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VIERA

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

VIERA(ビエラ)松下電器産業(パナソニック)製プラズマテレビ、及び、液晶テレビのブランド名である。2003年9月に発売。かつてはT(タウ)というブランド名でプラズマテレビや液晶テレビを出していたが2003年、それら薄型テレビはビエラに変更された(Tブランドはブラウン管テレビのみ)。 尚、「VIERA」の由来は、「Vision(映像)」の「Vi」と「Era(時代)」を組み合わせた造語である。 VIERAのRのロゴでは、小文字のrに似ている。

目次

[編集] 大画面薄型テレビにおけるパナソニックの戦略

大画面薄型テレビは、シャープが液晶テレビ(AQUOS)に力を入れているのに対してパナソニックはプラズマテレビに力を入れ、プラズマの弱点(消費電力・精細の少なさなど)を克服、女優の小雪などを起用した宣伝活動及び世界同時発売・垂直立ち上げなどのマーケティング戦略により、それまでトップシェアであった日立製作所を抜きシェア1位に躍り出た。2005年7月のボーナス商戦時期にはその約1ヶ月前から六本木ヒルズ中をVIERAの広告一色にしたり、大々的なテレビCM、車内広告などで、プラズマテレビのシェア約70%を獲得するに至った。また高画質技術にも優れ、「PEAKSプロセッサー」「PEAKSドライバー」「PEAKSパネル」の3点セットにより、映像信号の入力から表示まで、一貫したフルデジタル処理での高画質で、『上質な感動画質』を実現可能とし、プラズマ・液晶とも評価が高い(但し液晶のLX600/60シリーズ以降のモデルでは本体操作部が天面に、入力端子及びB-CASカードSDカードスロットが側面にそれぞれ移設されたため不満の声が多い)。なお50/500シリーズ以降はリモコンデザインを大幅に変更し、どの世代にでも使いやすくなったことを最大のセールスポイントとしたことにより、地デジ薄型テレビシェアNo.1の座をより盤石なものとした(詳しくは後述)。

2005年11月には兵庫県尼崎市に尼崎工場が稼動したことで世界最大規模のプラズマパネルの生産能力を誇ることになると同時に大量生産による更なるコストダウンを行うことが可能となった。またプラズマテレビの開発・生産には設備などに多額のコストがかかるため、ソニーなどの同業他社はプラズマディスプレイ事業から撤退してきており、国内のプラズマテレビメーカーはパナソニック・日立・パイオニアのほぼ3社となっている。

現在、パナソニックのプラズマテレビの最大機種は2006年7月19日に発表された103v型(TH-103PZ600)で、水平方向1920×垂直方向1080画素のフルHDを実現し、受注生産で600万円で販売。50v型のフルHDは2005年のCEATEC JAPANなどでも展示、されていたが、103/65/58/50v型と一気に4機種のフルHDラインナップを揃えた。フルHDが42v型、37v型まで広げられるか今後注目である。キャッチコピーは「地上のビエラ」。

ちなみにパナソニックの場合、32v型以下の画面サイズは液晶、37v型以上のそれはプラズマと棲み分けを行っており、プロジェクションテレビにおいては子会社の日本ビクターと棲み分けを行っている。

液晶テレビでは、IPS液晶パネル開発元の日立製作所が中心となり2005年1月に日立グループ・東芝・パナソニックの3社がテレビ向け液晶パネルの合弁会社である「株式会社IPSアルファテクノロジ」(出資比率:日立50%、松下・東芝各25%)を立ち上げた。「IPSα液晶パネル」をウリとして、広視野角の液晶テレビにも力を入れており、シャープに続いて、サムスンとの液晶合弁会社(S-LCD)を立ち上げたソニーとも激しいシェア争いを行っている。

2006年イタリア・トリノオリンピックを機に、特に北米ではプラズマテレビが売れ、シェア50%を越えた。2006年年始の世界最大級の家電/ITの祭典「International CES(Consumer Electronics Show)」では、それまで世界最大であったサムスンの102インチを越える世界最大の103インチを発表し、また高画質であることから世界の注目を浴びた。単なる展示だけではなく2006年、北米・欧州などでも商品化を予定しており、日本では受注販売されている。価格は500万円前後。

2006年3月1日発売の15v型ビエラ「TH-15LD60」は民生用地デジ液晶テレビとして当時業界最小級であり、価格も業界最安値であるためパーソナル用として人気が高い(パーソナルサイズの地デジ液晶は現段階でまだ少ないため。なお同年8月3日にシャープが13V型を発売し、最小記録を塗り替えた)。現在はLD60の後継機種として「TH-15LD70」が2007年2月20日に発売されている。

