全日本空輸
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全日本空輸 | ||
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IATA NH |
ICAO ANA |
コールサイン All Nippon |
設立日 | 1952年12月27日 | |
ハブ空港 | 成田国際空港 東京国際空港 関西国際空港 大阪国際空港 |
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焦点都市 / 準ハブ空港 |
新千歳空港 中部国際空港 |
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マイレージサービス | ANA Mileage Club | |
会員ラウンジ | signet Lounge ANA Lounge CLUB ANA LOUNGE |
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同盟 | スターアライアンス | |
保有機材数 | 187機 | |
目的地 | 71都市 | |
本拠地 | 東京都港区 | |
代表者 | 山元峯生 (CEO) | |
ウエブ: http://www.ana.co.jp |
全日本空輸株式会社(ぜんにっぽんくうゆ、英語表記All Nippon Airways, 通称ANA、全日空)は日本の航空会社である。
本社は東京都港区東新橋 汐留シティセンター。スターアライアンスメンバー。
目次 |
[編集] 会社概要
社名 | 全日本空輸株式会社 All Nippon Airways, Co.,Ltd. |
設立 | 1952年12月27日 |
本社住所 | 東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター |
従業員数 | 12,523人(2006年3月31日現在) |
資本金 | 160,001,284,228円(2006年3月31日現在) 日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口)3.27%、名古屋鉄道2.67%ほか |
通称 | 全日空/ANA(エイ・エヌ・エイ)(アナ) |
航空会社コード | ANA / NH |
無線呼出名称 (コールサイン) |
ALL NIPPON(オール・ニッポン) |
拠点空港 | 国内線:東京国際空港(羽田空港)第2ターミナル 大阪国際空港(伊丹空港)南ターミナル 国際線:成田国際空港第1ターミナル南ウィング 関西国際空港 |
※成田においては2006年6月2日にリニューアルした第1旅客ターミナルビルに全面移転
[編集] 沿革
日本航空(JAL)と共に日本の空を担う代表的な航空会社である。戦後設立された日本ヘリコプター輸送株式会社と極東航空株式会社の合併により誕生。特殊会社として発足した日本航空に対する純民間企業としてその地位を徐々に築き、サービス全般や企業イメージで同業他社を先行しているとの評価を受けている。コーポレートカラーはトリトンブルー。2レターコードの「NH」は、元の社名である「日本ヘリコプター輸送株式会社」に由来する。
なお、日本ヘリコプター輸送は論客に政財界をやり込める者が揃っていたことから“日本屁理屈ター”とか、略称の「日ペリ」をもじって日に日に乗客が減っていく“日減り”、一方の極東航空は営業が思わしくなく出資者に苦労をかけたことから“極道航空”と揶揄されていたことがあった。
当初、合併後の社名は「全日本航空」を予定していたが、日本航空(現日本航空インターナショナル)から日本航空株式会社法(日航法、1987年廃止)に「(日本航空以外の)者は、その商号中に日本航空(株)の文字を使用してはならない」と規定されており、これに抵触すると指摘されたため、再び検討となってその結果「全日航空」・「全日本空輸」・「日本空輸」・「全日空輸」・「日東航空」(なおこれは当時存在しており、1964年に発足した日本国内航空の前身の1つとなった)・「遠東航空」(「極東」と同異義語、当時から現代まで、中華民国(台湾)に同名の航空会社が存在する)が候補に挙がり、結局「全日本空輸」が採用されることになったという。
[編集] 歴史
[編集] 成長期
純民間の航空会社として、絶えず政府から圧力をかけられながらも中小航空会社の合併を繰り返し事業を拡張。とりわけ、岡崎嘉平太(第2代社長)のスカウトによって運輸事務次官から第5代社長に就任した若狭得治の時代に飛躍的に成長した。反面、1966年に起きた羽田空港沖でのボーイング727型機の墜落事故など、1960年代に起きた連続墜落事故ではその安全面への疑問を指摘され、1970年代にはロッキードL-1011トライスター導入に絡む資金供与(ロッキード事件)で若狭をはじめとする経営陣から逮捕者を出したばかりか、当時の田中角栄首相の逮捕にまで発展するなど、日本の航空会社で唯一、航空機事故以外で社長が逮捕されたという特異な経歴を有する。
