小田原駅
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小田原駅(おだわらえき)は、神奈川県小田原市栄町1丁目(西口は城山1丁目)にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・東海旅客鉄道(JR東海)・小田急電鉄・伊豆箱根鉄道・箱根登山鉄道・日本貨物鉄道(JR貨物)の駅である。
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[編集] 利用可能な鉄道路線
[編集] 詳細
旅客営業を行う5社とも同一駅構内に収まっている。旅客駅のみであるが同一駅構内の乗り入れ鉄道会社数5社は日本最多である。(詳しくは日本一の一覧を参照)
神奈川県西部のターミナル駅であり、いずれの路線も当駅終着・始発の列車が多い。
小田急電鉄の管区長・駅長所在駅。小田原管区として鶴巻温泉~小田原間を、小田原管内として開成~小田原間を管理している。
JR貨物の貨物駅であり、定期列車の設定は無いものの、甲種車両輸送列車の発着が希にある(記事を参照)。
[編集] 運行状況
- 東海道線・湘南新宿ラインの東京・新宿方面は朝は5~7分間隔、昼間は約10分間隔、夕方以降は8~12分間隔で運行されていて、熱海・伊東方面は終日約15分間隔で運行されている。編成は大半が15両編成である。なお、ほぼ毎時に普通列車・快速アクティー・湘南新宿ライン快速・湘南新宿ライン特別快速・特急が運行されている。特急は、「踊り子号」「リゾート踊り子」号の全列車が停車し、「スーパービュー踊り子」号の一部の列車が停車する。また朝に限り湘南ライナー・おはようライナー新宿の通勤列車が運行され、夜間は湘南ライナー・ホームライナー小田原・通勤快速の終着駅である。深夜には寝台急行銀河・ムーンライトながらが停車する。
- 小田急小田原線と箱根登山鉄道とは、当駅で相互直通運転している。小田急側は、朝は4~6分間隔、昼間は約10分間隔、夕方以降は7~10分間隔で運行されている。なお、毎時に急行・快速急行・特急ロマンスカーが運行されている。2006年3月17日までは箱根登山鉄道の車両も、朝夕に当駅まで乗り入れていたが、3月18日以降の当駅~箱根湯本駅の運用は、全て小田急の車両のみに統一された。
- 一部の新宿からの小田急線急行はこの駅で列車の切り離しや連結が行われる。切り離しの行われる列車は、乗車する車両に注意が必要である。
- 東海道新幹線の東京方面は朝は10分間隔、昼間・夕方以降は約30分間隔である。新大阪方面は終日約30分間隔。また、ひかりが上下線で2時間おきに各6本ずつ停車する。
- 大雄山線は終日12分間隔で運行。すべてが大雄山駅行きとなる。
[編集] 駅構造
2003年3月30日に地下から橋上駅舎に切り替わり、同年12月20日に東西連絡通路(愛称:アークロード)が完成した。これにより在来線と新幹線の連絡通路も完成し、東口・西口間の通行が無料になった。また、小田急線と箱根登山線は同じ改札口である。改札上の高い天井からは童謡「おさるのかごや」でもおなじみの巨大な小田原ちょうちん(勿論巨大すぎて折りたためないし、安全上ワイヤーで横からも固定されている)がぶら下げられ、近代的な駅構内のアクセントとなっている。画像は「小田原提灯」の項参照。 2005年6月25日には旧駅舎の跡地に地上5階地下1階の駅ビルが完成し、地上1~5階は小田原ラスカとしてオープンした。駅ビルの完成に合わせて、東西バスターミナルのレイアウトが変わり、ペデストリアンデッキも設置された。バリアフリー面ではエスカレーター・エレベーター・多目的トイレが各鉄道会社の駅に設置されている。小田急電鉄・JR東日本東海道本線ともに小田原駅には早川駅寄りに留置線がある。2005年現在、駅ビルの隣接地にて再開発(地上8階地下1階建てのビル建設予定)が進められている。
小田原駅ホームの番号設定は、乗り入れている鉄道会社共通に通しで振られており、南側から1・2番線が伊豆箱根鉄道大雄山線、3~6番線がJR東日本東海道線、7~12番線が小田急電鉄小田原線・箱根登山鉄道、13~14番線がJR東海東海道新幹線となっている。詳細は以下のとおり。
[編集] 伊豆箱根鉄道
- 島式1面2線の地平ホーム。基本的に1番線と2番線を交互に使用している。
