小松飛行場
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小松飛行場(小松空港) | |||
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IATA:KMQ - ICAO:RJNK | |||
概略 | |||
空港種別 | その他 | ||
運営者 | 防衛省 | ||
開港日 | 1944年 | ||
運用時間 | 24時間 | ||
受け持ち | 金沢市・福井市 | ||
海抜 AMSL | 18 ft (6 m) | ||
位置 | 北緯36度23分37秒東経136度24分28秒 | ||
滑走路 | |||
方向 | 全長 | 表面 | |
ft | m | ||
06/24 | 8,858 | 2,700 | 舗装 |
06T/24T (閉鎖中) |
8,858 | 2,700 | 舗装 |
小松飛行場(こまつひこうじょう Komatsu Airport)は石川県小松市にある共用飛行場。一般的に小松空港と呼ばれている。小松市、金沢市、福井市をはじめ、石川県南部(加賀地方)及び福井県北部(嶺北地方)へのアクセス拠点となっている。福井空港のジェット化が白紙になり、福井県が「小松空港重視」へ政策転換したのに伴い、時刻表などには小松空港(金沢・福井)と表記されるようになった。
本飛行場のIATA空港コードはKMQだが、金沢市のIATA都市コードはQKWである。
目次 |
[編集] 概要
航空自衛隊小松基地と民間航空(民航)が滑走路を共用している。国内の官民共用空港としては、唯一事故の発生が無い飛行場でもある[要出典]。滑走路の両側に誘導路があり、山側を航空自衛隊が、海側を民航のターミナルが利用している。民航の定期便としてボーイング747クラスの離着陸があり、北陸地方最大規模の空港と言える。計器進入装置であるILSを装備しているため、冬季の悪天候時でも欠航は比較的少ない。
主に貨物便を想定した欧米との直行便を就航可能にするために、2005年から2006年にかけて、本滑走路の舗装をかさ上げ(路盤の厚さを10cm増加)する工事が行われた。重量制限は工事前の本滑走路の320tから396tになり、燃料を満載した国際貨物定期便などの大型機材の重量にも耐えられる設計となった。航空自衛隊が導入した空中給油機の重量にも耐えられるものとみられる。工事を終えた本滑走路は2006年12月21日から供用が開始された。この工事に伴い、本滑走路の脇に仮滑走路が建設され、2005年3月17日から供用されていたが、仮滑走路は2006年12月20日をもって閉鎖された。仮滑走路は用地確保の関係上、本滑走路と100mほどしか離れていないため、2本の滑走路を同時に使用することはできない。仮滑走路は解体せず、今後の本滑走路に対する長期的な工事などがあった場合に、再び滑走路として使用される予定であるため、定期的に点検・管理されている。
[編集] 歴史
- 1943年(昭和18年) 旧海軍舞鶴鎮守府の飛行場として建設開始。
- 1944年(昭和19年)11月 東西1500mと南北1700m、2本の滑走路が完成。海軍攻撃隊2個中隊が常駐。
- 1945年(昭和20年)11月 米軍により接収。補助レーダー基地となる。
- 1955年(昭和30年) 不定期路線開設。日本ヘリコプター輸送(現・全日空)による小松 - 大阪線。
- 1958年(昭和33年)2月 米軍の接収解除。
- 1960年(昭和35年) 滑走路が2400mに延長。共用飛行場に指定される。
- 1961年(昭和36年)2月 航空自衛隊小松基地が開庁。
- 1961年(昭和36年)3月 小松救難隊分遣隊が編隊される。
- 1961年(昭和36年) 第6航空団編成はじまる。第4飛行隊(F-86F)千歳基地から移駐。第8飛行隊(F-86F)松島基地から移駐。
- 1962年(昭和37年) 定期路線開設。
- 1962年(昭和37年)7月 第6航空団編成完結。
- 1964年(昭和39年) F-104J導入のため滑走路が延長され、2700mとなる。
- 1964年(昭和39年)11月 第8飛行隊、岩国基地へ。
- 1965年(昭和40年)3月 第205飛行隊編成、F-104J配備。