このほか2006年秋の新作では、新たに世界最大となる103インチがラインアップされ、103/65/58/50/42/37インチと、さまざまな大きさのプラズマテレビの発売が今後も期待される。


 2007年春の新作では液晶の「75/70シリーズ」を2月に先行発売したのに続き、4月にはプラズマの「700/70」シリーズの発売が予定されている。このシリーズでは世界初の試みとして、フルHDモデルを42v型にまで拡大させる。

なお「ビエラ」や「ディーガ」売り上げの約60%は系列小売店(ナショナルショップ)が占めている。これは素人に難しい設置・接続・初期設定作業や操作方法の説明などといった「街の電器屋さん」ならではのきめ細かいサービスが、特にデジタル家電の扱いに不慣れな高齢者層から圧倒的な支持を得ているためである。さらに全国のナショナルショップ各店では顧客宅を訪問しての「無料お試しキャンペーン」や「地デジ環境点検」など、来るべきアナログ放送終了に備えて様々な活動を展開している。こうした系列小売店の積極的な努力による「ビエラ&ディーガ効果」により、FF式石油温風機事故で業績低下が危ぶまれていた松下は2005年度決算で業績を大幅に好転させた。

「ビエラ」を製造している「松下プラズマディスプレイ株式会社」は遠隔地への製品輸送を主に鉄道コンテナで行っており、2006年5月30日付で社団法人鉄道貨物協会よりエコレールマークの認定を受けている。

[編集] ブランドの変遷

パナソニック(ナショナル)のテレビブランドの変遷は以下である。

[編集] 嵯峨(さが)

1965年の発売。同社ではそれ以前から、可変容量ダイオード(バラクタ・ダイオード)をチューナー部に採用した白黒テレビを「人工頭脳テレビ」「黄金シリーズ」として販売しており、そのなかの1ブランドとして登場した。

「和」を感じさせるネーミングやロゴとは裏腹に、ウォールナット材を生かした重厚なデザインは北欧家具のようなモダンさを目指したもので、1965年度のグッドデザイン賞を受賞した。「嵯峨」は白黒テレビにも関わらず19型(TC-96G)で72500円と、現代では約70万円ほどに相当するとても高価なものだったが、発売以降5年間で130万台を売るロングセラーとなる。

「嵯峨」をきっかけに、「歓」(シャープ)「王座」(東芝)「薔薇」(三洋電機)「高雄」(三菱電機)といった、日本調のネーミングや木目をあしらった豪華さを特徴とする「家具調テレビ」ブームが勃発した。

[編集] PanaColor(パナカラー)

1968年の発売。初代パナカラーは「嵯峨」と酷似する重厚なデザインだった。映像のカラー調節機能として「マジックライン」が搭載され、それをPRするために「マジックおじさん」というキャラクターが作られた。

1970年代に入りカラーテレビが一般化すると、「パナカラー」は同社製カラーテレビ全般の総合名称として使用されるようになり、技術方式の名称でもあった「エバートロン」「クイントリックス」、「Woody(ウッディ)」「(かがやき)」「(さきがけ)」いった派生ブランドが登場する。特に「クイントリックス」(1974年発売)は、坊屋三郎が外人との掛け合いで「クイントリックス」を連呼し、「あんた外人だろ?英語でやってごらんよ」という台詞を発するCMがお茶の間の笑いを誘い、CMと共に商品も大ヒットした。1977年には第2弾として千昌夫ジョン・シェパード夫妻を起用し、「イワテケーン」の台詞が流行語となった。また、「輝」のCMには三遊亭圓楽が出演している。


なお、カタログや新聞広告・CMでは「パナカラー」と表記されていたが、テレビ本体にのみ「PanaColor」の表記がされていた。

[編集] α(アルファ)

1981年の発売。その当時「ニューメディア」と呼ばれたキャプテンシステムMSXパソコンと接続できるRGB端子を搭載していた。発売当初の「αデジタル」「α2000」のCMには沢田研二が出演していた。また、1984年にはカラーモニターとして28型の「αTUBE(アルファーチューブ)」も発売された。レイアウトフリーを実現した斬新な曲線デザインが特徴で、1985年のグッドデザイン賞を受賞している。そのままで床に置いたり、ミニコンポなどと組み合わせて楽しめるようにもなっていた。

1986年以降の機種ではサラウンドスピーカーを装備し、26型以上の大型機種もラインナップされるようになった。1987年の「αArt(アルファーアート)」のCMには渡辺謙が出演し「大画面はでっかくありたい」と謳っていた。なおこの「αArt」が、ナショナルブランドで発売されるテレビとしては最後のものになった。

[編集] PANACOLOR X(パナカラー・イクス)

