日本国憲法第1条
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日本国憲法 第1条は、日本国憲法第1章にあり、天皇の地位と国民主権について規定している。
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[編集] 条文
天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。
[編集] 英文
The Emperor shall be the symbol of the State and of the unity of the people, deriving his position from the will of the people with whom resides sovereign power.
[編集] 中国語
天皇乃日本國之象徵,亦為日本國民統合之象徵,其地位是基於主權所存在之日本國民的總意。
[編集] 解説
本条は、日本国憲法の先頭に置かれた条文として重要な意義を有する。天皇について規定する第1章に置かれた規定であるが、その内容は、天皇が象徴の地位にあるのは主権を有する日本国民の総意に基づいたものであるという規定であり、象徴天皇制、国民主権を規定するものとなっている。日本国憲法には国民ないし国民主権と題する章はなく、本条および日本国憲法前文が日本国憲法における一つの理念的支柱である国民主権の根拠条文となっている。
また、天皇の地位を日本国民の総意に基づくものとすることは、ポツダム宣言を受諾する前提として日本政府が意図した、いわゆる「国体の護持」の意向確認に対するアメリカ合衆国による「日本の政体は日本国民が自由に表明する意思のもとに決定される」との声明とも関連するものである。
第1章が天皇に関する条文である点については、先行する憲法である大日本帝国憲法と共通する。大日本帝国憲法第1条は、「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」と規定していた。
なお大日本帝国憲法は第4条で、天皇が元首である旨を規定しているが、日本国憲法においては、元首についての規定はなく、天皇を元首とみることができるかどうかについては憲法学説上判断が分かれる。
国王等を象徴として捉える例としては、イギリスにおける1931年ウェストミンスター憲章の前文にて、国王を英連邦の各構成国の自由な連合の象徴として規定した例がある。
[編集] 関連訴訟・判例
[編集] 関連条文
- 日本国憲法前文第1段落
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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上諭 | 前文 | 第1章 天皇 1 2 3 4 5 6 7 8 | 第2章 戦争の放棄 9 | 第3章 国民の権利及び義務 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 | 第4章 国会 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 | 第5章 内閣 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 | 第6章 司法 76 77 78 79 80 81 82 | 第7章 財政 83 84 85 86 87 88 89 90 91 | 第8章 地方自治 92 93 94 95 | 第9章 改正 96 | 第10章 最高法規 97 98 99 | 第11章 補則 100 101 102 103 |
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