JR東日本E127系電車
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E127系電車(E127けいでんしゃ)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)の直流一般形電車。
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[編集] 概要
新潟支社と長野支社管内では、急行列車の運用から外れた165系・169系を普通列車として使用して来たが、共に車両の老朽化や2扉のデッキ付きの構造であるために乗降に時間が掛かり、且つ遅延の原因となるなど乗客サービスの大きな支障となっていた事から、これら急行形車両の取り替えを目的に設計・製造された。
両地区では従来よりセミクロスシートの近郊型115系も運用されているが、E127系が敢えてオールロングシートを採用した理由は、乗客が増加している新潟都市圏でのラッシュ対応と、2両基本編成によるワンマン化、フリークエンシーの増加が挙げられる。このタイプの導入はJR各社の地方線区で見られるが、E127系はJR東日本では701系の直流版と位置付けられる。
制御方式はVVVFインバータ制御。制御装置は従来JRグループではほとんど採用例がなかった東洋電機製造のものを使用している(音は東急1000系や京急600形などと同じ)。台車はDT61AとTR246A。主電動機はMT71。車体はステンレス製で両開き式3扉(ボタン式の半自動ドア装備)を備え、ワンマン運転に対応している。
[編集] 番台別概説
[編集] 0番台
1995年(平成7年)5月8日に新潟近郊区間で営業運転を開始した。当初は全編成が同年3月に導入される予定だったが、阪神・淡路大震災の影響で一部車両(川崎重工業製)の納入が遅延したため運転開始時期がずれ込んだ、というエピソードがある。
帯の色は緑と黄緑の2色帯で、新潟地区の115系2代目新潟色に準じている。座席配置は、新潟近郊区間周辺の通勤・通学の需要を考慮して、すべてロングシートとなっている。
2両編成13本(26両、新潟支社内では通称「V編成」と呼ばれる)が新潟車両センターに在籍し、新潟近郊区間を中心に運用されている。なお、ワンマン運転については白新線・羽越本線の新潟~新発田~村上間、越後線の新潟~吉田間で実施している。
登場当初は全席ロングシートの居住性を考慮して新潟近郊区間に限定された運用であったが、現在では朝夕のラッシュ時間帯の一部列車で信越本線長岡方面への長距離運用も行われており、混雑緩和に一役買っている。
なお、この0番台に限って両開き扉間の4枚の窓のうち中間2枚が大型の1段下降窓である。デザイン的には両側の固定窓と違和感がなく、車窓の視界にも優れているが、強風時のガタツキ音が大きいのが難点である。
最近は車体にラッピング広告を施した編成が登場しているが、中にはSuicaのPRを施した編成も登場している。
[編集] 100番台

1998年(平成10年)12月8日に松本地区で営業運転を開始した。
0番台とは外観が異なり、先頭部の形状、また扉間中央の2段窓化など、701系とほぼ同じ様なデザインとなっている。またシングルアームパンタグラフ化、砂撒き装置が装備された他、トイレも車いす対応仕様に設計変更されている。
こちらの帯の色は従来の長野地区に在籍する115系から引き継いだアルパインブルーとコバルトブルーの2色の通称新信州色(新長野色)となっている。座席配置は、大糸線が観光路線であるという事を考慮し、同線内基準で東側がロングシート、西側(北アルプスなどの方向)がクロスシートとなっている。
2両編成12本(24両)が松本車両センターに在籍し、大糸線で運用されている。ワンマン運転は1999年(平成11年)3月29日より開始している。
以前は篠ノ井線塩尻~明科間・中央本線辰野~塩尻間でも運用されていたが、篠ノ井線塩尻~松本間の自動列車停止装置がATS-SN方式からATS-P方式となったのに伴い、2003年12月20日以降は大糸線内のみでの運用となっている。
なお、第11・12編成は冬季の霜取り対策でパンタグラフが2個搭載されている。