマイナーチェンジで、フロント・ドアパネル固定だったドアミラーを、フロントサイドガラス前方に追加されたガセットに固定するタイプに変更。下級グレードのハーフキャップの意匠を変更。GT、GRにサンルーフ装着車を設定。「3ドアクーペ」シリーズを発売。

「3ドアクーペ」は全長、全幅、ホイールベースのディメンションはそのままに、全高をセダンと比較して15mm下げ、リヤに広いグラスエリアを持つガラスハッチを追加したもの。車重はセダンRX-IIの1090kgに対し、1110kgと、20kg増加している。 「3ドアクーペ」の追加は、モータースポーツにおける空力特性と、前後重量バランスの改善、また、アメリカ市場における、従来「スイングバック」が担ってきた、いわゆる「セクレタリーカー」需要に対応したものだといわれている。

[編集] エンジン

エンジンは新登場の「EA82」型、そして1,600ccの「EA71」型のシンプルなエンジン構成になった。先代でストロークを延長して、トヨタ・コロナ日産・ブルーバードといった同セグメントのライバルのボリューム・ゾーンである1,800ccに排気量を拡大した「EA81」型は、今回のモデルチェンジで、ついに「スバル1000」以来受け継いできたOHVのバルブ作動方式をロッカーアームの無い直動式2カムOHC(片バンクあたりSOHC)に改めた「EA82」型となった。シリンダーヘッドは全面新設計のものになったが、カウンターフローのバルブ配置、サイドプラグ方式は不変。またシリンダーブロックの変更も最小限に留められたため、オイルポンプ、ウオーターポンプの配置も不変。そのためタイミングベルトは左右独立で設けられ、特にウオーターポンプを下へ大きく迂回する取り回しを強いられた左側は、フリクション等エンジンの効率面で明らかに無理があり、さらに、完全なクローズド・デッキにもオープン・デッキにもすることが困難なことは、エンジン性能の向上の制約となった。とはいえ、SOHC化によって可能になった、わずかながらの高回転化は、少なくとも国際ラリーなどのコンペティションレベルでの最高出力、スピードの向上につながったことは事実で、ダウンドラフト・ウェーバー・キャブレターを4連装した先代レオーネ4WDRXグループA仕様の160psから、200psの最高出力と、240km/hのトップスピードが可能になったといわれている。

こういった「EA」型エンジンの無理な延命策は、新エンジン投入に際して、一般的な直列型とするか、水平対向を踏襲するのかについての議論がなかなか収斂しなかったためといわれている。1987年「第27回東京モーターショー」には、補機類配置など細部が異なるものの、外観は後の「EJ」型に極めて酷似した2.0ℓ水平対向4気筒16バルブエンジンが参考出品され、この時期には、次期「EJ」型の投入が決まっていたものと思われるが、当時、激化する「日米貿易摩擦」の中で、直列型を選択することによるコストの低廉化か、水平対向エンジン継続によるスバルとしての個性を取るのかの決定は難しいものだったといえるだろう。

[編集] トランスミッション

1984年の登場の際に用意されたトランスミッションは、3速フルロックアップオートマティックと、5速マニュアルトランスミッションで、ついにマニュアルトランスミッションがすべて5速化された。4WDシリーズでは、4WDターボRXのマニュアルトランスミッションのみ「デュアルレンジ」(副変速機)付きとされ、前進10段の超クロスミッションとなった。

1986年4月に「3ドアクーペRX-II」を発売。遊星歯車を用いたセンターデフにバキューム・サーボ式のデフロック機構を持つフルタイムAWDマニュアル・トランスミッションで、副変速機「デュアルレンジ」を備え、前進10段の超クロスミッションとして使用できる点は同じ。

1986年10月には、レオーネ・シリーズのマイナーチェンジに伴い、「4ドアセダン4WDターボRX」も「3ドアクーペRX-II」と同じセンターデフ機構によりフルタイムAWD化され、「4ドアセダン4WDターボRX-II」となった。同時に、当時のレオーネシリーズのフラッグシップでだった「GT」グレードにも、「フルタイム4WD」を名乗らせるために、5速マニュアルの「GT-II」が新たに設定され、従来の「MP-T」3速オートマティック・トランスミッション搭載の「GT」は「フルタイム4WD」を名乗らず、一時的に区別されることになった。

