国鉄ED11形電気機関車
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ED11形は、日本国有鉄道(国鉄)の前身である鉄道省が1923年(大正12年)に輸入した直流用電気機関車である。
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[編集] 概要
本形は東海道本線電化用として、アメリカのゼネラル・エレクトリック社(General Electric/GE)で2両が製作された。当初は1010形(1010,1011)と呼ばれたが、1928年(昭和3年)10月の車両形式称号規程改正によりED11形(ED111,ED112)に形式番号が改められた。
車体は箱形で、その前後にデッキを有しており、屋根上に2基のパンタグラフを設けている。同時期に輸入されたイギリス製の僚機に比べ、無骨さは影を潜めており、田の字型の側窓や、縦長長方形の前面窓、同じく前面に設けられた砂箱、短いハシゴなどが特徴的である。のちに輸入されたED14形に外観、性能とも極めてよく似ており、本形のイコライザ式台車に対し、ED14形は板台枠の台車を履いている程度の差でしかない。
1951年(昭和26年)に国鉄標準機器に載せ替え、前面の砂箱や窓も改造されて原形を失っている。
東海道本線や横須賀線、伊東線で使用された後、1960年(昭和35年)に1号機は廃車され、西武鉄道に譲渡されて同社のE61になった。西武では、貨物列車の牽引用に使用されたが、E31形の導入により1987年(昭和62年)に廃車になった。
2号機は浜松工場の入換機として長らく使用されたが、19xx年にED182が代機として使用開始された後も同工場に保管された。
[編集] 保存
西武に渡った1号機(E61)は横瀬車両基地に、2号機は佐久間レールパークに静態保存されている。
[編集] 主要諸元
- 全長:11275mm
- 全幅:2980mm
- 全高:3920mm
- 重量:59.60t
- 電気方式:直流1500V(架空電車線方式)
- 軸配置:B-B
- 主電動機:MT8形×4基
- 歯車比:16:69=1:4.31
- 1時間定格出力:975kW
- 1時間定格引張力:13800kg
- 1時間定格速度:26.0km/h
- 動力伝達方式:歯車1段減速、吊り掛け式
- 制御方式:非重連、抵抗制御、2段組み合わせ制御
- 制御装置:電磁空気単位スイッチ式
- ブレーキ方式:EL14A空気ブレーキ、手用ブレーキ
- 最高運転速度:85km/h
[編集] 関連項目
- 日本国有鉄道の旧型電気機関車 ■Template ■ノート
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