[編集] 総代理店制度
全日空の成長の過程で特徴的な事として、総代理店制度の採用が挙げられる。これは、航空輸送事業がまだ黎明期に、各就航地の有力企業と提携し、航空会社の業務のうち、市内業務(営業活動)と空港業務(ハンドリング業務)を委託するという画期的な制度であった。委託業務は市内では航空券販売・電話予約センター・また代理店販売促進活動や団体営業、空港では、旅客ハンドリング・貨物ハンドリングから、機側における各種業務や機内清掃まで、幅広い業務がある。総代理店の主な会社は、「北海道地区」で、三ツ輪運輸(釧路・女満別)、道北バス(旭川)、函館エアサービス(函館)、「東北地区」で日本通運(仙台・秋田)、庄内交通(庄内)、「中部地区」で名古屋鉄道(名古屋)、北陸鉄道(小松)、富山地方鉄道(富山)、新潟交通(新潟)、「中国・四国地区」で両備バス(岡山)・中国航空ターミナル(広島)、サンデン交通(山口宇部)、日ノ丸自動車(鳥取・米子)、高松商運(高松)、土佐電気鉄道(高知)、「九州地区」で九州産交ツーリズム(熊本)、長崎空港ビル(長崎)、大分航空ターミナル(大分)、宮崎交通(宮崎)、南国交通(鹿児島)等が挙げられる。総代理店は、大口の株主にもなり、名古屋鉄道は長らく全日空の筆頭株主であった。その関係で名古屋鉄道と宮崎交通は全日空の社外取締役を輩出、名鉄は現在まで継続している。全日空と総代理店が共同で航空需要の開拓をしてきたが、昨今では予約のインターネットへの移行等で総代理店の業務も変わってきている。
[編集] 国際線進出
設立当初より国内線が主軸であったが、当時の運輸省の指導により日本航空は国際線と国内線幹線を、ANAは国内線幹線とローカル線・国際線チャーターを担当するとした、いわゆる『45-47体制』の変更を契機に1986年より国際線定期便の運航を開始した。最初の路線はL-1011トライスター機の運行によるグアム線だった。
1986年にアメリカ・ロサンゼルス・ワシントンDC線をボーイング747-200B機で就航させ国際線就航1年を待たずしてアメリカ本土進出を果たした。翌年は現在の中国路線ネットワーク拡大の足がかりとなる北京・大連・香港線を開設、同年10月には初の赤道越えとなるシドニー線を開設した。1988年には韓国ソウル線、1989年にはロンドン線を開設して初のヨーロッパ進出となった。
1994年関西国際空港開港後は、中国・アジア線だけでなくヤンゴン・ブリスベーン・ムンバイ・ローマ等関西国際空港からの中・長距離の路線の開設を積極的に行った。同時期には名古屋からホノルルへの便や福岡からバンコク・上海・大連等の中華人民共和国への路線も開設していた。
しかし、「国際的に飛躍を続ける」という自らが望んだ企業イメージとは裏腹に国際線単体での赤字が続き、当初目指していた総花的な路線ネットワークから採算性重視のネットワークへの再構築を図った。結果として、関西国際空港からの国際線は大幅に縮小され成田重視のネットワークに集約され、2005年3月期には国際線で90億円程度の経常利益を計上して、定期便就航から19年目で初の黒字を達成した。
また、1999年10月からスターアライアンスに加盟し、従来から成田国際空港でのスロット数の少なさをによる路線網の少なさをリカバーする方向性に転換を図るなど戦略の転換を図っている。機体にも加盟時にSTAR ALLIANCEのマークと文字を追加している。
スターアライアンスとの共同運航にも積極的で、シンガポール航空やルフトハンザドイツ航空、ユナイテッド航空との相互コードシェアや全日空が弱い南アジア・中東へのネットワークもスターアライアンスやカタール航空などの提携航空会社のネットワークを活かして拡大させている。また,南アフリカ航空とコードシェア便の運航も開始して,アフリカへの自社便名の乗り入れも行うようになった。
現在全日空は発着枠で大幅な増大が厳しい状況であるが、2009年の羽田空港の再拡張・国際化をビッグチャンスと考えており大幅な国際線拡大を模索している。同時に格安航空会社を設立し、国際・国内線を運航させる方針をメディアを通じて発表。ボーイング787を導入後は名古屋中部国際空港等から欧米線等今までの大型機の就航では採算が立てなかった路線を開設する可能性もある。
また、日本の民間機としては数少ない北朝鮮の平壌へ複数回の飛行経験を持つ。2002年10月の拉致被害者帰国時には、チャーター機を運航した。また2004年7月には拉致被害者の家族の平壌からジャカルタへの輸送を担当した。
[編集] イメージ転換
2003年に、慣れ親しまれてきた「全日空」の呼称から「ANA(エー・エヌ・エー)」への呼称を統一しイメージ転換を図り、機体の塗装から「全日空」のロゴを外し「ANA」に変更しているが、一般的に「ANA(アナ)」と呼ばれることが多く、「エー・エヌ・エー」と呼ばれることは多くない。
