亀山市
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亀山市(かめやまし)は、三重県の北部に位置する都市。旧鈴鹿郡。
目次 |
[編集] 概要
江戸時代には伊勢亀山藩の城下町として、東海道で鈴鹿峠越えを控えた亀山宿の宿場町として栄えた。
明治以降は、関西鉄道(かんせいてつどう)の開通や、旧国鉄の参宮線への分岐点として、機関区も置かれた鉄道の街としても栄えたが、伊勢方面への優等列車は伊勢鉄道(旧国鉄伊勢線)経由の短絡ルートを用いるようになったために、かつての隆盛は無い。
地場産業として、蝋燭の生産が大きなシェアを持ち、カメヤマローソク(本社は大阪市に移転した)が存在する。
三重県のハイテク企業誘致策により建設されたシャープ亀山工場では、世界初の液晶パネルからテレビまでの一貫生産が行われ、大手家電量販店などでは「AQUOSは亀山産の液晶テレビ」というキャッチコピーで売り出され人気を博している。
[編集] 地理
三重県の北中部に位置し、東は鈴鹿市、西は伊賀市、南は津市、北は滋賀県甲賀市とそれぞれ接している。市内の北西部には鈴鹿山脈が、南西部には布引山地が連なる。市の面積の半分以上は山林であるが、産業別就業人口では、第一次産業よりも第二次産業就業者の割合が多い(約10倍)。
[編集] 農業
この地方は気候や土質が茶の栽培に適していたことから古くから茶の生産が盛んである。また市内には大規模農園の実験を目的として昭和58年に造成された88.8haの中の山パイロット茶園もあり、市内の茶の生産量は三重県下3位である。
明治の中頃からは養蚕も盛んであり、地場産業の生糸の生産などとも結びついていたが、昭和30年代以降合成繊維に押されて絹の需要が激減したことを受けて飼養農家も激減し、現在では市内に散在する桑園の総面積は2ha程度である。
[編集] 工業
亀山市の誕生当初は生糸やローソクに代表される地場産業があったにすぎなかった。しかし昭和38年に低開発地域工業開発促進法の地域指定を受けて以降、高速道路の開通などの好条件にも恵まれ、三重県下有数の内陸工業都市となった。昭和50年以降長らく、隣接する鈴鹿市に本田技研工業の鈴鹿工場があるために自動車関連産業が、また、古河電気工業の銅線工場に代表される非鉄金属産業が市内の製造品出荷額のそれぞれ4分の1以上を占めてきた。平成14年にシャープの液晶工場が立地して以降は、液晶関連産業の集積も進んでいる。
- 工業団地
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[編集] 商業
旧東海道沿いに商店街(東町商店街)が形成されている。また、隣接してショッピングセンター(亀山エコー)が立地している。しかし大規模な郊外型のショッピングセンターは存在せず、隣接する鈴鹿市等への客の流出が目立っている。
[編集] 歴史
- 1954年10月1日 鈴鹿郡亀山町、昼生村、井田川村、川崎村及び野登村の合併により、亀山市が誕生。
- 1954年12月1日 境界変更により旧井田川村東部が鈴鹿市に編入。
- 1955年2月1日 旧白川村及び旧神辺村の大部分を編入。
- 1957年4月1日 鈴峰村大字原字能褒野の区域を編入。
- 1958年4月1日 旧明村の一部(安芸郡芸濃町楠平尾の大部分)を編入。
- 2002年2月14日 シャープが亀山市への進出を発表。
- 2004年1月8日 シャープ亀山工場が稼動開始。主に薄型テレビ「AQUOS」を生産。
- 2005年1月11日 旧亀山市と関町との新設合併により、現在の亀山市が発足。
- 2005年3月29日 新市章決定。
- 2006年2月1日 市の花・市の木をそれぞれ「花しょうぶ」と「杉」に決定。
- 2006年10月10日 亀山市と鈴鹿市内での新規・変更自動車登録するナンバーが「三重」から「鈴鹿」へと移行する。
[編集] 行政
- 市長:田中亮太
[編集] 旧亀山市歴代市長
- 服部平義(初代、1954年11月16日~1958年11月12日)
- 服部一雄(2代、1958年11月13日~1962年5月6日)
- 服部平義(3代、1962年6月15日~1970年6月14日)
- 今井正郎(4代、1970年6月15日~1994年1月13日)
- 田中亮太(5代、1994年2月13日~2005年1月10日)
[編集] 交通
東の愛知県尾張地方、西の奈良県・大阪府、南の紀伊半島東岸、北の滋賀県・福井県若狭地方[要出典]と、四方を結ぶ路線が通じる。特に、近畿地方内の鉄道で、京阪神を経由せず、山陽道沿線(姫路)から北近畿を経由して東海道沿線に行くルート[要出典]と、紀伊半島東岸から北上して東海道沿線に行くルート[要出典]は、亀山で合流する事になる。このため、交通面でも亀山は近畿地方の一角となっている。[要出典]
