ラジオ深夜便
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ラジオ深夜便(ラジオしんやびん)は、NHKのラジオ第一放送、FMラジオ放送で放送されている深夜放送番組。
年末年始を含め、毎日放送される完全帯番組であるが、12月31日深夜から1月1日早朝にかけては特例がある。(その項参照)
目次 |
[編集] 起源
NHKのラジオ放送は台風、地震などの災害時や、オリンピックなど国際的な大イベントの時差による深夜中継などの特殊なケースを除き、毎日午前0時放送終了、午前5時放送開始の体制を取り、民間放送ラジオが連日行っている深夜放送とは全く無縁であったが、1988年9月、昭和天皇が重体に陥ると、NHKを含む各メディアは、天皇の容態を特別体制で、深夜も含め随時速報するようになった(台風情報と同様)。この体制は、昭和天皇崩御の1989年1月7日まで続けられた。
NHKでは総合テレビ、ラジオ第1、FM放送を臨時に24時間放送にし、定時放送終了後から翌日の開始時間までフィラーとしてクラシック音楽と関連ニュースを放送したが、この「静かな音楽を終夜流す」という放送形態が意外に好評を得、常時24時間放送できないかという投書が殺到した。
そこでNHKでは、1989年11月の3連休に「67時間ラジオいきいきラリー」と題した特別放送を実施し、普段メンテナンスに当てる深夜時間帯に音楽や落語などを放送し、視聴者からの反響を得た。従来からの民間放送による「オールナイトニッポン」などの深夜ラジオ番組は若者向けで騒々しく、それらに不満足だった中高年層から「大人の聴ける静かな番組」としての支持を得たのである。 こうして、「ラジオ深夜便」は誕生することとなったのである。
「ラジオ深夜便」放送開始のもう一つの背景としては、深夜時間帯の地震や津波、あるいは内外での突発的な事態が発生した場合への迅速な対応を行う目的も兼ねている。従来は、地震などの突発的な事態が深夜の放送休止時間帯に発生した場合、放送設備の電源投入や、宿直・仮眠中の関係者の支度など、放送開始までの準備作業に10~15分程度要していたため、迅速に情報が伝えられない点もあった。「ラジオ深夜便」に限らずNHKで深夜番組(24時間放送)を開始したのは、突発的な事態が発生した場合への迅速な対応を行う目的もある。
[編集] ラジオ深夜便創設以降の歴史
- 1990年4月から不定期放送で「特集 ラジオ深夜便」と銘打って午前0時から放送を開始。1990年度はゴールデンウィーク、お盆、年末年始、春休みと10月以降の週末に放送し、1991年度は月末を除く殆ど毎日放送された。
- 1992年4月より午後11時台からの定時放送に移行し、24時間放送がスタートする。(但し月曜日深夜~火曜日早朝と、年数回のメンテナンス実施日の1:00~5:00については休止)
- 1995年4月より、金曜日深夜に「関西発ラジオ深夜便」(月末は「地方発ラジオ深夜便」)を放送開始。また、これまで毎週月曜日深夜~火曜日早朝の時間帯の放送休止時間帯は第2・4週の月曜日深夜~火曜日早朝とし、第1・3・5週の月曜日深夜~火曜日早朝は新たに24時間化。
- 1996年4月より、ラジオ第1放送休止時にFM放送でのリレー放送開始。(モノラル放送。但し年数回の大掛かりなメンテナンスを実施する場合は24時で放送終了とし国際放送を除くテレビ・ラジオ全ての電波を停止した)BSアナログ放送だけ通常放送で地上系放送波のみ休止のときもあった。
- 1998年4月よりラジオ第1、FM放送のサイマル(同時)放送(午前1時~5時 開始当初は日曜深夜(月曜未明)とメンテナンス実施日は休止)開始(FMはステレオ放送に)。
- 2000年7月より、放送休止枠が各局の任意となる(ラジオ第1は主として毎月第2月曜深夜、FMは毎月第1、3日曜深夜。及び年数回のメンテナンス期間に実施。但し大掛かりなメンテナンスや放送会館の移転作業の時を除いてラジオ第1とFMの両方が休止になるということはない)。
- 同年 放送開始10周年を記念して同番組のテーマソングをアレンジして、芹洋子がイメージソング「夢」を発表。
- 2004年11月 2005年4月の放送開始15周年を記念して、エム・ナマエ(画家)が製作したマスコットキャラクターを制定(名称は一般公募で2005年1月末まで。同年3月13日、NHKホールで開催の「ラジオ深夜便の集い」で愛称「ゆめぞうくん」に決定した)。
