1974年のオールスターゲーム (日本プロ野球)
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[編集] 試合概要
前年、貫禄の日本シリーズ9連覇を達成した読売ジャイアンツの川上哲治監督が全セ(オールセントラルリーグ)を率い、選手兼任監督としてパ・リーグを制覇した南海ホークスの野村克也監督が全パ(オールパシフィックリーグ)を率いた1974年のオールスターゲーム。全セ監督・川上にとっては現役・監督として最後のオールスターゲームになった。対する全パ監督の野村は20年後、ヤクルトの優勝監督として全セを率いることになる。なお、選手兼任監督の球宴出場は20年ぶり2人目の快挙であった(1964年に全パを率いた西鉄・中西太監督も選手兼任だったが、この時は監督は監督業に専念している)。
第1戦、代打男として通算代打本塁打27本の日本記録を持つ阪急の高井保弘が9回裏一打で全パサヨナラという場面で登場し、鮮やかな逆転サヨナラ本塁打打つ。その勢いに乗って第2戦も全パは6対3で逆転勝利した。しかし、この試合で先制3ラン本塁打を打った全セ・長嶋茂雄(巨人)が一番MVPに近かったと言っても過言ではない。この後、引退する長嶋にとってはこれが最後の球宴。第2戦は5番に起用されたものの第1戦は1番打者で起用され、最終第3戦は松原誠(大洋)の代打で8回に登場しキャッチャーフライ。この打席が球宴最終打席となった。
[編集] 試合結果
[編集] 第1戦
7月21日 後楽園球場 開始18:32(試合時間:2時間13分) 観衆数/46,160人
全セ | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
全パ | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2x | 3 |
(セ) 堀内(巨)、平松(洋)、●松岡(ヤ)-田淵(神)
(パ) 木樽(ロ)、新美(日)、村田(ロ)、○山田(急)-村上(ロ)、中沢(急)、野村(南)
MVP 高井保弘(急)
[審判] パ露崎(球) セ岡田和、パ久喜、セ丸山(塁) パ中川透、セ柏木(外)
[編集] 第2戦
7月22日 西宮球場 開始18:31(試合時間:2時間2分) 観衆数/24,101人
全セ | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
全パ | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 | 2 | 0 | X | 6 |
(セ) 江夏(神)、古沢(神)、●松本幸(中)、星野仙(中) -田淵
(パ) 江本(南)、神部(近)、○太田(近)、山田 -中沢、村上、野村
MVP 福本豊(急)
[審判] セ竹元(球) パ中川透、セ丸山、パ久喜(塁)、セ柏木、パ吉田(外)
[編集] 第3戦
7月23日 広島市民球場 開始18:32(試合時間:2時間14分) 観衆数/25,924人
全パ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
全セ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
(セ) 加藤初(太)、山内新(南)、○新美、S村田(ロ)-村上
(パ) 金城(広)、浅野(ヤ)、関本(巨)、●外木場(広)-田淵、大矢(ヤ)
MVP 土井正博(太)
[審判] セ久保田(球) パ前川、セ岡田和、パ斎田(塁) セ谷村、パ大野(外)
[編集] テレビ・ラジオ中継
[編集] テレビ中継
- 第1戦:7月21日
- 第2戦:7月22日
- 第3戦:7月23日
[編集] ラジオ中継
- 第1戦:7月21日
- 第2戦:7月22日
- 第3戦:7月23日
[編集] エピソード
- 前年秋の第4次中東戦争以降、原油価格の高騰により全世界に巻き起こったオイルショックの影響はプロ野球界も及んだ。そのひとつが電力使用制限で延長短縮などの措置に加え、19:00だったナイトゲーム試合開始時刻がこの年から18:00/18:30に早められた。オールスターも例外ではなく、18:30(場合によっては18:00)試合開始に改められた。
- 第3戦が1対0の貧打線で見せ場が少なかったことを嘆いたセ・リーグの鈴木龍二会長が「史上最低のオールスター」と漏らした。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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