1987年10月のマイナーチェンジで、ついに従来の「MP-T」を進化させ、前後トルク配分を予測制御する「ACT-4」が登場。併せてオートマティック・トランスミッションが4速化され「E-4AT」となり、「GT」グレードをMT・ATとも「GT-II」に一本化。晴れて「フルタイム4WD」を名乗るようになった。FFシリーズでは、1.8ℓの最上級グレード「GR」のみ「E-4AT」が搭載された。1.8ℓNAの「ST」と4ドアセダンの「LG」グレードのマニュアル車にもセンターデフ付きフルタイム4WDが設定され、それぞれ「ST-II」「LG-II」と呼ばれる。「GT-II」以外のオートマティック車には、従来通り「MP-T」3速オートマティック・トランスミッションが搭載され、こちらはパートタイム4WD。 さらに、マニュアル5速パートタイムAWDも従来通り設定され、非常に多くのバリエーションを揃えることになった。

[編集] トピック

エステートバンはいすゞ自動車OEM供給された。車名はジェミネットII)の3タイプであった。 1989年レガシィの登場により、1600ccエンジン搭載車(マイアシリーズ)のみに整理。1600ccにもかかわらず120万円を切る価格で売られたことからそこそこの販売量があった。 2代目で初めて4WDタクシーを投入したこだま交通では、「やはりタクシーはLPGでなければ」と、富士重工側を説得して、共同で1800ccの4WDLPG車を開発、1985年に投入した。 北海道警察では地域課のパトカーにレオーネバンを使用、2003年頃まで全道の駐在所や交番などでその姿が見られた。

[編集] ニッサンADバン OEM車 時代 (1994年-2001年)

1992年に後継となるインプレッサの登場により生産中止となった。その後は、日産自動車ADバンOEM供給を受けレオーネバンとして販売。1999年にはADバンのモデルチェンジにあわせフルモデルチェンジし2001年まで販売された。

[編集] スバル・ブラット

1977年10月に登場したレオーネベースのピックアップ・トラック。輸出専用車種で、国内販売は行われていない。「BRAT」は、Bi-drive Recreational All-terrain Transporter の頭文字に由来する。呼称はアメリカ向けの「BRAT(ブラット)」以外にも、「MV(Multi-purpose Vehicle)」、「シフター(shifter)」、「ブランビー(Brumby)」、「スポーツ(Sport)」、「スバル・ピックアップ」など、出荷地域、年式により変化する。また、エンジンのスペックについても、出荷地域、年式によりカタログの記載もまちまちで、ガソリンのオクタン価、法律などで、仕様は変更されている。

パートタイムAWDマニュアル・トランスミッションが大半だが、1983年1984年にかけて生産された「EA81ターボ」エンジン搭載車のみ「MP-T」3速オートマティック・トランスミッションの設定がある。「EA81ターボ」搭載車は「ターボ・トラクション・ブラット(Turbo Traction Brat)」と呼ばれる。

初代はA3系レオーネのボディで1977年から1981年まで生産され、1981年10月から、AB系レオーネボディにモデルチェンジ。レガシィ登場後の1991年まで生産された。

発売当時、他の日本製ミニ・ピックアップにはAWDがラインナップされておらず、アメリカ製AWDピックアップと比べても非常に割安でスタイリッシュだったことから、たちまちスバルアメリカ市場における販売の柱の地位を確立した。

1970年代末からの日本製ミニ・ピックアップのAWD化のきっかけを作ったクルマともいえる。

[編集] 概要

富士重工業の対米輸出は、1968年2月のアメリカ現地法人、S.O.A(スバル・オブ・アメリカ)設立以来、スバル360スバルff-1の投入をを経て、レオーネの投入で、販売は好調に伸び、1975年からは乗用車ベースAWDステーションワゴンも投入され、乗用車の居住性と優れた悪路踏破性は発売と同時に話題となり、「スバル」のアメリカにおける認知度はさらに高まった。

もともとアメリカでは、業務用に限らず、レジャー用としてもピックアップ・トラックに幅広い需要があり、日本車の輸入が本格化した1970年代に入ると、日本製の、リル・ハスラー(Li'l Hustler:ダットサン・トラック)トヨタ・トラック(トヨタ・ハイラックス)、シェービー・ラブ(いすゞ・ファスターロデオ )などの「ミニ・ピックアップ・トラック」が好調な販売を記録していた。

