二子玉川駅
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
二子玉川駅(ふたこたまがわえき)は、東京都世田谷区玉川二丁目22番13号にある、東京急行電鉄の駅である。
目次 |
[編集] 利用可能な鉄道路線
[編集] 駅構造
- 島式2面4線の高架駅である。敷地の都合上、ホームの中央部から下り(中央林間)方にかけての大半が多摩川及び駅付近で合流する野川を渡る橋上にある。
- 一番上に掲載されている写真の手前に人が立っている部分は既に河川敷の上であり、3枚目の写真は既に野川を渡河した位置である(写真左の川が多摩川、右方向に野川及び改札口がある。)。
- その特異な構造のため、ホームの上り方(渋谷・大井町)の幅は20m程度あるのに対し、ホームの中央部から下り方にかけてのホームの幅は5m程度しかない。
- 上り電車のホームは朝ラッシュ時に混雑を極める。上記の様な狭いホームに、当駅から田園都市線に乗車する乗客の他、桜新町駅で急行の待避を行う各駅停車から急行への乗り換え客及びその逆の乗り換え客が多くおり、さらには大井町線始発電車待ちの行列もできるためである。これには大井町線の入線時刻を早める事で対応しているが、全く追い付いていない程混雑している。そのため、東急では大井町線の溝の口駅への延伸の他、田園都市線直通急行(溝の口~大井町間)や田園都市線準急(二子玉川~渋谷間は各駅停車、2007年4月5日から運行開始)の運行開始によって当駅での乗り換え客を減らし、混雑を緩和しようとしている。
階段は、ホームの最も上り方とホームの中央部にそれぞれ1ヶ所存在する。
- ホームの最も上り方の階段を下ると、コンコース・改札口に通じている。
-
- この様な駅構造のため、朝ラッシュ時の上り列車では渋谷寄りの車両(特に1~3号車)は当駅より手前では混雑率が高く、また当駅を過ぎると低下する傾向にある。
- 上下両ホームの中央部に位置する階段は1・2番線と3・4番線を結ぶ連絡通路に通じている。なお、この通路は改札口につながっていない事に注意が必要である。
ホームは外側の1・4番線を田園都市線、内側の2・3番線を大井町線が使用する。
[編集] のりば
1 | ■田園都市線 | 鷺沼・長津田・中央林間方面 |
2 | ■大井町線 | 降車専用ホーム |
■田園都市線 | 鷺沼・中央林間方面 (一部の大井町線からの直通列車のみ) |
|
3 | ■大井町線 | 自由が丘・大岡山・旗の台・大井町方面 |
4 | ■田園都市線 | 渋谷・押上・春日部・久喜・南栗橋方面 |
- 2008年度に予定されている大井町線の溝の口延伸後は、当駅は2番線が大井町線溝の口方面に変更される。
[編集] 改札口
- 改札口は1ヶ所のみ。有人改札窓口はシースルー化されている。
- 上下両ホームからは最も上り方に位置する階段を下った位置にある。
- 改札口付近には改札内外に複数の店舗が出店している。
- コンコース上部には人工地盤が用意されており、将来の再開発の準備がなされている。
[編集] バリアフリー設備
- 上下両ホームの最も上り方に位置する階段にはエスカレーターとエレベーターが共に設置されている。また、多機能トイレや幅広型自動改札機も設置されており、バリアフリー設備が一層充実した。
- 但し、エレベーターに関してはホーム下に道路や堤防がある事など駅構造上の問題からホームとコンコースを直接結ぶ事ができなかったため、ホームとコンコースを行き来する際にはエレベーターの乗り換えが必要となっている。即ち、ホームからコンコースに向かう際には、1度目のエレベーターで一旦ホーム上層の連絡通路に昇り、連絡通路を歩いて2度目のエレベーターでコンコースへ降りなければならない。
- 上下両ホームの中央部に位置する階段は、バリアフリー化がなされていない。
[編集] 駅構内設備
[編集] 改札内
- 売店
- TOKS - 上り・下りホーム
- サービス施設
- コージーコーナー
- ブックファースト
- スープストックトーキョー
- くくる
- らぽっぽ
[編集] 改札外
- 定期券発売所
- テコプラザ
- 売店
- TOKS - 改札前コンコース
- サービス施設
- セガフレード・ザネッティ - 世田谷区たまがわ花火大会・川崎市制記念多摩川花火大会時には、極端に増加する乗降客に対応するため、客席部分のパーティションと客席が撤去され、臨時有人改札口が設置される。
- precce
- ケンタッキーフライドチキン二子玉川駅前店 - 駅改築前、カーネル・サンダースが来日した際に来訪した。