1988年の発売。26型~37型までの大画面をラインナップに据え、翌年に本放送を開始する衛星放送チューナー(27型以上の一部機種には文字放送チューナーも搭載された)と、スピーカーがテレビ本体と一体化したデザインを特徴とする「ドームスピーカー」を初めて搭載した。

この年からテレビ・ビデオなどのAV機器がナショナルブランドからパナソニックブランドへ移行したが、しばらくの間は「PANACOLOR X」をパナソニックブランドで、同サイズの「αArt」を従来通りナショナルブランドで販売していた。

当初はソウルオリンピックの開催に合わせた広告展開がされ、CMではのちにモーツァルト交響曲第41番『ジュピター』」(第1楽章)や「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」の映像が使われた。

この時期のバブル景気と衛星放送開始の波に乗り、「プロフィール・スター」「ドラマゾーン」「ゆとりにとろん」(ソニー)や「バズーカ」(東芝)など、衛星放送チューナーを搭載し、大画面と高音質にこだわったテレビが続々とリリースされる。
特に「プロフィール・スター」「ドラマゾーン」「バズーカ」の3機種はドルビーサラウンドシステムの搭載や迫力ある重低音を売りにしており、「PANACOLOR X」もそれらに対抗し「重低音テレビ」「ハイグレードAVテレビ」と謳い、「スーパードームスピーカー」やドルビーサラウンドシステムを搭載した機種をラインナップしていた。1989年以降の機種ではスライドパネルを装備し、従来型に比べブラウン管を平面に近づけた機種や、キャビネット部に木を使った「ARBRE(アルブル)」が登場した。

なお「PANACOLOR X」は「パナカラー」ブランドを冠した最後のテレビで、これを最後にブランド名としては消滅したが、以降数年に渡ってカタログにのみ「パナカラー」の表記が残っていた。

[編集] 画王(がおう)

1990年11月の発売。「PANACOLOR X」の後継として登場した。ブラウン管を平面に近づけた「スーパーフラット&ブラックマスク」、29型・33型に採用された「重トーンドームスピーカー」、明るさを自動調整する「カメレオンAI」などを新しく採用したのが特徴で、特にブラウン管の平面化で他社に先行した形となった。

さらに、当時家電業界ではタブーとされていた漢字2文字に濁点を入れたネーミングも特徴だった。CMは「画王国」をイメージして製作されたバブル期を象徴する華やかなもので、津川雅彦が画王に扮し「テレビじゃ画王じゃ!」と叫ぶシーンは話題を集め、「画王」のネーミングと共に強いインパクトを与えた。CMには他に西岡千恵子や鈴木保奈美なども出演し、大画面テレビの楽しさをアピールした。キャッチコピーは「画王生誕」。西岡千恵子などが歌うCMソング(「画王の国からポイポイポイ」など)はCD化されている。
バブル景気や宣伝効果に乗って発売後1年で60万台を売り上げ、「クイントリックス」以来の大ヒットとなった。多機能や高画質・高音質を盛り込みながら、比較的手の届きやすい価格(29型で20万円程度)を実現していたこともヒットにつながり、1989年に発売された「バズーカ」(東芝)と合わせ、大画面テレビ市場を二分する存在となる。

ライバル機種としては「キララバッソ」(ソニー)や「帝王」(三洋電機)などが挙げられる。

なお、ビデオデッキは「ビデオ画王」「録画王」の名称で販売され、29型や33型のテレビデオもこのシリーズで販売されていた。

1991年には初のハイビジョンテレビ「TH-36HD1」が発売される。デジタルハイビジョンテレビの低価格化が進んだ現在からは考えられないことだが、36型で450万円と非常に高価であった。

後年には画面サイズが16:9の「ワイド画王」も登場した。

[編集] ヨコヅナ

1994年の発売。「ワイド画王」の後継に当たる。「ヨコヅナ」から、現在主流となっている16:9のワイドテレビに独立したブランド名称が与えられた。通常の「ヨコヅナ」と「ハイビジョンヨコヅナ」ではデザインに差別化がなされ、後者はより高級感のあるデザインとなっていた。

[編集] 美来(みらい)

1997年の発売。ソニーがFDトリニトロン管を採用したフラットテレビ「WEGA(ベガ)」を発売したことに対抗し、ほぼ同時期に市場に投入される。従来のブラウン管より平面に近づいたものの、作り込みの甘さが目立ち、販売上不振に終わってしまう。ブランドとしてはかなりの短命だったこともあり、松下製テレビの中では知名度が低い。しかし元々平面ブラウン管の開発に関しては「画王」で松下が先行しており、これが「T(タウ)」の開発へと繋がった。なお、「美来」の名称はハイビジョンテレビにのみ用いられ、MUSE-NTSCコンバータを内蔵したワイドテレビにはブランド名称が存在しなかった。