- 最近では地方発の放送に併せて公開録音「ラジオ深夜便の集い」を開催するようになった。これは「こころの時代講演会」と「アンカーを囲む会」の2部構成で構成されている(会場によっては池田けんいちによる音楽講話も行われる)。なお1997年、2000年、2005年にはそれぞれ東京都渋谷区のNHKホールで関西発を含む全アンカー総出演で大々的な集いが開かれた他、2005年1月には阪神・淡路大震災10周年記念「深夜便ウォーク」と題し、神戸市内のウォーキングイベントと集い(公開録音)を併催する試みが行われた。
- 現在では深夜時間帯のラジオ聴取率で、民放ラジオ全体の聴取率を大きく上回る人気があり、専ら若者や長距離トラック運転手向けに製作された深夜番組編成の再構築など、他民放局へ影響を与える存在になっている。また、迅速な災害報道にも役立てられている。
ちなみに、1992年頃は、NHKの労働組合である日放労が、「労働強化」を理由に放送のレギュラー化に反対していた。
[編集] 出演アンカー
[編集] 現在出演中のアンカー
- 基本的にはNHKのベテランアナウンサーやNHKを退職したOB・OGが担当する。(現在現役のアナウンサーは氏名の後に所属先を記す)
- また放送当日、特別番組や地方でのイベントなどの出演や負傷などによる不可抗力で出演できない場合は、当該曜日の別のアンカーが担当することもある。
放送曜日 | 奇数週 | 偶数週 | 特記 |
---|---|---|---|
月曜日 | 遠藤ふき子 | 葛西聖司(放送センター・アナウンス室)(2007年4月~) | |
火曜日 | 須磨佳津江 | 水野節彦 | |
水曜日 | 川野一宇(放送センター・アナウンス室) | 宮川泰夫 | |
木曜日 | 迎 康子(ラジオセンター) | 松本一路(放送センター・アナウンス室)(2007年4月~) | |
金曜日 | 西橋正泰(関西発 第1・3週のみ) | 峯尾武男(関西発 第2週のみ) | 第4、5週目は地方発 |
土曜日 | 榊 寿之 | 秋山隆(2007年4月~) | |
日曜日 | 宇田川清江 | 明石 勇 |
- 現在現役のアナウンサーは迎、葛西アンカー(川野、宮川、松本は一度定年退職後嘱託等で再雇用)。遠藤、榊、秋山は日本語センターで各種講座担当。
- 川野、水野、明石、秋山の各アンカーは担当がない週でもラジオのニュース(ラジオ深夜便番組内も含む)に出ることもある。
- NHKでは、57歳がアナウンサーの定年の一応の目安となっており、その後雇用契約を継続するかどうかは各自の判断にゆだねられる。他の非現役アンカーも在任中に定年を迎え新たな雇用契約を結んだか、定年になってからこの番組の担当になったか、女性では定年前に退職して子育て等が一段落して現役復帰したか、そのどれかに該当する。最近では、法令等の改正等により、少なくとも60歳まではアナウンサーを続けるケースが大半を占めており(深夜の時間帯のラジオニュースやラジオ国際放送のニュースでも60~70歳代のアナウンサーの担当が中心)、宮川アンカーの場合も60歳で一旦定年退職後、この番組を担当している。
[編集] 過去に出演した主なアンカー
★印は、日本語センターで話し言葉講座などの講師を務めている。
[編集] 男性
- 小高昌夫
- 国井雅比古
- 小林弘明
- 現在はNHKワールド・ラジオ日本のニュースを担当
- 斎藤季夫
- 2007年3月まで第2・第4木曜日のアンカーを務めた。
- ★高梨敬一郎
- 立子山博恒
- 中村充
- 平岩毅
- ★古屋明信
- 現在はラジオのニュースを担当
- 古屋和雄 - 放送センター・アナウンス室
- 2000年から2006年3月まで、第2・第4月曜日のアンカーを務めた。
- 松川洋右(まつかわ・ようすけ)
- 降板後はNHKワールド・ラジオ日本のニュースやラジオ第2・FM放送の「名曲スケッチ」、「名曲の小箱」の曲目紹介を担当。現在はNHK放送博物館の職員として在籍。
- 松田輝雄
- ★村田昭
- 和田篤
[編集] 女性
- 大越泰子
- 加賀美幸子
- 河村陽子
- 現在でも制作ディレクターと「ラジオ深夜便こころの時代」のインタビュアーとして同番組を担当
- 久保慶子
- 高橋恭子
- ★高橋美紀子
- 日野直子
- 特定非営利活動法人おおいた豊後ルネサンス理事長。2006年9月25日~28日「ないと・エッセー」に登場
- 広瀬修子
