灘中学校・高等学校
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灘中学校・高等学校(なだちゅうがっこう・こうとうがっこう)は、兵庫県神戸市東灘区にある私立の中高一貫制男子校である。
「灘」の字体の中央は、JIS漢字では簡略化されて「難」の偏と同じになっているが、「儺」の中央と同じように書くのが正しい。
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[編集] 概要
1928年開校。設置者は学校法人灘育英会。校舎のうち、事務棟として現在も使用中の本館は国の登録有形文化財に登録されている。
[編集] 所在地
[編集] 沿革
灘地方で酒造業を営む、嘉納治郎右衛門(菊正宗)、嘉納治兵衛(白鶴)、山邑太左衛門(櫻正宗)によって設立された。同様に酒造業者が設立した学校として甲陽学院がある。設立にあたっては白鶴嘉納家の縁戚で、東京高等師範学校(東京高師)校長を務め講道館柔道の創始者でもある嘉納治五郎が顧問として参画し、嘉納治五郎が柔道の精神として唱えた「精力善用」「自他共栄」が校是となった。初代校長は、東京高師の数物化学科を卒業後各地で教職を歴任していた眞田範衞が嘉納治五郎からの要請で就任。眞田は灘校の「教育の方針」を定め、自ら校歌・生徒歌も作詞した。1927年10月24日に設置認可を受け、この日を創立記念日とする。その翌年に開校。
戦後から昭和40年代にかけて徐々に東京大学への進学校として台頭してきた。1968年度東大入試においてそれまでトップの座に君臨してきた東京の日比谷高校を抜き去り、私学では初めて単独での東大合格者数首位の座を掴む。以来、東大合格者数トップ校の一角を占める学校として知られる。
[編集] 歴代校長
- 初代 眞田範衞 - 京都府立亀岡高等女学校校長から招聘
- 2代 清水実
- 3代 梶和三郎 - 兵庫県立星陵高等学校校長から招聘
- 4代 勝山正躬 - 教頭から昇格、退任後は名誉校長
- 5代 長谷川敏 - 旧制灘中学校卒業生
- 6代 吉田泰三 - 旧制灘中学校卒業生
- 7代 河合善造 - 新制灘高等学校卒業生
- 8代 和田孫博 - 新制灘高等学校卒業生
[編集] 校風
制服の着用義務がないほか、明文化された校則を有せず、風紀について大部分を生徒の良識に委ねるなど、自由な校風を特徴とする。また、設立の経緯から、現在でも中学校及び高校一年次では柔道が全員必修になっている。毎年6月に甲南中学校・高等学校と灘・甲南定期親善試合を催している。また、生徒をできるだけ紳士として扱おうとしており、サンダル、半ズボン、ランニングシャツなどによる登校は禁止されている。
[編集] 部活動
部活動も盛んで、運動部・文化部を合わせた数(約40)は日本一と言われている。特に、運動部の中では硬式テニス部、文化部の中では囲碁部、将棋部、数学研究部が優秀な成績を修めている。
[編集] 入学試験
昭和40年代以降、入学難易度は非常に高い。中学校・高等学校としての難易度(受験予備校等の発表する偏差値に拠る)は、それぞれ最上位群に位置する。 特に算数・数学の難易度は極めて高く、論理性・正確さ・スピード・ひらめきなど、全ての能力において最高レベルが求められる。
[編集] 大学進学
現在、日本国内トップクラスの進学校であり、毎年東京大学のみならず京都大学に多数の合格者を出し、私立大学では慶應義塾大学医学部の合格者が多い。この学校の特徴として、京阪神地区の医師の子弟が多いこともあり、東京大学理科III類のみならず国立大学上位校の医学部への進学実績が非常に高い。
