宇野自動車
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種類 | 株式会社 |
市場情報 | 非上場 |
略称 | 宇野バス |
本社所在地 | 700-0822 岡山県岡山市表町二丁目3番18号 |
電話番号 | 086-225-5311 |
設立 | 1941年(昭和16年)4月1日 |
業種 | 陸運業 |
事業内容 | 乗合バス事業 |
代表者 | 代表取締役社長 宇野泰正 |
資本金 | 1億1,000万円(2006年3月31日現在) |
売上高 | 9億7,800万円(2006年3月期実績) |
従業員数 | 73人(2006年3月31日現在) |
決算期 | 毎年3月31日 |
主要子会社 | 宇野不動産(100%出資) |
外部リンク | www.unobus.co.jp/ |
宇野自動車(通称 宇野バス)は、岡山県東部をエリアとするバス会社である。かつては、県北部の津山市や旧柵原町(現在の美咲町)・奈義町・旧勝田町(現在の美作市勝田地区)方面にも路線を持っていたが、現在は他のバス事業者に運行を移管している。社名は玉野市の宇野(地名)ではなく、創業者(宇野三郎)の姓に由来している。本社は岡山県岡山市表町二丁目3番18号。
目次 |
[編集] 概要
バスはすべて三菱ふそう製で、前後の屋根上に取り付けられた5つの橙色マーカーランプが特徴。これは車体塗色がグレーやこげ茶色で暗くなると見えないため目印にするためだとされる。また、2段式の窓サッシは中央の桟が乗客の視線に来ないよう、下側の窓を大きく取った特注品を使用している。
岡山県共通バスカードが使用できる。
岡山県においては鉄道事業出身のバス事業者が多い中で、宇野バスは一般乗合路線バス専業の会社である。創業以来、岡山市から国道2号線沿線の備前市方面へ向かう中長距離路線で高い収益を上げてきた。国鉄赤穂線の開業で乗客が減少したが、その頃から県道27号線沿いの美作線沿線で大規模な住宅団地の開発が始まり、人口が爆発的に増えたことで、今度は美作線が高い収益を上げるようになった。経営状態は極めて良好で、1970~80年代に岡山県のバス業者で多発した労使紛争も一切起きず、他社がストライキで麻痺状態になっても宇野バスだけは定時運行を続け「ストの起きない宇野バス」と評価された。
また、かつては車両の使用年数が短かかったため、日本交通 (鳥取)(日交バス)、下津井電鉄(下電バス)、備北バス、広島電鉄(広電バス)、瀬戸内運輸(せとうちバス)、土佐電気鉄道(土電バス)などに中古車として売却されていた(上記の通り、特注の窓を使用しているため見分けが付きやすい)。
現在保有するバスは全てツーステップタイプのバスで、小径タイヤへの交換とギヤ比の変更により低床化改造を行っている。
最近は新車の導入を控えている。これは、現在交通バリアフリー法で新車の路線バス用車両を導入する場合、ワンステップ・ノンステップ車しか導入出来なくなっているが、宇野バスでは座席数を確保することを重視しており、座席数に限りがあるワンステップ・ノンステップ車は着席サービス低下となる、という考え方から導入していない。
[編集] 歴史
- 1918年3月:岡山県和気郡香登村字香登本(現・備前市香登本)在住の宇野三郎が、岡山県で最初のバス事業者として創業。
- 1936年:片上~日生間運行開始。
- 1941年4月1日:宇野自動車株式会社設立。
- 1955年:日生~日生駅間運行開始。
- 1964年5月1日:日生駅~寒河間運行開始。
- 1998年7月31日:岡山市内の競合路線の運賃値下げ(他社競合路線の最低運賃:150円)
- 1999年12月14日:バス停の増設(中国銀行本店前、番町口、植物園口)
