大阪外環状線
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大阪外環状線(おおさかそとかんじょうせん)は、
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[編集] 道路
大阪外環状線(おおさかそとかんじょうせん)は、大阪府が計画・事業化した都市計画道路・広域幹線道路のうちの一つで、現在は国道170号線のバイパス道路および国道171号線の一部区間として供用されている環状道路である。略称は「外環」(そとかん)。
大阪府内の外かく部を通り、国道171号と国道170号をまたぐ環状道路ではあるが、現実として両者の関連性は大きいとはいえない。また、1980年代以降は国道171号は外環と称することが少なくなっている。
なお、国道170号バイパスに平行する旧道を一般に「旧外環」「旧外」などと称することがあるが、「外環」はあくまでバイパス道路につけられた名称であるという観点からは必ずしも正しいとはいえない。
[編集] 概要
日本の高度経済成長のさなかの1965年(昭和40年)、大阪府北部の千里丘陵において大阪万博が1970年(昭和45年)に開催されることが決定した。それに伴い、開催地までの交通アクセスの整備が求められるようになり、各方面の都市計画道路が早急に計画され、事業化された。 大阪府の外かく部を通る道路の整備も急がれ、とくに兵庫県内~大阪府北部~藤井寺市沢田(西名阪自動車道の藤井寺I.C.の接点となる)の区間は早急に事業化され、万博が開催された1970年までに供用が開始された。
河内長野市以西の区間について、計画決定自体は比較的早かったものの、その後、事業化がされないまま1982年にルートの見直しを含む計画の変更を行っている。 1984年、関西国際空港が泉州沖の大阪湾を埋め立てて建設されることが決定したため、南河内地区と泉州地区・関西空港を結ぶ幹線道路として事業化され、1994年にようやく全線が供用された。 用地取得の最も遅い区間で1992年に取得しており、計画決定から全通するまでに時間がかかっている。
ほぼ全線4車線で計画されたものの、2007年現在、河内長野市小山田町~和泉市南面利(なめり)町、和泉市仏並町~岸和田市内畑町および熊取町から泉佐野市の末端にかけての区間は暫定2車線での供用となっている。 ごく一部の区間を除き拡張用地は確保済みであり、4車線化が進行中であるが、一部区間は4車線化の見通しさえ立っていない。旧京阪国道と重複する区間の一部も2車線となっている。
国道170号、国道171号の頁にも記載されているが、とくに河内長野市以北の区間については、すでに交通容量が飽和状態にあり、慢性的な混雑と渋滞を引き起こしている。そのような状況を打破すべく、 都市計画道路 十三高槻線(大阪府道14号線バイパス)および 都市計画道路 大阪内陸都市環状線 が事業中および計画調査中である。 ただし前者は国道からはかけ離れているため抜本的な解決となるかは不明。後者はほんの一部の区間が泉北1号線として供用されているものの、残りの区間は事業化される見通しも立っていない。
- 区間
- 計画幅員
- 20m(4車線)
[編集] 事業名称
大阪外環状線自体は一つの事業として計画・建設されたわけではなく、いくつかの事業計画に基づいて建設され、途中の事業計画見直し等により、最終的に「都市計画道路 大阪外環状線」となった。
- 都市計画道路 大阪京都線 (主要地方道大阪高槻京都線旧道の一部区間)
- 都市計画道路 京都神戸線 (国道171号。池田バイパスを含む) 1967年までに事業化決定
- 都市計画道路 枚方高槻線 (主要地方道枚方亀岡線) 1964年までに事業開始
- 都市計画道路 高槻橋本線 (国道170号バイパス: 高槻市 - 河内長野市の区間) 1965年までに計画決定
- 都市計画道路 大阪外環状線 (主要地方道枚方富田林泉佐野線バイパス: 河内長野市 - 泉佐野市の区間) 1970年までに計画決定
[編集] 開通年度
- 1963年(昭和38年): 国道170号(大阪府高槻市~和歌山県橋本市)が制定施行。
- 1967年(昭和42年): 高槻市 - 枚方市間(枚方大橋の架け替えも竣工)
- 1969年(昭和44年): 藤井寺市(沢田交差点)以北
- 1970年(昭和45年): 国道171号区間(全通)
- 1974年(昭和49年): 羽曳野市(白鳥北交差点)以北
- 1979年(昭和54年): 富田林市(総合体育館前交差点)以北
- 1981年(昭和56年): 河内長野市(工業団地前交差点)以北
- 1982年(昭和57年): 国道170号(大阪府高槻市~大阪府泉佐野市)が制定施行。
- 1994年(平成6年): 全通
[編集] 通過市町村・沿道施設