1998年に掲載された「美来」の新聞広告「ハイビジョンが、にじんだ日。」は、同年の日本新聞協会が選定した新聞広告賞の広告主企画部門を受賞している。

[編集] T(タウ)

1998年9月の発売。歪みが少なく見やすい映像が特徴の「T(タウ)フラットハイビジョン管」、「デジタルスーパープログレッシブ」「デジタルシネマリアリティ」「デジタルゴーストリダクション」などのデジタル処理を生かした高画質や、従来のドームスピーカーに代わる「ストレートホーン5スピーカー」、電子番組ガイドなどの機能を搭載し、フラットテレビとして「WEGA」と肩を並べる地位を確立した。発売当初のキャッチコピーは「タウが、来た。」「フラットの頂点へ」。「デジタルシネマリアリティ」は現在も「VIERA」に搭載されている。またブラウン管モデルとほぼ同時期に「プラズマT(タウ)」が登場している。

1年後の1999年9月には、画像処理機能やスピーカーを強化した10機種が発売され、その中の上位機種であったTH-36/32FP20が同年のグッドデザイン賞を受賞している。スピーカーを下面に配置したスタイリッシュなデザインや、新たに「ギガクオリティープログレッシブ」を採用したことにより、従来からの高画質・高音質機能をさらに充実させた点が特徴だった。キャッチコピーは「10億ポイントデジタル高画質」「デジタルの頂点へ」。

2000年のD10シリーズから、BSデジタル放送やCSデジタル放送に対応した「デジタルT(タウ)」が登場する。2002年のD30シリーズでは、ブラウン管に「オール・フォーカス・チューブ」を採用し「ビューティー・タウ」と謳った。CM曲にはフェイス・ヒル「Cry」が使用され、本人も出演している。

そして、2003年に地上デジタル放送が開始されると「デジタルタウ」は3波フル対応となり、3波チューナー搭載のD60シリーズは同社のブラウン管テレビ史上最高画質を誇り、これをもってハイビジョンブラウン管テレビが生産終了したことから最後の名機と評されている。

松下電器が行っていたテレビを使ったインターネットサービス「T navi」(2007年1月31日アクトビラに発展解消する形で終了)のネーミングはタウに由来している。

「T(タウ)」のブランド名は、現在もブラウン管テレビで使用されている。

[編集] VIERA

プラズマテレビ・液晶テレビは、2003年まで「プラズマタウ」「液晶タウ」として発売されていたが、2003年9月に「VIERA」が発売されると本格的に松下製の薄型テレビに力が入るようになった。

[編集] 備考

パナソニックブランドの国内展開が始まる以前、1960年代後半から70年代初頭にかけて生産されていたトランジスタ(白黒)テレビ「パナパナ」などが、当時のトランジスタラジオと同様に「NATIONAL PANASONIC」の名称を使用していたことがある。

松下電器ではカラーテレビと白黒テレビで部署が異なっていた。カラーテレビはテレビ事業部(大阪府茨木市)、白黒テレビは藤沢テレビ事業部(神奈川県藤沢市、のちコンピュータディスプレイに事業変更)だった。藤沢テレビ事業部では1.5型という世界最小のブラウン管テレビを生み出している。
 なお現在「ビエラ」の取扱説明書に書かれている製造部門名は「映像・ディスプレイディバイス事業グループ」、住所は「大阪府門真市571-8504)」となっている。

[編集] 発売製品

ブラウン管を除く最近の機種は、シリーズ名3ケタは高性能機、2ケタは普及機という位置付けとなっている。(HDMI、ダブルチューナー、インテリジェントテレビ番組ガイド等の有無などが異なる。)

[編集] デジタルハイビジョンテレビ

以下に掲げる機種はTH-65DX300を除き、全て地上デジタルチューナー内蔵。なおリモコンはパナソニックだけの特長として、放送切替ボタンが色に点滅することにより(リモコンの数字ボタンを押した時も含めて)今どの種類の放送を見ているかが一目でわかるようになっている。

[編集] ハイビジョンブラウン管テレビ

  • TH-36/32/28D50(2003年)
デジタル放送3波チューナーフル搭載のハイビジョンブラウン管テレビ第1号。PEAKSプロセッサー&ドライバーを搭載。
TH-36/32D50はオールフォーカス・チューブ、TH-28D50はタウフラットハイビジョン管を採用。
リアルブラックスタビライザー回路、輝度連動型VM回路などを搭載。「NEWテレビ番組ガイド」搭載。
  • TH-36/32D60(2004年)
デジタル処理でクリアな映像を再現。「NEWテレビ番組ガイド」搭載。PEAKSプロセッサー&ドライバーを搭載。
基本性能はD50シリーズと共通だが、ブラウン管にNEWオールフォーカス・チューブを採用し、コントラストを向上。
リアルブラックスタビライザー回路、輝度連動型VM回路、デジタルシネマリアリティ、デジタルゴーストリダクション回路を搭載。
ブラウン管デジタルテレビでは最高画質を誇り、ハイビジョンブラウン管における最後の名機と評される。
松下東芝映像ディスプレイのブラウン管事業撤退によって、本機種がハイビジョンブラウン管テレビの最終機種となった。
2006年9月現在、ハイビジョンブラウン管モデルは完全に生産を終了しており、新機種は絶望的である。

