愛と欲望の日々
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愛と欲望の日々 | ||
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サザンオールスターズ の シングル | ||
リリース | 2004年11月24日 | |
録音 | 2004年8月12日~10月 (#1) 2004年8月30日~10月 (#2) VICTOR STUDIO 401st & 猫に小判スタジオ 2004年7月18日 (#3,4) ディファ有明 |
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ジャンル | ロック | |
時間 | 20分8秒 | |
レーベル | ビクタータイシタ | |
プロデュース | サザンオールスターズ | |
レビュー | ||
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チャート順位 | ||
ゴールド等認定 | ||
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売上枚数 | ||
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サザンオールスターズ 年表 | ||
君こそスターだ/夢に消えたジュリア (2004年) |
愛と欲望の日々 (2004年) |
BOHBO No.5/神の島遥か国 (2005年) |
『愛と欲望の日々』(あいとよくぼうのひび)は、サザンオールスターズの記念すべき50枚目のシングル。2004年11月24日発売。発売元はビクターTAISHITAレーベル。
目次 |
[編集] 解説
この年精力的に活動したサザンオールスターズの2004年を締めくくるシングル。1978年のデビューから50枚目となるシングルであり、メディアでもそのことがかなり取り上げられた。本作のPVはその特徴的な振り付けとタイアップの付いていたドラマの世界観を使った演出や時代背景が印象的であり、同年年末の年越しライブでもファンが一体となって振り付けを練習したりする姿も見られている。本作のPVは2000年の「HOTEL PACIFIC」同様かなり力が入ったものであり、直後に発売されたサザン初のPV集『ベストヒットUSAS (Ultra Southern All Stars)』にはPVとともに、メイキング映像も収録された。
サザンのシングルとしては最長の収録時間であり、これは全5曲収録の「涙の海で抱かれたい ~SEA OF LOVE~」より長いものである。なお、「涙の海で抱かれたい」が全て新曲であるのに対し、本作はc/wの2曲が同年の海の日に行われた1夜限りのシークレットライブのライブ音源である。
「愛と欲望の日々」はフジテレビ系ドラマ『大奥~第一章~』主題歌となったが、時代劇とは合わないと言われたサザンがタイアップに付いたことも話題になった。この流れは翌年の大奥シリーズ続編『大奥~華の乱~』で東京事変が主題歌を務めた事へ繋がり、ある意味では時代劇の主題歌にロックバンドと言う斬新な前例を作ったものになった。
本作は発売前から新聞広告やマスコミで「愛と欲望の日々/LONELY WOMAN」と両A面シングルとして告知がなされていた。しかし発売元のビクターエンタテインメント(ビクタータイシタ)では両A面と言う打ち出しはしていない。そのため発売直前に「本作は両A面シングルではない」とビクターから公式に発表もされている。オリコンチャートでも両A面としてチャートインしている。しかし前作「君こそスターだ/夢に消えたジュリア」が両A面シングルであり、公式サイトの発売告知でも「愛と欲望の日々/LONELY WOMAN」と発表している。実際CDジャケットやクレジットでもこういった表記になっており、両A面と認知されてしまうのも仕方のない状態ではあった。「LONELY WOMAN」は「君こそスターだ」から続くTOYOTAのタイアップが付いており、タイアップや宣伝の関係で仕方なく全面に表記していたとも言われる。しかし前作は両曲ともPVが存在するものの、「LONELY WOMAN」にはPVが存在せず、やはりA面として大々的に扱う意図はなかったと考えられる。次作となる「BOHBO No.5/神の島遥か国」は再び正式に両A面シングルと発表しており、両曲ともPVが存在する。
このようにオリコンなどで両A面と認識されてしまっている例としては、過去に1992年の「シュラバ★ラ★バンバ」がある。もっともビクターから「君こそスターだ/夢に消えたジュリア」が両A面シングルとして発売された際に、1980年の「シャ・ラ・ラ/ごめんねチャーリー」以来の両A面シングル(公表ではDouble A-side Singleと呼んでいる)と打ち出しているため、「シュラバ★ラ★バンバ」は単作A面ということになる。次作「BOHBO No.5/神の島遥か国」発売時に「君こそスターだ/夢に消えたジュリア」以来の両A面と発表しているだけに、やはり本作を両A面シングルとする考えはないということになる。ちなみに「シュラバ★ラ★バンバ」c/wの「君だけに夢をもう一度」もTOYOTAタイアップであり、偶然と言えどもこのタイアップが付いた際に同じような問題が起きてしまっている。
本作発売日の11月24日からオリコンウィークリーチャートが2005年分の集計になっており、2004年に発売されているものの累計売上は2005年度に入っている。本作はオリコンウィークリーチャートで初登場1位を記録し、自身の連続シングル初登場1位記録を5に伸ばした。この記録は次作が3位になることで途切れる。過去に2作連続が何度もあるものの、現時点では2003年の「勝手にシンドバッド 胸さわぎのスペシャルボックス」から本作までの5作が自己最高記録である。
現在公式サイトでは「愛と欲望の日々/LONELY WOMAN」として掲載されている。本作でも多数のサポートメンバーが参加しているが、歌詞カードにクレジットされている荒木敏男の名前が“荒木敏夫”と誤って表記されている。現在公式サイトでも同じように誤表記である。芸名が変更されているとも考えられるが、次作「BOHBO No.5/神の島遥か国」やアルバム『キラーストリート』でもそれまでと同じ表記のため誤植である可能性が高い。
