全英オープン (ゴルフ)
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全英オープンゴルフ(ぜんえい-)はゴルフの世界4大メジャートーナメント大会の一。正式名称はThe Open Championship。イギリスのゴルフ競技団体R&A(ロイヤル・アンド・エンシェント・ゴルフクラブ)主催で、毎年7月中旬に開催される。4大メジャートーナメントの中で最も歴史のある大会で、2006年で135回目を迎える。日本のプロスポーツの中で最古の大会は中央競馬の天皇賞であるが(2006年5月現在、春の京都競馬場開催で133回目、秋の東京競馬場開催で134回目(予定)。なお1944~1946年は戦争のため中止)、それを上回る回数になる。
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[編集] 概要
第1回は1860年にプレスト・ウィックで開かれ、ウィリー・パーク選手が優勝した。それ以後は1871年、1915~1919年、1940~1945年の戦争などによる中止をはさみながら、毎年開催する地区を変えて実施している。
なお開催ゴルフ場についてはシーサイドリンクス(海岸に立地する場)に限るという不文律があり、また5年に1回はゴルフの聖地といわれているセント・アンドリュース(R&A本部がある)での開催が慣例となっている。(本来セント・アンドリュースでは2006年開催予定の大会が、ジャック・ニクラウス選手のメジャートーナメント完全引退試合と定めたことから、1年前倒して2005年に開いた。)
近年ではセントアンドリュース、ロイヤルリザム&セントアンズ、ロイヤルトルーン、ロイヤルセントジョージス、ロイヤルバーグデール、ミュアフィールド、ターンベリーの7コースの持ち回りで開催されている。この他特別企画として1999年にカーヌスティ、2006年にはロイヤルリバプール(ホイレイク)で開催された。ちなみにカーヌスティは2007年開催予定のため、今後開催コースのローテンションに加わると思われる。
近年の傾向としてはセントアンドリュースが最もやさしく、スコアがでやすい。ロイヤルリザム&セントアンズ、ロイヤルトルーン、ターンベリーも優勝スコアが10アンダーをこえる。反面ロイヤルセントジョージス、ロイヤルバーグデール、カーヌスティはスコアが出にくく、アンダーパーが出れば優勝である。99年のカーヌスティーのポール・ローリーの6オーバーは近年ではワーストスコアである。2007年も優勝スコアはオーバーパーであろう。
プレーオフは一般的な最初からのサドンデスではなく、4ホールのストロークによって争われ、それでも決着が付かなければサドンデスである。以前は翌日18ホールのストローク・プレーだった。(すなわち、もう1ラウンドを回ること。全米オープンでは現在も採用されている。)
優勝者には「クラレット・ジャグ」と呼ばれる優勝トロフィーが贈られる。
[編集] 2005年大会出場資格
- 2004年全英オープン上位10位タイまでの者
- 歴代優勝者で2005年7月17日時点で満65歳以下の者
- 2005年6月5日時点で、世界ランキング上位50位以内の者
- 2004年欧州ツアー賞金ランキング上位20位以内の者
- 2003年から05年の欧州ツアーPGA選手権優勝者
- 2005年欧州ツアーPGA選手権終了時点の上位3位タイで、他のカテゴリーで資格を持たない賞金ランキング上位20位以内の者
- 2005年のブリティッシュ・マスターズ、フランスオープン、全米オープンの他のカテゴリーで資格を持たない上位2位タイで、2004年欧州ツアーメンバーであること。
- 2005年のスマーフィット・ヨーロピアン・オープンとバークレーズ・スコットランド・オープンの優勝者
- 2001年から05年までの全米オープン優勝者
- 2000年から05年までのマスターズ優勝者
- 2000年から05年までのマスターズ優勝者、2004年までの全米プロゴルフ選手権優勝者
- 2003年から05年のプレーヤーズ選手権優勝者
- 2004年USPGAツアー賞金ランキング上位20位までの者
- 2005年の「フェデックス・セントジュード・クラシック」終了時までの他のカテゴリーで出場資格を持たない賞金額上位3位までの者
- 2005年「ウェスタン・オープン」を含めたUSPGAチャンピオンシップまでの5試合で、他の出場資格を持たないUSPGAツアーの賞金額上位2位までの者
- 2005年ウェスタンオープンと2005年「ジョンディア・クラシック」で、他の出場資格を持たないカテゴリー15の上位者
- 2004年ライダーカップメンバー(米国チーム、欧州チーム代表選手)
- 2004年アジアン・ツアー賞金ランキング1位の者
- 2004年オーストラレーシア・ツアーの上位2位までの者
- 2004~2005年シーズン、南アフリカ・サンシャインツアーの賞金ランキング1位の者
- 2004年カナディアン・オープン優勝者
- 2004年日本オープン優勝者
- 2004年日本ゴルフツアー賞金ランキングで、他のカテゴリーで出場資格を持たない上位2位までの者
- 2005年ミズノオープンで、他のカテゴリーで出場資格を持たない上位4位までの者
- 2005年のミズノオープンを含む、日本ツアー公式賞金累積上位24名のうち他のカテゴリーで出場資格を持たない上位2位までの者
- 2004年全英シニアオープン優勝者
- 2005年アマチュアチャンピオン優勝者
- 2004年全米アマチュア選手権優勝者
- 2004年欧州アマチュア選手権優勝者
[編集] 記録
- 最多優勝回数:6回,ハリー・バードン(1896年,1898年,1899年,1903年,1911年,1914年)