[編集] デジタル3波チューナー搭載ブラウン管テレビ

  • TH-32/28D55(2004年)
デジタル放送3波チューナー搭載。
ハイビジョンブラウン管ではなくタウフラットブラウン管を採用したスタンダードモデル。
PEAKSプロセッサー&ドライバー、リアルブラックスタビライザー回路、輝度連動型VM回路、デジタルシネマリアリティを搭載。
  • TH-32/28D65(2005年)
D55シリーズの後継機。前作「D55シリーズ」とはリモコンデザインを大幅変更(「らくらくリモコン」)。
ハイビジョンブラウン管ではなくフラットハイビジョン管を採用。
PEAKSプロセッサー&CRT PEAKSドライバー、輝度連動型VM回路を搭載。
実質的なスペックダウンモデルであることからピッチが荒いなど、ブラウン管モデル内におけるハイビジョン視聴の画質面での評価は低い(だがブラウン管としての地力により同インチの液晶モデルの画質よりは遥かに勝る)が、機能面の勝手は良い。
また逆にハイビジョンブラウン管でないことがSD映像を比較的精細に映し出す効果として働いている。
2006年10月時点でTH-32/28D65ともに生産完了し、店頭から急速に姿を消している。
よって本機種がデジタル3波チューナー搭載ブラウン管テレビの最終機種となる公算が大きい。

[編集] プラズマテレビ

※42v・37v型については、別売の首振り(スイーベル)機構付据置スタンドとの組み合わせにより、設置後でも左右各20度まで向きを変えられる(50v型以上になると据置スタンドは固定式しか使えないため向きは変えられない)。

  • 初代20シリーズ(2003年)
初代ビエラ。次世代テレビ放送である地上デジタル放送に対応することをはじめ、新開発のPEAKSエンジンやTナビ、NEWテレビ番組ガイドなど先進機能を搭載。未来感あふれる「NEWパワーリモコン」も好評で、「『一枚』の知性体」をキャッチフレーズとした大々的な宣伝でアピール。ただし当時50型で100万円前後と非常に高価であった。
  • TH-42/37PA20
  • TH-50/42/37PX20※「地デジプラズマビエラ」第1号。
  • 2世代300/30シリーズ(2004年)
当時世界最高の36億2000万色相当の色表現を実現、アテネオリンピック開催などこのころからシェア獲得。また、世界最大の65インチプラズマディスプレイも発売された。
  • TH-50/42/37PX300
  • TH-65DX300※各種デジタル・アナログチューナーは非搭載の「プラズマディスプレイ」。価格200万円。
  • 3世代500/50シリーズ(2005年)
新PEAKS搭載、高級機にHDMI搭載など。また兼価版のモデルの追加が更なる普及に貢献した。65インチは各種チューナーも追加され、フルHD搭載と高精細化された。またこのシリーズからは「らくらくリモコン」としてデザインを大幅変更(後述)。
  • TH-50/42/37PX50
  • TH-65/50/42/37PX500
  • 4世代600/60シリーズ(2006年)
新たに58インチをラインアップ。操作を画面と音声でサポートする「ビエラ操作ガイド」機能(PX60シリーズは音声なし・画面によるサポートのみ)や高級機・普及機にビエラリンク対応HDMI端子を2基搭載など。さらに50/500シリーズで好評の「らくらくリモコン」が「新らくらくリモコン」へと進化(後述)。
  • TH-50/42/37PX60
  • TH-58/50/42/37PX600
  • 4.5世代PZ600シリーズ(2006年)
新たに103インチをラインアップ。いずれもフルHD/1,920×1,080ドットのプラズマパネルを採用。新開発の「フルハイビジョンPEAKSパネル」を搭載し、駆動方式やフィルタの改善により暗所コントラストは業界最高という約4,000:1を実現する。また、映像エンジンも16bit演算を行なう「フルハイビジョンPEAKSドライバー」を搭載するなどで、「奥行き感を超え、空気感を表現する」という。ビエラリンク・1080p入力に対応するHDMI端子を増やし、背面に2系統、前面に1系統計3系統装備。フルハイビジョンPEAKSプロセッサーの演算能力を活用し、最大19チャンネル/12時間分の表示が可能な「ワイドインテリジェントテレビ番組ガイド」を搭載した。
  • TH-103/65/58/50PZ600(2006年9月1日発売 65v型はスピーカー分離式。103v型はスピーカー別売。受注のみで販売されるTH-58PZ600KというTH-58PZ600のブラックモデルも存在するなど意欲的である。)

