01MESSENGER ~電子狂の詩~
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01MESSENGER ~電子狂の詩~ | ||
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サザンオールスターズ の シングル | ||
リリース | 1997年8月21日 2005年6月25日(再発) |
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録音 | 猫に小判STUDIO VICTOR STUDIO |
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ジャンル | ロック | |
時間 | 9分17秒 | |
レーベル | ビクタータイシタ | |
プロデュース | サザンオールスターズ | |
レビュー | ||
チャート順位 | ||
ゴールド等認定 | ||
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売上枚数 | ||
サザンオールスターズ 年表 | ||
太陽は罪な奴 (1996年) |
01MESSENGER ~電子狂の詩~ (1997年) |
BLUE HEAVEN (1997年) |
『01MESSENGER ~電子狂の詩~』(ゼロワンメッセンジャー でんしきょうのうた)は、サザンオールスターズの39枚目のシングル。前作「太陽は罪な奴」から約1年2ヶ月ぶりとなる1997年8月21日に発売。発売元はビクターTAISHITAレーベル。
目次 |
[編集] 解説
タイトル通り近未来のデジタル的な要素や、情報社会への比喩などが中心になっている作品。音にも打ち込みや電子音などを多用し、かなりコンピュータ技術を使い込んだサウンドになっている。夏といえばサザン、のイメージ通り本作は8月半ばに発売されたが、曲は一般受けするものではなく、アルバム『Young Love』の発売もあり前作「太陽は罪な奴」から1年2ヶ月の間を空けてしまったことなどからセールスは低迷。前作が実質先行シングルであったにも拘らず、シングルとして1989年の「フリフリ'65」以来約7年半振りにオリコン集計の累計売上が30万枚を下回る結果となった。
アルバム『Young Love』や「太陽は罪な奴」が原点復帰をテーマにしたロックバンドらしい曲であっただけに、こういったハードで手のかかりすぎた曲はライトファンに受けないことが証明される形となってしまった。本作からはドラマタイアップの付いた「LOVE AFFAIR ~秘密のデート~」がスマッシュヒットした以外は「イエローマン ~星の王子様~」までシングルの売上がまさに冬の時代を迎えることとなった。
本作発売を機にイベント『01MESSAGE』が開催され、インターネットライブも開催された。曲で風刺したインターネットが、皮肉にも便利で画期的なイベントを生むこととなっている。
なお正式にはタイトルの「0」(ゼロ)には「O」(オー)と区別するため、公式的には斜線が入れられている。
サブタイトルの「電子狂」は「電子協」を捩ったものであり、便利になった電子の力に狂うようにしてとりつかれた者を意味すると考えられる。
本作のジャケットは仮面を掛けゲーム機のコントローラを持ったチンパンジーが1匹写っているが、2005年の12cm再発盤ではEP版ジャケットと同じく3匹になっている。
曲の最後で「零一(ゼロイチ)」というフレーズが登場するが、楽曲自体の読み方は「ゼロワン」である。
[編集] 収録曲
- 01MESSENGER ~電子狂の詩~
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 管編曲:山本拓夫)
歌詞は当時一般に流通し始めたパソコンやインターネット社会について風刺したものである。全てが電子化されるようになり、データばかりを気にし、いつの間にか情報に踊らされている現代社会を思いっきり皮肉っている。
翌年のアルバム『さくら』に収録されたバージョンはボーカル以外全く違ったアレンジになっており、タイトルも「(The Return of) 01MESSENGER ~電子狂の詩~ <Album Version>」と変更されている。この他にもシングルとアルバムでは収録されたバージョンが違う曲は多数存在するが、別タイトルやアルバムバージョンなどと表記されているのはこの曲が唯一である。そのためオリジナルバージョンで収録されているものは現在シングル盤のみである。
シングルバージョンの最後の最後に聴こえるピアノ音は、某パソコンメーカーのPC起動音をイメージしており、起動音とキーが同じである。当初は起動音そのものをサンプリングで入れる案があったが、版権の問題があり全く同じ音を使う事は出来なかった為、やむを得ず代用でピアノを使用したと桑田は自身のラジオ番組で解説した。
PVではライブハウスでの演奏シーンとともに、俳優の杉本哲太をゲストに迎え、ルパン三世のパロディーらしきシーンも挿入された。メンバーがギャングに扮し、杉本が銭形警部似の刑事役でメンバーを追いかける内容で、カーチェイスのシーンや、ルパン似の桑田が捕らえられたと思いきや、変装でいつの間にか杉本と入れ替わっていたシーンなど、まさにテレビアニメの『ルパン三世』そのものであった。日産『ルキノ』CMソングとなった。 - SEA SIDE WOMAN BLUES
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ)
夏・恋・別れといったサザンの王道とも言えるテーマで作られたハワイアンムード歌謡で、意図的にA面曲と対比させたアナログ感溢れる一曲。
特に『愛と言う字は真心で 恋と言う字にゃ下心』という一節は広く知られ、実はA面曲以上に人気が高い。明石家さんま他、芸能各界でもこの歌詞は高く評価されている。
この曲はビートたけしが自身の番組『足立区のたけし、世界の北野』エンディングテーマとして歌っていた。ちなみに桑田は過去に「アミダばばあの唄」をアミダばばあ(明石家さんま)とタケちゃんマン名義でたけしに提供している。映画『稲村ジェーン』で桑田を酷評したたけしであったが、桑田の音楽の才能は大きく認めているという一例である。
[編集] 参加ミュージシャン
- 桑田佳祐:Vocal, Guitar(#1,2)
- 大森隆志:Guitar(#1,2)
- 原由子:Keyboards(#1,2)
- 関口和之:Bass(#1,2)
- 松田弘:Drums(#1,2)
- 野沢秀行:Percussion(#1,2)
- 01MESSENGER ~電子狂の詩~
- 小倉博和:electric guitar
- 山本拓夫:tenor & baritone sax
- 村田陽一:trombone & bass trombone
- 荒木敏男:trumpet
- 角谷仁宣:computer programming
- SEA SIDE WOMAN BLUES
- 小倉博和:gut guitar, rap steel
- 角谷仁宣:computer programming