これについては、「全日空」が中国語で「一日中空っぽ」という意味で縁起の良くないからという説もあるが、中国路線へのビジネス顧客獲得によるシェア拡大を真摯に考える同社としては、さらにグループ会社との便名統一や、航空業界における競争に打ち勝つ国際的企業イメージの構築をふまえて、ANAへと呼称変更されたと考えるのが妥当と見える。しかしながら国際的な知名度は依然低い。また各局の報道番組などでも「全日空」の呼称が未だに浸透している。
なお、卓球の中国スーパーリーグで福原愛選手が所属する遼寧省チームのユニフォームやANA北京国際マラソンのゼッケンには漢字で「全日空」の文字が入っている。
同じ2003年には、TBS系のテレビドラマ「GOOD LUCK!!」の舞台になった事で、よりイメージアップになった。
また、塗装関連では、「マリンジャンボ」を皮切りに現在の「ポケモンジェット」にいたる特別塗装機の就航など他社に先行したアイデアで世間の注目を集めた事もある。
これらのイメージ転換の一環として、2005年5月には十数年ぶりに客室乗務員、地上職員などの制服を一新した。この制服の一新は数年前に一度企画されたものの、経営状況の悪化から一旦中止されていた。
また、「あんしん、あったか、明るく、元気」をスローガンにANA全体の環境をよりよいものにしようと、実施している。
[編集] その他近況
2003年よりビットワレット社が運営する電子マネーEdyを支援しており、マイレージサービスである「ANAマイレージクラブ」の会員証にEdyカード機能を追加した「ANAマイレージクラブEdyカード」を発行し、原則としてEdyを200円使用するごとに1マイル加算されるサービスを実施している(なお、おサイフケータイでも専用アプリケーション「モバイルAMCアプリ」をダウンロードし、「ケータイdeEdyマイル」サービスへの登録をすることで同様のサービスが受けられる)。それによって航空機に搭乗する機会がなくとも無料航空券などの景品を獲得することが容易になったため着実に会員数を増加させている。
2004年4月にはボーイング社が開発しているボーイング787(開発名称7E7)を50機発注、ローンチカスタマーとなった。エンジンはかつて保有していたロッキードL-1011 トライスター以来のロールス・ロイス製を搭載することが確定している。
同年12月1日の東京国際空港(羽田)第2ターミナル供用開始に伴い、ANAグループは全て第2ターミナルからの発着となるなど、イメージ転換に合わせるかのような目新しい事案が目白押しとなっている。また、ここ数年は、世界規模での航空不況からの脱却に苦しんだが2003年度は黒字を計上。悲願であった復配も達成するなど、相次ぐトラブルで苦境に陥ったライバルの日本航空と比べ好調が際立っており、2004年度の経常利益では、日本航空を上回り、2005年度の決算では、過去最高となる660億円の経常利益を計上した。
2007年にはエアー・トランスポート・ワールド(ATW)誌上でエアライン・オブザ・イヤーに初めて選ばれた。また、日本経済新聞が実施した就職活動中の大学生に対するアンケートの結果では、就職したい企業No.1に選ばれた(前年は第2位)。
この様に業績が好調に推移する中で、同年3月には天津で地上を移動中のボーイング737型機が隣接して駐機していた日本航空機に接触する事故を起こしたほか、DHC-8型機が高知空港で胴体着陸する事故を起こした。また。同月15日には、アメリカ連邦捜査局(FBI)がロサンゼルス郊外にあるアメリカ本社を家宅捜索した。捜索の目的は不明だが、航空貨物運賃をめぐるカルテル疑惑などに絡む調査の可能性があるが、詳細は公表されていない。
[編集] 国際線の進展と今後の動き
2006年6月2日には、成田空港のターミナルを、従来の第2ターミナルから新規改装オープンした第1ターミナル南ウイングにニュージーランド航空を除くスターアライアンス各社と揃って移転。国際線乗り継ぎの利便性向上も図っている。
2006年からB737-700を国際線・国内線兼用機として、名古屋→台北(エアーニッポン便)・関西→アモイ・青島に就航させた。
2006年10月には同時多発テロで一時期運休をしていたシカゴ線を再開。ユナイテッド航空のハブ空港であるシカゴを強化する事で集客力をアップさせようとする動きがある。同時に2006年の冬季スケジュールからシンガポール航空・タイ国際航空の拠点であるシンガポール・バンコク線、重要な好調な台北線・広州線(2007年夏ダイヤより)のダブルデイリー化(毎日2便運行)等国際線の拡大を進めている。
同時に名古屋(中部国際空港)から天津を結ぶ路線を発表した。2007年3月から始まっており、機材はボーイング737-700型機を使用している。
また、3月25日から名古屋(中部国際空港)から広州を結ぶ路線を開設した。機材はボーイング737-700ERを使用する。この機材は、全日空がローンチカスタマーとなり、700型として初めての航続距離延長型のもので、機内はビジネスクラス24席、上級エコノミークラス24席、計48席のビジネス仕様となっている。日本の大手航空会社としては初のビジネスジェットで、運賃も割引を行わず、正規普通運賃のみの設定である。2007年9月から同時多発テロから運休を続けたムンバイ(インド)線も再開されるが機材は名古屋→広州線同様ボーイング737-700ERの予定。
