人気者で行こう
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人気者で行こう | ||
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サザンオールスターズ の アルバム | ||
リリース | 1984年7月7日 1984年7月21日(CD盤) 1989年6月25日(再発) 1998年5月22日(再発) |
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録音 | 1984年4月~6月 VICTOR AOYAMA STUDIO |
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ジャンル | ロック | |
時間 | 48分42秒 | |
レーベル | ビクタータイシタ | |
プロデュース | 高垣健 サザンオールスターズ |
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チャート順位 | ||
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ゴールド等認定 | ||
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売上枚数 | ||
サザンオールスターズ 年表 | ||
原由子 with サザンオールスターズ (1983年) |
人気者で行こう (1984年) |
KAMAKURA (1985年) |
『人気者で行こう』(にんきものでいこう)は、サザンオールスターズの7枚目のオリジナルアルバム。1984年7月7日発売。発売元はビクターTAISHITAレーベル。
目次 |
[編集] 解説
前作『綺麗』に続き同発シングル「EMANON」、「東京シャッフル」と再びセールスが落ち込み始めたサザンオールスターズ。しかし本アルバム収録で直前に発売された20thシングル「ミス・ブランニュー・デイ」のヒットにより国民的バンドとしての印象を少しずつ持たれ始めた。
『綺麗』から続くAOR色が強いアルバム。しかし本作では前作のようなおまけ程度の物ではなく本格的に取り入れている。ちなみに歌詞カードは桑田佳祐直筆のものである。当時音楽専門誌では同時期に発売された佐野元春のアルバム『VISITORS』とよく比較されたこともあった。ファンの人気も特に高い。
本作リリースと、夏の野外ライブツアー「熱帯絶命!ツアー夏『出席とります』」の終了後、サザンのメンバーは1ヶ月間ロサンゼルスに渡り、シングル「Tarako」のレコーディングと共に本アルバム収録曲のイメージビデオの撮影に入った。これらはビデオ『サ吉のみやげ話』にまとめられ、同年12月にリリースされた。
ちなみに本作以降に発売されたサザンオールスターズのアルバムは、企画盤などを含み全てオリコンアルバムチャートで初登場1位になっている(再発盤は除く)。
[編集] 収録曲
シングル収録曲は各シングルで説明しているため、ここでは説明を省略する。
- JAPANEGGAE (ジャパネゲエ)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ & 矢口博康)
タイトルの「JAPANEGGAE」とは「JAPAN」+「REGGAE」の造語であり、歌詞ではマイナーな古語が使われている。イメージビデオでは桑田が二枚目路線の演技を見せた。この後発売された21stシングル「Tarako」のc/wとして、同曲の全英語詞版「Japaneggae (Sentimental)」が収録されている。 - よどみ萎え、枯れて舞え
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ)
歌詞中に登場する「愛倫浮気症」とは桑田による造語である。 - ミス・ブランニュー・デイ (MISS BRAND-NEW DAY)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 弦編曲:新田一郎)
三度の復活を遂げたとも言える記念すべき20thシングル。ファンのみならず大変人気の高い曲である。 - 開きっ放しのマシュルーム
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ & 矢口博康)
当時の世界情勢を下敷きにしたメッセージ性のある歌詞と桑田のシャウトの組合せがユニークな楽曲。本作中ではヘビーなサウンドで、1つのアクセントとなっている。タイトルはマッシュルームでなくマシュルームが正しい。アメリカンコミック風のイメージビデオも製作された。 - あっという間の夢のTONIGHT
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ)
前曲から一転して、ポップで開放的な曲。このように1曲1曲ガラリと印象が変わるという手法が頻繁に用いられており、それでいてまとまりのある部分が本作の人気の理由でもある。歌詞は「愛されんだあ」と「I Surrender」など独特の言葉遊びを用いたユニークな楽曲。途中で聴こえる犬の鳴き声は、当時桑田の実家で飼っていた飼い犬が亡くなったことに対する追悼であると語っている。 - シャボン
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 弦編曲:八木正生)
原由子ボーカル曲。後に長山洋子がカバーした。 - 海
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 管編曲:新田一郎)