※103v型は重量が345kgもあるため、通常製品と異なり、設置面(特に床面)が他機種より頑丈でなければならない、そのため受注後は設置及び搬入に問題がないかについて事前に電器店あるいは専門業者が顧客宅を下見することになっている(壁・床の補強工事が必要な場合があり、それらが不可と判断されれば注文は受けられない。輸送・設置費用別途加算)。また受注生産のため注文から納品まで数ヶ月を要し、電源はエアコンIHクッキングヒーターと同じ200Vを使用する(従来の100Vコンセントのみの場合、200Vコンセントを新設する工事が必要)。

なおTH-103PZ600の実物展示はパナソニックセンター東京とパナソニックセンター大阪のみで行われており、一般の店頭展示(ナショナルショップ家電量販店、ナショナル・パナソニックフェアなど)はされていない(輸送・設置費用が他機種よりかさみ、かつ搬入出経路及び展示スペースの確保が難しいため)。但し2007年2月34両日に行われた名古屋地区の「ナショナル・パナソニックフェア”愛・LOVE中部”」の場合、会場は広大な吹上ホールだったためTH-103PZ600が例外的に展示された。


  • 5世代700/70シリーズ

 前作PZ/PX600&60シリーズとはリモコンのボタン配置・Gガイドのデザインを一部変更。また世界初の試みとしてフルHDモデルを42v型にまで拡大。HDMI端子を前面にも新設(PZ700SK・700シリーズのみ)。

TH-50/42PZ700SK(フルHD・サイドスピーカー)
TH-50/42PZ700(フルHD・アンダースピーカー)
TH-42/37PX70SK(サイドスピーカー)
TH-50/42/37PX70(アンダースピーカー)

2007年4月27日発売予定。

[編集] 液晶テレビ

※全機種、付属据置スタンドに首振り(スイーベル)機構を搭載し、設置後でも左右各20度まで向きを変えられる(LX50シリーズのうち23v・19v型、LX600/60シリーズ、LD60は上下方向の角度が変えられるチルト機構を追加。但し2007年春モデルのLX75S/75/70シリーズはチルト機構なし、従来のスイーベルのみに戻されている。LD70の据置スタンドはスイーベル機構なし、チルト機構のみ搭載)。

  • 初代20シリーズ(2003年)
    • TH-32/26/22LX20※地デジチューナー搭載液晶ビエラ第1号。
  • 2世代300/30シリーズ(2004年)
    • TH-22LX30
    • TH-32/26LX300
  • 3世代500/50シリーズ(2005年)※新PEAKS搭載、高級機にHDMI搭載など。リモコンデザインを「らくらくリモコン」として大幅変更(後述)。
    • TH-32/26/23/19LX50
    • TH-32/26LX500
  • 4世代600/60シリーズ(2006年)※普及機にもHDMI搭載。ビエラリンク搭載など(LX60シリーズはビエラリンクなし)。これ以降のモデルからは前面端子及び背面端子カバー廃止(32v・26v型のみ入力4&ヘッドホン端子とB-CASSDカードスロットを正面から見て右側面へ移設。背面端子はAV・HDMI入出力とアンテナ端子をそれぞれ分割配置)。50/500シリーズで好評の「らくらくリモコン」が「新らくらくリモコン」へと進化。またファミリーイヤホン端子(後述)はLX600にのみ搭載(LX60シリーズ以降のモデルからは通常のイヤホン端子のみ)。
    • TH-32/26/23/20LX60
    • TH-32LX600
  • 4世代追加機種65シリーズ(2006年)
    • TH-32/26LX65(2006年9月1日発売)※LX600とLX60の間に位置づけられる中級機。デザインはLX60シリーズを踏襲、画質性能はLX600と同じだが、LX600から一部機能を省き差別化を図った。ビエラリンク追加。
  • 5世代75/70シリーズ(2007年)※「PEAKS」に「Wスピード」や「WコントラストAI」を搭載。一時廃止された前面端子およびSDカードスロットはサイドスピーカーモデル(LX75Sシリーズ)のみ復活したものの、本体操作ボタンは従来どおり上面にある。2画面機能は非搭載(チューナーは1系統のみ)。なおこのシリーズよりビエラリンクは23v型以下の機種にも追加された(TH-15LD70の場合、小型地デジ液晶TVとしては初のビエラリンク搭載)。

