有馬良橘
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有馬 良橘（ありま りょうきつ、1861年12月16日（安政元年11月15年） - 1944年（昭和19年）5月1日）は、日本の海軍軍人。最終階級は海軍大将。和歌山県和歌山市出身。
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[編集] 略歴
旧制私立慶應三田英学校より海軍兵学校第12期入校。入校時成績順位は44名中第16位、卒業時成績順位は19名中16位。
有馬の父は紀伊徳川家家臣として幕府軍側に参戦転戦したために良橘が幼少の頃は朝敵扱いされ、良橘の尋常小学校入学が12才と言う遅延する結果を招く。
有馬の職歴の特徴として明治天皇と東郷平八郎の影が多々見え隠れするが、東郷の側近中の側近と言われ東郷死去の際は葬儀委員長も勤めたが政治的には全くの無色な存在であり、シーメンス事件の際に当時の海軍大臣八代六郎から請われ査問委員を勤め公正な判断を下す。
日露戦争中は2度に渡る旅順港閉塞作戦を立案し指揮官の1人として作戦の参加した事でも知られている。
昭和期に入り条約派対艦隊派間の紛争となった際に艦隊派が有馬が東郷の側近の1人と知って担ぎ出そうとした際も『一介の軍人が介入すべき事項では無い』と一切拘わりを拒絶した。
晩年は明治天皇の侍従武官を勤めた経歴を買われ明治神宮宮司を務める。
[編集] 人物像
有馬自身が幼少の頃から苦労を強いられた人生を送ったために、普段の私生活は海軍将官とは想像もできない清貧極めたものだったそうである。
また、明治、大正、昭和各天皇の信任が篤かった。
[編集] 年譜
- 1861年（文久元年）12月16日- 紀伊國和歌山城下（現在の和歌山県和歌山市）生
- 1873年（明治6年）4月1日- 広瀬尋常小学校入学
- 1876年（明治9年）3月31日- 広瀬尋常小学校卒業
- 1881年（明治14年）4月1日- 私立慶應三田英学校入学
- 1882年（明治15年）9月30日- 海軍兵学校入校 入校時成績順位44名中16位
- 1885年（明治18年）10月24日- 砲艦「筑波」乗組
- 1886年（明治19年）2月9日- 練習艦遠洋航海出発 ニューカッスル~シドニー~ウェリントン~フィジー~サモア~ホノルル~アピア~パンコパンコ方面巡航
- 1888年（明治21年）1月13日- 任 海軍少尉・2等巡洋艦「高千穂」分隊士
- 4月9日- 砲艦「天城」分隊士兼航海士
- 1889年（明治22年）6月25日- 砲艦「天城」航海長心得
- 1890年（明治23年）1月10日- 3等巡洋艦「千代田」回航委員
- 4月6日- 日本出発
- 1891年（明治24年）1月26日- イギリス出発
- 1892年（明治25年）9月10日- 常備艦隊軍艦通則取調委員
- 1894年（明治27年）4月23日- 2等巡洋艦「浪速」航海長兼分隊長
- 1895年（明治28年）11月16日- 横須賀鎮守府参謀
- 1896年（明治29年）10月24日- 侍従武官
- 1897年（明治30年）12月1日- 任 海軍少佐
- 1899年（明治32年）9月29日- 任 海軍中佐
- 12月21日- 常備艦隊参謀
- 1900年(明治33年)5月15日- 戦艦「三笠」回航委員
- 6月15日- 出発
- 1901年（明治34年）5月1日- 戦艦「三笠」航海長
- 1902年（明治35年）3月6日- イギリス出発
- 5月18日- 横須賀回着
- 1903年（明治36年）2月7日- 病気に依り待命
- 1904年（明治37年）4月18日- 大本営附
- 1905年（明治38年）6月14日- 2等巡洋艦「笠置」艦長
- 1906年（明治39年）11月22日- 装甲巡洋艦「磐手」艦長
- 1907年（明治40年）12月20日- 第2艦隊参謀長
- 1908年（明治41年）4月17日- 大韓帝国皇帝謁見
- 1909年（明治42年）12月1日- 任 海軍少将
- 1910年（明治43年）12月1日- 海軍省軍令部第1班長
- 1912年（大正元年）9月10日- 明治天皇霊柩供奉
- 12月1日- 第1艦隊司令長官
- 1913年（大正2年）10月22日- 佐世保海軍病院入院
- 1914年（大正3年）1月28日- 海軍将官会議議員 シーメンス事件査問委員
- 1916年（大正5年）12月1日- 海軍省教育本部長兼海軍将官会議議員
- 1917年（大正6年）4月6日- 第3艦隊司令長官
- 1918年（大正7年）12月1日- 海軍将官会議議員
- 12月11日- 海軍省軍令部次長
- 1919年（大正8年）11月25日- 任 海軍大将
- 12月1日- 海軍省教育本部長兼海軍将官会議議員
- 1920年（大正9年）11月1日- 勲1等旭日大綬章授章
- 12月1日- 免 海軍省教育本部長
- 1921年（大正10年）8月1日- 待命
- 1922年（大正11年）4月1日- 予備役編入
- 1927年（昭和2年）9月1日- 海軍有終会理事長
- 1931年（昭和6年）9月14日- 明治神宮宮司
- 1932年（昭和7年）12月26日- 枢密院顧問官
- 1934年（昭和9年）5月30日- 元帥東郷平八郎海軍大将葬儀委員長
- 1937年（昭和12年）10月12日- 国民精神総動員中央連盟会長
- 1939年（昭和14年）4月1日- 大日本青年団長
- 1940年（昭和15年）1月15日- 特旨を以って宮中杖差許
- 1942年（昭和17年）11月3日- 昭和天皇・香淳皇后に『明治天皇を偲び奉る』談話を言上
- 1943年（昭和18年）8月27日- 免 明治神宮宮司
- 1944年（昭和19年）5月1日- 死去 享年84
- 5月11日- 勲1等旭日桐花大綬章授章
[編集] 参考文献
- 有馬良橘伝（佐藤栄祐編・有終会刊）
- 三田の政官界人列伝 士官教育に傾倒 （野村英一編・慶應義塾大学出版会） ISBN 4-7664-1249-4 C0031
- 坂の上の雲（司馬遼太郎著・文芸春秋社） 第6巻 ISBN 4-16-360180-5
- 日本陸海軍の制度・組織・人事（日本近代史料研究会編・東京大学出版会）
- 海軍兵学校沿革・第1巻（海軍兵学校刊）
- 海軍兵学校出身者名簿（小野寺 誠編・海軍兵学校出身者名簿作成委員会）