ANAでは機材を大型機・中型機・小型機それぞれ1種類に統合させる動きを進めている。小型機はボーイング737-700、中型機はボーイング787に統合させる方針であり、将来の新大型機の選定は決まっていない。(候補はボーイング747-8・エアバスA380)現状はBoeingB777がその役割を担っている。しかし、小型機に関してはエアバスA320-200型機を5機追加発注した。これは国内線仕様ではなく、ビジネスクラス及びエコノミークラスの2クラスの国際線仕様で登場する。最近好調な中華人民共和国への各路線に投入される予定で、ボーイング737-700型機では小さすぎ、ボーイング767-300型機では大きすぎるといった問題を解決するためであろう。国内線のエアバスA320-200型機の退役スケジュールは予定通り進む見込みである。
[編集] 事故・トラブル
全日空機が墜落、全損した事故については全日空機墜落事故を、ハイジャック事件については全日本空輸ハイジャック事件を参照。
1960年代は多くの航空事故を起こしたものの、1971年7月30日に起きた雫石事故以降は、自社の責任による乗客の死亡事故を起こしていない(雫石事故は一般的に自衛隊機側に全責任があると思われがちであるが、事故調査、裁判において全日空機側にも事故の責任があったと結論付けられている)。しかし、パイロットや客室乗務員の飲酒後の乗務が連続して報告されるなど、なぜか飲酒関連のトラブルが多いのが特徴である。また、1990年代にはハイジャック事件が2件発生し、そのうち1件では機長が殺害されるという痛ましい事件も起きている。
最近の運航上のトラブルは、グループ会社が使用するDHC-8-400で相次いでいる。2007年3月13日には前輪が降りないトラブルが生じ後輪のみを使い胴体着陸する事故が発生した。幸い死傷者は出ていない。
- 1998年11月20日、運輸省(現・国土交通省)から、昇降計不作動のままの運航、後部航空灯不点灯のままの夜間運航など、整備ミスや整備規程違反が続出・多数判明したことにより、航空事故以外では初めてとなる業務改善命令を受けた。当時、運輸大臣であった川崎二郎は記者会見で「組織のゆるみ」と厳しく批判した。
- 2002年9月13日には、NH932便(ホーチミン発成田行き)に乗務するパイロットが乗務前に飲酒したことが判明したため、出発時刻を遅らせたことが判明した。これを受けて役員の報酬を大幅減額 運航本部長を降格、乗員は資格取り消し処分となった。
- 2005年5月27日、同月4日の羽田-秋田便に乗務して秋田市内に宿泊したパイロットや客室乗務員計8人が、翌日折り返し便の乗務が控えていたのに規定の時間を超えて飲酒していたとして、機長や客室乗務員ら13人を処分したと発表された。なぜ発表が遅れたのかは不明である。
- 2005年6月、テレビCM撮影中に広告代理店の電通のミスで、5月に更新したばかりの客室乗務員・地上職員の制服10セットが、エキストラとして出演したモデルやコンパニオンに持ち去られる。この事件は現在全日空の広告活動を全て請け負っている電通の責任であって全日空の責任ではないにもかかわらず、なぜか全日空関係者のみによる謝罪会見が行われ、電通関係者はまったく列席しないという不可解な事があったため、両社の関係をいぶかしむ関係者は多い。
- 小松空港における管制の無許可離陸滑走。
- 高度計故障の処置を誤り空中衝突防止装置(TCAS)が正常に動作しない状態で長時間誤った高度による飛行。
- 乗り遅れ旅客の荷物を搭載したままでの運航。
- コンテナを固定しないままの飛行。
- 自社パイロットによる操縦マニュアルの無断持ち出し、ならびにインターネットオークションへの出品(後に制服等の出品も判明)
- 子会社社員によるパソコン盗難。
- 2000年9月には、伊丹発那覇行きの機内で客室乗務員による障害者いじめが発生。
- 2007年3月4日には、中華人民共和国の天津国際空港で、出発のため動き始めた114便(乗客乗員99人、ボーイング737型機)の右主翼端が、現地地上係員の操作ミスのために、隣接して駐機していた日本航空のボーイング767型機の左主翼端に衝突する事故が発生した。
- 2007年3月13日には、伊丹発高知行きのプロペラ機(ボンバルディアDHC-8-400型)で前輪タイヤが降りず、緊急着陸する事故が発生。運行者はエアーセントラルで、この事故による死傷者は無かった。国土交通省は同日に同型機に対する耐空性改善通報を発行し、緊急点検を指示した。事故の原因は前輪格納部のボルトが1本抜け落ちていたためと見られており、機体の設計及び製造時のミスもしくは全日空による整備ミスの可能性が取りざたされている。
- 2007年3月15日には、アメリカ連邦捜査局(FBI)がロサンゼルス郊外にあるアメリカ本社を家宅捜索したため、アメリカ国内における予約業務が停止する事態になった。捜索の目的は不明だが、航空貨物運賃をめぐるカルテル疑惑などに絡む調査の可能性があるが、捜査の理由などの詳細は公表されていない。
