京都新聞杯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
京都新聞杯 | |
---|---|
距離 | 芝2200m |
開催地 | 京都競馬場 |
グレード | JpnII |
条件 | 3歳牡・牝 |
1着賞金 | 5,400万円 |
負担重量 | 牡馬 56kg、牝馬 54kg |
創設 | 1953年10月11日 |
京都新聞杯(きょうとしんぶんはい)は、日本中央競馬会(JRA)が京都競馬場の芝2200mで施行する中央競馬の重賞(JpnII)競走である。競走名は優勝杯を提供する京都新聞社から冠名が取られている。
目次 |
[編集] 概要
1953年にクラシック競走である菊花賞の前哨戦として4歳(現3歳)限定の別定の重賞競走、京都盃として創設、第1回は現在とは違い京都競馬場の芝2400mで施行された。しかし1956年のみは出走資格を4歳(現3歳)以上、負担重量をハンデキャップ、施行距離を芝2000mに変更、1957年からは出走資格を再び4歳(現3歳)に戻し、施行距離を芝1600mに変更、1958年からは負担重量を再びハンデキャップ、施行距離を芝1800mに変更、1960年からは負担重量を再び別定に戻した。
1966年からは再び施行距離を芝2000mに変更、1967年からは菊花賞トライアルに指定、上位5着までに入賞した競走馬には菊花賞の優先出走権が与えられるようになり、更に菊花賞の前哨戦の意味合いを高める事になり、1999年まで菊花賞トライアルとして定着する事になる。
1969年からは負担重量を定量に変更し、1971年からは京都新聞社から優勝杯の提供を受けたのを機に、現在の京都新聞杯に変更、1976年は阪神競馬場の芝2000mで施行、1979年は京都競馬場の改修工事による振替開催により中京競馬場の芝2000mで施行、1980年は京都競馬場の改修工事により阪神競馬場の芝2000mで施行、1984年からはグレード制施行によりGIIに格付け、施行距離を芝2200mに変更、1994年は京都競馬場の改修工事により阪神競馬場の芝2200mで施行、1995年からは指定競走に指定地方所属の競走馬も出走可能になり、1着に入賞した競走馬のみに菊花賞の優先出走権が与えられるようになった。
芝3000mの長距離競走である菊花賞の前哨戦としては結びつかない芝2200mで施行していた事もあり、競馬ファンやマスコミに疑問視されていたが、本競走と菊花賞を連勝した馬は別表のとおり8頭いる。ただし、シンザン・ミスターシービー・ナリタブライアンと本競走に出走した後の牡馬クラシック三冠馬は単勝1番人気に推されながら全て敗れている。逆に本競走で優勝した二冠馬ミホノブルボンは菊花賞を2着と敗れ牡馬クラシック三冠競走制覇を達成できなかった。
2000年からは中央競馬における番組改定により、京都4歳特別の競走機能を引き継ぐ形で混合競走に指定され、施行距離を芝2000mに、負担重量を別定に、施行時期を5月に変更し、菊花賞トライアルから指定が外され東京優駿(日本ダービー)の前哨戦として位置付けされるようになった。同時に、鳴尾記念と共に中央競馬におけるグレード制施行から初めてグレード降格となりGIIIに格付けされたが、2001年からは再びGIIに格付けされ負担重量が定量に変更、2002年からは施行距離を芝2200mに戻し、2003年からは負担重量を馬齢に変更した。
東京優駿(日本ダービー)の優先出走権枠外の上位総収得賞金額順で出走を目指す競走馬の前哨戦となっている為、東京優駿(日本ダービー)の「東上最終便」と呼ばれているが、本競走からは第67回優勝馬アグネスフライトのみが東京優駿(日本ダービー)を制覇している。
出走資格は、サラ系3歳(旧4歳)のJRA所属の競走馬(外国産馬含む)及びJRAに認定された地方所属の競走馬。
負担重量は、馬齢で56キロ、牝馬は54キロである。
総額賞金は1億250万円で、1着賞金5,400万円、2着賞金2,200万円、3着賞金1,400万円、4着賞金810万円、5着賞金540万円と定められている。
上位2着までに入賞した地方所属馬には東京優駿(日本ダービー)への出走権が与えられる。
現在の優勝レイは紫色の地に金色の文字で、 菊花賞トライアル時代はコスモスの模様が地にあしらわれていたが、 上述の施行時期変更に伴いアヤメの模様に変わった。
[編集] 歴史