- 1999年12月14日:岡山駅~表町バスセンター間の運賃を150円から100円に値下げ
- 1999年12月14日:岡山市内の競合路線の運賃値下げ(通常140円、一部区間100円・120円)
- 2000年5月20日:中国銀行本店西バス停(岡山駅・弓之町→表町バスセンター行きのみ)を設置
- 2000年9月1日:深夜バス(表町バスセンター→岡山駅→山陽団地中→ネオポリス西9丁目)を運行開始
- 2000年12月11日:公共車両優先システム(PTPS)を導入(国道250号上道北方~古京間の主要交差点)
- 2001年2月1日:バス優先レーン運用開始(岡山市長岡・長岡西バス停→岡山市国富・国富交差点)
- 2001年2月1日:四御神線・国道2号線の岡山駅前行きについて、岡山駅構内乗り入れ開始
- 2002年7月12日:美作線・東岡山線の富田町バス停を休止し、柳川交差点経由に変更
- 2003年1月20日:表町バスセンター→岡山駅→ネオポリス西9丁目の直行バスを開始
- 2003年3月20日:作陽短大岡山キャンパス閉鎖に伴い、東岡山~作陽短大間の運行を休止
- 2004年8月17日:ダイヤ改正により、山陽団地中経由湯郷温泉・林野駅行きが新設される
- 2005年2月2日:四御神車庫にバス停設置
- 2005年3月28日:バスロケーションシステム(バス接近表示システム)の運用開始
- 2006年8月25日:赤磐市穂崎に駐車場が完成。パーク・アンド・バスライドを開始。
- 2006年9月2日:岡山駅前(ドレミの街)バス停にすべてのバスが停車するようになる。また、同バス停の待ち合わせ場所が冷暖房完備となる。
- 2006年11月:中旬より、車両前面・側面・後部にある行先表示のLED化を順次実施。
- 2006年11月30日:この日限りで備前市西片上の「片上」バス停~備前市日生町寒河の「寒河」バス停間を廃止。(廃止後、備前バスに路線移管)
- これに伴い、寒河車庫も廃止され、八日市車庫に集約された。
- 2006年12月28日:車両前面・側面・後部にある行先表示のLED化がほぼ完了。
[編集] 特徴
岡山県は中小バス会社がひしめきあう激戦区であるが、宇野バスは開業以来一度も赤字に転落したことがない経営成績の優秀な会社である。対キロ区間制運賃の基準賃率は1キロあたり23円20銭で、鹿児島市営バス、長崎自動車に次いで全国で3番目に安いことはよく知られている。
例えば岡山市郊外の玉柏地区で比較すると、JR西日本の津山線(地方交通線)では岡山駅から玉柏駅まで200円である一方、並行する宇野バスは220円とほぼ互角であり、また、林野駅まで向かうと、JRだと1450円だが宇野バスでは1100円(岡山県共通バスカード使用により往復2000円)と宇野バスの方が安い。(他にも、岡山駅~伊部駅、香登駅~伊部駅間はJRより宇野バスが安い。)玉柏地区へは、運賃差がわずかであることに加え1時間1本程度の津山線に対し宇野バスは4~6本と本数が多く、商業の中心地表町へも乗り換えなしで行けるため宇野バスは優位に立っている。
もっとも、全国3番目の運賃の安さでありながらも宇野バスは現状には満足しておらず、同社HPで「日本最低(の運賃)を目指すバス会社」と宣言している。
また、不採算路線の廃止・移管も積極的に取り組んでいて、瀬戸内市・備前市の不採算路線を日生運輸(備前バス)に、旧熊山町(現在の赤磐市熊山地区)の不採算路線を熊山町(現在の赤磐市営バス)に、津山市・旧柵原町(現在の美咲町)の不採算路線を旧柵原町(現在は津山市・美咲町の共同運行の「津山・柵原線共同バス」)に、奈義町・旧勝田町(現在の美作市勝田地区)方面の不採算路線を豊沢交通に、旧美作町(現在の美作市)の不採算路線を美作町(現在の美作市営バス)にそれぞれ移管している。宇野自動車が経営成績の優秀な会社である理由のひとつには、こういった経営努力を積極的に進めている事が挙げられる。