- のりば
1・2 | ■大雄山線 | 相模沼田・大雄山方面 |
[編集] JR東日本
- 島式2面4線の地平ホーム。熱海方に貨物線2線・留置線2線がホームに平行してある。
- 東海道線普通列車の東京駅発着列車の約4分の1は当駅始発・終着である。
- 一部の上り快速アクティーは当駅で始発の普通列車に接続する。
- 一部の上り快速アクティー・特急踊り子の前を走る普通列車は当駅で快速アクティーの待ち合わせをする。
- また、熱海発の上り普通列車が当駅始発の快速アクティーや湘南新宿ライン特別快速との接続を取ることもある。
- 一部の列車は当駅で特急列車の通過待ちも行う。
- 湘南新宿ラインと通勤快速の終着駅である。
- のりば
3 | ■東海道線(下り) | 熱海・沼津・(伊東線)伊東・伊豆急下田・修善寺・名古屋・大垣・大阪方面 |
4 | ■東海道線(下り・待避線) | 熱海・沼津・(伊東線)伊東方面 |
■東海道線(上り・当駅始発) | 平塚・大船・横浜・品川・東京方面 | |
■湘南新宿ライン(高崎線直通・当駅始発) | 新宿・池袋・大宮・熊谷・高崎方面 | |
5 | ■東海道線(上り・当駅始発・待避線) | 平塚・大船・横浜・品川・東京方面 |
■湘南新宿ライン(高崎線直通・当駅始発) | 新宿・池袋・大宮・熊谷・高崎方面 | |
6 | ■東海道線(上り) | 平塚・大船・横浜・品川・東京方面 |
[編集] 小田急電鉄・箱根登山鉄道
- 7~10番ホームは島式2面3線の地平ホームでうち1線は頭端式。ホームに平行して留置線が1線ある。
- 11・12番線は島式1面2線の地平ホーム。2006年3月18日より小田原駅~箱根湯本駅間は小田急の車両のみの運用となり、このホームは現在閉鎖中。なお、小田原駅からの箱根登山線はすべて箱根湯本行で、強羅方面は箱根湯本で乗り換える。全ホーム箱根八里の発車メロディーが使用されているが9・10番線は駅員操作だったがそのほかの番線では自動のため流れる長さが決まっている。
- のりば
7 | ■箱根登山鉄道 | 箱根湯本方面 |
8 | ■小田原線(下り・当駅止まり) | 降車専用ホーム |
9 | ■小田原線(上り・当駅始発) | 新松田・本厚木・相模大野・町田・新宿方面 |
10 | ■小田原線(上り) | 新松田・本厚木・相模大野・町田・新宿方面 |
11・12 | ■箱根登山鉄道 | 閉鎖中。(登山鉄道線は全て7番線から発車) |
- 7番線に到着する当駅止まりは箱根湯本駅寄りの留置線で折返し10番線に入線する。
- 現在、箱根湯本方面は全て小田急電鉄の車両で運転されている。11・12番線は、箱根登山鉄道の車両が、乗り入れていた時代の標準軌専用ホーム
[編集] JR東海
- 相対式2面4線の高架ホーム。中央の2線を通過列車が走る。
- 一部のひかり列車が数本程停車する。
- のりば
13 | ■東海道新幹線 | 新横浜・東京方面 |
14 | ■東海道新幹線 | 静岡・名古屋・新大阪方面 |
[編集] 駅構内設備
- 東海道線・小田急線・箱根登山線は地上3階、東海道新幹線は地上1階、大雄山線は地上2階にそれぞれ改札口・駅事務室がある。東西自由通路内は16メートルの広い幅の通路でエスカレーター・エレベーターが設置されている。ペデストリアンデッキ・駅ビルと自由通路の連絡口も駅ビル完成と同時に開設。東海道本線と新幹線は連絡通路がある。自由通路内には小田原市の観光案内所がある。
[編集] 大雄山線
- 伊豆箱根鉄道の駅だけ独立した建物になっている。駅の2階にあたる。トイレはコンコース内に多目的トイレがある。売店は改札内にある、駅3階には系列の旅行会社がある。東西自由通路との連絡通路あり。なお、伊豆箱根鉄道のみ有人改札だったが駅舎新築後ICカードに対応した自動改札になる。
[編集] 東海道線・湘南新宿ライン
- エレベーター・エスカレーターはすべてのホームに設置。トイレはコンコース内に多目的トイレがある。売店は、「レッツキヨスク小田原1号店」「NEWDAYS mini小田原1号店」がホーム東京方、弁当売店が各ホーム真ん中よりにある。東海道新幹線との連絡通路があり、この通路ではしばしば在来線側職員による新幹線自由席特急券の臨時販売コーナーが設置される。改札口はSuica専用通路が中ほどにある、電光掲示板は湘南新宿ライン専用も設置。みどりの窓口・びゅうプラザも併設。全ホーム15両編成対応である。