東大医学部や京大医学部の合格者の4分の1以上が灘高生によって占められることもあり、平成17年には東京大学理科III類(定員90人)に22人(現役18人)、京都大学医学部(定員100人)に22人(現役19人)の合格者を出した。理系志向、特に医学部志向が強いこと、東京大学という「名」を取るよりも、行きたい学部に行くという「実」を取る傾向が強いこと、また、現役生がほとんど私立大学を受験せず、国立大学志向が強いことを特徴とする。
[編集] 出身者
[編集] 政治
- 飯泉嘉門 - 徳島県知事
- 鈴木寛 - 参議院議員(民主党)
- 辻泰弘 - 参議院議員(民主党)
- 豊田潤多郎 - 衆議院議員(新生党、新進党)、自由党京都府連会長
- 西田猛 - 衆議院議員(自民党、2006年没)
- 西村康稔 - 衆議院議員(自民党)
- 原亮介 - 兵庫県議会議長、自民党県議団幹事長
- 平林鴻三 - 衆議院議員(自民党)、郵政大臣、鳥取県知事
- 福井照 - 衆議院議員(自民党)、掛川市助役
- 盛山正仁 - 衆議院議員(自民党)、国土交通省総合政策局情報管理部長
[編集] 官界
- 浅野賢澄 - 郵政省貯金局長、官房長、電波監理局長、郵政事務次官、フジテレビジョン社長、同会長 (故人)
- 石田直裕 - 山梨県総務部長、(財)自治体国際化協会ニューヨーク事務所長、総務省総合通信基盤局国際部長、行政管理局長
- 井土武久 - 特許庁長官、大阪商工会議所専務理事、大阪中小企業投資育成社長、同会長
- 今村努 - 科学技術庁原子力安全局長、文部科学省研究開発局長、科学技術政策研究所長、独立行政法人海洋研究開発機構理事
- 内田富夫 - シリア・スウェーデン駐在 各特命全権大使、財団法人日韓文化交流基金理事長
- 遠藤正介 - 日本電信電話公社営業局長、職員局長、近畿電気通信局長、総務理事、遠藤周作の実兄
- 大川美雄 - 外務省国際連合局長、軍縮委員会日本政府代表部駐在、フィリピン駐在、カナダ駐在 各特命全権大使
- 大森政輔 - 内閣法制局長官、国家公安委員会委員
- 奥村裕一 - 通商産業省貿易局長、経済産業省貿易経済協力局長、独立行政法人日本貿易振興機構理事
- 小田部陽一 - 外務省中東アフリカ局アフリカ審議官、経済局長
- 梶村皓二 - 工業技術院長、財団法人機械振興協会副会長
- 国塚武平 - 国土庁大都市圏整備局長、水資源開発公団理事
- 久保卓也 - 警察庁交通局長、防衛庁防衛局長、防衛施設庁長官、防衛事務次官、国防会議事務局長 (故人)
- 合田宏四郎 - 通商産業省関東通商産業局長、日本ガス機器検査協会理事長、日本ガス協会副会長・専務理事 (中退、姫路西高へ)
- 肥塚隆 - トロント駐在総領事、ホンジュラス駐在特命全権大使
- 薦田隆成 - 国土交通省国土計画局長、独立行政法人労働政策研究・研修機構労働政策研究所副所長、連合総研副理事長・所長
- 佐々木英治 - 郵政省北陸郵政局長、郵政事業庁郵務部長、日本郵政公社理事・専務執行役員
- 下荒地修二 - バンクーバー駐在総領事、パナマ駐在特命全権大使
- 杉山蕃 - 航空自衛隊航空総隊司令官、航空幕僚長、統合幕僚会議議長
- 鷲見良彦 - 世界銀行アジア太平洋地域エネルギー局長、コスタリカ駐在特命全権大使
- 竹内透 - 大蔵省関東財務局長、北海道開発事務次官、北海道東北開発公庫副総裁、だいこう証券ビジネス(旧・大阪証券代行)社長
- 野津研二 - 防衛施設庁次長、防衛庁管理局長、契約本部長・装備本部長
- 野村一成 - 外務省欧亜局長、マレーシア・ドイツ・ロシア連邦駐在 各特命全権大使、東宮大夫
- 林良造 - 通商産業省生活産業局長、経済産業省官房長、経済産業政策局長、東京大学公共政策大学院教授
