伊勢孝夫

伊勢孝夫（いせたかお、1944年 12月18日 - ）は、日本の元プロ野球選手。右投げ右打ち。ポジションは一塁手。愛称は「伊勢大明神」。

[編集] 来歴・人物

兵庫県出身。三田学園高校卒業後の1963年に近鉄バファローズに入団。1971年には自己最多となる28本塁打を放ち、その勝負強い打撃から「伊勢大明神」と呼ばれたが、1977年交換トレードでヤクルトスワローズに移籍。1980年に現役引退。引退後はヤクルト、広島東洋カープの打撃コーチを歴任。ヤクルト打撃コーチ時代には野村克也監督の下、3度のリーグ優勝、2度の日本一に貢献した。1996年、佐々木恭介監督に請われ大阪近鉄バファローズのヘッド兼打撃コーチに就任。特に2001年は、12年ぶりのリーグ優勝に貢献した。2002年からは近鉄の編成本部長を務め、2005年は合併したオリックス・バファローズの調査担当に就任したが、2006年からはヤクルト時代に培ったデータ分析の腕を買われ、読売ジャイアンツのスコアラーに就任。2007年からは読売ジャイアンツの打撃コーチ補佐を務めることになった。

近鉄在籍時の1969年 5月18日、対阪急戦でジェームス・ジムタイルがホームランを放ったが、両足に故障を抱えていたジムタイルが1塁に到達する前に肉離れを起こしてしまい、審判団が走行困難とみて、代走の起用を認めた。その代走に伊勢が起用され、伊勢がベンチから打席に向かい、そこからダイヤモンドを一周した。その結果、ホームランはジムタイルに記録されるものの伊勢に得点1が記録された（なお、この年のジムタイルは本塁打8、得点7という珍記録を残している）。ホームランの代走が認められた日本プロ野球第1号選手である（2例目は中日・山口幸司、1991年 6月18日の対大洋戦での彦野利勝の代走）。
ヤクルトコーチ時代の1992年、前半戦にスランプに陥ったジャック・ハウエルをオールスター期間中につきっきりで指導して後半戦の大爆発につなげたり、近鉄コーチ時代はタフィ・ローズの相談相手になっていた。外国人選手のプライドを傷つけずに、かつ的確な指導をすることに定評がある。

年度	チーム	試合	打数	得点	安打	二塁打	三塁打	本塁打	打点	盗塁	犠打	犠飛	四死球	三振	打率（順位）
1967年	近鉄	27	32	0	3	1	0	0	0	0	0	0	0	12	.094
1968年	近鉄	98	188	16	48	7	2	1	14	8	1	1	10	36	.255
1969年	近鉄	105	280	32	73	8	2	16	53	2	4	1	23	32	.261
1970年	近鉄	100	269	19	64	13	2	4	26	5	8	1	13	50	.238
1971年	近鉄	112	365	49	84	7	1	28	64	8	0	4	31	47	.230
1972年	近鉄	117	374	48	96	18	0	14	48	10	8	2	27	39	.257（24）
1973年	近鉄	93	238	32	63	12	1	7	23	3	1	1	15	36	.265
1974年	近鉄	74	81	11	15	2	0	4	10	0	0	1	10	18	.185
1975年	近鉄	78	217	28	61	7	2	7	30	1	5	1	18	26	.281
1976年	近鉄	66	113	11	23	1	0	5	13	0	0	0	9	27	.204
1977年	ヤクルト	58	66	2	18	1	0	1	11	1	0	0	1	16	.273
1978年	ヤクルト	73	61	4	16	0	0	2	16	0	0	0	12	6	.262
1979年	ヤクルト	35	35	2	5	0	0	1	5	0	0	0	1	9	.143
1980年	ヤクルト	6	6	0	1	0	0	0	0	0	0	0	0	3	.167
通算成績	---	1042	2325	254	570	77	10	90	313	38	27	12	170	357	.245