奈良駅
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奈良駅(ならえき)は、奈良県奈良市三条本町1番地にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅。
近畿日本鉄道(近鉄)奈良線の近鉄奈良駅も奈良駅と通称される。近鉄奈良駅はJR奈良駅から東方の直線距離にして約900mほど離れた場所にある。
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[編集] 利用可能な鉄道路線
[編集] 備考
この他、早朝深夜に限り、片町線(学研都市線)の列車が当駅まで乗り入れる。しかし、入出庫を兼ねてのものに過ぎないため、ごく僅かしか当駅には乗り入れない。
県庁所在地のJR線のターミナル駅でありながら、発着列車は「やまとじライナー」・「大和路快速」・「みやこ路快速」・快速・区間快速・普通列車のみで、2006年に急行「かすが」が廃止されて以降、特急などの乗車券の他、別料金が必要な優等列車の発着はない。これは奈良県・三重県一帯においては、大正時代以降に高規格線を敷設して優等列車を頻発運行していた大軌・参急~近鉄の影響力が強く、特に戦後になるとこの地域における国鉄の意義が希薄になる状況となった事が、背景にあるといえる(近鉄特急史も参照)。
[編集] 駅構造
島式3面6線のホーム(うち1面2線は閉鎖のため、2面4線のみ現存)に加えて東側に桜井線の仮設ホームが1面ある。
改札口は東西2箇所あり東口は地上、西口は橋上にある。
なお、2007年現在高架化工事中である。
2003年9月6日まで使われていた駅舎は1934年(昭和9年)完成の方形屋根に相輪を持つ寺院風の洋風建築で、高架化に伴い取り壊される予定であったが、市民の運動などにより保存されることとなった(写真=2007年撮影=参照)。
2010年の平城京遷都1300年を目処に奈良駅の高架化、周辺土地区画整理(シルクロードタウン)や3箇所の高架橋道路の平坦化、構内トイレの設置を目指し、駅舎・道路共に工事が進んでいる。
※2005年9月11日以降の発着が旧線ホームの3,4,5,6番線から仮線ホームの2,3,4番線に変更されていたが、2006年6月25日から3面5線に戻っている。
1 | ■桜井線 | 天理・三輪・桜井方面 ※但しごく一部は3番線から発車する |
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■大和路線(下り) | 法隆寺・王寺・天王寺・JR難波・大阪方面 | |
2・3 | ■大和路線(下り) | 法隆寺・王寺・天王寺・JR難波・大阪方面 |
■奈良線直通 | 木津・宇治・京都方面 | |
■学研都市線直通 | 松井山手・四条畷方面(早朝のみ運転・3番線から) | |
4・5 | ■大和路線(上り) | 木津・加茂・(加茂乗換)伊賀上野・亀山方面 ※但し早朝の奈良始発列車は一部3番線から発車する |
■奈良線直通 | 木津・宇治・京都方面 |
- ※時間帯などにより発着番線が変動するので参考程度に留められたい。JR西日本お出かけネットの駅情報「奈良駅」も参照のこと。
[編集] 高速バス路線
- ドリーム奈良号/青春ドリーム京都・奈良号(西日本JRバス・JRバス関東)
- やまと号(奈良交通・ケイビーバス)
- 奈良駅・近鉄奈良駅・天理駅⇔新宿高速バスターミナル・新宿京王プラザホテル
- やまと号(奈良交通・京成バス)
- やまと号(奈良交通・湘南神奈交バス)
(天理駅) - 近鉄奈良駅 - JR奈良駅 - 新大宮駅 - 奈良市庁前 - 阪奈菅原 - 阪奈宝来 - (学園前駅) - (藤の木台四丁目) - 第二阪奈生駒 - 大阪(天王寺) - 小鳴門橋 - 鳴門駅 - 松茂 - 徳島駅前
[編集] 駅周辺
奈良市の目抜き通りである三条通りの西端に位置する。春日大社参道の始点であり、参道入口を示す常夜灯が駅前広場に立つ。三条通りは歴史ある地元向け老舗店と観光客向けの土産店などが混在するが、近年は全国チェーンのレストラン、カフェ等も増えた。奈良市街地の中心である。