- 最多2位回数:7回,ジャック・ニクラス(1964年,1967年,1968年,1972年,1976年,1977年,1979年)
- 最多連続優勝:4回,トム・モリス・ジュニア(1868年,1869年,1870年,1872年)
- 最年少優勝者:トム・モリス・ジュニア(17歳5ヶ月8日),1868年
- 最年長優勝者:トム・モリス・シニア(46歳99日),1867年
- 72ホールの最高スコア:267,グレグ・ノーマン(66-68-69-64),1993年
- 日本人選手の最高位:4位,倉本昌弘,1982年
[編集] 歴代優勝者
1915年-1919年 第一次世界大戦のためトーナメント中止
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[編集] 日本代表選手選考会
- 毎年5~6月に開かれる日本ゴルフツアー機構公認トーナメント大会(日本プロゴルフ選手権大会、マンシングウェアオープン KSBカップ、三菱ダイヤモンドカップゴルフ、JCBクラシック仙台、マンダム・ルシード よみうりオープンゴルフトーナメント、全英への道 ミズノオープンゴルフトーナメント)を「全英オープン日本代表選手選考会」と位置づけて開催している。
- 先述各大会に於ける獲得賞金ランキングの上位2名、並びにミズノオープンの上位4選手(何れもすでに当大会出場資格を獲得している選手を除く)に対して当大会の出場資格を獲得できる。
- 参考 その他の日本代表有資格選手
- 当該年度5月末までの世界ランキング上位50位までの選手
- 前年度の日本オープンゴルフ選手権競技優勝選手
- 前年度の日本ゴルフツアー機構賞金ランキング上位2位までの選手
他のメジャー大会に比べて、日本選手が出場する人数が多いが、これは、長年に渡り長時間中継し、莫大な放映権料を払っているテレビ朝日に対する見返りであることは明らかである。しかし、毎年のように成績がふるわないため、他の国のツアー側からは不満がくすぶっている。
[編集] TV放送
[編集] 日本
- 日本ではテレビ朝日系列で地上波独占放送している。放送は第1日と第2日は木曜・金曜23:10~28:00、第3日は土曜23:00~27:00、最終日は21:00~26:30(但し、土日の決勝ラウンドに関しては最終組の競技終了・優勝者が決まるまで延長して放送される。)その為、木曜のネオバラエティ枠(現在は「アメトーーク!」)、金曜ナイトドラマ、「SmaSTATION」、「日曜洋画劇場」「素敵な宇宙船地球号」といったネット番組などは休止している。また土日の決勝ラウンド内では一旦中断し、ANNニュースを放送している。
- 1998年~2002年までは土日の決勝ラウンドは2部構成となったが、2002年の第131回の最終日に丸山茂樹が一時首位に立ったパッティングの瞬間に一旦番組を終了し「ANNニュース」と「大相撲ダイジェスト」を放送したが、中断の間に順位が落ちたため、視聴者から苦情・抗議の電話などが殺到、また久米宏も週明けの「ニュースステーション」において局に対し、この年のゲストビートたけしもフジテレビのたけしメインの深夜番組でも苦言を呈した。
- そのため、2003年から土日の決勝ラウンドの編成がこれまでの2部構成から現在の1部統一に変わった経緯に至った。また、1999年~2003年までは「土曜ワイド劇場」は90分の編集版の後22:30から放送された。(1998年は通常放送で1時間前倒しして20:00から、2003年は世界水泳・シンクロチーム決勝の為90分の編集版として21:30から放送した。)
- また、日曜日が「選挙STATION」(久米宏時代)編成された時は23:00や深夜0:30に開始した年もあった。年によってゲストとして有名人が出演することもあり、過去には長嶋茂雄、谷村新司、武田鉄矢、浜田雅功、KONISHIKI、小倉智昭(ゲストと言うより司会だった)、ビートたけし(放送では北野武として出演 但し最終日のみの出演)が出演していた。また出演時にたけしがポロッとこぼしていたが、放送翌日打ち上げを兼ねて、開催コースをラウンドするのが慣行になっているようである。2004年・2005年は松岡修造がリポーター役として参加(3日目は帰京のため参加せず代わってテレビ朝日のアナウンサーが担当する)、最終日は長島三奈が松岡と一緒に東京スタジオの進行として参加していた。2006年は松岡は大会4日間を通して現地の滞在、特設スタジオを設置した。
- 2003年までは最終日後日の月曜夜のネオバラエティ枠で「最終日ハイライト」を放送した。
- 実況アナウンサーは局アナの森下桂吉が担当しているが、2001年は森下が「世界水泳2001FUKUOKA」のシンクロの実況を勤めた為に、予選2日間を田原浩史アナ(森下とは6年後輩)・決勝2日間を渡辺宜嗣アナ(森下とは5年先輩)が担当した。2003年は森下アナが担当したが大会終了後に大会会場に出向く形になった。(なおこの年のシンクロの実況はすべて角澤照治アナが担当した。)
- 近年では、解説に青木功と戸張捷(ゴルフツアープロデューサー)、ラウンド解説に羽川豊を据える体勢が恒例となっている(かつては大町昭義もラウンド解説を担当していた)。尚、3日目、最終日になると、青木が気まぐれでラウンド解説に向かうことがあり、その際にはラウンド解説の羽川がスタジオに戻って解説を行う。
[編集] スポンサー
- 2006年分
- 当初はPanasonicも提供する予定だったが取りやめた。
- 2006年分からはこれらのスポンサー(一部のスポンサーを除く)は「全英女子オープンゴルフ」も兼務した。
[編集] 日本以外
- イギリスではBBCで中継されている。