[編集] 小田急線・箱根登山線
- エレベーター・エスカレーターはすべてのホームに設置。トイレはコンコース内に多目的トイレがある。売店等は、自由通路上にオダキューOX・系列飲食店があり、ホームにはオダキューOXの売店が2店舗と箱根登山の売店がある。コンコースにも飲食店がある。待合室は各ホーム箱根板橋よりにある。ちなみに待合室はコンコース下なのに、城下町を意識したのか瓦屋根である。改札も新駅舎になり増加した。小田急ホームはすべて10両対応ホームで7・10番ホームは分割案内板があり特急ロマンスカーと急行が増解結する。改札内に自動体外式除細動器(AED)が設置された。
[編集] 東海道新幹線
- エレベーター・エスカレーターはすべてのホームに設置。トイレはコンコース内に多目的トイレがある。売店は、各ホーム中央部と東京よりにキヨスクがある、またコンコース2階にある待合室にも売店がある。改札の外には飲食店・コンビニ・書店がある。東海道本線との連絡通路あり。ホームは16両対応。
[編集] 駅構内の店舗
[編集] 利用状況
- JR東日本
- 1日平均乗車人員 31,992人(2005年度)
- JR東海
- 1日平均乗降人員 18,856人(2001年度)
- 小田急電鉄
- 1日平均乗降人員 63,600人(2005年度)
なお、[1]によれば、2001年度の箱根登山鉄道鉄道線の1日平均乗降人員は18,962人、伊豆箱根鉄道大雄山線の1日平均乗降人員は18,842人である。
[編集] 駅周辺

[編集] 東口(表口)
- 駅周辺は、神奈川県の西湘地区を代表する市街地であるが、最近、商業施設の撤退が相次ぎ、市街地の発展に陰りが出ている。再開発として駅ビルに隣接して地上8階地下1階の複合ビルが建設決定、2008年開業予定。
[編集] 司法
- 横浜地方裁判所小田原支部
- 横浜家庭裁判所小田原支部
- 小田原簡易裁判所
[編集] 行政
[編集] 短期大学
[編集] 高等学校
- 神奈川県立小田原城東高等学校
- 新名学園旭丘高等学校
- 明徳学園相洋高等学校
[編集] 観光
[編集] 商業施設
[編集] 銀行
[編集] その他
- JR東日本小田原保線区
[編集] 西口(新幹線口)
[編集] 行政
[編集] 大学
[編集] 高等学校
[編集] 企業
[編集] その他
[編集] 路線バス
[編集] 東口
- 1番乗り場
- 2番乗り場
- 3番乗り場
- 4番乗り場
- 箱根登山バス
- 仙石案内所・桃源台・湖尻(箱根湯本駅・宮ノ下・宮城野・仙石経由)
- 5番乗り場
- 伊豆箱根バス
- 関所跡・箱根町(箱根湯本駅・宮ノ下・小涌園・元箱根経由) (伊豆箱根) ※1日1本のみ湯の花ホテルも経由
- 箱根園(箱根湯本駅・宮ノ下・小涌園・元箱根経由) (伊豆箱根) ※1日2本のみ
- 湖尻・箱根園(箱根湯本駅・宮ノ下・小涌園・早雲山経由) (伊豆箱根) ※昼間は大涌谷も経由
- 6番乗り場
- 小田原宿観光回遊バス(観光シーズンに運行)
- 箱根登山バス
- 7番乗り場
- 8番乗り場
[編集] 西口
- 1番乗り場
- 伊豆箱根バス
- 関東学院大学・佐伯眼科(荻窪中経由)
- 2番乗り場
- 伊豆箱根バス
- 久野車庫(市役所経由)
- 兎河原循環(市役所・久野車庫経由)
- 小田原駅東口(広小路・井細田駅・市役所南口経由)
- 3番乗り場
- 箱根登山バス
- 水之尾(小田原競輪場経由)
- いこいの森(小田原競輪場・水之尾経由) ※季節運行
- 4番乗り場
- 箱根登山バス
- (臨時)いこいの森(小田原競輪場・水之尾経由)
- 伊豆箱根バス
- (臨時)いこいの森(荻窪中経由)
- (臨時)久野霊園(荻窪経由)
- 5番乗り場
- (臨時)小田原競輪場
- 小田原駅西口前
- 富士急湘南バス
[編集] 歴史
小田原は、中世、東海道五十三次の内、江戸より数えて第九の宿場が置かれ、交通の要所として栄えた町であった。しかし、1889年(明治22年)、箱根八里の険阻なるを嫌い、東海道本線が現御殿場線の経路を以って開業すると小田原宿は凋落の途を辿ることになる。東海道本線の開通に先立ち、1888年(明治21年)、国府津より小田原を経て箱根湯本へと馬車鉄道が開業して鉄道唱歌に「国府津降りれば馬車ありて酒匂小田原遠からじ」と歌われこそしても、交通の動脈を外れた小田原宿の衰退は抗いようがなく、110軒を数えたとされる旅籠が次々と廃業に追い込まれた。小田原において必死な鉄道誘致がなされたことは必然のことである。
