岩本勉
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岩本 勉(いわもと つとむ、1971年5月11日 - )は、平成期(1990年代-2000年代前半)の北海道日本ハムファイターズ(1990年から2003年までは日本ハムファイターズ)に所属していた投手。現在はプロ野球解説者・タレント。大阪府八尾市出身。右投げ右打ち。元在日コリアン3世。
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[編集] 来歴・人物
- 「ガンちゃん」の愛称で知られ、お立ち台では「毎度!」と関西弁で挨拶することでも有名であった(わざわざインタビュアーのマイクを奪ってまで絶叫する時もあった)。
- 2000年頃から「引退後は吉本興業へ」と周りに薦められていた。当時の大島康徳監督からも「目立つのはいいことだから、どんどんやりなさい」と言われたことがある。この頃からお立ち台ではアントニオ猪木ばりに「1、2、3、まいど!」という挨拶を始めたり、背中に「まいど!」と書かれたTシャツを着るなど、そのパフォーマンスはエスカレートしていった。プロフィールの「好きな女性」欄に「和田アキ子」と書くなど、常にウケ狙いで、和田の「笑って許して」や山本リンダの「狙いうち」のものまねを得意としている(ちなみに、岩本は和田のものまねでテレビのカラオケ大会で何度も優勝している。2006年12月30日のHBCラジオ「カーナビ紅白歌合戦」で和田アキ子のモノマネを披露、さらに2007年放送のTBS月曜ゴールデン「和田アキ子殺人事件」でもオーディション参加者として和田のものまねを披露していた)。
- 2005年限りで引退。和田と同じホリプロと契約を結び、野球解説者として活動していく。ちなみに、元チームメイトの後輩金村曉が2006年の開幕戦にて岩本の登場曲を使用するという演出を見せたが、その時解説していた岩本は、感激して声を詰まらせた。
- 1990年代後半期は西崎幸広が西武ライオンズに移籍後の日本ハムのエースと言われ、その当時のシーズンオフの契約更改後の記者会見では、当時の上田利治監督の上半身の原寸大写真(本人曰く「遺影と誤解されない様にちゃんと顔と体に合わせて写真をカットして、契約の席に監督が同席しているという想定で」)を用意し、岩本が腹話術で「なー今年はお前良く頑張ったな」「来年もこの“え~でえ~で”(上田の口癖)の調子で頑張ってくれよ」という“上田監督同席の仮想契約更改”パフォーマンスが恒例となっていた。
- 弟が一人いるが、自身の生まれた翌年の3月生まれであるため、双子ではないのに同学年である。
- テレビの番組で両親が在日コリアン2世であると紹介された(『グレートマザー物語』2006年4月30日「岩本勉・おおきに!」)。本人は日本国籍を取得している。
[編集] 略歴
- 1989年 阪南大学高等学校からドラフト2位で日本ハムに入団(契約金5000万円 年俸480万円)。この時、ファイターズとの契約金は岩本の両親が私立の高校に通わせてくれた事に岩本自身が感謝していたため、契約金には全く手をつけずにそのまま親にあげたという(2006年10月29日放送の『ジャンクSPORTS』より)。
- 1996年 初の2ケタ勝利。
- 1998年 初のオールスター出場。
- 1998年~1999年 2年連続して開幕戦で完封勝利。これは稲尾和久(西鉄ライオンズ)と並ぶパ・リーグ記録。
- 1999年~2001年 登録名を「岩本ツトム」に変更。
- 2000年開催のシドニーオリンピックの日本代表選手候補になるが、体の負傷を理由に辞退。
- 2005年5月21日の交流戦・対読売ジャイアンツ2回戦(東京ドーム)で5回表に本塁打を放つ。(プロ入り・初本塁打・初打点)これはパ・リーグが指名打者制を導入した1975年以降、パリーグの日本人投手として初の本塁打である(外国人投手を含めても3本目)。しかし、ピッチングのほうはその直後2本の本塁打を打たれ、敗戦投手になる。
- 2005年オフに北海道日本ハムファイターズの二軍投手コーチ就任を要請されたが固辞し、現役続行を目指した。楽天などが興味を示したが、結局獲得球団がなく、翌年の2006年1月23日引退。
- 2006年3月5日 札幌ドームでの千葉ロッテマリーンズとのオープン戦で引退登板。堀幸一1人に対して投球したが安打を打たれて、現役生活にピリオドを打った。
- 2006年3月12日 東京ドームでのオリックス・バファローズとのオープン戦で始球式を行い、打席に立った清原和博を空振りにしとめ、始球式後にはマイクを持ち「まいど!」と叫び、旧来の在京ファンを沸かせた。
- その後は札幌ドームの日本ハム戦での始球式で度々パフォーマンスを披露している。
- 2006年9月、プロ野球マスターズリーグの札幌アンビシャスに入団、登録名は「ガンちゃん」。ただしふりがなは「いわもとつとむ」となっている。
[編集] エピソード