- 現在は大学教授の傍ら、ラジオの「音の風景」と総合テレビ「宮廷女官チャングムの誓い」番組内「チャングム豆辞典」のナレーション、不定期にドキュメンタリー番組のナレーションを担当。
- 室町澄子 - ラジオセンター嘱託
- 1995年から2006年3月まで、第1・第3・第5木曜日のアンカーを務めた。番組内の「ミッドナイトクッキング」のコーナー担当は2006年4月以降も継続。
- ★森川靄子(もりかわ・あいこ)
- 山根基世
- 2005年6月から放送センター・アナウンス室長。
[編集] テーマ曲
- THE CHANCE YOU TAKE(23時台、0時台)
- 1時台はピアノ・ソロを放送。
- 10月から翌年3月のエンディングはアレンジしたものを放送。かつては0:00あるいは1:00で番組が終了する際にも使われた。
- これらのテーマ曲はCD「ラジオ深夜便テーマ曲集」などに収録されている。
[編集] 現在の放送体系
- ラジオ第1放送
- 月~金曜日 23:20 - 5:00(プロ野球中継延長の場合開始時刻が遅くなる場合あり)
- 土曜日・年末年始(12月29日‐1月3日 ※除・12月31日深夜から1月1日未明) 23:10 - 5:00
- 日曜日 23:40 - 5:00
- FM放送(毎日) 1:00 - 5:00
- ステレオ放送。但し、年1回程度回線テストのためモノラル放送となる場合がある。また年末年始は特別編成の関係で若干時間が短縮される場合もある。また年末年始などに特別番組などの関係で開始時間が変更される場合もある。
- NHKワールド・ラジオ日本
- 月~金曜日 23:20 - 1:00(プロ野球中継延長の場合開始時刻が遅くなる場合あり)
- 土曜日・年末年始 23:10 - 1:00
- 日曜日 23:40 - 1:00
- 月~日曜日 4:00 - 5:00(シンガポール中継の大洋州〈主にオーストラリア〉向け地域のみ放送 ラジオ第1放送がオリンピックやサッカーワールドカップなどのスポーツ中継があってもFMで放送されるため通常通り放送)
- 注)ワールドカップやオリンピック中継をラジオ第一で午前0時50分から行う場合、FMで放送される午前1時までの10分間放送されない。
[編集] 番組の時間割
- 放送時刻はすべて日本時間(JST)。
- 各時間帯の毎正時(23時台除く)にNHKニュース、57分ごろ(4時台除く)に天気概況を放送。23:55ごろから気象協会からの解説と翌日の日の出の時刻、また0時台は世界の天気(世界の主要15都市、関西発は16都市)も放送される。
- 日本の都市別の天気予報・日の出時刻の紹介は以下のとおり。北(札幌)から紹介し、西(那覇)から紹介することも。
- なお、地方発深夜便では上記都市の他に、担当する放送局所在都市の日の出時刻・天気予報を紹介する場合がある。
- 通例、交通情報は後述2時半の「全国高速道路交通情報」のみだが、ゴールデンウィーク、お盆、年末年始については23時台~2時台に随時センターから直接情報を挿入する。特に混雑が激しい場合には3時台以後にも挿入することがある。
- なお、自然災害(台風、地震など)や国際情勢によっては放送の内容を大幅に差し替えたり番組を休止する場合がある他、地方発深夜便放送時は下記内容が変更される時間帯もある。(それぞれ次項、次々項参照)
- 23時台
- 平日 日本列島暮らしの便り、ないとエッセー(ないとエッセーは編成の状況により2回分連続で放送されることもある)
- 土曜日 輝け!!熟年(~0時台前半まで)
- 日曜日 くらしの中のことば
- 柴田実(NHK放送文化研究所主任研究員 かつてはアナウンサーとして在籍していた)
- 一柳みどり(雑誌編集者 放送では触れないが自由国民社発行「現代用語の基礎知識」を担当)
- 金田一秀穂(杏林大学教授)
- 紀平正幸(ファイナンシャルプランナー)
- 山田昌弘(東京学芸大学教授)
- 宮澤清治(気象学者)
- 毎日 天気概況(気象協会からの解説)、あすの日の出時刻
- 0時の時報前(23:59)、NHKワールド・ラジオ日本は次の日本語放送の周波数の案内となるため、各地の日の出の時刻は途中部分までの放送となる。
- 0時台前半
- 月~金曜深夜 ワールドネットワーク(金曜深夜・アジアレポートを2つ。なお、「関西発…」ではそのまま“アジアレポート”となっている。)
- 土曜深夜 輝け!!熟年(23時台からの続き)
- 日曜深夜 ないとガイド(2006年4月から12月までは随時、ハイビジョンテレビ「眠れないあなたへ ラジオ深夜便から」と同時放送されていた)