現在、第二名神高速道路の建設も進められている。これらの交通の便を活かし、工業団地の開発などを積極的に行っている。
[編集] 鉄道
明治23年の関西鉄道開通以来、名阪間の関西本線や紀伊半島に至る紀勢本線などの幹線が次々と開業・延伸し、現在に至っている。しかし、東海道本線の代替路線の役割を担った関西本線は東海道新幹線の開業に伴い、また、紀伊半島東岸への玄関口の役割を担った紀勢本線亀山-津間は国鉄伊勢線の開通に伴いローカル輸送中心にシフトしたため、かつてのような隆盛は無い。平成18年3月のダイヤ改正で急行かすがが廃止されて以降は、市内の路線を通る優等列車は無くなり、全て普通列車か快速列車となった。
- 代表駅:亀山駅
- 東海旅客鉄道(JR東海)
- 西日本旅客鉄道(JR西日本)
[編集] 路線バス
路線バスは、三重交通バス及び亀山市によるコミュニティバスが運行している。最も運行本数の多い路線でも、1時間あたり1本程度の運行である。 かつては西日本ジェイアールバスが亀山駅 (三重県)から滋賀県水口町(現在の甲賀市)まで、三重交通が亀山駅から四日市市まで運行するなど、近隣市町と結ぶ比較的長距離の路線も多かったが、現在では、市内の路線のほか、隣接する鈴鹿市や津市などとの間に近距離の路線が残るのみである。
[編集] 道路
昭和27年の国道1号指定以来、昭和40年の名阪国道全通、昭和45年の東名阪自動車道部分開通、昭和50年の伊勢自動車道部分開通など、主要な幹線道路が徐々に整備されてきた。また昭和63年には名阪国道が西名阪自動車道・近畿自動車道を介して名神高速道路と、平成5年には東名阪自動車道が名古屋インターチェンジにて東名高速道路とそれぞれ接続され、亀山市は大都市間を結ぶ大動脈の中に位置づけられた。現在は第二名神高速道路が建設中である。
- 高速自動車国道
- 一般国道
- 広域農道
- フラワーロード
- 主要地方道
- 三重県道10号津関線
- 三重県道11号四日市関線
- 三重県道28号亀山白山線
- 三重県道41号亀山鈴鹿線
[編集] 姉妹都市・提携都市
- 夢育むまちづくりのための都市間市民交流
日本武尊白鳥伝説ゆかりの三市による交流事業。
[編集] 地域
[編集] 学校
- 高等学校
- 中学校
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- 小学校
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[編集] 病院
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[編集] 観光
[編集] 史跡
- 亀山城跡:天守台に多門櫓が残る。
- 亀山宿
- 関宿:重要伝統的建造物群保存地区に選定。
- 坂下宿
- 能褒野(のぼの)神社:日本武尊のお墓(能褒野墓)のある神社。
- 忍山(おしやま)神社:皇大神宮(伊勢神宮内宮)の遷幸地と言われている式内社。日本武尊の后とされる弟橘媛の生誕の地でもある。
- 関地蔵院
- 石上寺
- 羽黒山・正法寺山荘跡
[編集] 景勝地
- 太岡寺畷:鈴鹿川の左岸の旧東海道沿いに約2kmに渡って整備された桜の名所。
- 石水渓:鈴鹿川の支流である安楽川の源流。市内有数の景勝地でキャンプ場などもある。
- 坂本の棚田:1999年(平成11年)7月に日本の棚田百選に選ばれた棚田。
- 観音山公園:国民宿舎関ロッジがある。山腹には戦時中に設置されていた鈴鹿海軍工廠の地下工場跡が残る。
- 亀山公園:三重県下最大級の菖蒲園がある。
- 明星ヶ岳:シャープ亀山工場の北西に位置する標高549mの独立峰。山腹には聖武天皇ゆかりの国分寺がある。展望に優れ、伊勢平野を一望できる。
- 錫杖ヶ岳
[編集] その他
- 鈴鹿峠自然の家:廃校になった坂下小学校の校舎を利用したキャンプ場。
- ハイウェイオアシス亀山サンシャインパーク:東名阪自動車道・亀山PAに隣接する総合公園。
- 道の駅関宿:国道1号線とJR西日本・関駅に隣接する道の駅。
- 亀山温泉白鳥の湯:低料金で泉質も良好な市営の温泉施設。
- 亀山市歴史博物館:亀山の地の歴史を紹介する博物館。常設展示とテーマ展示がある。
- 関まちなみ資料館
- 関宿旅籠玉屋歴史資料館
- 郵便貯金を取り扱う取扱局番号が、ゾロ目の「22222」である(亀山井田川局)。詳細は、郵便貯金の取扱局番号の項目へ。
- 中の山パイロット茶園:三重県下最大級の広さ(89ヘクタール)を持つ亀山茶の生産拠点。
[編集] 出身有名人
[編集] 郵便番号
郵便番号は以下の通りとなっている。2006年10月1日に変更。
- 亀山郵便局:519-01xx、519-11xx
- 川崎郵便局:519-02xx
[編集] 外部リンク
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