DIRTY OLD MAN ~さらば夏よ~
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DIRTY OLD MAN ~さらば夏よ~ | ||
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サザンオールスターズ の シングル | ||
リリース | 2006年8月9日 | |
録音 | 2006年4月10日~6月10日 (#1) 2006年3月~6月 (#2,3) VICTOR STUDIO 401st 猫に小判スタジオ |
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ジャンル | ロック | |
時間 | 16分29秒 | |
レーベル | ビクタータイシタ | |
プロデュース | サザンオールスターズ | |
レビュー | ||
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チャート順位 | ||
ゴールド等認定 | ||
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売上枚数 | ||
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サザンオールスターズ 年表 | ||
BOHBO No.5/神の島遥か国 (2005年) |
DIRTY OLD MAN ~さらば夏よ~ (2006年) |
『DIRTY OLD MAN ~さらば夏よ~』(ダーティ・オールド・マン さらばなつよ)は、サザンオールスターズの52枚目のシングル。2006年8月9日発売。発売元はビクターTAISHITAレーベル。
目次 |
[編集] 解説
前作「BOHBO No.5/神の島遥か国」からは約1年ぶり、アルバム『キラーストリート』からでも10ヶ月ぶりとなるシングル。3月にはアルバムの製作ドキュメントと東京ドームでのライブDVDを収録した『FILM KILLER STREET (Director's Cut) & LIVE at TOKYO DOME』が発売されていたが、7年ぶりのオリジナルアルバム発売もあり精力的に活動した前年と違い、サザンオールスターズとしての活動は一切発表がないままであったためにまさにファン待望のリリースとなった。
これまで3年連続で7月にシングルをリリースしていたが、何れの年の発表時期に対しても発売2ヶ月前にはリリースの告知がされていた。6月に入っても音沙汰がなかったために、今年の夏はリリースがないかとも考えられていた。ただ、本作について桑田佳祐は自身のラジオ番組「桑田佳祐のキヤノンFMワンダーランド~やさしい夜遊び~」内で、PV撮影の開始を告知していたこともあり、1997年とは違い王道サマーソングとしてのリリースも期待が高まっていた。そして2006年6月24日に待望のラジオで初OAとなり、ファンを喜ばせた。
また作品に関係して加山雄三について匂わせる発言もされていたが、こちらは桑田の呼びかけによって行われるTHE 夢人島 Fes.2006の特別ゲストとして発表された。本作は同イベントと合わせ、発売前から多くのテレビ番組で取りあげられ注目された。
この作品を持ってサザンとしての活動を再び休止、2007年に桑田がソロ活動を開始する。
また、公式サイト「STANDOOH! AREEENA!! C'MOOOON!!!」も、発表と同時にリニューアルしており、この作品に対する意気込みが感じられている。
『キラーストリート』収録の「ロックンロール・スーパーマン ~Rock'n Roll Superman~」まででトヨタ自動車のタイアップが終了し、本作はフジテレビの「お台場冒険王2006」テーマソング、同時に同イベントのCMソングとしてのタイアップが発表されている。
今回シングルとしては久々に桑田が3曲ともギターを一切演奏せず、ベースを演奏しており、サポートメンバーの斎藤誠に「(ギター類を)全部取られた」と自身のラジオで明かしている。大森隆志脱退後の作品では、桑田と斎藤が左右のチャンネルで別々のギター(主にアコースティックギターとエレクトリックギター)を演奏することも多かったが、すべてを斎藤が演奏する例は初である。
ちなみに本作は英語表記を混ぜると“52nd”シングルなのだが、公式サイトでは一時“52th”シングルと表記されていた。公式BBSでファンの指摘を受けすぐに修正されている。
海外ロケでの撮影となった大掛かりなPVも公開されるや否や各テレビ局で報道され、こちらも話題になった。
初回盤には『噂の"スイカーマン"ステッカー』が封入。こうした特製ステッカーが封入されるのは前作に続く試みである。アナログ盤には別に『万能"麦わら帽子"』付きである。本作のジャケット写真は、全裸の男性が浜辺に横たわる姿になっており、アルバム『NUDE MAN』を彷彿とさせる久々に非常にインパクトのあるジャケットである。陰部はアナログ版の付録と同型の麦わら帽子で覆われており、頭部はスイカになっている。このジャケットの男性が“スイカーマン”の正体である。また、ジャケット上部に筆記体で「Dirty old man」と書かれているが、ジャケット表の文字要素はこれだけで、サザン作品でのジャケット表のタイトルのみの表記はシングル・アルバムを含めて初である(ただし、セルフタイトルである『Southern All Stars』を除く、ソロ作品では桑田の『波乗りジョニー』、『ROCK AND ROLL HERO』がある)。
なお、この作品の特設ページは当初A面同様明るく夏らしさを感じさせるデザインであったが、後にジャンプムービーや写真などかなり暗い印象を与えるようなものに差し替えられている。
本作は近年の作品に比べ、サポートメンバーが圧倒的に少なくなっている。ほぼメンバー+マニピュレーターの角谷仁宣とギターの斎藤誠だけで製作されており、原点回帰的な作品である。
本作で2004年の「愛と欲望の日々」以来約1年8ヶ月ぶりのオリコンシングルチャート首位を獲得。同チャートの通算TOP10入り作品数も42作(32作連続)となり、歴代1位である自己記録を更新した。また、本作でオリコンシングルチャートでの通算TOP10入り週数が239週となり、山口百恵に並ぶ歴代1位タイを記録。2週目にも2位を記録し、同記録の単独1位となっている。