[編集] 関連項目
- 外環
- 放射線・環状線
- 国道479号 (「大阪内環状線」「内環」とよばれる)
- 大阪府道2号大阪中央環状線 (「大阪中央環状線」「中環」とよばれる)
- 都市計画
[編集] 鉄道
大阪外環状線(おおさかそとかんじょうせん)は、西日本旅客鉄道(JR西日本)の片町線の貨物支線である城東貨物線を改良・旅客線化し、大阪市の新大阪駅から八尾市の久宝寺駅の間で旅客営業する予定の鉄道路線である。
吹田市南部から大阪市南東部にかけて南北に通り、各場所に設置される予定の駅のほとんどで、大阪から放射状に延びる各鉄道路線と連絡する路線となる。 城東貨物線を改良し旅客線化を行うにおいて、第三セクター会社の大阪外環状鉄道が第三種鉄道事業者として建設を行い、施設を保有するとともに、西日本旅客鉄道が第二種鉄道事業者として旅客営業を行う。なお、大阪外環状線として旅客営業開始後も、日本貨物鉄道(JR貨物)が第二種鉄道事業者として同線を経由する貨物列車の運行を継続することになっている。
当初2006年度の開業を予定していていたが、用地買収が難航しているため2006年度の全線開業を断念、2008年春以降に南半分の放出~久宝寺間を先行開業させる予定。なお北半分は新大阪駅付近にある南宮原踏切の混雑対策のメドが立っていなかったため工事が遅れている。工事費は約1,200億円を予定。
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[編集] 路線データ
[編集] 運行形態(予定)
運転本数は1日71往復、朝ラッシュ時は毎時7本、昼間時は毎時4本の運転を予定している。
JR西日本は2005年3月の定例記者会見[1]で、南半分(放出~久宝寺)が開業した後は、当線を経由してJR東西線・片町(学研都市)線と相互乗り入れして奈良~尼崎間の直通運転を検討すると述べていた。
[編集] 建設の経緯
城東貨物線の旅客線化は1950年代ごろから構想され、新大阪~加美~杉本町間の整備が1963年(昭和38年)3月の都市交通審議会の答申第7号に盛り込まれた。
当初は城東貨物線だけではなく、関西本線の貨物支線である八尾~杉本町間の阪和貨物線(貨物列車廃止後は阪和連絡線と呼ばれている。現在休止中)も組み込み阪和線と連絡する計画であったが、1989年に阪和線・紀勢本線列車の大阪環状線との直通運転が開始されたことや、新大阪~JR難波・汐見橋間を結ぶ「なにわ筋線」計画が浮上したことから、終点を加美駅(後に久宝寺駅)に変更し阪和線と連絡することは計画から外された。
都心部を迂回する路線のため旅客需要が見込めず、国鉄時代は財政難から後回しにされ、なかなか着工されなかった。国鉄分割民営化後、上下分離方式をとり、第三セクター会社を設立して建設と施設の保有にあたり、西日本旅客鉄道が運営を行うことになった。当初は片福連絡線(現在のJR東西線)と同じく関西高速鉄道が建設することも考えられていたが、関西高速鉄道には兵庫県など大阪外環状線沿線以外の自治体が出資していることから別に会社を設立することになり、1996年11月に大阪府や大阪市、東大阪市を始めとする沿線自治体と西日本旅客鉄道などが出資して大阪外環状鉄道を設立し、同年12月鉄道事業免許取得、ようやく着工された。
新大阪駅近くにある南宮原踏切の混雑対策のメドが立っていないため放出~新大阪間はこれまで着工されず、放出~久宝寺間を2008年に先行開業させることに決まったが工事は遅れており、部分開業が遅れることも予想されている。残る北側も、踏切を拡幅せずに既存の城東貨物線・梅田貨物線の線路などを利用することによって2006年度をメドにして着工することが決まり、全面開業は2012年春と決まった。
なお、これとは別に阪急電鉄が新大阪連絡線として淡路~新大阪~十三間、新大阪~神崎川間の路線を計画、1961年に免許取得したが計画は頓挫、大阪外環状線の具体化により淡路~新大阪間及び新大阪~神崎川間については2003年に免許を失効させている。残りの新大阪~十三間の免許は維持しているが、これは西梅田~十三間の四つ橋線延伸及び直通運転を意識したものである。
[編集] 歴史
- 1929年3月15日 片町線貨物支線として放出~千里信号場間が開業。
- 1931年8月10日 放出~平野間が開業。貨物営業のみ。
- 1932年7月8日 千里信号場廃止。区間を放出~吹田操車場(現在の吹田信号場)間に変更。
- 1932年12月1日 放出~鴫野~吹田間が電化。
- 1939年10月15日 放出~八尾間が開業。貨物営業のみ。
- 1987年4月1日 国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道が第一種鉄道事業者として承継し、日本貨物鉄道が第二種鉄道事業者となる。