[編集] 機材
[編集] 運航機材
ANAの機材は以下の航空機で構成される。
なお、この中にはグループ共用、グループ会社向け機材を含む。ANAグループはANA本体が機体所有してグループ各社が運用している機体が多い。(2007年2月現在)
- エアバスA320-200型機 ※ 国内線機材は、退役予定。
- エアバスA321-100型機 ※ 順次退役中
- ボーイング737-500型機
- ボーイング737-700型機
- ボーイング747-400 / -400D型機 ※ 2007年から毎年2機ずつ売却の予定。
- ボーイング767-300 / -300ER型機
- ボーイング777-200 / -200ER型機
- ボーイング777-300 / -300ER型機
- DHC-8-300(Q300) / -400(Q400)型機
- フォッカー F50型機 ※ 順次退役中(DHC-8-400が後継機)
2006年3月に最後の3人乗務機であるボーイング747SRが退役したため、保有機材はすべて2人乗務機となっている。
[編集] 新規導入予定機材
- ボーイング787-3型機(ローンチカスタマー 国内線・近距離国際線仕様)
- ボーイング787-8型機(ローンチカスタマー 長距離国際線仕様)
- ボーイング737-700ER型機(ローンチカスタマー、既に発注してある標準型機2機を発注変更したもの、現在、中部-広州線に就航中)
[編集] 退役機材
- コンベア440
- デハビランド へロン
- ビッカース バイカウント
- フォッカー F27型機
- ボーイング727-100 / -200型機
- ボーイング737-200型機
- ボーイング747-100SR / -200B型機 (~06.3)
- ボーイング767-200型機
- 日本航空機製造(NAMC)YS-11型機
- ロッキードL-1011 トライスター型機
[編集] 特別塗装機
- YOKOSO! JAPAN ビジット・ジャパン・キャンペーン JA8958
- ポケモンジェットUSA JA8962
- マリンジャンボ JA8963
- スヌーピー号96 JA8961
- スヌーピー号97 JA8965
- ポケモンジェット98 JA8965
- ポケモンジェット99 JA8964
- お花ジャンボ JA8956
- ピカチュウジャンボ JA8957
- 風 JA751A、JA752A
- スターアライアンス塗装 JA731A
- 垂直尾翼「777」 JA8197、JA8198、JA8199
- スターアライアンス塗装 JA711A、JA712A
- マリンジャンボJr. JA8579
- ポケモンジェット98 JA8569、JA8578
- ポケモンジェット99 JA8288、JA8357
- スターアライアンス塗装 JA8290
- USJウッドペッカー塗装 JA8357
- スターアライアンス塗装 JA614A
- パンダジェット
- ゴールドジェット JA01AN、JA02AN
- ANA BusinessJet JA10AN
- 日本の風景 JA101A、JA102A
- 椿 JA801K
- ひまわり JA802K
- スズラン JA803K
- コスモス JA804K
- はまなす JA805K
なお、登録番号が赤字で表されるのは既に通常塗装へ変更済み
[編集] 塗装
一貫してコーポレートカラーを青系としており、機体塗装も青系で統一している。モヒカン塗装(後述)の頃までは、レオナルド・ダ・ヴィンチが構想したヘリコプターの図の周りに、英字社名を配したマーク(現在でも正式な同社の社章である)が垂直尾翼に描かれており、前身がヘリコプターの会社であることを示していた。
1969年にB737-200を導入して以来の「モヒカン」塗装から、1983年のB767-200の導入を機に現在のトリトンブルーに変更した。2005年5月現在、両側面の社名タイトル【全日空】または【全日空 All Nippon Airways】が【ANA//】へと順次変更されており、2006年~2007年までに全機完了予定である。この変更はANA本体にとどまらず、ANAグループの航空会社全てに適用され、ANA以外の航空会社の機体には ANA// の付近に「AIR NIPPON」などとオペレーターの会社名を小さく表記している。また、グループ内での機材の共通化および共用化に積極的で、グループ会社共用機材にはANA//ロゴのみでオペレーター名も表記しない機材が複数登場している。
当初、ANA本体の従業員が乗務することのない、子会社専用機材にはスターアライアンスのロゴがなかった(ただし、中華人民共和国の圧力により、ANA便として運航することができない中華民国(台湾)線を除きANAグループのフライトはすべてANA便として運行されている)。しかし、最近納入されるようになったエアーニッポン用のB737-700にはアライアンスロゴが入った状態でデリバリーされている(なぜB737-700のみロゴがついているのかは不明)。なお、エアーニッポンはスターアライアンスのメンバーではなく[1]、中華民国線で得たマイルはANAマイレージクラブのマイルとしては加算できるが、他のスターアライアンスメンバーのマイレージサービスには加算できない。