- 0時台中盤
- 月曜深夜 朗読・藤沢周平原作「蝉しぐれ(終了)」→「三屋清左衛門残日録」 - 松平定知(朗読)
- 火曜深夜 健康百話
- 水曜深夜 大人の旅ガイド
- 木曜深夜 ミッドナイトクッキング - 室町澄子アナウンサー、浜田ひろみ(料理研究家)
- 金曜深夜 アジアの街角から(アジア各地出身で現在日本在住の著名人のコラム)
- 土曜深夜 村田幸子の老いを豊かに(福祉ジャーナリストでNHKアナウンサー・解説委員を勤めた村田が、高齢化社会の問題点を鋭く解説する)
- 0時台後半
- 列島きょうの動き、深夜便の歌、世界の天気
- 1時の時報前(0:59)に随時、各局別で放送休止・減力放送のお知らせを放送。NHKワールド・ラジオ日本の同時放送はここで終了となるが、0:59から次の日本語放送の周波数の案内となるため、世界の天気の途中部分までの放送
- 1時台
- シリーズ企画 - 平日深夜など
- 奇数月第1月曜日 中野雄(なかの・たけし)のクラシックを楽しむ
- 偶数月第1木曜日 トミ藤山の真夜中のライブ
- 奇数月第1木曜日 三代目海沼実の歌の世界(童謡特集)
- 金曜深夜 サウンドオアシス、インタビューコーナー
- 土曜深夜 民話を語ろう(全国各地に伝わる民話を朗読する他、各地で行われている民話普及活動についてのレポートをお届けする 聞き手は木曜日アンカーの斎藤季夫が担当)
- 第1日曜日 邦楽夜話 - 池田弘一(神田外語大学)
- 第2~第4日曜日 列島いきいきインタビュー
- 第5日曜日(ある月のみ) 丘灯至夫(おか としお)の青春賛歌
- それ以外にアンコールやサウンドオアシスを放送。
- 2005年は5月から8月に「シリーズ・私の戦後60年」を放送
- 2時台
- ロマンチックコンサート(主に洋楽、クラシック、映画音楽など外国音楽)
- 2時半頃に「高速道路情報」(日曜深夜を除く毎日、日本道路交通情報センター提供の高速道路の情報をアンカーが紹介)
- 第3火曜深夜「大岩祥浩(おおいわ・よしひろ)のタンゴの響き」(大岩は監修のみで出演しない)
- 3時台
- にっぽんの歌こころの歌(童謡、唱歌、日本のヒット曲など、邦楽)(※1)、深夜便の歌
- 4時台
- ラジオ深夜便こころの時代(※2)
- 誕生日の花・花言葉、あすの予告(※3、4)
- エンディングテーマ曲は季節により変わる。(たとえば10月から翌年3月は番組テーマ曲のアレンジ版を使用)
- 随時、午前5時直前〈4:59〉に減力放送終了のおしらせを放送
- ※
- 明石勇アンカーは、午前3時台冒頭でこの時刻に起床した方に向けての挨拶(「おはようございます」)を行う。
- 関西発の場合、午前4時台冒頭の日付と時刻の案内で、「20○○年、×月×日、午前4時△分です。」と紹介。
- アンカーによってエンディングのタイミングが微妙に違う(放送ぎりぎりまでコメントするアンカーもいれば残り2分を残して終わるアンカーも)。宮川泰夫アンカーは、誕生日の花の紹介の後、花言葉や誕生日の花にちなんだ曲や、宮川自身が連想する曲を1曲流す。また、明日の予告に加えて、番組担当スタッフの名前を紹介する(紹介しない場合もある)。宇田川清江アンカーは「ご機嫌よろしゅう」と言って、番組を締める。
- 2005年度は短歌作家(歌人)鳥海昭子が製作した誕生日の花にちなんだ短歌を発表した。鳥海は同年10月9日に心不全で死去(享年76)したが、遺族の了解により2006年3月(2005年度末)まで引き続いて誕生日の花の短歌を発表することを継続。2006年3月31日午前4時台の放送をもって終了した。
- 放送開始当初のニュース(0時台から3時台まで)は国際放送で放送されているのと同じ内容を放送していた。(0時台、2時台は英語ニュースで1時台、3時台は日本語ニュースだったが後に日本語ニュースのみとなり、やがて国際放送からのニュースの同時放送は終了となる。)4時台も当初はアンカー(地方発をのぞく)が担当していたが、現在はすべての時間帯のニュースがラジオセンターのニューススタジオからの放送となる。
- 新春特別編成
- 正月3が日は特別編成となっており、23~0時台は「新春インタビュー」、1~2時台は「新春寄席」(演芸特選の特別編)を行う。また原則として1月4日から9日までの1時台には「新春・朗読への招待」(3が日にラジオ第2放送で放送されるものを再構成)が放送される。