- 1953年 - 京都競馬場の芝2400mの4歳(現3歳)限定の別定の重賞競走、京都盃として創設。
- 1956年
- 1957年
- 出走資格を4歳(現3歳)限定に変更。
- 負担重量を別定に戻す。
- 施行距離を芝1600mに変更。
- 1958年 -
- 負担重量を再びハンデキャップに変更。
- 施行距離を芝1800mに変更。
- 1960年 - 負担重量を別定に戻す。
- 1966年 - 施行距離を芝2000mに戻す。
- 1967年 - 菊花賞トライアルに指定。
- 1969年 - 負担重量を定量に変更。
- 1971年 - 京都新聞社から優勝杯の提供を受け、名称を京都新聞杯に変更。
- 1976年 - 阪神競馬場の芝2000mで施行。
- 1979年 - 京都競馬場の改修工事による振替開催により中京競馬場の芝2000mで施行
- 1980年 - 京都競馬場の改修工事により阪神競馬場の芝2000mで施行。
- 1984年
- グレード制施行によりGIIに格付け。
- 施行距離を芝2200mに変更。
- 1994年 - 京都競馬場の改修工事により阪神競馬場の芝2200mで施行。
- 1995年
- 1999年 - 武豊が騎手として2人目の連覇。
- 2000年
- 施行時期を5月に変更。
- 菊花賞トライアルから除外。
- GIIIに降格。
- 混合競走に指定。
- 負担重量を別定に変更。
- 施行距離を芝2000mに変更。
- 2001年
- 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件が「4歳」から「3歳」に変更。
- 再びGIIに格付け。
- 負担重量を定量に変更。
- 2002年 - 施行距離を芝2200mに変更。
- 2003年 - 負担重量を馬齢に変更。
- 2007年 - ICSCの勧告に伴う競走格付けの変更により、グレード表記をJpnIIに変更。
[編集] 歴代優勝馬
回数 | 施行日 | 優勝馬 | 性齢 | 勝時計 | 優勝騎手 | 管理調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|
第1回 | 1953年10月11日 | ダイサンホウシユウ | 牡3 | 2:32 2/5 | 上田三千夫 | 上田武司 |
第2回 | 1954年10月3日 | ミネマサ | 牡3 | 2:33 2/5 | 斉藤義美 | 伊藤正四郎 |
第3回 | 1955年9月25日 | ヤサカ | 牡3 | 2:32 2/5 | 栗田勝 | 武田文吾 |
第4回 | 1956年9月23日 | ヤサカ | 牡4 | 2:04 4/5 | 浅見国一 | 武田文吾 |
第5回 | 1957年9月23日 | ヨドサクラ | 牝3 | 1:53 2/5 | 伊藤修司 | 伊藤勝吉 |
第6回 | 1958年9月21日 | ホウシユウサクラ | 牡3 | 1:51 1/5 | 上田三千夫 | 上田武司 |
第7回 | 1959年9月20日 | ウイルデイール | 牡3 | 1:51.2 | 宇田明彦 | 星川泉士 |
第8回 | 1960年9月18日 | ヘリオス | 牡3 | 1:49.9 | 大久保正陽 | 大久保亀治 |
第9回 | 1961年11月5日 | ミスケイコ | 牝3 | 1:52.7 | 清田十一 | 伊藤勝吉 |
第10回 | 1962年11月11日 | コレヒサ | 牡3 | 1:50.6 | 森安重勝 | 尾形藤吉 |
第11回 | 1963年11月3日 | コウライオー | 牡3 | 1:50.9 | 浅見国一 | 吉田三郎 |
第12回 | 1964年11月1日 | バリモスニセイ | 牡3 | 1:51.9 | 諏訪真 | 諏訪佐市 |
第13回 | 1965年10月31日 | キーストン | 牡3 | 1:49.9 | 山本正司 | 松田由太郎 |
第14回 | 1966年10月23日 | ハードイツト | 牝3 | 2:02.5 | 簗田善則 | 坪重兵衛 |
第15回 | 1967年10月29日 | サトヒカル | 牡3 | 2:04.0 | 栗田勝 | 大久保亀治 |
第16回 | 1968年10月27日 | タニノハローモア | 牡3 | 2:05.5 | 宮本悳 | 戸山為夫 |
第17回 | 1969年10月26日 | キングスピード | 牡3 | 2:10.9 | 武田悟 | 夏村辰男 |
