厚木駅
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厚木駅(あつぎえき)は、神奈川県海老名市中新田55にある小田急電鉄・東日本旅客鉄道(JR東日本)の駅である。また相模鉄道の操車場でもある。
駅名は「厚木」駅だが、駅の所在は海老名市である。また、駅の業務は小田急電鉄が行っている。
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[編集] 利用可能な鉄道路線
なお、相鉄本線の相模国分信号所(かしわ台駅~海老名駅間)より分岐される相鉄厚木線(貨物線)が海老名駅から線路を並行してJR乗り場の北側(本来の厚木駅であった場所)で接続しており、JR乗り場の裏側までは厚木操車場となっている。かつては米軍厚木基地への貨物列車の連絡が行われていたが、現在では新車の搬入や車両の留置に使われるのみである。また、現在休車中の車両もここに留置している。
[編集] 駅構造
小田急とJR東日本が改札口を共用しているため、自動改札機はすべて小田急のものを使用しているが、Suica・PASMOに対応している。
[編集] 小田急小田原線
プラットホームは高架上にあり、相対式2面2線である。準急も停車するため、ホームは10両対応だが、改札口が新宿側の先端にしかない。またJR相模線と連絡しているにも関わらず、急行が停車しないため、JR相模線と小田急小田原線を乗り継いで移動する場合、急行に乗車するには一度海老名駅や本厚木駅で下車しなければならない。因みに、JR相模線の海老名駅は小田急小田原線・相鉄本線の同駅から少し距離があるので、通常の乗り換えにはやや不便である。
毎年8月に開催される「あつぎ鮎まつり」の際、臨時に急行も停車する事がある。
[編集] のりば
1 | ■小田原線 | 本厚木・小田原・箱根登山鉄道線 箱根湯本方面 |
---|---|---|
2 | ■小田原線 | 町田・新百合ヶ丘・新宿・○千代田線 綾瀬方面 |
[編集] JR相模線
プラットホームは1面1線の地上駅である。2007年3月10日までは改札口から線路を越えたところにホームがあり、構内踏切を有していた。この構内踏切は手動式で、電車が来る時は駅員が接近放送を行った後に遮断機を下ろしていた。しかし、翌11日から横断踏切が撤去され、側線の跡地にスロープを配した新しいホームの使用を開始した。これにより小田急小田原線との乗り換えが向上し、バリアフリーに考慮した駅となり、駅員の接近放送や遮断機下ろしもなくなった。なお、3月18日からは、簡易改札機が設置されており、相模線利用者はSuicaをタッチすることになっている。
なお、運転上は「本来の厚木駅」である北側ヤード部分が現在でも「相模線厚木駅」の構内本体であり、海老名駅の開業以前はここで列車交換や列車の夜間留置が行われ、また当駅から橋本・茅ヶ崎へ向かう区間列車も存在していた。プラットホームは運転上「停車場」と称されている。
小田急小田原線の開業前は相対式ホーム2面2線の交換可能な駅だったが、同線開業に合わせて接続のためプラットホームのみを北側に移設した。ところが、移設前の線路は整理されず2線のまま残ってしまい、移設から80年経った現在に至るまで相模線唯一の複線区間(?)となっている(信号場とされていないため)。このため、列車交換が行われなくなったのにも拘らず、現在も海老名寄りで上り列車は東側の、下り列車は西側の線路を通過している。
なお、貨物営業を行っていた当時の駅舎は現在「厚木提携販売センター」となっている。法人向けの営業を担当する部署であるが、JRの乗車券(マルス発券が可能な高速バス乗車券なども含む)であれば、個人での利用も可能である。
[編集] 利用状況
2005年度の利用者数は、1日平均でJR東日本が5,477人、小田急電鉄が18,119人(2005年度、全線70駅中53位)である。
[編集] 歴史