[編集] 収録曲
- DIRTY OLD MAN ~さらば夏よ~
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 弦編曲:原由子)
フジテレビ『お台場冒険王2006』テーマソング。並びに同イベントのCMソングとして起用されている。同テーマソングに企画物でないバンドやグループが採用されるのは初である。
タイトル元は桑田の趣向から、ビートルズの『アビイ・ロード』収録曲である「ミーン・ミスター・マスタード」の一節であると考えられる。また、曲中にはバック・トゥ・ザ・フューチャーでマイケル・J・フォックスが歌唱していたことでも有名な「ジョニー・B.グッド」の一節が使われている。なお、タイトルを直訳すると「エロジジイ」や「ふしだらな男」となり、50歳を迎えてなおラジオなどで過激でエロティックな言葉を吐き続けている桑田自身のことだとファンクラブの会報内で語っている。
歌詞の内容はタイトルや曲調などのコンセプトとは裏腹に、後ろ向きで少々重いものになっている。50歳を迎えるにあたっていろいろ考えさせることが多くなったことが理由となっている。また、2番のサビの仮歌は当初「Radio,80.0 Band」と自身のラジオ番組が放送されているJFNのキー局TOKYO FMをそのまま宣伝させるような内容であったが、すぐに現在の形に変えられたという(所謂「大人の事情」である)。
PVはハワイで撮影され、ストリートライブを行っていたサザンのもとに、観衆が続々と集まってくるといった内容になっている。桑田はサザンのリーダーだけでなく、文字通りビーチで口説いているエロい監視員の一人二役をこなしている。このPVでは若い外国人女性が続々と出演しており、桑田曰く「現地(ハワイ)の若いお姉ちゃん」と言う。このPVを観る限り、前年に腰痛の治療専念のため活動を休止していたパーカッションの野沢秀行が参加していることが確認できる。今回も前作や『愛と欲望の日々』から続き、PVでは振り付けがなされており、ライブでの披露も待望される“歌って踊れる盛り上がれるナンバー”として完成している。サビの振り付けはタイトルに添って変なおじさんと思しき踊りが見られる。PV内で一瞬流れる振り付け講座風の映像「DIRTY OLD MAN How to DANCE ~High class ver.~」は、作品特設サイトで公開されていたほか、第一興商のカラオケ機種BB cyber DAMのDAMステーションにて期間限定で公開されていた。一部メディアでは原が初めて弦編曲を担当したと発表されているが、過去にもアレンジにかかわった作品は複数存在するため、これに関しては桑田が自身のラジオにて否定している。
発売2日後、テレビ朝日系音楽番組『ミュージックステーション』で地上波初披露。その際300人のダンサーに囲まれた前代未聞のライブを行った。なおこの事実は最後のサビの部分まで秘密になっており、「客寄せ」の名目で最初は行っていた。司会者であるタモリも「リハーサルでは分からなかった」と発言。 - BREEZE
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ)
製作及び録音にあたってはA面の「DIRTY OLD MAN」より早く行われた。曲中のリコーダーは原由子によるもので、一発録りでOKになったとのこと。桑田曰くジャック・ジョンソンの楽曲をイメージして製作したと語っているが、最終的にはモチーフのハワイアンミュージック的な雰囲気を残しながらも、サザンらしさを含んだ楽曲になっている。 - 太陽に吠える!!
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ)
タイトル元は言うまでもなく、1980年代に日本テレビで放送されていたテレビドラマ「太陽にほえろ!」である。A面の爽やかな曲調と違い、サザン名義では久々と言えるブルースを意識した曲調や歌い方が特徴的である。
なお、この曲の元になった楽曲は前年のツアー「みんなが好きです!」でアンコール1発目に披露されていた楽曲であり(正式にセットリストには含まれていない)、会場により「横山ノックのブルース」(大阪ドーム)「天吉のブルース」「生殖器のブルース」(横浜アリーナ)「水道橋ブルース」(東京ドーム)などと名前を変えられてきた。これは“未発表曲”として演奏された曲であり、途中で桑田が「こんな曲知らねぇよ!」などと演奏をやめた曲であった(という演出)。この原曲「水道橋ブルース」は同年3月に発売された『FILM KILLER STREET (Director's Cut) & LIVE at TOKYO DOME』の東京ドーム公演の模様に収録されている。
この曲の演奏時間は6分36秒にも及び、サザン名義の曲としては4番目に長い。
[編集] 参加ミュージシャン
- 桑田佳祐:Vocal, Chorus, Bass, Hand Claps
- 関口和之:Bass
- 松田弘:Drums
- 原由子:Keyboards, Hammond Organ, Recorder, Chorus, Hand Claps
- 野沢秀行:Percussion
- DIRTY OLD MAN ~さらば夏よ~
- 斎藤誠:Electric & Acoustic Guitars
- 三沢またろう:Percussion
- 金原千恵子ストリングス:Strings
- 角谷仁宣:Computer Programming
- BREEZE
- 斎藤誠:Electric & Acoustic Guitars
- 三沢またろう:Percussion
- 角谷仁宣:Computer Programming
- 太陽に吠える!!
- 斎藤誠:Electric & Acoustic Guitars
[編集] 関連項目
オリコン週間シングルチャート第1位 2006年8月21日付 |
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前作: 嵐 『アオゾラペダル』 |
サザンオールスターズ 『DIRTY OLD MAN ~さらば夏よ~~』 |
次作: スキマスイッチ 『ガラナ』 |