日野・ポンチョ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ポンチョ(Poncho)は、日野自動車が制作している路線用小型ノンステップバスである。
欧州製のミニバスに対抗してつくった半国産バスである。2002年に発売を開始、2003年には車椅子の乗降に便利な後面ドア付仕様が追加された。当初の予定で3年間で90台の限定生産品となっており、2005年をもって一旦発売を終了した。
2004年の東京モーターショーで日野自動車は、同社の小型バス・リエッセをベースとした純国産の小型ノンステップバス「ポンチョL」を参考出品しており、2006年3月22日に、これを量産向けにした2代目ポンチョの発売を開始した。
目次 |
[編集] 構造
[編集] 初代
全幅2 m×全長5.8 mの旧・日野車体工業(同社合併によるジェイ・バス発足後、製造をトヨタテクノクラフトに移管)製コンパクトボデーを採用。また、フランスのPSAグループ製前輪駆動シャーシを採用した。エンジンは同93kw(127PS)のインタークーラー・ターボ付き2.8リッター直列4気筒で、変速機は5速マニュアルのみ。このシャーシは欧州では「プジョー・ボクサー」や「シトロエン・ジャンパー」、 「フィアット・デュカート」(fr:Citroën Jumper - Fiat Ducato II - Peugeot Boxer)いう商用車に使われている。サスペンションは前輪がコイルバネ(ストラット式サスペンション)、後輪が板バネとなっており、他のメーカーがエアサスでニーリング機構を備えるのとは異なっている。また、仕様が後面ドア付仕様を含めても2仕様だけであり、価格も単一(1,530万円)、行先表示もユーザーが方向幕装置などを希望しなければ差し込み式とするなど、簡略化したのが特徴である。
- 定員
- 座席12+立席7+運転席1の計20人乗り(車椅子1台乗車可能)である。なお、後面ドア付仕様は定員が1名減となる。
[編集] 2代目
リエッセをベースにしたため、車体も基本は同じである。ただし、全長はリエッセと同じ7mに加え、6.3mのショートバージョンが作られた。前面形状は、丸型前照灯の採用、リヤのランプ類もリエッセと異なり新型セレガと共通の丸型となるなど、個性を出している。乗降扉はワンボックス車のような外側スイング式で、ロングボディ車で2扉が可能としている。また、エンジンはリヤに排気量4.7リッター・ターボ付き直列4気筒・132kw(180ps)のJ05D<J5-IIF>型を搭載し、平成17年排出ガス規制に適合する。ロングボディ車では定員30名以上を確保しており、非常口もある。車両価格は初代とほぼ同じ1,541万円(ロングボディ・都市型多区間)である。
しかしステップリフト付きのリエッセ(新車価格1036万円)に比べて500万円ほど価格が高いため、2006年9月の時点ではまだリエッセの方が売れているのが現状である。 [1]
2006年12月20日には、電子制御式5速オートマチックトランスミッション車が追加設定された。
- 定員
- ショートボディ(形式:ADG-HX6JHAE)
- ノンステップ部横向き:座席14+立席10+運転席1の計25人乗り
- ノンステップ部前向き:座席10+立席18+運転席1の計29人乗り
- ノンステップ部左側横向き、右側前向き:座席12+立席14+運転席1の計25人乗り(寒冷地仕様)
- ロングボディ(形式:ADG-HX6JLAE)
- ノンステップ部横向き:座席14+立席16+運転席1の計31人乗り
- ノンステップ部前向き:座席11+立席24+運転席1の計36人乗り
- ノンステップ部左側横向き右側前向き:座席12+立席21+運転席1の計34人乗り(寒冷地仕様)
[編集] ポンチョの意味
ポンと乗ってチョこっと行く。衣服のポンチョにもかけている。
[編集] 採用路線
- 小田急バス
- 国際興業
- 練馬区福祉コミュニティバス 練馬北町車庫~氷川台福祉園~日大練馬光が丘病院ルート
- 西武バス
- 立川バス
- 西東京バス
- 京王バス東
- 神奈川中央交通
- 津久井神奈交バス (2代目ポンチョ・2007年3月11日から)
- や01 やまなみ温泉~東野
- や02 やまなみ温泉~篠原
- 篠01 篠原~赤沢
- 相鉄バス
- 新日本観光自動車
- 足立区はるかぜ 宮03 北千住~小台・宮城循環線
- 京浜急行バス
- 京浜急行バス衣笠営業所 衣25 しょうぶ園線
- 横浜市交通局(横浜市営バス)
- 西区おでかけサポートバス(愛称・ハマちゃんバス)※:2007年3月31日をもって運行終了したため、除籍。
- 京成バス
- 東京都荒川区コミュニティバス「さくら」
- 千葉海浜交通
- ベイタウン北循環線
- 磯辺循環線 いそまる君(リエッセと共通運用)
- 富士急静岡バス
- ひまわりバス「吉原中央駅循環」
- しずてつジャストライン
- こしず(安東循環)
- 田原市(豊鉄ミデイ委託)
- ぐるりんバス
- 松本電気鉄道
- タウンスニーカー(導入第一号)
- 川中島バス・長電バス
- ぐるりん号東循環
- 伊那バス
- 伊那市街地循環バス 内回り(東京モーターショー)
- 岐阜乗合自動車
- 柳バス
- ののいちバス
- 加越能鉄道
- 高岡市「こみち」(新型ポンチョ導入第1号)
- いなべ市コミュニティバス
- 湖国バス
- ちょこっとバス
- 京阪京都交通
- 亀岡市コミュニティバス
- 京都市営バス
- 小型バス・ジャンボタクシー代替モデル実験用
- 京阪バス
- コミュニティバスやわた
- 京阪宇治バス
- 城陽市コミュニティバス
- 近鉄バス
- 八尾市愛あいバス(初代ポンチョ・後面ドア付仕様として初の導入例)
- 奈良交通
- 奈良営業所、榛原営業所管内(2代目ポンチョ)
- 全但バス
- 日本交通 (鳥取)
- 日ノ丸自動車
- 境港市(大新東委託)
- 岩国市交通局
- くるりん
- 鳴門市企業局(2代目ポンチョ)
- 市内循環線
- 高知県交通
- よさこいぐるりんバス
- 土佐電ドリームサービス
- 高知医療センター線
- 伊予鉄道
- 梅本ループ線
- 山田市(大新東委託)
- 山田市バス
- 小郡市(西鉄バス佐賀委託)
- 小郡市コミュニティバス
- 九州産交バス
- 那覇バス
- 系統番号7番・新都心循環線
- 系統番号10番・牧志新都心線
他