槙原寛己
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槇原 寛己(まきはら ひろみ、1963年8月11日 - )は愛知県半田市出身のプロ野球選手(投手)。現在は野球解説者。斎藤雅樹、桑田真澄とともに1990年代の読売ジャイアンツを支えた3本柱。引退後はTBSの解説者。愛称は「マッキー」「マキさん」など。
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[編集] 来歴・人物
- 1982年、大府高校からドラフト1位で読売ジャイアンツに入団。入団1年目は登板機会が無かったが、翌1983年、一軍初登板にして初完封を達成するなどの大活躍を見せて一軍で12勝を挙げ新人王を獲得。以降も150km/hを超えるストレートとフォークボールを武器に本格派として活躍した。
- 1985年4月17日の対阪神戦(甲子園)で佐野元国とバッテリーを組み、クリーンアップであるランディ・バース、掛布雅之、岡田彰布に3打者連続で、阪神甲子園球場のバックスクリーンへの本塁打(バックスクリーン3連発)を喫したことでも有名。ただし、阪神戦は38勝10敗とかなり相性は良い。(ちなみに3打者連続は1996年6月19日の対中日戦で音重鎮、山崎武司、大豊泰昭にもくらう)
- 巨人では斎藤雅樹、桑田真澄とともに『三本柱』と呼ばれるほどの投手であったが、この2人が投手のタイトルを数多く受賞する中、槇原だけはほとんどタイトルに恵まれなかったこともあり、常に3番手と見られる向きも少なくなかった。また、なかなか「12勝の壁」のジンクスを破れなかったこともその要因の一つと言える(1993年の13勝が最高)。
- しかし、1994年はそれを払拭。同年5月18日に福岡ドーム(現・福岡Yahoo!JAPANドーム)で行われた対広島東洋カープ戦で完全試合を達成(ちなみに、最後の打者御船英之の打ち上げたボールは落合博満がキャッチ。これをきっかけにTBS野球解説に就任すると「ミスター・パーフェクト」として紹介されている)するなど、巨人の4年ぶりのリーグ優勝に貢献。これ以降セ・パ両リーグを含め完全試合達成者はいない。さらに、西武ライオンズとの日本シリーズではシリーズMVPも獲得した。なお、この2つの記録は斎藤も桑田も達成していない(ただし、斎藤と桑田はセ・リーグのMVPを獲得しているが、槇原はセ・リーグのMVPに選ばれていない)。
- 1998年7月15日横浜スタジアムでの対横浜戦において佐伯貴弘をライトフライで打ちとったかと思われたが、ボークと宣言されてしまっためアウトは取り消しとなり、投げ直しで12-12の同点本塁打を打たれた。この試合は当初、7-0で巨人の一方的な展開であったが、先発・中継ぎが打ち込まれ、槇原が登板したときには、完全に横浜ペースになっていた。
- 巨人時代最晩年の1999年に対阪神戦で光山英和とバッテリーを組み、新庄剛志に敬遠球をサヨナラ安打にされたこともある。これは敬遠球をストライクゾーン付近に投げてしまったことが原因である。(新庄の足も打席から出ていた)
- 現役晩年はストレート、フォーク、スライダーの切れを買われて、リリーフに転向したが、満足な成績を残すことはできなかった。
- 2001年、斎藤雅樹、村田真一とともに現役引退。現在は野球評論家(TBS野球解説者、スポーツニッポン評論家)。
[編集] 通算成績
- 463登板 159勝128敗56セーブ 防御率3.19
[編集] タイトル・表彰・記録
- 新人王:1回(1983年)
- 最多奪三振:1回(1988年)
- 完全試合:1回(1994年)
- 日本シリーズ最優秀選手:1回(1994年)
[編集] 所属球団
[編集] 背番号
[編集] エピソード
- 近視のため視力が非常に悪く、マウンド-ホームベース間の距離で相方が指し示した指の数を見分けられないほどらしい。当然、関係者は眼鏡をかけることを勧めたが、頑として拒否した。そのため、槇原の方から捕手にシグナルを送って球種、コースを決めることがしばしばあった。
- マウンド上で打たれた際の表情から気弱、チキンと見られることが多い。しかし、入団当時の監督である藤田元司によれば、非常に短気であり、打たれるとカーっとする(藤田も同様の性格をしている)らしい。
- バース・掛布・岡田の3連続被弾、新庄の敬遠球サヨナラ安打は今でも語り草の一つになっているが、実は阪神戦にめっぽう強く、対阪神戦38勝10敗10完封の好成績を残している。プロ初勝利も阪神戦である。
- バース・掛布・岡田の3連続被弾から、11年たった1996年6月19日には、音重鎮、山崎武司、大豊泰昭に、3連続被弾をまた浴びた。