[編集] 放送休止・変更
[編集] メンテナンスによる休止
放送機器のメンテナンスの為、1時から5時まで放送休止や減力出力放送をする場合がある。(ラジオ第1は第2月曜深夜~火曜未明、FMは第1・第3日曜深夜~月曜未明、及び9~10月と1~2月の特定された期間)
それぞれ稀に一部地域では世界の天気を伝えている最中に放送休止の告知が入ることもある。告知は関東地方では当日担当のアンカーが行い、それ以外の地域では各地域別で世界の天気のBGMに乗せて地方放送局の泊り勤務のアナウンサーがそのままお知らせを放送するか、事前に収録した告知アナウンスを放送する(尚、各地域の放送局によっては休止のある日は世界の天気終了後、休止のアナウンスに加えて、ラジオ第一放送が休止される時にはFMの周波数を告知し、午前1時の時報前に“君が代”が流れる。)。放送局管内の一部地域が放送の休止の場合、お知らせの後、時報が流れず無音声もしくは君が代が流れていればその地域は放送休止の対象になるが、時報が鳴った場合は放送休止の対象地域ではない(FM放送の場合も同様)。北海道の場合は札幌局のリポーター(ごく稀にアナウンサーが担当することも)が全道を一まとめで収録済み告知を流している。但し、該当地域が札幌局のみの場合は札幌局以外の地域では告知は流れず、東京からのネット送出の音声のまま流れる。
以前は大掛かりなメンテナンスを行うため、全放送局でラジオ第1・FMとも0時から5時まで深夜放送を休止したことがある。この日は23時15分から45分間のみの放送となり、0時に番組が打ち切られた。
[編集] 台風報道による変更
- 通常台風災害の場合は毎時00分からのニュース(0時台は10分程度、1~4時台は5分程度)を15分程度に拡げる他、0時台以降は毎時30分前後にも5~10分程度のニュースを入れる。その為時間の都合でコーナーを休止したり部分的に中断する場合もある。
- また2004年以後、台風接近・集中豪雨が予想される場合は「防災の心得」と題した2分程度のミニ番組を0-3時台の00分から行われる定時ニュースと併せて放送する。これは台風・集中豪雨・洪水災害を未然に予防し、被害の最小限化に務めるためにNHKが製作したもので、毎回特にその災害において重要な項目を取り上げて毎時1本ずつ(甚大な被害が懸念される場合は2本)放送する。
- なお甚大な被害をもたらす大型台風である場合には番組を全面休止して台風情報を断続的に放送することもある。
- 過去に台風情報に専念するために全編放送休止となった日
- 以上の3回は深夜便の放送開始予定時間に一旦深夜便のスタジオからのアナウンスを挟む形でニューススタジオから情報を送った。
- この時は深夜便のスタジオには繋がず、直接ニューススタジオから台風情報を続けた。
- また2004年6月20日放送分も通常通り行われたサンデートーク以外は全面休止となった
[編集] 放送の全面休止
※総選挙などの国政選挙による休止等は省略
- 1995年1月17日 阪神・淡路大震災(この時は数日間テレビ、ラジオの全ての電波が阪神・淡路大震災の特別編成で、18日以後も番組の内容を震災関連ニュース・情報に差し替えられた)
- 2000年5月3日 広島で発生した西鉄バスジャック事件(この時は深夜便の開始時間に一旦深夜便のスタジオからアナウンスした後、テレビとの同時放送で事件の様子を伝えた)
- 2001年9月11日 ニューヨークなどで発生したアメリカ同時多発テロ事件(この時は翌12日から数日間「NHKジャーナル」を延長するなどして対応したため放送開始が0:45からとなり予定されていた特集など一部コーナーが休止。この前日=10日も台風情報を提供したため、テスト放送の時代を除くと初めて2日間連続で番組休止となった)
- 2003年3月20日 イラク戦争勃発
- 2004年8月16、22、23日 アテネオリンピック(他の開催日も番組を一時中断して中継を行うが、この3日間は特に競技中継種目が集中しているため全編放送休止となる。当初8月22日は23時台のみに放送する予定だったが、ソフトボールのページシステムトーナメント・準決勝(C)「日本vsオーストラリア」が行われることから急遽全面カットとなった)
- 2004年10月23日 新潟県中越地方で震度7の大規模地震発生(後に「平成16年新潟県中越地震」と命名)に伴う緊急報道の特別編成。ラジオ第1と国際放送では地震関連のニュースを、FM放送では安否情報をそれぞれ放送。