1920年(大正9年)、果たして地元の熱意が実ったか、国府津熱海間に熱海線が開業し、ついに東京・横浜より小田原へ直接列車が乗り入れることとなる。これにより、箱根観光や湯治の拠点として、町は地位を回復するに至ったのである。そのため熱海線の開業日は町を挙げての祝賀行事が催され、並走区間を廃した小田原電気鉄道(1900年(明治33年)に馬車鉄道から路面電車に転換)さえも花電車を走らせて熱海線開業を祝った。
熱海線は、丹那トンネル開削によって勾配のきつい御殿場経由から熱海経由へ東海道本線のルートを切り替え、輸送力の増強を目指したものの内、一部区間が暫定開業したといえるものであった。昭和に入り、小田原急行電鉄(現、小田急電鉄)小田原線が開業し、さらに丹那トンネルの開通で熱海線が東海道本線に昇格すると、その地位は更に高まった。
[編集] 年表
- 1920年(大正9年)10月21日 - 熱海線国府津駅~当駅間開通と同時に開業。旅客・貨物の取扱を開始。
- 1923年(大正12年)9月1日 - 関東大震災により駅舎一部倒壊。
- 1925年(大正14年)3月25日 - 熱海線が熱海駅まで全線開通。
- 1927年(昭和2年)4月1日 - 小田原急行鉄道(現在の小田急電鉄)新宿駅~当駅間が開通。
- 1934年(昭和9年)12月1日 - 国鉄駅を東海道本線所属に変更。
- 1935年(昭和10年)6月16日 - 大雄山鉄道線(現在の伊豆箱根鉄道大雄山線)が当駅に乗り入れ。
- 1935年(昭和10年)10月1日 - 箱根登山鉄道が当駅に乗り入れ。
- 1948年(昭和23年)10月 - 小田急ロマンスカー運行開始。
- 1964年(昭和39年)10月1日 - 東海道新幹線の停車駅となる。
- 1973年(昭和48年)5月20日 - 新設の西湘貨物駅に貨物取扱業務を集約、当駅での取扱を廃止。
- 1979年(昭和54年)10月1日 - 小田原駅~大船駅間複々線化(東海道貨物線)完成。
- 1980年(昭和55年)10月1日 - 東海道新幹線「ひかり」が停車開始。
- 1986年(昭和61年)11月1日 - 国鉄駅での荷物取扱を廃止。
- 1987年(昭和62年)3月31日 - 国鉄駅での貨物取扱を再開。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、東海道本線は東日本旅客鉄道、東海道新幹線は東海旅客鉄道、貨物取扱業務は日本貨物鉄道が継承。
- 2002年(平成14年)12月1日 - 湘南新宿ライン運行開始。
- 2003年(平成15年)3月30日 - 新駅舎へ切り替え・東西自由通路暫定開通。エレベーター・エスカレーター・多目的トイレが各駅に設置される。
- 2003年(平成15年)12月20日 - 東西自由通路完全開通。開通に伴い、新幹線高架下も再整備され飲食店など出店。
- 2005年(平成17年)6月25日 - 東口に駅ビル(小田原ラスカ)オープン。
[編集] その他
[編集] 乗降人員数
- 小田急電鉄
- 63600人(2005年度)
- 66220人(2000年度)
- 77300人(1995年度)
- 84543人(1991年度・当駅の乗降人員数最高値年度)
- 84469人(1990年度)
- 78789人(1985年度)
- 71344人(1980年度)
- 64657人(1975年度)
- 60676人(1970年度)
- 48521人(1965年度)
- 29742人(1960年度)
- 18933人(1955年度)
- 12104人(1950年度)
- 12475人(1946年度・<1945年度は資料なし>)
- 4025人(1940年度)
- 2241人(1935年度)
- 2210人(1930年度)
- 2343人(1928年度・<1927年度は資料なし>)
1991年度以降、乗降人員数は減少傾向にある。
[編集] 隣の駅
- 東日本旅客鉄道
- ■東海道線
- 小田急電鉄・箱根登山鉄道
- ■小田急小田原線・■箱根登山鉄道鉄道線
- 伊豆箱根鉄道
- ■大雄山線
-
- 小田原駅 - 緑町駅
-