- 広田博士 - 経済産業省関東経済産業局長、大臣官房技術総括審議官、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構理事
- 福下雄二 - 内閣府官民競争入札等監理委員会事務局長、賞勲局長
- 藤井威 - 経済企画庁官房長、大蔵省理財局長、内閣官房内閣内政審議室長、スウェーデン駐在特命全権大使、地域振興整備公団総裁
- 藤岡文七 - 内閣府沖縄振興局長、政策統括官(経済財政運営担当)
- 別所浩郎 - 内閣総理大臣秘書官(小泉純一郎付)、外務省国際協力局長
- 三井康有 - 防衛庁人事局長、官房長、内閣官房内閣安全保障室長
- 宮本信生 - キューバ・チェコ駐在 各特命全権大使
- 村田文男 - 資源エネルギー庁石炭部長、北海道電力副社長、大阪商品取引所理事長
- 森清圀生 - 大阪府商工部長、通商産業省通商政策局次長、日本銀行政策委員会委員(経済企画庁代表委員)、日商岩井専務取締役、ライフ社長
- 吉高廣邦 - 郵政省東海郵政局長、大臣官房経理部長、サテライトジャパン副社長、電気通信普及財団理事長
- 米田壯 - 和歌山県警察本部長、警視庁刑事部長、京都府警察本部長、警察庁刑事局組織犯罪対策部長
[編集] 実業
- 井上登 - NTTドコモ九州社長
- 植村武雄 - 小泉製麻社長、神戸経済同友会代表幹事
- 江崎勝久 - 江崎グリコ社長(創業者江崎利一の孫)
- 長部文治郎 - 大関酒造社長、同会長
- 柏木斉 - リクルート社長
- 駒村秀雄 - RFラジオ日本社長、同会長 (故人)
- 高畑宗一 - 帝人社長、神戸ゴルフ倶楽部理事長
- 武田崇元 - 八幡書店創業者・社長
- 中川哲 - 日本移動通信社長
- 野村明雄 - 大阪ガス社長、同会長、大阪商工会議所会頭
- 八馬望 - 多聞酒造社長、同会長
- 藤井清孝 - 日本ケイデンス・デザイン・システムズ社長、SAPジャパン社長、ルイ・ヴィトン・ジャパン・カンパニープレジデント&CEO(LVJグループ社長)
- 松下正幸 - 松下電器産業副会長(創業者松下幸之助の孫)
- 松田清宏 - JR四国社長
- 松田基 - 両備バス社長、同会長、岡山電気軌道社長、両備グループ代表、夢二郷土美術館初代館長 (故人)
- 丸木強 - M&Aコンサルティング社長
- 水田廣行 - 近畿大阪銀行社長、りそなホールディングス社長、りそな銀行副会長
- 宮本雅史 - スクウェア創業者(ファイナルファンタジーを世に送り出す)
- 三好孝彦 - 日本製紙グループ本社社長、同会長
- 山田邦雄 - ロート製薬社長
[編集] 学者
- 石川顕一 - 物理学者(量子エレクトロニクス・レーザー物質相互作用)、東京大学大学院工学系研究科システム量子工学専攻助教授
- 一本松幹雄 - 若狭湾エネルギー研究センター主席客員研究員、著書「世界から見た灘高型受験教育」
- 江頭憲治郎 - 法学者(商法)、東京大学大学院法学政治学研究科教授
- 大島利雄 - 数学者、東京大学大学院数理科学研究科教授
- 大谷徹郎 - 大谷産婦人科不妊センター院長
- 奥田央 - 経済学者(ロシア経済)、東京大学大学院経済学研究科教授
- 金井壽宏 - 経営学者、神戸大学大学院経営学研究科教授
- 楠岡成雄 - 数学者、東京大学大学院数理科学研究科教授
- 小林俊行 - 数学者、京都大学数理解析研究所教授
- 坂本多加雄 - 政治学者(日本政治思想史)、学習院大学教授 (故人)
- 島並良 - 法学者(知的財産法)、神戸大学大学院法学研究科助教授
- 志甫淳 - 数学者、東京大学大学院数理科学研究科助教授
- 橘木俊詔 - 経済学者(労働経済学)、日本経済学会会長、京都大学教授
