みすず (列車)
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みすずとは、東日本旅客鉄道および東海旅客鉄道が飯田駅~長野駅を飯田線・中央本線・篠ノ井線・信越本線経由で運転する快速列車の愛称である。愛称は、「信濃」にかかる枕詞「みすずかる(水篶刈る)」に由来する。
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[編集] 運行概況
[編集] 運転本数
2007年現在、1日に下り(長野方向)が2本、上り(飯田・上諏訪方向)が4本運転されているが、ダイヤ改正の度に停車駅が増加している。2004年(平成16年)10月16日のダイヤ改正では、1往復をのぞき飯田線内は各駅停車となり、2007年(平成19年)3月18日のダイヤ改正では、朝の飯田行きが全区間各駅停車となった。
- 辰野~塩尻間は、距離の短い通称「辰野支線」を経由せず、岡谷駅経由で運転され、岡谷駅でスイッチバックを行う。
- 長野6:33発2530Mでは、松本まで上諏訪行きと飯田行きの併結運転がされており、かつての「天竜」や「かもしか」の伝統を残している。
[編集] 使用車両
- 115系
- JR東日本長野総合車両センター所属1000番台3両編成(長野色)
朝の長野発1本のみ6両編成(松本で分割)であるが、JR東日本の編成はJR東海の編成とは向きが逆になっているため、両社の車両を併結する運用は存在しない。なお、JR東海の115系は、2007年3月18日から313系1700番台に置き換えられ、JR東日本管内では珍しく転換クロスシートを装備した普通列車となった。
快速「みすず」運転開始時はJR東日本長野総合車両センター所属の169系の専用塗色(アイボリーの車体に「Nagano」の「N」を表現した緑のストライプ)の4両編成が使用されていた。
[編集] 停車駅
4本とも停車する駅のみ記載。
飯田駅 - 元善光寺駅 - 市田駅 - 伊那大島駅 - 上片桐駅 - 七久保駅 - 飯島駅 - 伊那福岡駅 - 駒ヶ根駅 - 宮田駅 - 沢渡駅 - 伊那市駅 - 伊那北駅 - 北殿駅 - 木ノ下駅 - 伊那松島駅 - 沢駅 - 羽場駅 - 宮木駅 - 辰野駅 - 川岸駅 - 岡谷駅 - みどり湖駅 - 塩尻駅 - 村井駅 - 平田駅 - 松本駅 - 田沢駅 - 明科駅 - 西条駅 - 坂北駅 - 聖高原駅 - 篠ノ井駅 - 川中島駅 - 長野駅
[編集] 沿革
長野県内の南信地区と県都長野を結ぶローカル準急として設定された「天竜」を起源としており、「かもしか」への改称と快速列車格下げを経て、現在に至っている。国鉄時代末期には、急行形電車の座席を転換クロスシート(一部簡易リクライニングシート)へ交換したアコモデーション改造車が投入され、「新特急」に準えた「新急行」と冠してテコ入れが図られたが、結局全列車が快速「みすず」に格下げされた。老朽化により急行形電車の使用はなくなり、現在は近郊形電車により運行されている。
- 1961年 - 新宿駅・長野駅~天竜峡駅に気動車準急列車「天竜」を新設。車両はキハ58系
- 1966年 - 「天竜」は急行列車に昇格。
- 1968年 - 「天竜」の新宿駅発着列車を「こまがね」に分離。
- 1973年 - 「天竜」の下り1本のみを電車化。車両は80系。
- 1973年 - 「天竜」の全列車が電車化。車両は下り1本が80系、その他は165系。
- 1978年 - 「天竜」の全列車が165系に。これにより80系を使用した定期急行列車は消滅する。
- 1986年 - 「天竜」を急行列車「かもしか」と快速列車「みすず」に分離。
- 1988年 - 急行列車「かもしか」廃止。快速列車「みすず」に一本化。