- 阪神が2003年に18年ぶりの優勝をするまで、対阪神3連続被弾の男といわれると逆に「未だに阪神ファン唯一の拠りどころ」などと皮肉たっぷりにきりかえした。
- 1990年の日本シリーズ第1戦に先発した際、西武のオレステス・デストラーデに3ランを浴び、これがシリーズの流れを決めたといわれている(西武サイドは槇原がカウントノースリーからは、ど真ん中ストレートしか投げないことを把握していた)。
- 現役時代一番嫌いだった打者はヤクルトの古田敦也。本人いわくボール球も打つわ、裏をかいても打たれるわで顔を見るのも嫌だったとか。逆に、中日時代の落合博満は、槇原の顔を見るのも嫌なぐらい苦手にしており(著書「勝負の方程式」より)、セーフティーバントを試みたこともあったという。
- 1985年6月28日対阪神戦(甲子園)で球団5000号ホームランを放っている。これは現役時代に唯一打ったホームランである。
- カラオケの持ち歌は「六甲おろし」。テレビ画面に(バックスクリーン3連発を打たれる)自分が映るため。子供の前で若き日の自分を見せびらかしたとか(本人談)。
- テレビのゲスト出演の際の過去の紹介ビデオ等は完全試合達成時の物は殆ど出ず、阪神戦の甲子園バックスクリーン3連発を使われる。
- 実家が電気屋で、潰れたことがフライデーに載った。
- 兄が自販機荒らしで捕まり、そのすぐあとにあった半田高校での講演ではかなり気まずそうで、「言わなくてもいいぞ」と言って登場した。
- SMAP×SMAPに出演したときには、バックスクリーン3連発の槇原ですと言って登場。この他にも、自ら「佐々木主浩クンは大魔人。僕はダメ魔人。巨人軍のマキハラならぬマケハラです」と自虐ネタをウリにして笑いを取っている。
- 同じくSMAP×SMAPに出演したとき「僕はカレーがあれば、1ヶ月間何もいらない」と言うほどのカレー好きである事を公表し、巨人時代に「この世に、カレーが嫌いと言う人間を初めて見た」と、カレーが嫌いな元木大介と水野雄仁をヘンな目で見ていた事を告白。特に、元木には「カレーなんか人間の食い物じゃありませんよ」と言われた事に激怒して、元木の顔に自分が食べていたカレーを押し付けた上に、元木に対して1週間カレーの匂いをかがせたと公表している。
- 後藤孝志と関口宏の東京フレンドパークIIに出演した際、ナゴヤ球場で中日VS巨人戦を見ていた、当時高校生の後藤孝志に「名古屋の裏切り者」と大ヤジを喰らう。槇原はその声を覚えていたのか、後藤が巨人に入団した時「よくもナゴヤ球場で俺に裏切り者と言ったくせに、お前も巨人に入ってきやがって」と言い返した。
- TBSの横浜VS巨人戦の解説で、佐々木主浩投手がリリーフで上がったときの歓声を聞いて「佐々木君は、ファンから歓声が上がりますが、僕もリリーフで出たときは横浜ファンから歓声が上がるんです。でも、味方の巨人ファンからはため息しか聞こえませんでした」と自虐ネタは彼の十八番的なギャグ。
- 大のイタズラ好きで巨人が広島に遠征した時に、長嶋茂雄監督のカバンに消火器を詰め込み、長嶋監督がカバンを持とうとして転んだ所を見て清原と2人で大笑いした。
- また他人の揚げ足を取るのも上手だが、髪の毛の事だけは、自身も薄い事を気にしているから、一切話題にしなかった(元木談)
- 1993年オフ、当時の長嶋監督がFA宣言した彼に17本のバラを贈った話を自身の著書で「17本入っていませんでした」と言っている
- 完全試合達成の前日、門限破りの罰金支払いを要求され「今日の登板で打たれたら倍払うから、抑えたら見逃してくれ」と要求しており、見事罰金を免れている。
- 福岡ドームで1994年に完全試合を達成した事は有名だが、1998年にも無四球1安打完封を達成しており、試合後に「福岡ドームのマウンドを持って帰りたい」と発言した。
- 木田優夫がオリックスにトレードされた時、ただ一人見送りに来て、激励をした。後に木田はテレビ番組で「槇原さんしか見送りに来てくれず、巨人は酷い所でした」とキレ気味に語った。
- 自虐ネタ・揚げ足取りの他、解説時にゲストで出演した有名人に合わせたボケと突っ込みの使い分け・球界の裏話・ジャイアンツの暴露話等、解説者にしておくには惜しいほどのタレント性を持った人物である。
[編集] 現在の出演番組
- ザ・プロ野球
- TBSラジオ エキサイトベースボール
- Jスポ(メインキャスターとして出演中)
[編集] 関連項目
- 愛知県出身の有名人一覧
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