- TSUTAYA
- 紅虎餃子房
なお、駅前再開発の進行に伴い、いくつかの店舗は2006年9月末に閉店している。
[編集] 利用状況
- 1日当たり平均乗降者数
-
- 田園都市線:66,059人(2005年度、田園都市線内第8位)
- 大井町線:30,721人(2005年度、大井町線内第3位)
[編集] 駅周辺
駅周辺には主に住宅地が広がる。周辺には団地の他、瀬田などの高級住宅地も含めた閑静な住宅街を擁する。また、近年から現在まで行楽地としての顔も持つ。
かつては、かつての駅名が由来した二子玉川園遊園地や映画館二子東急などを擁する行楽地が駅東口側に存在していた。
その後、駅西口側には1969年に玉川高島屋をキーテナントとするショッピングセンターが出店。東口側も項1985年の二子玉川園閉園後、跡地にスポーツ施設やナムコワンダーエッグやいぬたま・ねこたまなどが建設された。多摩川河川敷を含めて休日に訪れる人は多い。
現在、当駅から二子玉川園跡地にかけて二子玉川駅東口再開発計画が進行している。そのため、2006年にスポーツ施設以外の二子玉川園跡地の多くの施設が東口商店街の一部店舗と共に閉鎖されているが、将来は東口一帯に2棟のタワーから構成される大規模な商業地域・ホテル・住宅地域が建設される予定である。
また、毎年8月第3土曜日には世田谷区たまがわ花火大会・川崎市制記念多摩川花火大会が開催され、駅を含めた駅周辺は観客で非常に混雑する。
[編集] 西口
- 玉川高島屋ショッピングセンター(高島屋玉川店)
- 瀬田温泉山河の湯(駅からSLバスが運行中)
- 二子橋
- 兵庫島公園 - 河川敷の一部で、二子玉川駅からの河川敷の入口にあたる。
- 多摩川河川敷 - 駅の下を流れる多摩川河川敷は、週末になるとスポーツやバーベキューなどのレジャーを楽しむ人々で賑わう。条例上世田谷区ではバーベキューは河川敷ではできないため、バーベキューは対岸の川崎市側(二子新地駅側)の河川敷で行う事になる。世田谷区側(二子玉川駅側)は、どちらかと言えば、デートなどを楽しむカップルや釣り客が多い。また、CMやドラマなどの撮影にもよく周辺堤が使われる。過去には、テレビ朝日系刑事ドラマ『私鉄沿線97分署』(1984年~1986年放送)の第1シーズンエンディングに、夕暮れの二子玉川-二子新地間の映像が使われている。
- 柳小路 - 商業施設
- プラウドタワー二子玉川 - 二子玉川初のタワーマンション。地上27階建てで、高さは93m。
- 国道246号
- ミスタードーナツ(東京都内で一番の売り上げ)
- コヤマドライビングスクール二子玉川校
- 東京インターチェンジ(東名高速道路)
[編集] 東口
[編集] 路線バス
東口にあるバスターミナル(二子玉川駅停留所)から、東急バスと小田急バスが合わせて7系統を運行している。1~5番乗り場は駅前ロータリーに停留所があるが、6・7番乗り場は駅から50m程離れた別のロータリーに停留所がある。
- 1番乗り場
- [ 渋12 ] 渋谷駅~二子玉川駅(東急)
- 2番乗り場
- [ 玉06 ] 二子玉川駅~砧本村(東急)
- 3番乗り場
- [ 玉07 ] 二子玉川駅~成城学園前駅(東急)/二子玉川駅~成城学園前駅南口(小田急)
- 4番乗り場
- 5番乗り場
- 6番乗り場
- [ 黒02 ] 目黒駅~二子玉川駅(東急)
- 7番乗り場
- [ 玉11 ] 二子玉川駅~多摩川駅(東急)
その他、入出庫系統として、
が存在する。
また、西口駅前には二子玉川停留所(二子玉川駅・高津営業所方面)がある。渋12系統渋谷駅~高津営業所のバスは二子玉川駅に立ち寄らないため、二子玉川バス停での降車が必要となる。また、朝ラッシュ時は成城学園前駅方面からの系統がこの停留所を経由してバスターミナルに向かうが、こちらで降りた方が当駅へは早い。
- 6・7番乗り場のあるロータリーは、駅前ロータリーと異なるロータリーである事から2000年まで「二子玉川園前停留所」という別の名称を用いていた。
- 路線バスではないが、2番乗り場と3番乗り場の間に東急自動車学校送迎バス専用停留所が、6・7番乗り場のあるロータリーの中央には東京日産ドライビングスクール送迎バス専用停留所がある。
[編集] 歴史
玉川電気鉄道の玉川停車場として開業した。その後、目黒蒲田電鉄の大井町線が延伸し、隣接して二子玉川駅を開業する。