本来は「ミス・ブランニューデイ」ではなく、こちらがシングルになる予定であった。オープニングのシンセサイザーが印象的な美しい曲である。タイトル通り海での恋模様を描いた楽曲。発売間近になってシングルが差し替えられたため、既にシングル「海」としてのジャケットも印刷され始めていた。ジャケット自体は「ミス・ブランニュー・デイ」に使われたものと同じである。 - 夕方 Hold On Me
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 管編曲:新田一郎)
ファンには比較的人気が高い曲。タイトルの「夕方」=You've gottaをはじめ、前述の「あっという間の夢のTONIGHT」のような英語との言葉遊びがふんだんに使われている。 - 女のカッパ
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ)
ジャズ色が極めて強いナンバー。当時としては画期的なコード進行であり、一般的には知られていないものの非常に時代を先取りしているサウンドである。『バラッド2 '83~'86』収録時にはイントロ部分にSEが追加されており、ベストアルバム収録時に別バージョンとなった唯一の楽曲である。 - メリケン情緒は涙のカラー
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ)
サスペンスシリーズ第2弾と評される。ちなみに第1弾は『綺麗』収録の「マチルダBABY」、第3弾は『KAMAKURA』収録の「死体置場でロマンスを」と言われることが多い。歌詞冒頭に登場する“エノケン”とは昭和初期に活躍した喜劇俳優、榎本健一、“ロッパ”とは同じく古川緑波のことである。その他Yokohama、China Town、産業道路、BUND HOTELなどが登場し、横浜を舞台にしたストーリーになっている。土地柄やストーリー背景から、この楽曲での産業道路は東京都道・神奈川県道6号東京大師横浜線を指していることが分かる。 - なんば君の事務所
(作詞・作曲:大森隆志 編曲:サザンオールスターズ & 藤井丈司)
ギターの大森隆志作曲のインスト作品。「ミス・ブランニュー・デイ (MISS BRAND-NEW DAY)」c/w。 - 祭はラッパッパ
(作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ & 藤井丈司)
ノリや語感重視といえる歌詞も然ることながら、「開きっ放しのマシュルーム」同様本作でも特にヘビーな楽曲である。 - Dear John
(作詞:桑田佳祐 作曲:桑田佳祐・八木正生 編曲:八木正生)
作詞は桑田佳祐、作曲は桑田と八木正生の共作によるもの。ジョン・レノンを追悼した曲。前曲からのトラック分けがうまくいっておらず、前曲の一部が流れてからイントロが流れている。後に収録されたベストアルバムや再発盤では修正されている。また、Z団名義で発表されたリミックスアルバム『江ノ島 ~Southern All Stars Golden Hits Medley』では、メドレー1曲目としてイントロの一部がそのまま使用されている。
[編集] 参加ミュージシャン
- 桑田佳祐:Lead Vocals(#1~10,12,13), Chorus(#1,2,4~13)
- 大森隆志:Electric & Acoustic Guitars(#1~13)、Guitar Synthesizer(#1,2,4~10,12,13)、Chorus(#1~10,12,13)
- 原由子:Piano, Organ, Synthesizer(#1~13)、Chorus(#1~10,12,13)
- 関口和之:Bass(#1~13)、Chorus(#1~10,12,13)
- 松田弘:Drums(#1~13)、Electric Rhthem Equipments(#1,2,4~10,12,13)、Chorus(#1~10,12,13)
- 野沢゛毛ガニ"秀行:Percussions(#1~13)、Chorus(#1~10,12,13)
- 藤井丈司:Techno
- 矢口博康:Sax
- 淵野繁雄:Sax
- 新田一郎:Trumpet, Flugel Horn
- 兼崎順一:Trumpet, Flugel Horn
- 吉田俊之:Trombone
- 八木のぶお:Harmonica
[編集] Special Guests
- Dear John
前作 | サザンオールスターズのオリジナルアルバム | 次作 |
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綺麗 | KAMAKURA |
オリコン週間LPチャート第1位 1984年7月16日付~1984年7月23日付 (2週連続) |
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前作: オフコース 『The Best Year of My Life』 |
サザンオールスターズ 『人気者で行こう』 |
次作: チェッカーズ 『絶対チェッカーズ!!』 |
オリコン週間LPチャート第1位 1984年8月20日付~1984年9月3日付 (3週連続、通算5週) |
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前作: チェッカーズ 『絶対チェッカーズ!!』 |
サザンオールスターズ 『人気者で行こう』 |
次作: サウンドトラック 『フットルース』 |
オリコン週間LPチャート第1位 1984年9月17日付 (通算6週) |
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前作: サウンドトラック 『フットルース』 |
サザンオールスターズ 『人気者で行こう』 |
次作: 菊池桃子 『オーシャンサイド』 |