[編集] サービス
[編集] 国際線
- 1986年には後発航空会社のハンディを克服するために横6列のスーパービジネスクラスの導入(その後まもなく他社と同じ横7列に戻す)、1991年ニューヨークに進出した際にはスーパービジネスクラスを「Club ANA」と進化させ、シートの充実だけでなく個人パーソナルテレビの導入などのハード面に力をいれた。乗客が自由にスナックを食べられるようなサービスや、炊きたてのご飯を食べられるなど今では常識となったサービスもこの時期から導入された。
- このハード面のサービスの進化はとどまらず、ボーイング777-200・200ERの国際線導入時には全席にパーソナルTVを導入してエコノミークラスでもゲームや映画などを自由に見られるようになった。日本の国際線で全席にパーソナルTVを導入したのは全日空が初めてだった。
- 1999年シカゴ線を開設した際にはボーイング747-400にバーカウンターやビジネスセンターを設け乗客が自由にくつろげる空間を設けた。この考えを進化させて、2002年から2006年にかけて欧米線の大半にClub ANAを進化させたNew Style Club ANAやPremium Economy Classをボーイング747-400・ボーイング777-300ER型機に導入させ、日本の航空会社初4クラスを導入させた。また当時はファースト・ビジネスしかオンデマンドAVODのテレビが搭載されなかったが、エコノミーにも導入された。
- 同時期にはシンガポール・香港・中華人民共和国線に主に就航するボーイング767-300ERにエコノミーを含め全席にオンデマンド式の個人テレビやClubANA・Asiaと題したビジネスクラスは2-1-2の5列とB767のビジネスクラスでは考えられない座席配置を実現させた。(他社は2-2-2が中心)
- 2006年1月、ボーイング737-700を名古屋(中部国際空港)-台北線に投入。国内線との兼用であるが、前方部分の座席の中央をテーブルとしプレミアムエコノミーアジアとした。更に2007年には名古屋→広州線に就航するANA Business Jet(ボーイング737-700ER)を導入。普通であれば140人も搭乗できるところをClubANAとエコノミーで各24名、合計48名と言う豪華なレイアウトである。尚通常であれば座席にシートテレビがあるのだが、機材の関係でHDD内蔵のシートテレビがエンターテイメントの役割を果たす事になる。
エコノミークラスの機内食改善に取り組み、2006年11月よりノリタケと共同開発させた機内食食器での機内食サービスやビジネスクラスの機内食も欧米線に見劣りしないように苦心している。
[編集] 国内線
東京国際空港の第2ターミナル開業時には、新ターミナルであることを大々的にアピールした。シルヴィ・ヴァルタンの「あなたのとりこ」に合わせて飛行機が踊るCMや、赤い塗装の京浜急行電鉄の電車をブルーにしたラッピング広告車など、従来の第1ターミナルに残る日本航空との違いを強調する戦略を打った。
また、中部国際空港の開港と同時に当時の筆頭株主である名古屋鉄道と連携して名鉄名古屋駅と金山駅にて自動チェックイン機を設置。名古屋市内からもっとも利用しやすい航空会社として認知されようとしている。
- スーパーシート - 2004年12月1日よりこれまでの「スーパーシート」をリニューアル、「スーパーシートプレミアム」としてサービス内容、運賃体系に大きな変更が行われた。また2005年からはB767にも「スーパーシートプレミアム」が導入された。
スーパーシートプレミアムと同時にB737-700等から導入された新型シートを積極的に導入。新シートは、従来のアルミ合金に替えて、シートの構造部材に新しく炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を活用し、また、シートの構造や形状も従来より大きく変更するなど、デザインを通じて軽量化への新しい取り組みを実践した。炭素繊維強化プラスチックは、最新の航空機の機体構造部材にも使用されており、安全性や強度はそのままに軽量化を実現。今まで機内雑誌やエチケット袋が入っていた足元部分のスペースが無くなったためゆとりのある空間が実現された。
同時期に今まで国内線のオーディオは聴診器型のヘッドフォンで音質が悪かったが、国際線と同じ電子式のヘッドフォンが導入されてクオリティが向上されたオーディオ番組を聴くことが出来るようになった。
- 超割 - 2000年の航空法改正に伴い、日本の国内線でも格安航空券の販売が出来るようになった。日本で最初の大規模な格安航空券の販売をしたのが全日空の超割である。期間限定ながら、国内何処に行くにも1万円(開始当初、離島地方路線は一律7000円)の設定は当時衝撃的で、予約開始と同時にネットや電話での予約がつながりにくい状況がおきるなど、かなりの人気であった。また、当時の新聞やテレビのニュースでも取り上げられた。