- 1926年5月12日 神中鉄道(現・相模鉄道)(旧)厚木駅開業
- 1926年7月15日 (旧)相模鉄道(現・相模線)(旧)厚木駅乗り入れ
- 1927年4月1日 小田原急行電鉄河原口駅開業(上の厚木とは別)「直通」の停車駅となる(なお、「各駅停車」は新宿駅~稲田登戸駅(現・向ヶ丘遊園駅)間のみの運行であり、当駅までの運行はなかった)
- 1929年2月 神中鉄道が(旧)厚木駅を廃止し、小田急河原口駅の隣まで路線を敷設して乗り入れ。(旧)相模鉄道厚木駅は独立した格好になる。但し河原口との接続駅の名は中新田口駅だった
- 1931年4月29日 (旧)相模鉄道の(旧)厚木~橋本開業
- 1941年11月25日 神中鉄道が(旧)海老名駅を開業
- 1943年2月 小田急河原口駅・神中鉄道中新田口駅の隣に(旧)相模鉄道の河原口駅を設け両駅との接続駅とする
- 1943年4月1日 小田急は元からあった(旧)相模鉄道の(旧)海老名駅の隣に海老名駅を新設し、接続駅とした。同時に海老名国分駅は廃止となった
- 1943年4月1日 相模鉄道と神中鉄道が合併し、現在の相模鉄道となる
- 1944年6月1日 (旧)相模鉄道の路線が国有化され、省線相模線となる
- 1944年6月1日 国鉄相模線・小田急の河原口駅を(新)厚木駅に名称変更
- 1945年6月 小田急線にて従来新宿駅~稲田登戸駅(現・向ヶ丘遊園駅)間のみの運行の「各駅停車」が全線で運行される事となり、「各駅停車」の停車駅となる(同時に「直通」は廃止される)
- 1946年10月1日 小田急線に「準急」が登場し、停車駅となる
- 1960年3月25日 「通勤準急」が登場し、停車駅となる
- 1964年11月5日 相模鉄道は(旧)海老名~中新田口を貨物線化(現厚木線)
- 1971年7月13日 相模川橋梁の架け替え工事完成に伴い、上り線を新駅に移行。8月には下り線も新駅に移行。
- 1973年11月25日 小田急海老名駅と相模鉄道(旧)海老名駅が統合され場所を移して(新)海老名駅誕生
- 1986年11月1日 国鉄駅で開業時から行われていた貨物取扱が廃止。但し相模鉄道と国鉄(後JR貨物)との貨物連絡運輸は現在まで継続。
- 1987年3月21日 国鉄(現JR東日本)が小田急・相鉄の(新)海老名駅の隣に新しく海老名駅を開設、接続駅とする。長い間3つの会社と2つのターミナルがてんでんばらばらの行動をしたために不便であったが、この事により決着を見た
- 1987年4月1日 国鉄分割民営化に伴い、相模線はJR東日本に継承。
- 2004年12月11日 小田急線に「区間準急」が登場し、停車駅となる。
- 2007年3月11日 JR相模線のホームを移設。これにより横断踏切が撤去される。
[編集] 駅名の由来
[編集] 神中鉄道~(旧)相模鉄道
現在の相鉄厚木線と相鉄本線の開通と同時に開業した駅であり、相模線や小田急線より開通が早かったため、まだ駅のなかった厚木町(当時)の承諾を得て「厚木」と付けられた。
[編集] 小田急
当時の地名(現在は駅の北西側)であり相模川の河原を指す意味である「河原口」として開設し、その後1944年に省線相模線(当時)と共同駅となった事から「厚木」に改称された。
[編集] 駅周辺
- 相模川
- 海老名市立青少年会館
- 海老名運動公園
- 海老名市立有鹿小学校
- 海老名市立海西中学校
- 神奈川県立海老名高等学校
- 神奈川県立中央農業高等学校
- 日本ミルクコミュニティ海老名工場
- 静岡中央銀行厚木支店
- 厚木自動車学校
[編集] その他
- 駅から近い厚木自動車学校の近くには、相模川橋梁架け替え前の旧線の橋脚が残っている。
[編集] 隣の駅
[編集] 関連項目
- 日本の鉄道駅一覧
- 海老名市内に立地しているため、実際に厚木市内にある本厚木に対する意味で、「偽厚木」・「嘘厚木」などと揶揄される事もある。鉄道路線や駅・施設に関する俗称を参照。