- 1969年(昭和44年)2月8日 第205飛行隊所属のF-104Jが落雷により金沢市の住宅街に墜落。死者4名。パイロットは脱出し無事。
- 1973年(昭和48年) 民航便がB737によりジェット化。
- 1975年(昭和50年)6月 第4飛行隊解散。
- 1976年(昭和51年)10月 第303飛行隊編成、F-4EJ配備。
- 1979年(昭和54年) 国際定期路線(ソウル)開設。
- 1980年(昭和55年) B747が小松 - 東京線で就航。
- 1981年(昭和56年)6月 第205飛行隊解散。
- 1981年(昭和56年)7月 第306飛行隊編成、F-4EJ配備。
- 1981年(昭和56年)9月26日 国内線・新旅客ターミナル完成。
- 1984年(昭和59年)4月2日 国際線・新旅客ターミナル完成。
- 1986年(昭和61年)12月 第303飛行隊がF-15Jに改編。
- 1994年(平成6年) HIACT(国際貨物上屋)完成。輸入促進地域 (FAZ) 指定。
- 1994年(平成6年)7月2日 小松 - ルクセンブルク間にカーゴルックス航空による国際貨物定期便就航。
- 1995年(平成7年)11月22日 G空域で訓練中だった第303飛行隊所属のF-15J(870号機)が人為ミスによりAIM-9Lミサイルを誤射し、僚機のF-15J(846号機)を撃墜。
- 1997年(平成9年)3月 第306飛行隊がF-15Jに改編。
- 2002年(平成14年)6月27日 HIACTの新ターミナル完成。
- 2004年(平成16年)4月1日 新管制塔運用開始。
- 2005年(平成17年)3月17日 仮滑走路運用開始。現滑走路閉鎖。
- 2006年(平成18年)12月21日 滑走路かさ上げ工事完了。
[編集] 米軍機の訓練地移転問題
2006年7月、小松市長が防衛庁(現:防衛省)に出向き、同庁長官に対し、市として小松飛行場における米軍機の訓練受け入れを容認する旨を伝えた。同月、小松市に続いて同市に隣接する加賀市や川北町などの周辺自治体も受け入れ容認を正式に表明した。2007年度の小松基地での米軍の訓練は、3回程度実施される予定だが、具体的な時期や期間は未定。
[編集] 航空管制
GND | 121.700 | 275.8MHz | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
TWR | 118.250 | 123.1MHz | 126.200 | 138.05MHz | 236.800 | 247MHz | 304.8MHz |
APP/DEP | 120.100 | 121.250 | 362.3MHz | ||||
TCA | 127.950 | 292.2MHz |
- TWRの 斜体 は救難救助専用波、太字 は自衛隊用、その他は民間用。
自衛隊・民航機ともに、航空自衛隊小松基地 小松管制隊により管制が行われていて、管制塔は自衛隊側の敷地にある。2004年4月1日からは旧管制塔(23m)と比較し、高さが約2倍となった新管制塔が運用されている。
[編集] 航空保安無線施設(国土交通省管轄)
局名 | 種別 | 識別信号 | 周波数 | 運用時間 |
---|---|---|---|---|
小松 | VOR | KMC | 112MHz | 24時間 |
[編集] 航空保安無線施設(防衛省管轄)
局名 | 種別 | 識別信号 | 周波数 | 運用時間 |
---|---|---|---|---|
小松 | TACAN | KMC | 1018MHz | 24時間 |
- 保守は、航空自衛隊小松基地 小松管制隊が担当。
[編集] 航空路
- 小松飛行場上空には、航空路が設定されている。
番号 | 始点又は終点 | 経由地 | 始点又は終点 |
V30 | 福岡V/T | 豊田V/D,美保V/T,小松V/T,新潟V/T,函館V/D | 千歳V/D |
V38 | 美保V/T | 宮津V/D | 小松V/T |
V52 | 小松V/T | 名古屋V/T,河和V/T | 串本V/T |
[編集] 付近の位置通報点
番号 | 名称 | 位置関係 |
V30 | OYABE | N36°36.6'E136°46.5' |
V25 | KMC25 | N36°00.4'E136°38.1' |
[編集] 旅客施設
- 国内線ターミナルビル
- 国際線ターミナルビル