[編集] 内容の大幅変更
- 1992年7~8月 バルセロナオリンピック(競技中継実施のため、開催期間中の1時台、4時台の放送を休止)
- 1996年1月16日 阪神・淡路大震災から同17日で1年が経過するため、NHK神戸放送局(当時は中山手の局舎が被災したため神戸ハーバーランドに移転していた)のスタジオからの特別編成を実施。(その後も2001年ごろまで1月16日、または17日を神戸発としたことがあった)
- 1996年7~8月 アトランタオリンピック(競技中継実施のため、開催期間中の一部時間帯を休止)
- 2000年7月16日 九州・沖縄サミットの開催を記念して、日曜日だがNHK沖縄放送局からの特別編成で放送。
- 2001年10月7日 アメリカ同時多発テロ事件に対するアフガニスタンへの報復攻撃開始(この日は1時台の途中まで放送した後に、それ以後の番組を休止してその報道に充てた)
- 2001年11月12日 アメリカン航空の航空機がニューヨーク・クィーンズ地区に墜落炎上した事に関するニュース(この時は13日午前0時台途中まで放送した後に、それ以後の番組を休止してその報道に充てた)
- 2004年8月 アテネオリンピック(前述)
- 2004年10月29日 イラク日本人人質事件(この日はNHK秋田放送局の製作による放送だったが、30日午前4時前より遺体が発見されたことによる緊急の会見があったため、4時台はこの関連ニュースにあて、当初予定されていた深夜便の集いからの録音放送が中止された。なおこの日予定されていた録音放送は、11月30日の午前1時台に日時を改めて放送された)
- 2004年11月6日 新潟県中越地震・台風災害の関連特番「被災者の声・いま私たちにできること (NHK24時間キャンペーン)」を総合テレビ、BS2と同時に集中放送のために主として2時台と4時台を「深夜便とともに」と題したテレビ・ラジオ同時進行の番組を放送するため内容を大幅変更した。この回では当日担当の宇田川清江アンカーに加えて、古屋和雄アナ(1995年の阪神・淡路大震災当時・NHK大阪放送局在籍)もアンカーを務め、テレビカメラがラジオセンター132スタジオに入って同時生放送を実施した。
- 2005年1月16日 阪神・淡路大震災から同17日で満10年目に当たるため、NHK大阪放送局から震災10年で浮き彫りになった課題を探る特集番組を編成。
- 2005年3月15日 2005年度NHK予算審議(衆議院総務委員会)の中継録音を放送するためにラジオ第1放送は午前2時13分から放送開始。(一部の地域では放送設備の点検・整備のため放送休止。FMは通常どおり1時から放送)
- 2005年3月31日 同じく2005年度NHK予算審議(参議院総務委員会)中継録音放送のため、ラジオ第1放送では午前2時15分から放送。(FM放送では通常どおり午前1時から放送)
- 2005年10月20日 NHK決算審議(参議院総務委員会)の中継録音放送のため、ラジオ第1放送では午後11時50分~午前3時25分まで番組を中断。(FM放送では通常どおり午前1時から放送)
- 2005年10月21日 同じくNHK決算審議(衆議院総務委員会)中継録音放送のため、ラジオ第1放送では午後11時50分~午前3時台途中まで番組を中断。(FM放送では通常どおり午前1時から放送)
- 2005年12月31日 FM放送のみ、熱唱オンエアバトルスペシャル・FMオンエアバトルを放送するため放送休止。
- ※平年、12月31日から1月1日にかけての深夜便の放送はNHK紅白歌合戦やゆく年くる年の放送の関係もあり、1月1日午前1時ころから放送がスタートし、まれに6時まで延長する年もある。番組開始当初は年によって深夜便の放送がなかったこともあった。
- 2006年2月10日~26日 トリノオリンピック(競技中継実施のため開催期間中の一部時間帯を休止したが、オリンピック中継はラジオ第1放送のみで放送された。FM放送はトリノオリンピック期間中でも通常通りの編成で放送された。NHKワールド・ラジオ日本は日本時間午後11時台・午前0時台にオリンピック中継が行われる当該時間帯は国際放送独自編成の一般番組(みんなのうた、残したいふるさとの言葉、海外安全情報など)に差し替えとなった。午前4時台について(この時間帯はシンガポール中継の大洋州地域向けのみ)はFM放送で通常通り放送される関係からそのまま「深夜便」が放送された。