寺社の建ち並ぶ観光地である奈良公園へは、駅を東へ、三条通り商店街を徒歩(約15分)で進むか、奈良交通の市内循環バスを利用することになる。北側は古くからの市街地。さらに行くと奈良テレビ放送や鴻池運動公園があるが、やはりバス移動となる。
西側はマンション街であり、一線を画している。奈良市庁舎を含む新都心地域の方向だが、徒歩にはやや遠い(近鉄新大宮駅を利用)。今後の高架新駅建設を見込んでホテルやショッピングモールもすでに稼働中である。
- 奈良公園(春日大社、興福寺、東大寺)・・バス利用
- ならまち・・バス利用
- 奈良きたまち・・バス利用
- 奈良新聞社
- 奈良交通本社
- 農協会館
- 奈良県総合庁舎
- 奈良市生涯学習センター
- 奈良理容美容専門学校
- 奈良調理短期大学校・若羽調理専門学校
- 奈良ワシントンホテルプラザ
- ホテルフジタ奈良
- 開化天皇稜
- ライブハウスネバーランド
- 奈良県立大学
- 南都銀行JR奈良駅前支店
駅西側
[編集] 歴史
- 1890年12月27日 大阪鉄道(現在の大和路線)の駅として開業。
- 1896年4月18日 奈良鉄道(現在の奈良線)の木津~奈良間が開通。
- 1899年10月14日 奈良鉄道(現在の桜井線)の奈良~京終間が開通。
- 1899年5月21日 関西鉄道(現在の関西本線)の大仏(廃駅)~奈良間が開業。
- 1900年6月6日 大阪鉄道を関西鉄道が買収、同社の駅となる。
- 1905年2月7日 奈良鉄道を関西鉄道が合併。
- 1907年8月21日 関西鉄道、加茂~大仏~奈良間を廃止。
- 1907年10月1日 関西鉄道を国有化。
- 1934年 寺院風の駅舎完成。
- 大正時代(正確な時期不明) 大改修がなされる。
- 1987年4月1日 国鉄分割民営化によりJR西日本の駅となる。
- 2003年9月7日 高架化工事のため仮駅舎に移転。
- 2006年7月7日 #JR奈良駅構内遺跡の存在が発表される。
[編集] JR奈良駅構内遺跡
高架化工事の途中の2006年、旧駅ホームの下から謎の遺構物が発見される。奈良は歴史的遺構物(遺跡などの出土物)が多いこともあり、すぐに奈良県立橿原考古学研究所が動き出す。発掘の結果、明治時代の転車台が出土した。しかしこの転車台の記録はJR西日本には無く、謎の転車台である。ただ時期から見て、開業から大正時代の大改修の頃までに使われたものと思われる。ちなみに奈良駅には奈良機関区(のち奈良気動車区)のある基幹駅であることから1970年頃まで転車台はあった。
発掘された転車台は工事のため、保存せず撤去することとなった。一部のレンガなどは同研究所附属博物館が保存し、展示会にも展示された。
[編集] その他
第3回近畿の駅百選選定駅。
旧駅舎のホールにはサモトラケのニケのレプリカ像が飾られている。
近鉄線に比べて大阪方面へは運賃や本数の面でやや劣り、地元住民のこの駅の利用率は高くない。但し、JR線を用いると天王寺や梅田に直通できることから、勤務先や乗り換えの目的などで使い分けることができる。
むろん、関西本線そのものは近鉄線とルートが異なるため、沿線住民の大阪への重要な通勤路線である事に変わりはない。
また京都方面は木津駅以遠が長らく単線で優等列車もなく、近鉄京都線に比べこちらも本数面で劣っているが、2001年にみやこ路快速が運転を開始し、巻き返しをはかっている。
いわゆる県庁所在地最寄り駅であるため、京都駅~白浜駅間運行の「しらはま」や名古屋駅~東和歌山駅(現在の和歌山駅)間を運行した「あすか」の停車駅でもあった。
[編集] 隣の駅
- 桜井線
- 区間快速・普通
- 奈良駅 - 京終駅
- 区間快速・普通
- ■奈良線直通
- みやこ路快速・快速
- 木津駅 - 奈良駅
- 区間快速・普通
- 平城山駅 - 奈良駅
- みやこ路快速・快速
- ■片町線(学研都市線)直通(早朝・深夜のみ運転)
- 快速・区間快速
- 平城山駅 - 奈良駅
- 快速・区間快速