富士川駅
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富士川駅(ふじかわえき)は、静岡県庵原郡富士川町中之郷にある東海旅客鉄道(JR東海)東海道本線の駅である。
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[編集] 駅構造
かつては駅周辺にある王子製紙岩淵工場やノダ富士川工場、本線に沿い駅南にある日本軽金属蒲原製造所へ続く専用線があった。
[編集] 駅周辺
- 富士川郵便局
当駅からは山交タウンコーチのバスが身延、富士宮、蒲原方面へ運行されている。
[編集] 歴史
東海道本線の建設が決定した際、駅に関しては当初宿場町単位でおく予定であったため、吉原宿の隣は蒲原宿のあったところに置く事になっていた。その間にある岩淵村(現、富士川町)は身延山久遠寺への身延道が東海道から分岐する間の宿であり、正式な宿場ではなかったために駅設置の予定はなかったのである。しかし岩淵村では地元の有力者が発起し、隣村であり東海道本線が通っていた中之郷村へ「岩淵駅」を設置するよう直接陳情を行い、最終的に土地提供を行うことを条件にして、蒲原宿に代わってこの地に駅が設けられることになったのである。これには村内でも賛否両論があり、駅設置賛成派の暗殺も企てられたといわれる。結果として蒲原宿のあった場所には駅が設けられず、蒲原町ではその後に駅設置の請願を行って1890年5月16日に蒲原駅が設けられたが、由比宿と蒲原宿の双方の利便を図ってその間である堰沢村に設けられたため、宿場町からは離れていた。かつて蒲原宿のあったところの近くに駅が設けられたのは、1968年10月1日に新蒲原駅が置かれた時であった。
1900年に制作された『鉄道唱歌』第1集東海道編では、この辺りを富士川における源平合戦と身延からの海運を題材にして、以下の様に歌った。
18.鳥の羽音におどろきし 平家のはなしは昔にて 今は汽車ゆく富士川を 下るは身延の帰り舟
- 1889年(明治22年)2月1日 - 国鉄東海道本線 国府津駅~静岡駅間の開通と同時に、岩淵駅(いわぶちえき)として開業。旅客・貨物の取扱を開始。
- 1970年(昭和45年)6月1日 - 富士川駅に改称。
- 1984年(昭和59年)2月1日 - 荷物取扱を廃止。
- 1985年(昭和60年)3月10日 - 貨物取扱を廃止。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、JR東海の駅となる。