玉川電気鉄道は自社の経営する玉川第二遊園地(後の二子玉川園)を読売新聞とタイアップさせ、「読売遊園」に改称したのに伴い、「よみうり遊園駅」に改称。玉電が東横に併合され、さらに東横が目蒲に合併した事に伴い、同一駅に二つの名称があるのは不合理だと言う事で「二子読売園駅」に改称。戦局の悪化で遊園地が閉鎖された事で「二子玉川駅」に改称するが、戦後遊園地が復活した事に伴い、「二子玉川園駅」に改称した。
長らく地上駅であったが、その後大井町線が田園都市線として長津田駅まで延伸される事となり、1966年に高架駅として改築された。その際、駅全体が多摩川寄りに大きく移転した。なお、玉川線と砧線のホームは従来の場所(地上)に取り残され、1969年の廃線まで存置された。1977年に新玉川線が同駅に乗り入れた。
現在の高架駅となった当初は、二子玉川駅で折り返す旧・新玉川線に合わせて高架駅が建設されたという経緯から、折り返しが行い易い内側の2・3番線を新玉川線、即ち現在の田園都市線が使用し、外側の1・4番線を現在の大井町線(1979年までの田園都市線、即ち大井町~二子玉川~つきみ野の列車)が使用していた。
- 新玉川線が田園都市線と直通運転を行う様になる1979年までは、新玉川線の線路は二子玉川駅の渋谷寄りで上下線がY字ポイントで合流し、再びY字ポイントで2・3番線に別れるという形態であった。
現在の様に外側の1・4番線を田園都市線、2・3番線を大井町線として使用する様になったのは1999年からの事である。運転経路変更以降は不便な状態が続いていたため、田園都市線複々線化工事(大井町線の溝の口延伸)を機に1994年から駅改良工事が行われ、1999年に現在の形となった。
- 1979年に田園都市線の運転経路が現在の運転経路へと変更され、長津田方面からの田園都市線列車は内側の2・3番線を使用する事になった(当時は田園都市線が当駅で新玉川線に直通するため、新玉川線が発着する内側の2・3番線を使用する形になる。)。反面、二子玉川~大井町間が切り離された現在の大井町線は、ホームの異なる外側の1番線と4番線のそれぞれで折り返す形での発着を行う様になる。その結果、両線の乗り換えには連絡通路を移動する場合とない場合が存在してしまう事になった。また、連絡通路が狭いために通路内で乗客が錯綜する事があった。
その後、2003年8月中旬~2004年8月下旬まで、2期に分かれて(1期:2003年8月中旬~2004年3月下旬、2期:2004年4月中旬~8月下旬)エレベーター設置工事が行われた。1期は連絡通路の建設及びコンコースと通路を結ぶエレベータの建設が、2期は連絡通路とホームを結ぶエレベーターの建設が行われた。1期工事完了時に連絡通路とホームの間に仮設スロープが設けられ、暫定的にバリアフリー化が完了した。この仮設スロープは2期工事期間中のみ使用され、連絡通路とホームを結ぶエレベーターが完成した後撤去にされた。
2006年4月、下りホームに待合室が完成した。その後、5月から9月下旬までホームの西半分において屋根の拡幅工事が行われた。既存の屋根にひさしが取り付けられ、雨天時の雨の吹き込みが減少するとされる。
[編集] 年表
- 1907年(明治40年)4月1日 - 玉川電気鉄道(後の東急玉川線)玉川駅として開業。
- 1924年(大正13年)3月1日 - 玉川電気鉄道砧線が開業。
- 1927年(昭和2年)7月15日 - 玉川電気鉄道溝ノ口線玉川駅 - 溝ノ口駅(現在の溝の口)間が開業。
- 1930年(昭和5年)4月1日 - 目黒蒲田電鉄二子玉川線(現在の大井町線)二子玉川駅が開業。
- 1939年(昭和14年)3月10日 - 玉川線玉川駅がよみうり遊園駅に改称。
- 1940年(昭和15年)12月1日 - 大井町線・玉川線の両駅を統合し二子読売園駅に改称。
- 1943年(昭和18年)7月1日 - 二子読売園駅 - 溝ノ口駅間の軌道の軌間を1,372mmから1,067mmに改軌し、大井町方面と直通運転開始(地方鉄道法への変更は1945年10月1日)。
- 1944年(昭和19年)10月20日 - 二子玉川駅に改称。
- 1954年(昭和29年)8月1日 - 二子玉川園駅に改称。
- 1969年(昭和44年)5月10日 - 玉川線と砧線が廃止。
- 1977年(昭和52年)4月7日 - 新玉川線が開業。
- 2000年(平成12年)8月6日 - 二子玉川駅に改称。新玉川線を田園都市線に統一。
[編集] 隣の駅
- 東京急行電鉄
- ■田園都市線
- ■大井町線
-
- 上野毛駅 - 二子玉川駅 - 溝の口駅(田園都市線・急行)/二子新地駅(田園都市線・各駅停車)
-