※2007年2月20日発売。

    • TH-32/26LX75S
    • TH-32LX75
    • TH-23/20LX70
    • TH-15LD70

[編集] 小型液晶テレビ

※TH-15LD60・LD70以外は全てアナログチューナーのみ内蔵。2011年以降は地デジ単体チューナーの接続が別途必要。

  • TH-22LR30DVDレコーダー一体型)※生産終了
  • TH-20/17LB15生産終了
  • TH-20/17LB10生産終了
  • TH-20LW30(ワイヤレス)※生産終了
  • TH-20LB30生産終了
  • TH-20LB5生産終了
  • TH-20LB3生産終了
  • TH-20LA50生産終了
  • TH-20LA20生産終了
  • TH-15LD60生産終了(民生用デジタルチューナー内蔵液晶テレビとして業界・世界最小。価格が10万円を切っているのでパーソナル用として人気が高い。ただし解像度が640×480で、4:3のためハイビジョン放送の画質にはならず、視聴時は上下に黒帯が入る。リモコンは50/500シリーズと同タイプの「らくらくリモコン」。ビエラリンク・ビエラ操作ガイドいずれもなし。)
  • TH-15LD70
  • TH-15LA50
  • TH-14LB2生産終了

[編集] 業務用プラズマ・液晶ディスプレイ

チューナー類を備えない業務用モデルもラインアップしている。品番末尾のKはブラック、Sはシルバーで、シルバーは受注生産品。プラズマディスプレイはパネルから出る赤外線がワイヤレスマイクなどの赤外線使用機器に干渉するため通信障害が発生するが、品番に「R」が入っているモデルは赤外線を抑えるガラスを採用し、影響を最小限にとどめている。ファンクションスロット方式を採用しており、必要に応じて拡張ボードを差し込む形になる。

なおこの製品は多くの鉄道駅や各種店舗などが情報掲示やプレゼンテーション用として幅広く採用している。

[編集] フルハイビジョンプラズマディスプレイ

  • TH-103PF9K
  • TH-65PF9RK
  • TH-50PF9K

[編集] ハイビジョンプラズマディスプレイ

  • TH-50PH9RK/S
  • TH-42PH9RK/S
  • TH-37PH9K/S

[編集] プログレッシブワイドプラズマディスプレイ

以下のモデルはハイビジョンの画素数を満たしていない。

  • TH-42PS9K/S
  • TH-42PS9RK/S

[編集] 液晶ディスプレイ

  • TH-32LHD7K/S(2007年3月生産終了)

[編集] 単体地デジチューナー

  • TU-MHD500
  • TU-MHD600
    500との相違点はCATVパススルー対応であることと、D-VHSデッキ接続用のi.LINK端子の撤去、D端子がD4→D3に落とされている点である。

※リモコンのデザインは初期のビエラ各シリーズと同じで、「らくらくリモコン」ではない。筐体はCATVセットトップボックスも共用している。

[編集] 「らくらくリモコン」「新らくらくリモコン」について

らくらくリモコン
らくらくリモコン

「らくらくリモコン」はビエラ500/50シリーズ以降(地デジブラウン管TVはD65シリーズのみ)に採用された新デザインのリモコン。ボタンサイズを従来の約1.5倍と大型化し、外観は手になじむラウンドフォルム。どの世代にも使いやすいユニバーサルデザインとなっている。

また後継のビエラLX&PX600/60シリーズ以降のモデルからはビエラリンクに対応した「新らくらくリモコン」へと進化(TH-15LD60は除く)。前作の500/50シリーズとはボタン配置や操作メニュー内容が一部変更され、蓋内には松下製DIGAの基本操作ボタンを、さらに操作方法を映像と音声でわかりやすく説明する「ビエラ操作ガイド」をそれぞれ新設(LX60シリーズはビエラリンクなし。またPX/LX60・65、LX/LD70シリーズの場合、操作ガイドは画面によるサポートのみ)。
 さらに2007春モデル(LX75S/75/70,LD70)からもボタン配置を一部変更している。

このタイプは日立リビングサプライ製(松下OEM)地デジ液晶テレビにも採用されている。

なお「らくらくリモコン」・「新らくらくリモコン」はいずれも本体への信号送信部を従来の1箇所から2箇所へと増やし、リモコンを斜めや縦に持った状態でも操作可能。


※このリモコンで従来モデルの松下テレビ(ビエラ以外のアナログチューナーのみ搭載した機種)は操作できない(リモコンの信号種別が異なるため)。

[編集] ビエラ操作ガイドについて

「ビエラ操作ガイド」は、600/60シリーズ以降に採用された「画面で見る取扱説明書(マニュアル)」のこと。従来の紙の説明書だけではわからない事柄や使用していて操作方法がわからなくなった時、リモコンの「?」ボタンを押すと「ビエラ操作ガイド」画面に切り替わり、操作方法をわかりやすく説明してくれる。PX・PZ・LX600・LX75S・LX75シリーズ(高級モデル)は音声ガイド付き(音を出さないようにすることも可)だが、PX&LX60、LX65、LX70、LD70シリーズ(普及モデル)は音声ガイド非搭載で、画面によるサポートのみである。