- 国内・国際線ともに、北陸エアターミナルビル株式会社が運営する。
[編集] 貨物施設
- HIACT(ハイアクト:北陸国際航空貨物ターミナル)
- 第一国際貨物上屋
- 第二国際貨物上屋
- 国内貨物上屋
- エプロン拡張・駐機スポット増設のため、移転工事を実施中。
[編集] その他の施設
- 金沢地方気象台小松空港出張所
- 大阪航空局小松空港事務所
- 航空保安協会小松事務所
- 石川県航空消防防災室
- 石川県消防防災ヘリ「はくさん」(Bell 412EP / JA893F)を運用する。
- 中日本航空株式会社小松運行所
- 自社所有ヘリ常駐。
[編集] 航空自衛隊 小松基地
小松基地(こまつきち)は1961年2月に開庁された、航空自衛隊の基地である。対領空侵犯措置の任務を担っており、国籍不明機に対するスクランブル発進もおこなっている。基地司令は第6航空団司令が兼務する。現在の第29代司令は2006年8月に着任した上田益三空将補(防大19期)。
基地北方の日本海上空に広大な訓練空域(G空域)がある。
毎年9月に開催される航空祭では、小松基地所属の戦闘機や救難機の展示飛行、アクロバット飛行を行う第11飛行隊(ブルーインパルス)の展示飛行が行われる。1990年代半ばまでは、毎年6月の開催だったが、梅雨の時期と重なっており雨天が多く、展示飛行もキャンセルになることがしばしばあったため、北陸で好天の多い9月に開催されるようになった。
航空総隊戦技競技会の開催が多い基地でもある。
[編集] 所属部隊
幕僚機関 |
---|
航空幕僚監部 |
主要部隊 |
航空総隊 |
航空支援集団 |
航空教育集団 |
航空開発実験集団 |
空自の団一覧 |
空自の群一覧 |
空自の隊一覧 |
主要機関 |
空自幹部学校 |
空自幹候学校 |
術科学校 |
空自補給本部 |
その他 |
空自の基地一覧 |
空自の装備品一覧 |
中部航空方面隊隷下
航空支援集団隷下
航空自衛隊直轄
[編集] 路線
航空会社名が2社以上の場合、最前の航空会社の機材・乗務員で運航する共同運航便
[編集] 国内線
(エアーニッポン、エアーネクストの機材・乗務員で運航する便あり)
- アイベックスエアラインズ・全日本空輸
新潟空港、福井空港、名古屋空港、岡山空港、広島西飛行場、出雲空港、高松空港、松山空港、鹿児島空港へも就航していたが、現在は休止している。
[編集] 国際線
- 大韓航空(コリアンエアー)・日本航空
- 中国東方航空・日本航空
- アイベックスエアラインズ・全日本空輸・ユナイテッド航空
-
- 成田国際空港(国際線乗継専用)
[編集] 貨物便
- 国際貨物定期便として、新千歳、香港、台北、フェアバンクス、ドバイ、アブダビを経由して(便によって、北回り、南回りがあり、各便がそれらすべての空港を経由するわけではない)ルクセンブルグと往復するカーゴルックス航空の定期便(B747-400F)が運航される。
[編集] 空港へのアクセス
[編集] バス
- 野々市車庫発着便(金沢工業大学・金沢国際ホテル経由)
- 東京国際空港便6便に接続運行
- 小松駅発着便
- 概ね20~30分間隔で運行
- 福井駅発着便(空港連絡バス (福井~小松空港線))
- 新千歳空港便、東京国際空港便に接続運行
[編集] 道路
[編集] その他
- 東京国際空港便の年間利用者数は、2005年度で約193万人にのぼり、地方路線ながら東京国際空港発着路線で7番目の利用者数となっている。特に空港に近い加賀地方南部(小松市・加賀市周辺)の対東京輸送についてはほぼ独占している状況にある。一方で、金沢市を中心とする加賀地方北部の対東京輸送については、鉄道、高速バスとの激しい競争下にあり、航空各社も各種割引運賃の設定で対抗している。2014年には北陸新幹線が金沢まで開通する予定となっており、東京国際空港便の需要が低下することが予想されているため対策が急がれている。
- 2009年開港予定の富士山静岡空港と、小松との定期便路線を設けたいという提案が谷本正憲石川県知事から石川嘉延静岡県知事にあり、両県とも前向きに検討する立場をとっている。
[編集] 周辺情報
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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