昭和43年にワンマン運転を始めるにあたり、狭い道の拡幅費用を一部(1/3~2/5)負担するなど利益を地域に還元してきたことに加え、家族的経営を方針とすることから労使関係も良好で運転士の接遇も良いことから、沿線住民からの評判も概ね良好である。
岡山県のバス業界では、各社間でしばしば意見対立が生じ、合従連衡や反目を繰り返してきているが、その中において宇野バスは独立色が強く、中立的なスタンスを取っている。また、本社バスターミナルを表町に構えていることから天満屋バスステーションには乗り入れていない。
かつては、他社との競合区間のバス停の一部に他社と異なる呼び方をするバス停があった。たとえば、大和町バス停は岡電バスが「やまとまち」と呼んでいるが、宇野バスは「やまとちょう」と呼んでおり、駅前町バス停を中鉄バスは「駅前町」と呼んでいるが、宇野バスは「岡山駅前町」と読んでいた。また岡山駅前バス停に2度停車(中銀前とドレミの街前)するようになってしばらくしてから、ドレミの街前を「ドレミの前」と一般的にあまり認知されていない略称を使って読んでいたが、いずれも改変されている。
2006年11月より、バス前面・側面・後面の行先表示を順次LED表示に変え、方向幕を全廃した。 輝度は、県内の他バス会社のものに比べ、まぶしいほど明るい。
[編集] 車庫の所在地
- 本社車庫
- 東岡山車庫
- 岡山県岡山市土田
- 四御神車庫
- 岡山県岡山市四御神
- 八日市車庫
- ネオポリス東車庫
- 岡山県赤磐市野間
- ネオポリス西車庫
- 岡山県赤磐市尾谷
- 町苅田車庫
- 岡山県赤磐市町苅田 (赤坂中学校前バス停に隣接)
- 仁堀車庫
- 岡山県赤磐市仁堀中 (仁堀バス停に隣接)
- 林野車庫
- 岡山県美作市栄町 (林野駅前バス停)
[編集] 主なターミナル
[編集] 路線
[編集] バス
[編集] 一般路線バス
- 国道2号線(岡山市~瀬戸内市~備前市、岡山市~赤磐市)
- 岡山駅 - 岡山駅前 - 表町バスセンター - 県庁前 - 国富 - 二本松東 - 長岡団地 - 長岡 - 中尾 - 平島 - 八日市 - 香登駅前 - 伊部駅前 - 片上
- 岡山駅 - 岡山駅前 - 表町バスセンター - 県庁前 - 国富 - 二本松東 - 長岡団地 - 長岡 - 中尾 - 平島 - 松下電器前 - 瀬戸駅 - ネオポリス線下市 - 桜が丘西2丁目 - 野間
- 岡山駅 - 岡山駅前 - 表町バスセンター - 県庁前 - 国富 - 二本松東 - 長岡団地 - 長岡 - 中尾 - 平島 - 松下電器前 - 瀬戸駅 - ネオポリス線下市 - 桜が丘西2丁目 - 桜が丘運動公園口 - 鳥中分園前
- 美作線(岡山市~赤磐市~美咲町~美作市)
- 表町バスセンター - 岡山駅前(表町発/表町行き) - 岡山駅(表町発)/駅前町(表町行き) - 岡山駅前(表町発) - 法界院駅前 - 三野 - 牟佐下 - 新道穂崎 - 新道河本 - 下市 - 町苅田(まちかんだ) - 赤坂中学校前 - 坂辺 - 仁堀 - 周匝上(すさいかみ) - 高下(こうげ) - 福本 - 湯郷温泉下 - 林野駅
- 表町バスセンター - 岡山駅前(表町発/表町行き) - 岡山駅(表町発)/駅前町(表町行き) - 岡山駅前(表町発) - 法界院駅前 - 三野 - 牟佐下 - 新道穂崎 - 岩田 - 山陽団地中3番 - 下市上 - 町苅田(まちかんだ) - 赤坂中学校前 - 坂辺 - 仁堀 - 周匝上(すさいかみ) - 高下(こうげ) - 福本 - 湯郷温泉下 - 林野駅