第18回 | 1970年10月25日 | タマホープ | 牡3 | 2:04.5 | 清水久雄 | 増本勇 |
第19回 | 1971年10月24日 | ニホンピロムーテー | 牡3 | 2:02.8 | 福永洋一 | 服部正利 |
第20回 | 1972年10月22日 | タイテエム | 牡3 | 2:03.3 | 須貝四郎 | 橋田俊三 |
第21回 | 1973年10月21日 | トーヨーチカラ | 牡3 | 2:08.3 | 田島良保 | 斉藤義美 |
第22回 | 1974年10月20日 | キタノカチドキ | 牡3 | 2:03.7 | 武邦彦 | 服部正利 |
第23回 | 1975年10月19日 | コクサイプリンス | 牡3 | 2:06.2 | 井高淳一 | 稗田敏男 |
第24回 | 1976年10月24日 | トウショウボーイ | 牡3 | 2:02.2 | 福永洋一 | 保田隆芳 |
第25回 | 1977年10月23日 | プレストウコウ | 牡3 | 2:01.1 | 郷原洋行 | 加藤朝治郎 |
第26回 | 1978年10月22日 | メジロイーグル | 牡3 | 2:01.6 | 河内洋 | 伊藤修司 |
第27回 | 1979年10月21日 | ファインドラゴン | 牡3 | 2:00.9 | 南井克巳 | 内田繁三 |
第28回 | 1980年10月19日 | オーバーレインボー | 牡3 | 2:07.0 | 佐々木晶三 | 中村武志 |
第29回 | 1981年10月18日 | サンエイソロン | 牡3 | 2:00.8 | 小島太 | 古山良司 |
第30回 | 1982年10月24日 | ハギノカムイオー | 牡3 | 2:02.8 | 伊藤清章 | 伊藤修司 |
第31回 | 1983年10月23日 | カツラギエース | 牡3 | 2:02.0 | 西浦勝一 | 土門一美 |
第32回 | 1984年10月21日 | ニシノライデン | 牡3 | 2:14.6 | 伊藤清章 | 伊藤修司 |
第33回 | 1985年10月20日 | ミホシンザン | 牡3 | 2:14.5 | 柴田政人 | 田中朋次郎 |
第34回 | 1986年10月19日 | タケノコマヨシ | 牡3 | 2:14.3 | 伊藤清章 | 伊藤修司 |
第35回 | 1987年10月18日 | レオテンザン | 牡3 | 2:16.3 | 武豊 | 吉野勇 |
第36回 | 1988年10月16日 | ヤエノムテキ | 牡3 | 2:14.5 | 西浦勝一 | 荻野光男 |
第37回 | 1989年10月15日 | バンブービギン | 牡3 | 2:13.4 | 南井克巳 | 布施正 |
第38回 | 1990年10月14日 | メジロライアン | 牡3 | 2:12.3 | 横山典弘 | 奥平真治 |
第39回 | 1991年10月13日 | ナイスネイチャ | 牡3 | 2:15.6 | 松永昌博 | 松永善晴 |
第40回 | 1992年10月18日 | ミホノブルボン | 牡3 | 2:12.0 | 小島貞博 | 戸山為夫 |
第41回 | 1993年10月17日 | ウイニングチケット | 牡3 | 2:13.3 | 柴田政人 | 伊藤雄二 |
第42回 | 1994年10月16日 | スターマン | 牡3 | 2:12.1 | 藤田伸二 | 長浜博之 |
第43回 | 1995年10月15日 | ナリタキングオー | 牡3 | 2:11.4 | 藤田伸二 | 中尾謙太郎 |
第44回 | 1996年10月13日 | ダンスインザダーク | 牡3 | 2:14.1 | 武豊 | 橋口弘次郎 |
第45回 | 1997年10月12日 | マチカネフクキタル | 牡3 | 2:13.1 | 南井克巳 | 二分久男 |
第46回 | 1998年10月18日 | スペシャルウィーク | 牡3 | 2:15.0 | 武豊 | 白井寿昭 |
第47回 | 1999年10月17日 | アドマイヤベガ | 牡3 | 2:12.3 | 武豊 | 橋田満 |
第48回 | 2000年5月6日 | アグネスフライト | 牡3 | 1:59.8 | 河内洋 | 長浜博之 |
第49回 | 2001年5月4日 | テンザンセイザ | 牡3 | 1:59.8 | 幸英明 | 藤原英昭 |
第50回 | 2002年5月3日 | ファストタテヤマ | 牡3 | 2:12.5 | 安田康彦 | 安田伊佐夫 |