- 1996年11月21日 大阪外環状鉄道が設立される。
- 1996年12月25日 大阪外環状鉄道が鉄道事業免許を取得。
- 1999年2月17日 都島~久宝寺間の工事施行が認可。
- 2002年12月20日 新大阪~都島間の工事施行が認可。
- 2008年 放出~久宝寺間が旅客開業予定。西日本旅客鉄道の第一種鉄道事業廃止。
- 2012年 放出~新大阪間が旅客開業予定。
[編集] 駅一覧
駅名 | 営業キロ | 接続路線 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|
新大阪駅 | - | 東海旅客鉄道:東海道新幹線 西日本旅客鉄道:山陽新幹線・東海道本線(JR京都線) 大阪市営地下鉄:御堂筋線 |
大阪府 | 大阪市淀川区 |
西吹田駅 | - | 吹田市 | ||
淡路駅 | - | 阪急電鉄:京都本線・千里線 | 大阪市東淀川区 | |
都島駅 | - | 大阪市都島区 | ||
野江駅 | - | 京阪電気鉄道:京阪本線 大阪市営地下鉄:谷町線(野江内代駅) |
大阪市城東区 | |
鴫野駅 | - | 西日本旅客鉄道:片町線(学研都市線) 大阪市営地下鉄:今里筋線 |
||
放出駅 | - | 西日本旅客鉄道:片町線(学研都市線) | 大阪市鶴見区 | |
高井田駅 | - | 大阪市営地下鉄:中央線 | 東大阪市 | |
永和駅 | - | 近畿日本鉄道:奈良線(河内永和駅) | ||
俊徳道駅 | - | 近畿日本鉄道:大阪線 | ||
柏田駅 | - | |||
加美駅 | - | 西日本旅客鉄道:関西本線(大和路線) | 大阪市平野区 | |
久宝寺駅 | - | 西日本旅客鉄道:関西本線(大和路線) | 八尾市 |
- 既設のJR駅以外の駅名は全て仮称。特に、高井田駅については、近くの柏原市の関西本線に同名の駅がすでに存在するため、名称が変わる可能性が高い。
- 前述したように、2008年予定の部分開業で学研都市線、大和路線の直通運転が実施された場合、鴫野駅も実質的には2008年から乗り入れ開始となる見通し。
[編集] 城東貨物線
片町線の鴫野駅から東海道本線の吹田駅までと、片町線の放出駅から関西本線の八尾駅および平野駅(正覚寺信号場)に至る貨物線で、正式には片町線の貨物支線である。全線が単線で、放出~吹田間が直流電化されている。西日本旅客鉄道が第一種鉄道事業者であるが旅客列車は運行していない。第二種鉄道事業者である日本貨物鉄道が、吹田信号場から大阪市平野区にある百済駅までの間に貨物列車を運行しているほか、東大阪市の徳庵駅近くにある近畿車輛で製造された鉄道車両の輸送に使われている。
定期貨物列車は、コンテナ車のみで編成された高速貨物列車が吹田信号場~百済駅間に1日5往復運行されている。牽引機はDD51形ディーゼル機関車。1往復のみDE10形ディーゼル機関車が牽引する。
行き違いのため、加美~放出間に蛇草(はぐさ)信号場(工事のため廃止)、鴫野~吹田間に都島信号場(工事開始以前に廃止)が設けられていた。
八尾駅が終点とされているが、かつて竜華操車場があった久宝寺駅が実質的な終点となっている。現在、久宝寺方面への線路は高架化工事のためレールが撤去され、貨物列車が通る平野方面への分岐線だけが加美~平野間の旧・正覚寺信号場(1961年に平野駅構内扱いとなり廃止)で関西本線に繋がっている。また、城東区の巽信号場や鴫野駅からは淀川駅(貨物駅)への貨物線が分岐していたが、1982年に淀川駅ともに廃止された。
鴫野~吹田間の淀川に架かる城東貨物線淀川橋梁(赤川鉄橋)は、複線用の橋梁であるが片側の1線だけが使われ、もう片側は歩道になっている(鉄道道路併用橋)。今後は複線使用開始により、大阪市が新たに人道橋を建設する計画もある。
旅客線化にあたり、新大阪~淡路間は複線の新線が建設、淡路~鴫野間は複線化、放出~久宝寺間は複線電化される。現在片町線の本線と共用している鴫野~放出間は別線化(複々線化)され、内側の2線を大阪外環状線が使用することになる。
[編集] 参考文献
- 若菜邦雄・宮田信雄「大阪外環状線の整備計画」
- 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』1999年11月号 No.677 p66~p69
[編集] 出典
[編集] 関連項目
- 日本の鉄道路線一覧
- アーバンネットワーク
- 塩川正十郎
- 東京外環状線:1960年代に国鉄によって貨物線として計画された鉄道路線。現在の武蔵野線・京葉線・東京臨海高速鉄道りんかい線・東海道貨物線に該当する。
[編集] 外部リンク
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