こうした中、S.O.Aからの富士重工業に対する「スバル・ピックアップ」を望む声は当初からあったものの、アメリカでは「ピックアップ・トラック」などの軽トラック(LDT:Light Duty Truck)に、25%という破格の高関税を課しており、フレーム付きの日本製「ミニ・ピックアップ・トラック」は、ボディをキャブ部分のみの架装に留め、荷台は現地で組み付けるという、「キャブ付きシャシー」という「裏技」で部品扱いで輸出され、この高関税を回避していた。

しかしスバルはフルモノコック・ボディであり、こうした「ボディ分割」方法が取れない。アメリカ政府との度重なる折衝の末、「ピックアップ」と名乗らず、荷台に固定のシートを2脚取り付けることで、4人乗りの「乗用車」として輸入を認められ、1977年10月から、「ブラット」という専用名称が与えられ、アメリカへの輸出が始まった。

1978年からは、イギリスを中心に、「スバル MV」という輸出名でヨーロッパへの輸出も開始された。もちろん、アメリカ仕様以外は、荷台のシートは装着されない。

1985年からは、アジア・オセアニア地域の需要に対応して、オーストラリアを中心に「ブランビー(Brumby)」として輸出が開始された。また、イスラエルなど中東諸国にも「スバル・ピックアップ(Subaru Pickup)」として1986年から輸出された。 アメリカでのカタログ落ち後も、ヨーロッパ、アジア・オセアニア・中東には輸出が継続され、1990年まで、AB型レオーネのボディのまま生産された。

[編集] 主要諸元

1981年 スバル・シフター(ブラット)英国仕様
  • 寸法・重量
全長:164.8ins(4,185mm) 全幅:61.4ins(1,550mm) 全高:57.1ins(1,450mm) 
ホイールベース:96.3ins(2,445mm)
トレッド(前)50.2ins(1,275mm) (後)49.6ins(1,260mm) 最低地上高:7.9ins(200mm)
車両重量:1984lbs(900kg)
荷台寸法:61.6×47.2ins (1,565×1,200mm)
最大積載量:882 lbs(400kg)
荷台高:24ins (609mm)
  • エンジン
水冷水平対向4気筒4サイクル OHV 「EA81」型
ボア×ストローク:3.62×2.64in(92.0mm×67.0mm)
圧縮比:8.7
最高出力:79bhp
最大トルク:97.6 lb ft/2400rpm (13.5kgf・m)
1990年 スバル4WD MV(ブラット) 英国仕様
  • 寸法・重量
全長:171.5ins(4,355mm) 全幅:64.4ins(1,635mm) 全高:56.9ins(1,445mm) 
ホイールベース:96.1ins(2,440mm)
トレッド(前)52.0ins(1,320mm) (後)52.6ins(1,335mm) 最低地上高:8.5ins(216mm)
車両重量:2,149lbs(975kg)
  • エンジン
水冷水平対向4気筒4サイクル OHV 「EA81」型
ボア×ストローク:3.62×2.64in(92.0mm×67.0mm)
圧縮比:9.2
最高出力:60kw(82ps)/5,200rpm
最大トルク:132N・m(13.5kg-m)/3,200rpm
  • 駆動方式:AWD(デュアルレンジ:副変速機付き)

[編集] ボディ

初代スバル・ブラットのベースとなったのは、A3型レオーネ2ドアセダンで、Aピラー以前と両サイドのドアは共通だが、サイドガラス、およびそれ以外のボディ外装プレス部品は専用となり、ボディパネルの約6割は専用部品といわれている。

アメリカ向けは、ルーフ・スポイラー、「キャンパーズ・トップ(Camper's Top)」と呼ばれる荷台全体を覆うFRP製ルーフのほか、スタイルを壊さずに荷台を覆う鍵付きのFRP製リッドにリヤウィンドウ・ルーバー、Hiタイプ、Loタイプが用意されたロールバー、電動ウィンチを備え付けた専用フロント・バンパーなど豊富なオプションが用意され興味深い。

また、アメリカ向けには「GL」、「DL」の2種類のグレードを用意。「GL」には4灯フロントグリルの他、ホイールアーチ・モールディング、8スポーク13インチホワイト塗装スチールホイールが標準装備となる。A3型レオーネボディでは最終となる1981年には、「GL」「DL」ともに2灯フロントグリルのみの設定となった。