- この超割はその後も一部ルールと運賃を変えながらも、基本的形態をそのまま残して続けられている(2007年3月現在)
- 日本航空及び日本エアシステム(当時)もこれに追随しバーゲンフェアと称した同様のサービスを開始するなど、その後の航空運賃多様化の大きなきっかけとなっている。
- 旅割 - 今までのバースデイ割に変わり2006年に登場。一年中割引運賃、を謳い文句に「誕生日じゃなくてもいいんじゃない」というCMが話題となる。ただし、一年中、といいつつも設定のない日もある。日本航空も慌てて同様の運賃(早割28)を設定し、その後先得割引と名称を変更している。
自動チェックイン機と自動券売機とスキップ
- 自動チェックイン機(Self Check-in Machine(略:SCM) - 筐体の色は青を基調とし、IC (FeliCa) 付きのマイレージカードや携帯電話機(おサイフケータイ)、二次元バーコードが記載された航空券引換証をかざすことにより特別な操作をせずに航空券の発券と領収書の発券、席の指定などが出来る)
- 自動券売機(Auto Ticket Vendor(略:ATV) - 筐体の色はピンク系を基調、航空券を買うことが出来る、マイレージ追加(マイレージカード挿入が必要)や席の指定が出来、現金はもちろんデビットカードやクレジットカードでの決済が可能である)
- 設置状況 - 全日空が就航している空港の殆どと主要空港の交通アクセスの起点及び中継地点などに設置されている。最低自動チェックイン機と自動券売機が1台以上設置されている。(現場でのメンテナンスの可否(故障した際の部品のやりくりの関係が絡んでくる)や運行便数の数により(費用対効果の問題)で設置されない場合や設置台数が少ない空港がある。)ちなみに両機種とも日立製作所製である。(大量の現金などを取り扱う機器を搭載している関係上製造元が子会社の日立オムロンターミナルソリューションズ製である可能性があるが不明である。尚、成田空港等に設置されている国際線の自動チェックイン機とJALの自動チェックイン・航空券販売機の製造元は沖電気工業である)
- スキップ - 保安検査場・搭乗口でのチケットレス化は、日本航空の「JAL ICチェックインサービス」に対して遅れをとっていたが、2006年に「スキップサービス」が開始され、JAL同様にIC (FeliCa) 付きのマイレージカードや携帯電話機(おサイフケータイ)で入場できるようになった。また、印刷されたり携帯電話の液晶画面に表示された2次元バーコードでも通過できる。(「スキップ」導入に伴い、代理店の端末の更改がされている(「チケット」ではなく「航空券ご利用案内書(二次元バーコード入り)」が発行されるようになった)。スキップは荷物を預ける必要のある場合や航空券の券種によっては使用できない。)
[編集] 機内誌
ANAの機内誌は「翼の王国/WING SPAN」。日常的な話題を極力廃し、読者を旅行という非日常時間へ誘うというコンセプトの紙面構成になっている。定期購読者も多い。搭乗者は自由に持ち帰る事が出来る。なお、国際線版は従来から英語のページがあったが、2007年から中国語のページも登場している。
[編集] ANAグループ企業
[編集] 航空事業者
- エアージャパン (AJX)
- エアーニッポン (ANK)
- エアーニッポンネットワーク (AKX)
- エアーネクスト(NXA)
- エアーセントラル(CRF)
エアーセントラルは貨物営業を行っていない。
- オールニッポンヘリコプター(ANH)
- NHK取材ヘリ運用専業の会社。
[編集] その他
- ANAエアサービス東京
- 株式会社ANA&JPエクスプレス(日本郵政公社との合弁による国際航空貨物輸送事業会社)
- 全日空整備
- 全日空ホテルズ
- ANAX
- 全日空システム企画
- 全日空商事
- イースタンエアポートモータース
[編集] 業務提携航空会社
[編集] 外部コードシェア便提携先企業
[編集] 国内線
[編集] 国際線
- ユナイテッド航空
- ユナイテッド・エキスプレス
- エア・カナダ
- オーストリア航空
- エバー航空(中華民国発着のため、エアーニッポンとのコードシェア)
- ルフトハンザドイツ航空
- タイ国際航空
- アシアナ航空
- bmi
- 中国国際航空公司
- 上海航空
- シンガポール航空
- マレーシア航空
- カタール航空
- LOTポーランド航空
- スイスインターナショナルエアラインズ
- 南アフリカ航空(4月から香港⇔ヨハネスブルグ線コードシェア開始)
[編集] 過去に共同運航をしていた会社
- ヴァリグ・ブラジル航空(運航停止。現在再建中)
- メキシカーナ航空(スターアライアンスを脱退したため)
[編集] 関連項目
[編集] 事件・事故
[編集] 広告宣伝関係
- 横浜フリューゲルス
- 横浜F・マリノス
- 全日空横浜クラブ(横浜フリューゲルスの前身)
- スーパーアグリF1チーム
- ANA北京国際マラソン
- ANAオープンゴルフトーナメント
- bjリーグ
- GOOD LUCK!!