[編集] 収録曲
- 愛と欲望の日々
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 管編曲:山本拓夫)
フジテレビ系ドラマ『大奥 ~第一章~』主題歌。前作は夏に発売と言うことでサザンらしいサマーソングであったが、この曲はうって変わったディスコや1980年代を意識したナンバー。PVやジャケットなどではミラーボールを写しており、この事からも感じ取れる。これらは前年のAAAのテーマであったディスコ&ソウルの流れを汲んでいる。
歌詞には桑田が得意とする和洋折衷の言葉遊びや、1980年代を代表するディスコの名前なども登場する。冒頭の「狸穴(まみあな)」とは、東京都港区に実在する地名「麻布狸穴」及び「狸穴坂」から来ており、PVやライブでは狸に因んで、昭和初期に美空ひばり等が演じたオペレッタ喜劇『狸御殿』をモチーフにした狸の踊り子も登場する。余談だが、港区の『狸穴坂』は六本木の繁華街の近辺にあり、ディスコやクラブのすぐ近くでありながら急に人気が無くなる雑木林に囲まれた坂道の一角で、確かに狸が夜な夜な人間に化けて踊っていそうな雰囲気もあり、本作の世界感に通じる土地である。
PVではサザンのメンバーがパーカッションの野沢秀行の演奏力を見出し、スカウトするというような演出が見られる。
ちなみに、ミュージックステーションに出演した際、冗談で「タモリさんのために作った曲」と発言していた。
アルバム『キラーストリート』にはリマスタリングが施され収録された。
なお、この楽曲を主題歌として用いた「大奥~第一章~」のクランクアップの際には無事撮影が完了した記念として全員でこの曲を踊ったという。ファンの間では『愛欲』と略される。大奥シリーズの完結篇である映画版まで劇中ではインスト版がサウンドトラックとして使用されていた。 - LONELY WOMAN
(作詞・作曲:桑田佳祐 英語補作詞:岩本えり子 編曲:サザンオールスターズ 弦編曲:島健)
歌詞の中に「Merry X'mas」という言葉が登場するように、クリスマスや冬をイメージした楽曲。TOYOTA『MORE THAN BEST』のタイアップが付いており、クリスマスや冬が過ぎた春頃までオンエアーされていた。英語補作詞の岩本えり子とは桑田佳祐の実姉。以前に桑田のソロアルバム『ROCK AND ROLL HERO』でも英語補作詞を担当している。『キラーストリート』には、コーラス部分の変更などがなされて収録されているが、曲自体に大きな変更はない。細かな違いだが、シングルバージョンは現時点で本作にのみ収録。 - イエローマン ~星の王子様~ (LIVE at ディファ有明)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ)
ディファ有明 (旧:MZA有明) で行われたファンクラブ限定ライブ「海の日ライブ」と呼ばれる『真夏の夜の生ライブ 海の日スペシャル』からのライブ音源。この模様はフジテレビ系列で深夜に放送されている。元は1999年のシングル曲であり、奇しくもサザンの1990年代ワーストセールスの作品である(再発盤は除く)。ファンには人気も高く、桑田自身お気に入りの作品であるが、このライブでのバージョンはかなりアコースティックでスローテンポなバージョンであり、原曲とは大分違った印象である。ライブ音源とオリジナル版では多少歌詞が異なっており、歌詞カードや公式サイトでもそのように説明がある。シングルの歌詞カードではオリジナル盤の歌詞が掲載されている。また、最後の桑田のセリフが省略されている。 - ラチエン通りのシスター (LIVE at ディファ有明)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ)
同じくディファ有明で行われたライブ音源を収録。1979年のアルバム『10ナンバーズ・からっと』に収録されていたもので、コアなファンを中心に人気が高い。公式サイトでも『隠れた名曲』と発表している。この2曲は続けて再生すると続けて演奏しているように聞こえるが、実際は別々に演奏されており、編集によって臨場感を出したものである。
[編集] 参加ミュージシャン
- 桑田佳祐:Vocal,Acoustic Guitar(#1~4)、 Chorus, Electric Guitar, Bass(#1~2)
- 関口和之:Bass, Chorus(#1~4)
- 松田弘:Drums, Chorus(#1~4)、Drum Programming(#1~2)
- 原由子:Piano, Electric Piano, Chorus(#1~4)
- 野沢秀行:Percussion, Chorus(#1~4)
- 愛と欲望の日々
- 角谷仁宣:Computer Programming
- 斎藤誠:Electric Guitar, Chorus
- 片山敦夫:Piano, Synthesizer, Hammond Organ, Chorus
- 包国充:Tenor Saxophone
- 三沢またろう:Percussion
- 山本拓夫:Tenor & Baritone Saxophone
- 西村浩二:Trumpet
- 荒木敏男:Trumpet
- 村田陽一:Trombone
- 島健:Glockenspiel
- LONELY WOMAN
- 角谷仁宣:Computer Programming
- 斎藤誠:Acoustic Guitar
- 金原千恵子ストリングス:Strings
- イエローマン ~星の王子様~ (LIVE at ディファ有明)
- ラチエン通りのシスター (LIVE at ディファ有明)
- 斎藤誠:Electric Guitar, Chorus
- 片山敦夫:Hammond Organ, Chorus
- 包国充:Tenor Saxophone
[編集] 関連項目
オリコン週間シングルチャート第1位 2004年12月6日付 |
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前作: ORANGE RANGE 『花』 |
サザンオールスターズ 『愛と欲望の日々/LONELY WOMAN』 |
次作: 福山雅治 『泣いたりしないで/RED×BLUE』 |