国鉄EF59形電気機関車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

EF59形電気機関車（いーえふ59かたでんききかんしゃ）とは、1964年に登場した旧・日本国有鉄道（国鉄）の直流電気機関車である。

[編集] 概要

山陽本線の瀬野－八本松間に有る22.6‰が連続する勾配、通称瀬野八用の補機である。山陽本線の広島電化に合わせて誕生し、EF53形全機19両、EF56形5両が改造され、計24両在籍していた。改造点は歯車比の変更(2.63>3.67)、10000系貨車対応の空気管付き密着自動連結器と自動開放装置（共に東京方のみ）の取付、重連総括制御装置の取付が行われた。東京方は原型機の面影を残しているが、下関方はひときわ鮮やかなＶ字型の警戒色が塗られている。後継機としてEF61形200番台が開発されたが、重連使用時に不具合が有ることが判明したため、1200t列車には老朽化を押して引き続きEF59重連が使用された。EF67形の増備に合わせて引退した。

[編集] 1～19号機

EF59 1 2007年4月撮影

EF59 16（カットモデル）2002年10月撮影

EF53形から改造されたグループである。最後まで残ったのはこのグループが殆どである。

「EF59 1」＜「EF53 8」
「EF59 2」＜「EF53 9」
「EF59 3」＜「EF53 3」
「EF59 4」＜「EF53 11」
「EF59 5」＜「EF53 12」
「EF59 6」＜「EF53 5」
「EF59 7」＜「EF53 6」
「EF59 8」＜「EF53 7」
「EF59 9」＜「EF53 4」
「EF59 10」＜「EF53 1」
「EF59 11」＜「EF53 2」
「EF59 12」＜「EF53 10」
「EF59 13」＜「EF53 19」
「EF59 14」＜「EF53 16」
「EF59 15」＜「EF53 18」
「EF59 16」＜「EF53 17」
「EF59 17」＜「EF53 14」
「EF59 18」＜「EF53 15」
「EF59 19」＜「EF53 13」

[編集] 20～24号機

EF59 21（東京側）　2004年10月撮影

EF59 21（下関側）　2005年10月撮影

増備のために1969年と1972年にEF56形から改造されたグループである。EF56形前期型から改造された20～23号機は丸みを帯びた車体をしているが、後期型（EF56形ラストナンバー）から改造された24号機のみは角張った車体をしている。EF53形への改造内容に加えて暖房用ボイラー（SG）の撤去が行われた。元々SG搭載のために車体の腐食が激しく、また比較的少数派のために、21号機を除いて比較的早く引退してしまった。

「EF59 20」＜「EF56 1」
「EF59 21」＜「EF56 2」
「EF59 22」＜「EF56 3」
「EF59 23」＜「EF56 5」
「EF59 24」＜「EF56 12」

[編集] 後補機運用

山陽本線の広島電化に合わせて誕生し、蒸気機関車から後補機運用を引き継いだEF59形であるが、その運用区間や連結両数は列車によって異なっていた。基本的に貨物列車は重連で補機運用を行い、一部の荷の軽い（600t以下）貨物列車と荷物列車、旅客列車については単機で補機運用が行われた。また、貨物列車については瀬野駅に停車して後部に補機を連結するのが基本であるが、速達性を要求される10000系貨車を使用した高速貨物列車については広島操車場にて補機の連結が行われ、瀬野駅は通過となっている。寝台特急列車のように瀬野駅が通過設定となっている旅客列車については、広島駅から補機が連結された。瀬野から八本松にかけての勾配区間での後押しの任を終えたEF59形は、八本松駅手前で走行開放を行っていたが、一部の列車については走行開放を行わず連結したまま西条まで走行し、そこで列車より開放されていた。瀬野八は上り方向への片勾配であるため、後補機の勤めを終えたEF59形は下り列車に連結される事は無く、回送列車で瀬野駅に戻っていたが、列車密度の高い山陽本線ゆえに個別でバラバラに回送されると言う事は無く、最低でも重連、最高で四重連を組成して回送を行っていた。