1981年10月にAB型レオーネボディにモデルチェンジ。(販売は'82年モデルから)2代目の特徴は、AB型レオーネ2ドアハードトップをベースとしているため幅広のドアとなり、室内スペースが拡大され、また、傾斜したフロントウィンドウによって、さらに流麗なスタイルになったことである。また、AB型レオーネでは唯一、「ハロー・ツイン・ルーフ(halo Twin Roof)」と呼ばれるガラス製Tバールーフも設定され、発売と同時にブームといえるほどの売れ行きを記録した。

余談だが、1982年田宮模型より発売された1/10スケールRC(ラジオ・コントロールカー)スバル・ブラット」は、この2代目「スバル・ブラット」のアメリカ市場における「ブーム」によって、急遽商品化が決定されたといわれている。

アメリカ仕様には、ドア後部の下に「4WD」のレターマークの入ったフタ付きの「足踏み」が追加されている。また従来通り、オプションも豊富に用意され、フロントグリルの六連星マーク裏に格納されるフォグランプなど、遊び心に溢れたものもあり興味深い。

1983年からは、4灯フロントグリル、前後バンパーをウレタン一体成型バンパーに変更。1983年アメリカ向けに追加された「EA81ターボ」搭載車は「あおり」に「SUBARU-TURBO」のオーナメントが追加され、プロテクター・モールがゴールドになる程度で、外装に大きな変更はない。

1984年以降は、フロントグリルをハニカム・グリルに変更。アメリカ仕様は「GL」のシングルグレードのみとなり、1988年のカタログ落ちまで大きな変更は加えられなかった。一方、ヨーロッパ、アジア・オセアニア、中東向けは、アメリカ仕様ほどRV的な性格は与えられず、1991年までは、日本のAB型レオーネの後期型の1.6ℓモデル仕様の角型2灯フロントグリルの質素なボディで、1991年オーストラリア向けカタログで角型4灯フロントグリルと「ブランビー」の上級版である「スポーツ(Sport)」にツイン・ルーフ装着車が紹介されているものの、すでにレガシィ登場後だっただけに、現地でこの仕様を見つけるのはかなり難しい。

[編集] インテリア

1977年の登場から、アメリカ向け「ブラット」は「GL」「DL」の2グレード展開とされ、「GL」にはタコメーター、AM/FMラジオ、時計が標準装備となる。

ちなみに、ブラット以外のレオーネの他の車種がすべてAB型レオーネボディに切り替わった1980年版のアメリカ、およびヨーロッパ向けカタログには、A3型レオーネボディのままのブラットの写真に”「GL」に「デュアルレンジ」の設定がある”との記載がある。(1981年の英国向けブラット「シフター(Shifter)」のパンフレットには「デュアルレンジ」の記載はない)

A3型ブラットはアメリカ・ヨーロッパ仕様は、シンプルな2眼メーターの標準ダッシュボードで、アメリカ仕様は1980年から「GL」にサイド部分をビニール・レザー、センター部分がタータンチェック布張りのシートを採用。

A3型「MV」(ヨーロッパ仕様)は、基本的に実用車としての性格付けとなっており、ヴィヴィッドなボディ・カラーや豊富なオプションは用意されず、アメリカ仕様の「DL」をさらにシンプルにした仕様となっている。

1981年10月に、AB型レオーネボディにモデルチェンジ。

アメリカ向けブラットは、「GL」に、タコメーター、スピードメーター、デジタル・クロック、インジケーターを収める日本仕様でいわゆる「ツーリングタイプ・メーターパネル」にチルト・ステアリングが標準。「DL」では、スピードメーター、インジケーターのみのシンプルな標準メーターパネルを採用。「GL」にAM/FMラジオ、4スポーク・ステアリング・ホイール、「DL」にAMラジオ、2スポーク・ステアリング・ホイールが標準。シートは、形状が他のレオーネシリーズがバックレスト/ヘッドレスト分離型になったのに対し、引き続きバックレスト/ヘッドレスト一体型で、「GL」がビニール・レザー/タータンチェック布地の組み合わせ、「DL」がビニール・レザー/ビニール・レザー・チェック生地となった。また、内装色は「GL」がグレイ内装、「DL」がベージュ内装となっている。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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