- 2006年3月17日~18日 2006年度NHK予算審議(衆議院総務委員会)の中継録音を放送するために、ラジオ第1放送では午前4時42分から午前5時までの18分間の短い放送だった。当初はラジオ第1放送では午前4時からの放送予定だったが、審議の模様が長引いたため、この時間に予定していた「ラジオ深夜便・こころの時代」が4月8日土曜日午前4時台に放送日時が変更された。(FM放送では通常どおり午前1時から放送)
- 2006年6月12日~13日および12月26日~27日 FM放送のみ「サウンドストリート21・リクエストスペシャル」放送のため、通常より1時間遅く午前2時からの放送となった。
- 2006年6月~7月 「2006 FIFAワールドカップ」の中継がある時には、ラジオ第1放送ではその時間だけ休止。FM放送では通常どおり午前1時から午前5時まで放送した。1日に2試合放送したときは23:50で中断、翌午前2時に再開し、3:50で再び中断した。決勝戦の日は2:50までの放送だった。NHKワールド・ラジオ日本は日本時間午後11時台・午前0時台に「FIFAワールドカップ」の中継が放送されている時間帯は国際放送独自編成の一般番組に差し替えとなった。午前4時台について(この時間帯はシンガポール中継の大洋州地域向けのみ)はFM放送で通常通り放送される関係からそのまま「深夜便」が放送された。
- 2006年11月13日 月曜日だったがNHK大河ドラマ「功名が辻」の放送にちなんでNHK高知放送局から放送された。
- 2006年12月28日-29日 関西地方(大阪放送局など)に限り、ラジオ第1放送では「石原裕次郎リクエスト特集」を放送(これは12月25-28日16時30分から18時に全国放送したが、ローカル編成の関係上関西地方向けは28日以外別編成を組んだためによる代替)したため4時前まで休止。(FM放送で29日1時から放送)
- 2007年3月13日-14日・15-16日 NHK予算審議(衆議院総務委員会)中継録音放送のため、ラジオ第1放送では途中番組を中断。(FM放送では通常どおり午前1時から放送)
- 2007年3月27-28日 同(参議院総務委員会)中継録音放送のためラジオ第1放送は23:40までで打ち切り。(FM放送で28日午前1時から放送)
[編集] ラジオ・テレビ同時放送
深夜便の内容をテレビで放送する試みが行われている。いずれもテレビとの同時放送が始まるとテーマ曲「The Chance You Take」が流れる。
- 2004年11月6日の地震・台風災害関連特番(前述)
- 2005年3月20日・21日深夜=21日・22日未明 「NHK80周年・深夜便15周年記念深夜便スペシャル」(0時台から1時台にかけて)
- 同番組は3月19日から3日間に渡って行われたが、編成の関係上19日はラジオ第1のみで行われた。
- 3月19日 「だから深夜ラジオは面白い 深夜ラジオの魅力」
- 3月20日 「ビッグパーソナリティー・深夜の開放者たち」
- 3月21日 「シンガーソングライターの時代」
- 12月25日深夜(暦日上は26日午前) 「テレビ深夜便」午前2時から1時間、BS-hiで同時放送(2時のNHKニュースではBS-hiは渋谷駅前の中継映像を放送。音声はラジオと同時)
- 2006年4月 「眠れないあなたへ ラジオ深夜便から」
- 月2~3回の日曜深夜(月曜日0:00~1:00)に「地球特派員2006」と原則隔週交互での定時放送がおこなわれた。内容はラジオセンター132スタジオの内部(132スタジオの窓越しにはニューススタジオの内部も見える)と副調整室の様子(副調整室に2台カメラを設置)それに全国各地の天気カメラの映像や風景(観光名所の映像の一部は、放送直前に収録したものもあり)などを交え、放送された。なお、ラジオ第1放送が一部地域での気象警報・交通情報および選挙開票速報による番組中断でもBS-hiでは全国規模の場合を除き一切中断なしで通常通り132スタジオからの音声が流れた。0:00の時報後、過去に2回選挙開票速報のニュースがあったため、番組開始までの間の15分間、1回は天気カメラの映像と音楽をはさんで放送。もう1回は別番組に差し替えていた。2006年12月24日深夜(25日未明)の放送を最後に終了となった。
- 2006年7月24日深夜(25日未明 0:40-2:00)女性のうつ病を考えると題した特別番組として国井雅比古アンカーと迎康子アンカーの司会、ゲストに吉永みち子(作家)、加茂登志子(東京女子医科大学)、山口律子(うつ病患者の支援団体代表者)を交えた座談会を教育テレビと同時放送。(FMは1:10から)