なおビエラ操作ガイド搭載機種においては紙の説明書(TV編)の表記内容が(ガイド非搭載の)従来モデルより簡素化されており、紙の説明書に書かれていない事柄はビエラ操作ガイドを参照するよう促されている。

[編集] ファミリーイヤホン機能について

パナソニック製の高級テレビには通常のイヤホンヘッドホン端子に加え、イヤホン・ヘッドホンを差し込んでもスピーカーの音が消えず、2画面機能を備えた機種では左端子から左画面が、右端子からは右画面の音声がそれぞれ別々に出力される「ファミリーイヤホン機能」が装備されている(2画面機能付機種は左端子ステレオ・右端子モノラル。2画面なしの機種は左右ともステレオ)。

但し「ビエラ」の液晶LX60シリーズ・LD60以降のモデルからはスピーカーの音が消えないファミリーイヤホン機能が廃止され、従来同様(スピーカーの音が消える)通常のイヤホン端子のみに戻されている(液晶ビエラのファミリーイヤホン機能は高級機がLX600、普及期はLX50シリーズがそれぞれ最後)。

[編集] アナログチューナー単体モデル生産終了について

アナログから地上デジタル放送への移行加速を図る観点から、地上・BS各アナログチューナーのみを搭載した従来型モデルの生産完全終了を2006年に発表した(ブラウン管は完全撤退。液晶は地デジ対応モデルのみの生産に移行。なお地デジチューナーは全てステレオタイプなので、モノラルテレビの生産は全て終了)。さらにビデオデッキDVDレコーダーについてもアナログチューナーのみ搭載のモデルは近年中に生産を完全終了し、地デジ対応モデルのみの生産に移行するものと思われる。

[編集] アナログブラウン管テレビ最終モデル

以下全てアナログチューナーのみ搭載4:3ブラウン管テレビ。2011年以降、デジタルチューナーなどの接続によりデジタル放送視聴は可能。

ハイビジョンブラウン管テレビ、デジタル3波チューナー搭載ブラウン管テレビについては別記参照。

[編集] 「タウ」シリーズ

  • TH-29/25FB8ステレオ、BSアナログチューナー内蔵)
  • TH-25/21FA8(ステレオ、BSアナログチューナーなし)
  • TH-15FR5(フラットモノラルテレビ、BSアナログチューナーなし)
  • TH-21/17VFD30(DVDプレーヤー・VHSビデオ内蔵「3SHOTタウ」、BSアナログチューナーなし)
  • TH-21VFA60(ステレオ)/VFR60(モノラル、入力端子は前面のみ)(VHSビデオ内蔵「2SHOTタウ」、BSアナログチューナーなし)
  • TH-15VFA5(ステレオ)/VFR5(モノラル、入力端子は前面のみ)(VHSビデオ内蔵「2SHOTタウ」、BSアナログチューナーなし) 


※4:3ブラウン管TV「T(タウ)」に搭載されていたファミリーイヤホン機能はFB5シリーズを最後に廃止された(サラウンド機能の搭載はFB3シリーズが最後)。

[編集] 「タウ」以外の製品

  • TH-14R2(モノラルテレビ、BSアナログチューナーなし) 
  • TH-14EV60(モノラルVHSビデオ内蔵「2SHOT」、BSアナログチューナーなし、入力端子は前面のみ)

[編集] CM曲

  • サラ・ブライトマン「Dans La Nuit(夜の踊り)」(2003年)
  • サラ・ブライトマン「Time To Say Goodbye(タイム・トゥ・セイ・グッバイ)」(2004年)
  • エンヤ「Sumiregusa(菫草)」(2004年~2005年)
  • エンヤ「Amarantine(アマランタイン)」(2005年~2006年)
  • オリジナル曲(作曲:千住明)(2006年~2007年)
  • イル・ディーヴォ「Somewhere(サムホエア)」(2007年)
2004年から現在まで、イメージキャラクターに小雪を起用している。

[編集] 競争他社製品

23v型以下の日立リビングサプライ扱いのものは松下電器のOEMである(ブラウン管は三菱電機OEM)。これはWoooを名乗っていない(デザイン・外観・機能は松下ビエラと全く同じ)。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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