- アメリカ横断ウルトラクイズ(同番組が放送された枠『木曜スペシャル』のスポンサーでもあった)
- 石田ゆり子(1987年ANA沖縄キャンペーンガール)
- Kinki Kids(1998~1999年ANAイメージキャラクター)
- 本上まなみ(2000年ANA沖縄・北海道イメージキャラクター)
- SMAP(2001年~2002年ANAイメージキャラクター)
- 伊東美咲(CM出演 2004年~ANAイメージキャラクター・CM出演・ANAカード)
- 森光子(CM出演 スキップサービスCM出演)
- 石坂浩二(CM出演 スキップサービスCM出演)
- 長嶋茂雄(CM出演 2003年~ANAイメージキャラクター)
- 長嶋一茂(CM出演 2004年~ANAイメージキャラクター 長嶋茂雄の代理・シカゴ線再開キャンペーンCM出演 /シカゴチャレンジ)
- 速水もこみち (CM出演 2006年~ANAイメージキャラクター)
- 高見盛(「エコ割」CM出演)
- 把瑠都(「エコ割」CM出演)
- 白露山(「エコ割」CM出演)
- 葉加瀬太郎(ANAグループイメージテーマ「Another Sky」を作曲)
- ANA WORLD AIR CURRENT (彼がパーソナリティをつとめるラジオ番組)
- 渡辺美里(ANA“'86 夏の北海道”キャンペーンソング「Teenage Walk」)
- Crystal Kay(1998~1999年頃CMソング「Fly Away」を歌う)
- 柴咲コウ(「旅割」CM出演)
- 妻夫木聡(「旅割」CM出演)
- トータス松本(「旅割」ナレーター)
- 今井美樹(「旅割」CMソング)
- 内田恭子(ANA中国定期便就航20周年記念、LIVE中国線就航20周年記念公式レポーター・CM出演)
[編集] その他
- 東海大学(工学部航空操縦学専攻に協力)
- 東京海上日動(主要株主の一社、なおJALの株主でもある。)
- カルテル
- 名古屋鉄道(筆頭株主 - 注:信託口を除いた場合)
- 三井住友銀行(大株主の一つ。ANAの融資先の一つである。)
- 三井住友VISAカード(ANAVisaカード・Masterカードの発行会社)
- JCB(ANA・JCBカードの発行会社)
- 朝日新聞社(大株主の一つ。)
- 45/47体制
- スヌーピー(ANA'S SKI北海道イメージキャラクター)
- 客室乗務員
- 地上係員(グランドホステス)
- マイレージサービス
- ファーストクラス
- ビジネスクラス
- エコノミークラス
- スーパーシート
- スルガ銀行ANA支店
- PiTaPa
- Edy
- 海洋堂(食玩ANA UNIFORM COLLECTIONの製作元)
[編集] 外部リンク
- ANA SKY WEB
- ANAグループ一覧
- ANA Fleet Age(英語版)
- ANA Fleet Detail(英語版)
- ANA Passenger Opinions(英語版)
- 日立のANA向け自動チェックイン機のPR
- 日立デザイン本部にて設計されたANA向け自動チェックイン機のGUI解説
スターアライアンス加盟航空会社 |
アジア・オセアニア:全日本空輸 | アシアナ航空 | タイ国際航空 | シンガポール航空 | ニュージーランド航空 |
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加盟予定:上海航空 | 中国国際航空 | トルコ航空 |