- 1イニング3被本塁打を3度経験しているが、3回目となった1998年の対ロッテ戦ではフリオ・フランコ、初芝清、佐藤幸彦に3連続被弾、さらに3人目の佐藤に至っては打ち取った当たりをセンターが捕球出来ず、ランニングホームランとなってしまった(先述の「盆回し」がこのときである)。
- コントロールの悪さから、サイドスローに挑戦したこともあった。1994年のウィンターリーグではそのサイドスローでストッパーとして活躍。
- 2006年の日本シリーズの事前予想で中日優位の予想をする野球解説者が多い中、「力は五分五分なので最初のナゴヤドームでの2戦は1勝1敗、しかし札幌に帰った後はファンの力もあって負ける事は考えられず、4勝1敗で日ハムの優勝」と予想し、的中させる。
- アスリート応援TV! ニッポン!チャ×3(TBSテレビ・現在終了)にレギュラー出演し、番組内コーナーの「オタク野球部」の監督を務めた。
[編集] 通算成績
年度 | 試合数 | 勝数 | 敗数 | セーブ | 投球回 | 奪三振 | 与四死球 | 自責点 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1990年 | − | − | − | − | − | − | − | − | − |
1991年 | 5 | 0 | 0 | 0 | 9 | 2 | 3 | 2 | 2.00 |
1992年 | − | − | − | − | − | − | − | − | − |
1993年 | − | − | − | − | − | − | − | − | − |
1994年 | 9 | 0 | 2 | 0 | 21 | 10 | 7 | 12 | 5.14 |
1995年 | 29 | 5 | 7 | 0 | 132 | 113 | 47 | 45 | 3.07 |
1996年 | 27 | 10 | 9 | 0 | 176 | 144 | 57 | 78 | 3.99 |
1997年 | 27 | 7 | 6 | 3 | 114 | 75 | 52 | 60 | 4.74 |
1998年 | 27 | 11 | 8 | 0 | 181 2/3 | 110 | 65 | 83 | 4.11 |
1999年 | 27 | 13 | 11 | 0 | 189 | 158 | 99 | 80 | 3.81 |
2000年 | 24 | 6 | 12 | 0 | 155 1/3 | 98 | 82 | 90 | 5.21 |
2001年 | 22 | 7 | 12 | 0 | 143 | 94 | 61 | 78 | 4.90 |
2002年 | 4 | 1 | 2 | 0 | 17 | 12 | 10 | 13 | 6.88 |
2003年 | 17 | 0 | 2 | 0 | 26 2/3 | 17 | 11 | 19 | 6.41 |
2004年 | 11 | 1 | 6 | 0 | 57 | 36 | 29 | 39 | 6.16 |
2005年 | 10 | 2 | 2 | 0 | 22 2/3 | 16 | 4 | 15 | 5.96 |
通算 | 229 | 63 | 79 | 3 | 1244 1/3 | 885 | 527 | 575 | 4.44 |
[編集] 背番号
- 20(1990年~1992年)
- 38(1993年~1995年)
- 18(1996年~2005年)
[編集] 現在の出演番組
[編集] テレビ
- ザ・プロ野球
- スーパーベースボール
- Eスポーツ(北海道放送・毎週土曜 17:00~17:30)※隔週出演・北海道ローカル
- スポーツワイド Fの炎~SPORT HOKKAIDO~(北海道文化放送・月曜 24:45~25:45) ※鎌ヶ谷リポーター
- FFFFF(北海道テレビ放送)
- 生中継ふるさと一番!(NHK総合テレビ・毎週月曜~木曜 12:20~12:45)※旅人(レギュラーゲスト)として不定期出演
- プロ野球ニュース(フジテレビ739 不定期出演)
[編集] ラジオ
[編集] HBCラジオ
- HBCスーパーベースボール(解説者)
- 朝刊さくらい(8:20頃「スポーツプラスワン」月曜「ガンちゃんのまいど!」に電話出演)
[編集] 文化放送
- 文化放送ライオンズナイター(解説者)
- 岩本勉のまいどスポーツ(月曜 17:57~18:45)
[編集] MBSラジオ
- ゴチャ・まぜっ!(水曜0:00~0:55)
[編集] 過去の出演番組
- 和田アキ子殺人事件(2007年2月12日放送)
- ガンちゃんの世界一面白いプロ野球の番組(HBCラジオ)
- 吉田照美のやる気MANMAN!マイクサイドボクシング「俺に言わせろ!」(文化放送)
- アスリート応援TV! ニッポン!チャ×3(TBS)
[編集] ネット
- まいど!岩本です。(ファイターズオフィシャル携帯サイト・毎週月曜日更新)
[編集] 著書
- 「ガンちゃんの世界一おもしろいプロ野球の本」(青春出版社)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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