[編集] EF59形は長生きした

後継機の開発の遅れから、他機種と比べて明らかに長生きしている。

EF56形：1975年
EF57形：1978年
EF60形：1986年（保存機を除く）

なのに対して

EF59形：1987年

と、JR化後も一応籍を残していた事は注目すべき点である。

[編集] 保存機

現在でも比較的多く残っている。

EF59 1：碓氷峠鉄道文化むら
EF59 11：碓氷峠鉄道文化むら（保存形態は元のEF53　2号機となっている）
EF59 16（カットモデル）：日本貨物鉄道（JR貨物）広島車両所
EF59 21　：JR貨物広島車両所

EF59 10：西日本旅客鉄道（JR西日本）下関地域鉄道部下関車両管理室＜2006年7月解体＞
- この車両の解体（廃車）により、2006年度に廃形式となった。

[編集] 主要諸元

(EF591～5919の諸元を示す)

全長：19920mm
全幅：2810mm
全高：3940mm
運転整備重量：106.60t
動輪上重量：85.62t
電気方式：直流1500V
軸配置：2C+C2
主電動機：MT17または17A形×6基
歯車比：21:77＝1:3.67
1時間定格出力：1350kW
1時間定格引張力：11700kg
1時間定格速度：51km/h
最高運転速度：95km/h
動力伝達方式：歯車1段減速、吊り掛け式
制御方式：重連、抵抗制御、3段組合せ制御、弱め界磁制御
制御装置：電磁空気単位スイッチ式
ブレーキ方式：EL14A空気ブレーキ、手ブレーキ

[編集] 関連項目

日本国有鉄道の旧型電気機関車 ■Template　■ノート
- B・D型機（貨物用） - EB10 / AB10 - ED10 - ED11 - ED12 - ED13 - ED14 - ED15 - ED16 - ED17 - ED18 - ED19 - ED23 - ED24
- D型機（旅客用）- ED50 - ED51 - ED52 - ED53 - ED54 - ED55（計画のみ） - ED56 - ED57
- F型機（貨物用）- EF10 - EF11 - EF12 - EF13 - EF14 - EF15 - EF16 - EF18
- F型機（旅客用）- EF50 - EF51 - EF52 - EF53 - EF54 - EF55 - EF56 - EF57 - EF58 - EF59
- H型機 - EH10
- アプト式 - EC40 - ED40 - ED41 - ED42
- 私鉄買収機 - ED20 - ED21 - ED22 - ED25 - ED26 - ED27 - ED28 - ED29 - ED30 / ED25II - ED31 - ED32- ED33 / ED26II - ED34 / ED27II - ED35 / ED28II - ED36 - ED37 / ED29II - ED38 - ケED10 - デキ1（旧宇部） - ロコ1（旧富山地鉄） - デキ501（旧三信） - ロコ1100（旧南海）

その他の国鉄電気機関車

新性能機関車
- 直流D型機 - ED60 - ED61 - ED62
- 直流F型機 - EF60 - EF61 - EF62 - EF63 - EF64 - EF65 - EF66 - EF67 - EF90
- 交流D型機 - ED44 - ED45 - ED70 - ED71 - ED72 - ED73 - ED74 - ED75 - ED76 - ED77 - ED78 - ED79 - ED90 - ED91 - ED93 - ED94
- 交流F型機 - EF70 - EF71
- 交直両用機 - ED30II - ED46 / ED92 - EF30 - EF80 - EF81
開発史 - 日本の電気機関車史

この「国鉄EF59形電気機関車」は、鉄道に関連した書きかけ項目です。
この記事を加筆・訂正などして下さる協力者を求めています。（ポータル鉄道/ウィキプロジェクト鉄道）

"http://ja.wikipedia.org../../../%E5%9B%BD/%E9%89%84/e/%E5%9B%BD%E9%89%84EF59%E5%BD%A2%E9%9B%BB%E6%B0%97%E6%A9%9F%E9%96%A2%E8%BB%8A_996e.html" より作成

カテゴリ: 日本の電気機関車 | 日本国有鉄道 | 西日本旅客鉄道 | 鉄道関連のスタブ項目