- 谷康平 - 社会医学者、社会医学環境衛生研究所所長
- 谷岡一郎 - 社会学者、大阪商業大学教授、学長
- 豊田長康 - 医学者(産科婦人科)、三重大学教授、学長
- 西本征央 - 薬理学者、慶應義塾大学医学部教授
- 西本将樹 - 数学者
- 野依良治 - 化学者、ノーベル化学賞、文化勲章、独立行政法人理化学研究所理事長、名古屋大学特任教授
- 畑瑞穂 - 法学者(民事訴訟法)、神戸大学大学院法学研究科教授
- 藤田隆夫 - 数学者、東京工業大学大学院理工学研究科教授
- 福田歓一 - 政治学者(政治学史)、明治学院大学学長、東京大学名誉教授
- 藤島実 - 工学者、東京大学大学院新領域創成科学研究科助教授
- 松原隆一郎 - 経済学者、東京大学大学院総合文化研究科教授
- 満渕俊樹 - 数学者、大阪大学大学院理学研究科教授
- 森口親司 - 経済学者、帝塚山大学教授、大阪大学・京都大学名誉教授
- 山岸常人 - 建築史学者、元神戸芸術工科大学助教授、現京都大学助教授
- 横山明彦 - 工学者、東京大学大学院工学系研究科電気工学専攻 教授
- 米村明芳 - 数学者、駿台予備学校数学科講師
- 大江和彦 - 医学者、東京大学大学院医学系研究科教授、医師
- 山本尚 - 化学者、名古屋大学大学院工学研究科教授
- 島田俊夫 - 工学者、名古屋大学大学院工学研究科教授
- 藤田岳彦 - 数学者、一橋大学商学部大学院商学研究科教授
- 関一彦 - 化学者、名古屋大学大学院理学研究科副研究科長
- 林行雄 - 医学者、大阪大学大学院医学系研究科助教授
- 伊佐正 - 医学者、大学共同利用機関法人自然科学研究機構生理学研究所教授
- 森島績 - 化学者、京都大学大学院・工学研究科名誉教授
[編集] 法曹
- <在野法曹>
- <裁判・検察>
[編集] 文学
- 遠藤周作 - 慶大卒、作家、芥川賞、文化勲章 (故人)
- 楠本憲吉 - 俳人 (故人)
- 高橋源一郎 - 作家
- 中島らも - 大阪芸術大学卒、作家、ロックミュージシャン (故人)
- 渡邉一考 - 幻想文学研究家、装丁家、南柯書局主人
[編集] マスコミ・評論
- 大田良平 - 読売テレビアナウンサー
- 勝谷誠彦 - コラムニスト、写真家
- 日下公人 - 経済評論家、東京財団会長、多摩大学名誉教授
- 黒岩祐治 - フジテレビキャスター
- 新保信長 - フリーライター・エディター
- 竹信悦夫 - 朝日新聞記者。高橋源一郎や内田樹に影響を与え、都市伝説的知性の持ち主といわれた。
- 船橋洋一 - ジャーナリスト、朝日新聞コラムニスト
- 松本和也 - NHKアナウンサー、「英語でしゃべらナイト」、「スタジオパークからこんにちは第1部・金曜バラエティー」
- 野村明大 - 読売テレビアナウンサー
- 吉田たかよし - 評論家、執筆家、医師、日本健康教育振興協会理事長、元NHKアナウンサー、加藤紘一衆議院議員公設第一秘書
- 好村三郎 - ジャーナリスト、高校野球指導者、朝日新聞編集委員、東海大学体育学部教授、日本アマ野球規則委員会顧問、日米大学野球組織委員
- 和田秀樹 - 受験研究家、精神科医
[編集] スポーツ・文化・芸能
- 大久保怜 - 歌謡番組司会の草分け
- 後藤富美雄 - ピアニスト、聖徳大学教授
- 坂井秀至 - 囲碁棋士(関西棋院所属)、医師
- 光永淳造 - 囲碁棋士(日本棋院所属)
- 桐本和夫 - 囲碁棋士(関西総本部棋士会副会長)
- 程一彦 - 料理研究家
- 野村陽児 - 宝塚歌劇団指揮者
- 山田淳 - 登山家、世界7大陸最高峰登頂世界最年少記録保持
- 山田剛史 - ピアニスト