- 表町バスセンター - 岡山駅前(表町発/表町行き) - 岡山駅(表町発)/駅前町(表町行き) - 岡山駅前(表町発) - 法界院駅前 - 三野 - 牟佐下 - 新道穂崎 - 新道河本 - 新道赤磐市役所入口 - 桜が丘西2丁目 - 野間
- 表町バスセンター - 岡山駅前(表町発/表町行き) - 岡山駅(表町発)/駅前町(表町行き) - 岡山駅前(表町発) - 法界院駅前 - 三野 - 牟佐下 - 新道穂崎 - 岩田 - 山陽団地中3番 - 下市上 - 下市 - 新道赤磐市役所入口 - 桜が丘西2丁目 - 野間
- 表町バスセンター - 岡山駅前(表町発/表町行き) - 岡山駅(表町発)/駅前町(表町行き) - 岡山駅前(表町発) - 法界院駅前 - 三野 - 牟佐下 - 新道穂崎 - 新道河本 - 新道赤磐市役所入口 - 桜が丘西2丁目 - 桜が丘運動公園口 - 鳥中分園前
- 表町バスセンター - 岡山駅前(表町発/表町行き) - 岡山駅(表町発)/駅前町(表町行き) - 岡山駅前(表町発) - 法界院駅前 - 三野 - 牟佐下 - 新道穂崎 - 岩田 - 山陽団地中3番 - 下市上 - 下市 - 新道赤磐市役所入口 - 桜が丘西2丁目 - 桜が丘運動公園口 - 鳥中分園前
- 表町バスセンター - 岡山駅前(表町発/表町行き) - 岡山駅(表町発)/駅前町(表町行き) - 岡山駅前(表町発) - 法界院駅前 - 三野 - 牟佐下 - 新道穂崎 - 岩田 - 山陽団地西4番 - 下市上 - 下市 - 新道赤磐市役所入口 - 桜が丘西2丁目 - 桜が丘運動公園口 - 鳥中分園前
- 表町バスセンター - 岡山駅前(表町発/表町行き) - 岡山駅(表町発)/駅前町(表町行き) - 岡山駅前(表町発) - 法界院駅前 - 三野 - 牟佐下 - 新道穂崎 - 岩田 - 山陽団地(循環)
- 東岡山線(岡山市)
- 四御神(しのごぜ)線(岡山市)
[編集] 赤磐市下市付近の停留所について
赤磐市下市付近は、バス停により停車するバスが異なるとがあるため、乗車する際には注意が必要です。
- 下市:美作線の、山陽団地~町苅田経由便以外はすべて停車。
- イズミ側:マルナカ前経由岡山駅前・表町バスセンター行き、ネオポリス方面
- 砂川側 :山陽団地経由岡山駅前・表町バスセンター行き、町苅田・林野駅方面
- ネオポリス線下市:ネオポリス~瀬戸駅便のみ停車。
- 瀬戸線下市 : ネオポリス→瀬戸駅便、下市→新道穂崎方面のバスが停車。
- 下市上 : 山陽団地~町苅田便、山陽団地~下市~ネオポリス方面のバスが停車。
[編集] バスロケーションシステム(バス接近表示機)
2005年3月より、バス接近表示機を以下のバス停に導入した。 接近の際、「まもなく○○行きのバスが参ります」と自動音声により放送される。
- 岡山駅バスターミナル11番乗り場、12番乗り場(2台)
- 岡山駅前バス停(中国銀行駅前支店前:美作線・東岡山線のみ1台)
- 岡山駅前バス停(ドレミの街:2006年9月より2台)
- 県庁前(四御神、長岡団地、瀬戸駅、八日市、片上行きのみ1台)
- 原尾島住宅前(表町バスセンター・岡山駅行きのみ:2006年2月より1台)
[編集] 深夜バス
- 表町バスセンターから岡山駅・三野・新道穂崎・山陽団地中・下市経由で桜が丘西9丁目・桜が丘運動公園口まで運行。
- 運賃は全区間800円均一。
[編集] パーク・アンド・バスライド
[編集] 外部リンク
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