第51回 | 2003年5月10日 | マーブルチーフ | 牡3 | 2:15.4 | 池添謙一 | 田所清広 |
第52回 | 2004年5月8日 | ハーツクライ | 牡3 | 2:11.9 | 安藤勝己 | 橋口弘次郎 |
第53回 | 2005年5月7日 | インティライミ | 牡3 | 2:13.0 | 佐藤哲三 | 佐々木晶三 |
第54回 | 2006年5月6日 | トーホウアラン | 牡3 | 2:14.8 | 藤田伸二 | 藤原英昭 |
[編集] 本競走からの菊花賞優勝馬
創設年から1999年まで菊花賞の前哨戦(菊花賞トライアル)として施行されているが、24頭(内8頭が優勝馬)の出走馬が菊花賞で優勝した。
回数 | 施行日 | 馬名 | 性齢 | 着順 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
第2回 | 1954年10月3日 | ダイナナホウシユウ | 牡3 | 2着 | 第32回天皇賞(秋)優勝 |
第10回 | 1962年11月11日 | ヒロキミ | 牡3 | 8着 | - |
第12回 | 1964年11月1日 | シンザン | 牡3 | 2着 | 戦後初の牡馬クラシック三冠馬 |
第16回 | 1968年10月27日 | アサカオー | 牡3 | 2着 | - |
第17回 | 1969年10月26日 | アカネテンリュウ | 牡3 | 2着 | - |
第18回 | 1970年10月25日 | ダテテンリュウ | 牡3 | 4着 | - |
第19回 | 1971年10月24日 | ニホンピロムーテー | 牡3 | 1着 | - |
第21回 | 1973年10月21日 | タケホープ | 牡3 | 8着 | 第69回天皇賞(春) |
第22回 | 1974年10月20日 | キタノカチドキ | 牡3 | 1着 | - |
第23回 | 1975年10月19日 | コクサイプリンス | 牡3 | 1着 | - |
第25回 | 1977年10月23日 | プレストウコウ | 牡3 | 1着 | - |
第26回 | 1978年10月22日 | インターグシケン | 牡3 | 4着 | - |
第28回 | 1980年10月19日 | ノースガスト | 牡3 | 2着 | - |
第29回 | 1981年10月18日 | ミナガワマンナ | 牡3 | 9着 | - |
第31回 | 1983年10月23日 | ミスターシービー | 牡3 | 4着 | 3頭目の牡馬クラシック三冠馬 |
第33回 | 1985年10月20日 | ミホシンザン | 牡3 | 1着 | 第95回天皇賞(春)優勝 |
第36回 | 1988年10月16日 | スーパークリーク | 牡3 | 6着 | 第100回天皇賞(秋)優勝 |
第101回天皇賞(春)優勝 | |||||
第37回 | 1989年10月15日 | バンブービギン | 牡3 | 1着 | - |
第40回 | 1992年10月18日 | ライスシャワー | 牡3 | 2着 | 第107回・第111回天皇賞(春)優勝 |
第42回 | 1994年10月16日 | ナリタブライアン | 牡3 | 2着 | 5頭目の牡馬クラシック三冠馬 |
第43回 | 1995年10月15日 | マヤノトップガン | 牡3 | 2着 | 第40回有馬記念優勝 |
第37回宝塚記念優勝 | |||||
第115回天皇賞(春)優勝 | |||||
第44回 | 1996年10月13日 | ダンスインザダーク | 牡3 | 1着 | - |
第45回 | 1997年10月12日 | マチカネフクキタル | 牡3 | 1着 | - |
第47回 | 1999年10月17日 | ナリタトップロード | 牡3 | 2着 | - |
[編集] 本競走からの東京優駿(日本ダービー)優勝馬
2000年から東京優駿(日本ダービー)の前哨戦として施行されているが、第48回優勝馬アグネスフライトただ1頭が東京優駿(日本ダービー)で優勝している。
回数 | 施行日 | 馬名 | 性齢 | 着順 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
第48回 | 2000年5月6日 | アグネスフライト | 牡3 | 1着 | - |