[編集] 地方発深夜便
- 1990年~91年の試験放送の時代から数回地方発の放送が実施されたが、本格的には1995年から実施されている。
- 年末年始など一部を除いた原則として金曜日の実施で、毎月1~3週目は関西発(大阪放送局製作)、4、5週目は東京、大阪以外の各地方放送局が製作するラジオ深夜便を放送する。なお5週ある場合はそのうちの1週を東海地方発に当てる場合が多い。(年末年始など一部例外的に東京発となるときがある)
- ちなみに1998年度は大阪発が1・3・5週目、それ以外が2・4週目の担当だった。
- 関東地方の東京以外からの地方発ラジオ深夜便はそれぞれの放送局からではなく、通常の東京発と同じくラジオセンター132スタジオから放送することがほとんど。関西地方では大津発(時期失念)・奈良発(2006年11月)を大阪のスタジオから放送したこともあったが、ほとんどはそれぞれの放送局から放送。
- 地方発が放送される場合、事前にその土地土地にちなんだお便りの募集告知が流れる。また、直近にその地方で行われた「深夜便のつどい」の模様が放送される場合が多い(関西発を除く)。また、「地方発深夜便」の観覧募集のお知らせも担当する放送局の総合テレビやラジオ第1のローカル枠で流れる。
[編集] 関連書籍・雑誌等
- 番組機関紙「ラジオ深夜便」がNHKサービスセンターから毎月発行されている。同誌は1996年に会員制(定期購読専用)の季刊という形で創刊し、1998年から一般の書店でも販売されるようになり、隔月刊誌。2003年から月刊にスタイルを変えている。アンカーコーナー、サンデートーク、深夜便こころの時代の紙上再録と、アンカーエッセー、お便りなどで構成されている。
- また番組の一番最後・5時前に放送される「今日の誕生日の花」のコーナーも毎年10月ごろにNHKサービスセンターから「誕生日の花・カレンダー」と題して出版される。当初この誕生日の花のコーナーは1990年の国際花と緑の博覧会(花の万博)の開催記念に制定されたものだったが、その後一部変更して特に誕生日の祝いにふさわしくない花言葉などを削除して、番組独自に再編成した誕生日の花を設定したという。
- アンカーコーナーも一部書籍化されているが、詳細はその項で触れる。
- 2005年の放送15周年を記念して書籍「ラジオ深夜便完全版」がNHKサービスセンターから発刊された。同書は歴代深夜便アンカーの現況や、4時台「深夜便こころの時代」の全放送リストなどを掲載している。(2006年度版も発行)
- また自らのアンカー経験をつづった「眠れぬ夜のラジオ深夜便」(新潮社)という本を宇田川が著している。
- iTunes Music Storeのオーディオブックから、いくつかの番組を購入可能。
[編集] リスナーについて・その他エピソード
- 番組開始以来、曲のリクエストを受け付けていない。リスナーがリクエストした曲がかかるのを待つために睡眠を妨げてしまうからである。但し、東京・大阪以外の「地方発ラジオ深夜便」で、はがき・封書による曲のリクエスト募集(ご当地にまつわるエピソードを書き添えたものなど)を受け付けることがある(その場合は放送の中で告知を行う)。
- 当番組は中高年向けに作られているが、民放の深夜放送を嫌う若者も聞いている様である。
- 好意的な意見が多い反面、中波受信環境の悪化(例:NHK長崎第一と周波数が同一のIBC岩手放送ラジオの西日本での受信が困難になった。松山市の一部でNHK松山第一と周波数が近いTBSラジオの受信が困難になった。)も見られるため、従前からの中波遠距離受信愛好者の中には、現在もNHK第一の終夜放送継続に反感を持つ人がいる。
[編集] 裏番組
- JUNK(TBSラジオ)
- JUNK2(TBSラジオ)
- あなたへモーニングコール(TBSラジオ)
- 走れ歌謡曲(文化放送)
- オールナイトニッポン(ニッポン放送)
- オールナイトニッポンエバーグリーン(ニッポン放送、パーソナリティは斉藤安弘)
- オリエンタルラジオのオールナイトニッポンR(ニッポン放送)
- やまだひさしのラジアンリミテッドDX(TOKYO FM)
- WANTED!(TOKYO FM)
[編集] 外部サイト
カテゴリ: 日本のラジオ音楽番組 | 日本放送協会ラジオ番組 | ラジオ深夜便